ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
無駄に忙しいQooオレンジでございます。
ガンプラを作る暇が…無いっ!
そもそもガンプラが売ってないのですが。
今回も本編第12話となります。
それでは 第12話「騎翔天結」そのろく 始まります。
ほんの少しの油断から招いちゃった今回のバトルでの最大のピンチ。
ブーステッドバーンを発動させた絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”渾身のランスチャージに対して、私は逃げるのではなく“自分らしく”で迎え撃って、この窮地を見事に切り抜けてみせたの。
まぁランスチャージを逸らしたお陰で“ザク・ブバルディア”のシールドはゴリゴリと削られちゃったけどね。
このシールドの有り様じゃもうマトモにシールドとしては機能してはくれないわね。
そんなコトを思いながら機体を旋回させていると、視界の端…地上の方で一瞬だけ何かが光った様な気がしたの。
その直後。
「っ!?」
私の“ザク・ブバルディア”のすぐ真横を一条の閃光が通り過ぎて行ったわ。
今のって…
「ビーム!?」
ビームライフルのビーム?
一瞬だけ地上で真姫と戦っている穂乃果のヤツが、誤射しまくってこっちにビームライフルをぶっ放したの!?とか思ったけど、通り過ぎて行ったビームの色は黄色。
穂乃果の“ソルストライクガンダム”の使っているビームライフルのビームの色は確か緑だから、今のはビームは穂乃果のヤツじゃないわよね?
となると…
「真姫に狙われたったてコト?」
穂乃果と戦っているハズの真姫がこっちに攻撃した来たっての?
そう思い至った私は咄嗟にサブモニターの高度計を確認したのよ。
そこに表示されいた高度は私が思っていた以上に地上に近いモノだったわ。
「さっき絵里から逃げる為に下がり過ぎた…?」
あー、もう!
逃げるのに夢中で地上からの攻撃があるかも?だなんて考えてもいなかったわ!
私ったら迂闊にもほどがあるわよ!
そう内心で自身の迂闊さに憤慨していると…
「ちょっ!?」
また地上から黄色のビームが私の“ザク・ブバルディア”目掛けて放たれたの。
しかも今度は1発ではなく5発。
「このっ!!!」
この地上からの真姫の攻撃に対して、私はすぐさま“ザク・ブバルディア”のスラスターを細かく噴射させて回避行動を取ったわ。
計5発のビームを空中でステップを踏む様に軽やかに機体を操作して華麗に回避♪
さっすがはにこにーサマよね♪とか余裕ぶっていたら…
「チッ!また来た!」
三度地上から黄色の閃光が放たれたのよ。
数はさっきと同じで5発。
さっきのビームもそうだったけだ、ぶっちゃけこの程度の攻撃なら避けるのは簡単だわ♪
だって私は大銀河宇宙No.1超絶天才美少女スクールファイターなんですもぉん♪
内心でそんなコトを思いながら再びスラスターを細かく噴射させて、地上からのビームライフルによる攻撃を避けていると…
「ふぅん…それが狙いってワケ、か。」
計5発のビームに紛れる様にして、1発のバズーカ弾頭がこちらへと放たれていたの。
一人時間差攻撃ってヤツね。
ちょっとは考えて攻撃したのね。
でも…
「そんなモノに当たるかってのよ!!!」
5発のビームの後に時間差をつけて放たれたクレイバズーカの弾頭も、私は軽やかにスラスターを噴射させてらくらく回避♪
ふふん♪弾速の遅いバズーカなんかに当たるワケけがねぇーってのよね♪
真姫のヤツは穂乃果の相手をしながら、片手間にこっちにも攻撃したんでしょうけど、そんな片手間の攻撃なんかに当たる様なにこにーサマじゃないわってのよ♪
大方、真姫のヤツは絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”が旋回する時間を稼ごうとでも思ったんでしょうけど、無駄な努力よね。
あれ?そう言えば絵里のヤツは?
スピードを維持する為に大きく旋回しているにしても、こっちのレンジ内に入るって来るのが遅くない?
今までだったらとっくにこっちのレンジ内に入ってコクピットにアラートが鳴ってるハズだけど…?
「絵里のヤツはどこに…っ!やられた!!!」
私は辺りをぐるりと見回して絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”の姿を探すしてみると、すぐに絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”は見付かったわ。
絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”は…
「あのロシアンキツネの狙いは…!」
地上で真姫と戦っている穂乃果の“ソルストライクガンダム”へ向かって、ランスチャージを仕掛け様としていたの!
「穂乃果!!!」
完全にやられたわ!
真姫のヤツは片手間に攻撃していたんじゃなく、私の意識を絵里から逸らす為にあえてあんな無駄な攻撃をしていたんだわ!
そして真姫が私に攻撃すると同時に穂乃果へも牽制攻撃をして動きを止めて、その動きを止めた穂乃果にフリーになった絵里が突っ込む!
