ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
すっかりと寒くなりラーメンが美味しい季節なQooオレンジでございます。
今回も本編第12話となります。
それでは 第12話「騎翔天結」そのじゅういち 始まります。
バトルを終えた私たちはそれぞれの筐体から出て今回のバトルの反省会をしようとしていたんだけど…
「かったー!絵里ちゃんにかったー!!!やっふーー!きゃっふーー!うひょーーー!!!」
どうにもこうにもそれどころじゃないっぽいのよねー。
それぞれ悲喜こもごもって状態よ。
まずは↑を見て貰えばわかると思うけど、今回のバトルで見事に格上である絵里を撃墜してみせた穂乃果。
喜びのあまり奇怪な謎の踊りを踊って喜びまくってるわ。
まぁ一言で言えばもうあれね、あれ。
うん、アホ。
そしてそのアホに墜とされやがった自称ベテラン(笑)で堅牢な装甲が売り(笑)の突撃ロシアンキツネ(笑)の絵里(笑)はと言うと…
「負けた…また穂乃果に負けた…私、一応はベテランなのに…防御特化で無敵なはずなの…それなのに…ほぼ素人に…ほぼ素人…ほぼ素人…2連敗…2連敗…2連敗………。」
床に両手をついて見事なorzポーズをしていたわ。
四つん這いでデカいケツを突き出しちゃって……なんか身体の成長率的にムカついて来たからとりあえずおもいっきり蹴飛ばしてやろうかしら?
それにしてもorzだなんて久し振りに見たわね。
もうこれって今じゃほとんど使われてない表現なんじゃないの?
最近は見てない気がするのよね?
まぁそれは別にどーでもいいとして、ぶっちゃけ絵里のロシアンキツネのヤツったら、ざまぁよね。
とりあえず写真撮っておこっと♪
この画像で後で徹底的にからかってやるわ♪
で、もう1人の敗者である真姫はと言うと…
「別に勝ち負けなんてどうでも良いけど、自分の腕を引き抜いてこん棒代わりに使う蛮族に負けたのは少しだけ悔しいわね。」
と、憮然とした顔で前髪を人差し指でくるくると弄りながらそんな事を言っていたわ。
んっふふふー♪
勝ち負けなんてどーでもいいだなんて、真姫ったら見事な負け惜しみね♪
まぁこのにこにーサマに勝とうだなんて1億と二千年早いってのよ♪
「って!うぉい!待てや!このセレブっ娘!!!」
たかが腕を1本引っこ抜いてこん棒にしただけなのになんで蛮族だなんて言われなきゃダメなのよ!
知恵をしぼってある物を使って武器にしたんだからむしろ蛮族じゃなくて天才でしょ!天才!
それなのに…それなのに…それなのに…!!!
「誰が蛮族じゃ!誰ぐぅわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ぐわー!だって!にこちゃん変なのー!」
「ごるぅらぁぁぁぁ!!!穂乃果ぁぁぁ!変ってなんじゃ!変って!!!この大銀河宇宙No.1超絶天才美少女スクールファイターのにこにーサマに対して変とかふざけんな!ボケがぁぁぁぁぁぁ!!!」
「イミワカンナイ。やっぱり蛮族じゃない。」
「蛮族じゃなかったらただのチンピラよね。」
「あのね!あのね!穂乃果!知ってるよ!にこちゃんみたいにわーわーうるさい人のことって“やんきー”って言うんだよ!」
「蛮族じゃねぇーし!チンピラじゃねぇーし!ヤンキーでもねぇーし!!!ってかうっさくもねーし!!!」
コイツら…言わせておけば好き勝手言いやがって!
マシでぬっ殺すわよ!!!
「ってか1億歩譲って蛮族とチンピラはよしとしても、穂乃果のヤツのヤンキーってのはドコから出て来たのよ!なんでヤンキーよ!ヤンキー!あれなの?初代ポケモンの赤・緑でトキワシティの横のセキエイ高原の入り口辺りで出てくる格闘単タイプの猿なの?進化するとオコリザルになる猿なの?って!それはマンキーでしょ!マンキー!人がボケてやってんだから誰か突っ込みなさいよね!!!」
「ほんと、イミワカンナイ。」
はいイミワカンナイいただきましたー。
「はいはい。おしゃべりはそこまでよ?反省会始めるわよー。」
「はーい!」
「はいはい。」
ぐぬぬぬっ!謎の踊りを踊ったりorzでケツを突き出していたり負け惜しみ言ったりした連中をクールに実況してただけなのにいつの間にかにこにーサマがアホみないな流れになってるし!
解せないわ!実に解せないわ!!!
HGUCのZZ系で個人的に1番発売して欲しいMS並に解せないわ!!!
「って!それは解せないじゃなくてゲゼでしょ!ゲゼ!!!あと絵里!それと真姫も!」
「ん?なーに?にこ?」
「ナニよ?」
「“はい”は1回よ!お行儀悪いでしょ!!!」
「………ほんと、イミワカンナイ。」
「うふふ♪にこは厳しいわね♪」
「ふんっ!あったり前よ!!!」
だってにこにーサマは頼れるお姉ちゃんなんですもの♪
「さて、それじゃ改めて今度こそ反省会を始めましょ♪」
「はーい!」
「…はいは「ぐるぅらぁぁぁ!返事は!1回っつたろーぐうわぁぁぁぁ!!!」…はぁ…わかったわよ!わーかーりーまーしーたー!“はい!”もう!これでいいんでしょ!これで!」
「ん!良くできました!がんばった真姫にははなまるにこにーあげちゃうわ♪」
「ナニよ、はなまるにこにーって…やっぱりイミワカンナイ。」
またイミワカンナイ?
今日の真姫はそればっかりね。
「んっふふふ♪」
「…ナニ笑ってんよ…。」
絵里のヤツ、人の顔見ながらニコニコしやがって。
なんなのよ、マジで。
「別に♪」
「別にってアンタねぇ…。」
「何でもないわ♪何でも、ね♪(だってにこに“一緒に騒げる仲間が出来て良かったわね♪”とか言ったらまた大暴れしそうだし、ね♪) 」
「ふんっ!」
絵里のヤツ…あの顔はナニか上から目線で失礼な事を考えてやがるわね。
ぼっちじゃなくなってよかったわねー♪とか。
……………………………って!うぉい!誰がぼっちじゃ!誰が!!!って!またこの流れ!?もういい加減に飽きたんだけど!?
「ねぇ?はんせーかいやらないの?」
「あ…。」
「あ…。」
「あ…。」
「ごほん。それじゃ今度こそ改めて反省会を始めるわよ。まずは今回のバトルで自分でダメだったな?って思った事とかあるかしら?」
何度目になるかもうわかんなくなった仕切り直しの果てに、ようやく始まった反省会。
最初はにこにーサマが場を仕切っていたはずなんだけど、進行はいつの間にか絵里になっていたわ。
まぁそれは別にどーでもいいわ。
ここでその事を言い出したら確実にまたグダグダになるもの。
大人な対応ができちゃう大人でステキなレディのにこにーサマは大人しく反省会の議題(?)にそって今回のバトルで自分でダメだったな?ってとこを考えてあげるわ!
で?今回のバトルでダメだったとこ?
ふんっ!そんなのこの大銀河宇宙No.1超絶天才美少女スクールファイターのにこにーサマにあるわけないじゃない!って言いたい所なんだけど……今回の私は色々と迂闊過ぎだったわ。
絵里との空中戦の最中に高度を下げ過ぎていた事に気付かなかったり、絵里の狙いが途中から穂乃果の方に向いてい事に気付かなかったり。
他にも細かい事をあげたらキリが無い位に迂闊過ぎたわ。
今回のバトル…勝てはしたけどき当たりばったりもいい所だったわね。
まぁ私が行き当たりばったりなのはいつもの事な気もするんだけど。
「えーっと、あのね?穂乃果はね?やっぱりサテライトチャージが使えないとダメダメなんだなって思った…かな?さっき絵里ちゃんに勝てたのだって、にこちゃんからあの“きゃばりえーる”?ってバックパックを貸して貰えたからだし。そーじゃなきゃ穂乃果のソルストライクは空なんて飛べなかったし。だから、穂乃果はサテライトチャージを使わない時にもっとうまく戦える様にと、空を飛んだり色んな事ができるようになるソルストライクだけのストライカーパックを作ることが課題だと思う!」
「ん、そうね。穂乃果の言う通り、穂乃果はやっぱりサテライトチャージ抜きでも戦える様になる事が最優先の課題ね。あとはソルストライク専用のストライカーパックを作るのは1人で無理そうなら私たちも協力するから、その時は声を掛けてちょうだい。」
「うん!」
どうやら穂乃果は自分が強くなるために何をするべきかを明確に自覚したみたいね。
穂乃果みたいな単純なタイプは目標が決まればそこに向かってがむしゃらに突っ走るから、これからどんどん強くなって行くハズだわ。
「さて、それじゃ真姫はどうかしは?今日のバトルで何か反省した所とかあるかしら?」
「……バカみたいに熱くなり過ぎたわ。もう少し冷静にならなきゃ。」
「そうね。アンタ、私と戦って時は熱くなり過ぎて周りが見えてなかったもんね。」
「そんな事、言われなくてもわかってるわよ…。でもどうしてもカッとなるとあぁなっちゃうのよ。」
「海未に頼んでバトル系のマンガによくある精神修行?でもしてみたら?海未ならそこら辺の事に詳しそうだし。」
「………マンガとかよくわかんないけど、何か方法がないかちょっと海未に相談してみるわ。」
「まぁ頑張りなさい。アンタ、バトルの筋は悪く無いんだし頭も良いんだから。」
「ふん…次は負けないわ、絶対に。」
「そ。ならアンタのリベンジ、期待してるわ。」
真姫も穂乃果同様、これからまだまだ強くなれるわ。
新しいガンプラも作ってるみたいだしね。
「私たちももっともっと頑張らないとね?ねぇ、にこ♪」
「うっさいロシアンキツネ。ってかアンタは突撃するだけじゃなくもっと別の戦い方も考えなさいよね。」
「別の戦い方って言われても…ほら、私って不器用だし?」
「ぬわぁーにが不器用よ。あれだけ器用に荒縄振り回して生身で海未とガチガチにやり合ってるヤツがナニ言ってんだか。ってかアンタ、リアルであれだけ器用に荒縄振り回せるなら、いっそのこと“トールギス・ヴァルキュリア”にも荒縄持たせみたら?」
「うーん…そうねぇ…けど私としてはガンプラを縛っても面白くないのよね。縛るならやっぱり…(自分自身を縛りたいもん♪) 」
「…ナニ?最後の方よく聞こえなかったんだけど?」
「ん。別に♪何でもないわ♪」
変なヤツ。
ま、コイツが変なのは今に始まったことじゃないからどーでもいいわ。
さて、と。
とりあえずは…
「ねぇ穂乃果?」
「なぁーに?にこちゃん?」
今日がんばった穂乃果にご褒美のひとつでもあげようかしら。
「おもいっきり空を飛んでみて、どうだった?」
「おもいっきり空を飛んで?んー…ん!あのね!あのね!穂乃果ね!楽しかった!お空を飛んで!すっごく!すっごく!すっごーーーーく!楽しかった!こうね!ばびゅーん!って飛んで!すっごく速くて!」
私の不意の問い掛けに対して、穂乃果は“楽しかった”って子供みたいにはしゃぎながらそう答えてくれたわ。
「そ。」
楽しかった、ねぇ。
普通はぶっつけ本番で、しかもマトモな制御が効かない様な状態でいきなり空を飛んだりしたら怖いとか思うハズなんだけどね。
それなのにこの子は楽しかった、か。
なら…
「穂乃果。アンタにコレ、あげるわ。」
私のもう1つの相棒の“翼”を…
「えっ?」
アンタにくれてやるわ。
「私のブバルディアのキャバリエールをアンタにくれてやるわって言ってんのよ。」
いつかアンタ自身が自分だけの“翼”を作り上げるまでの間、特別に私の“翼”を使わせてあげるわ。
「あげるって…どーして?」
「ふんっ!そこのロシアンキツネをぶった切ったご褒美よ!ご褒美!」
「でも…」
「デモもストもないわ!何でもいいから黙って貰っときなさい!」
「にこちゃん…。」
「ナニ?アンタ、まさかせっかくのにこにーサマからのご褒美をいらないとかふざけたコト言うつもりじゃ無いでしょうね?まぁ仮にそんなコトを言ったりしやがったら即ぶん殴るけど。」
「ほ、穂乃果、殴られるのはイヤだなぁ…。」
「なら黙って受け取りなさい!ほら!」
私はそう言い放って穂乃果に“ザク・ブバルディア”の背中から外した“キャバリエールパック”を渡してやったわ。
「にこちゃん…ほんとにいいの?」
穂乃果は手にした“キャバリエールパック”に戸惑いながらそう聞いて来たわ。
「ん。大事に使ってやってね?」
ホント、大事に使って欲しいわ。
ぶっちゃけそれ、今じゃプレ値付いてるパーツとか結構使ってるんだから。
特にメインブースターに使っている、3代目メイジン・カワグチが作った“アメイジング・ブースター”のレプリカガンプラなんて、ここ何年も全く再販してなくて、リサイクルショップでも運良く見掛けても定価の10倍近いバカみたいな値段になってんのよ?
あれやこれやと使ってるパーツを今のプレ値状態に換算して合計すると軽く万越えよ、万越え。
「………うんっ!大事に使う!穂乃果!ずっと!ずっと!ずっーーーーとっ!大切にする!」
私の即物的な内心の思いを知ってか知らずか、穂乃果は嬉しそうに“キャバリエールパック”を自身の胸元に大事そうに抱き寄せて、目を輝かせながらそう言って来たわ。
「そ。」
「にこちゃん!ありがと!!!」
こうしてこの日、穂乃果の“ソルストライクガンダム”は大空を自由に舞い、対するモノを容易に切り裂く“騎士の翼”を手にしたの。
“キャバリエール・ソルストライクガンダム”
うん。
やっぱり長いけど…やっぱり悪くない名前だわ。
「よぉーーーし!穂乃果!もっとがんばるぞー!もっともっと!いっぱいがんばって!みんなでガンプライブで優勝するんだ!!!きゃっふーーー!あ……!」
「うぉい!待て!ボケ!大事にしろって言った側からおもいっきり落とすな!このアホ乃果ぁぁぁぁぁ!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁん!ごめんなさぁぁぁぁぁいぃぃぃぃ!?こ、壊れてない!?壊れてないよね!!!」
「ちょっと貸してみなさい!」
「あっ!パーツ取れてる!うわぁぁぁぁん!助けてにこちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「この!アホ乃果ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
まったく…ホント、やれやれだわ。
やれやれだけど………こんな賑やかなのも…
悪くないわ。
おわり?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
プライベートで割とゴタゴタしておりまして、申し訳ございませんが次回更新は未定でございます。
可能な限りは週一更新を継続させたいとは思っております。
何卒応援の程、よろしくお願いいたします。
次回も手洗いうがいをしっかりとしてからがんばルビィで執筆中でございます。
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皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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