最初からこれを狙っていたのかどうかはわかんないけど、アイツらはヤりやすそうな穂乃果から先に墜とそうってつもりね!
けどね!
「ヤらせるかってのよ!!!」
悪いけど早々簡単にはヤらせないわよ!
絵里と真姫の狙いを理解した私は、すぐさま“ザク・ブバルディア”のバックパック“キャバリエールパック”のスラスターを全開で噴射させて、機体を一気に加速させたわ。
目指すはランスチャージを仕掛ける絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”!
横っ面をおもいっきりぶん殴って止めてヤるわ!!!
背中の剣翼…ウィングブレードを大きく広げて、大空を切り裂いて絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”目掛けて駆け抜ける私の“ザク・ブバルディア”!
本調子になってる絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”の方がスピードは確実に速いけど、距離は絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”と穂乃果の“ソルストライクガンダム”よりも、私の“ザク・ブバルディア”と絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”との方が近い!
体感的にはギリギリで間に合うハズだわ!
そう意気込みながら全速力で彼我の距離を一気に縮めて行く私と臨時の相棒“ザク・ブバルディア”。
だんだんと距離が近づくにつれて、絵里と穂乃果の通信がこっちにも届く様になって来たの。
メインモニターの中では穂乃果のヤツはランスチャージで突っ込んで来る絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”に向けて、必死にビームライフルを乱射して何とかしようとがんばっていたわ。
[[このっ!このっ!]]
[[ムダよ!その程度の攻撃じゃ私のヴァルキュリアには傷1つ付けれないわ!!!]]
でもガチムチ防御特化の絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”の前では、ただのビームライフル程度じゃ文字通りキズ1つ付けるコトは出来ないわ。
[[ダメ!このままじゃ…!]]
そう。
このままじゃアンタは確実に撃墜されるわ。
でも…
「安心しない!アホ乃果!!!この大銀河宇宙No.1超絶天才美少女スクールファイターのにこにーサマが助けてあげるわ!!!」
[[にこちゃん!!!]]
私の通信を聞いた穂乃果は嬉しそうに私の名前を叫んだわ。
[[来たわね!にこ!!!]]
そして穂乃果の“ソルストライクガンダム”目掛けてランスチャージで突っ込んで言ってる絵里もまた、私の登場にどこか嬉しそうに私の名前を叫んだわ。
「味方がヤられソウなのよ!来て当たり前でしょ!!!」
このまま行けば間に合う!
私が絵里に軽口を返しながらも確信したその時…!
[[ねぇにこちゃん?私のコトを忘れてるんじゃないの?]]
真姫の声と共に、一条の黄色の閃光が大空を駆け“ザク・ブバルディア”へと襲い掛かって来たの!
「んなっ!?」
大空を全速力で駆け抜ける“ザク・ブバルディア”へと放たれた1発のビーム。
そのビームは左肩のシールドバインダーへと直撃したわ。
幸い直撃したと言っても、当たった場所はシールドと飛行の為の補助翼とを兼任しているシールドバインダーだったからダメージは皆無。
でも…
「進路が…!」
ビームが当たった衝撃で最短距離で絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”へ向けて駆け抜けていた“ザク・ブバルディア”の進路がちょっとだけ…そう、ほんのちょっとだけズレちゃったのよ。
普段のバトルでならほんのちょっとの進路ズレ程度、なんの問題もないわ。
けど…
「ヤバい!このままじゃ…!」
間に合うか間に合わないかと言うこのギリギリの状況では、そのほんのちょっとのズレが命取りに繋がっちゃったの。
ギリギリで間に合うハズだったソレは、ほんのちょっとのズレでギリギリで間に合わない…。
まさに希望が絶望に変わっちゃったのよね。
[[ナイスアシストよ!真姫!さぁ!貫きなさい!ヴァルキュリア!!!]]
[[うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!来た!こっち来た!!!に"こ"ち"ゃ"ん"た"す"け"て"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"!!!!!!]]
あぁ…こりゃダメだわ。
せっかくギリギリで間に合うハズだったんだけどねー。
でもまぁ穂乃果がここでヤられても、ぶっちゃけ戦力的にはあんまり変わらないわよね。
槍構えて突撃してくる絵里と素人を卒業したばかりの真姫の2人が相手なら、私1人でも十分にヤれるわ。
それにほら?私って元々ずっと1人だったんだし。
1対多数でのバトルなんて慣れっこよ。
たかが仲間の1人や2人程度居ないくらいでどーにかなるほどやわじゃないわ。
むしろ月が出てなくて残念性能な足手まといがいなくなってイイ感じなんじゃないの?
ねぇ、そうでしょ?にこ?
そうよね?ねぇ、私?
だからこのまま仲間が…穂乃果がヤれても別にどーでもいいわよね?
ね?にこ?
そうよね…別に仲間が…穂乃果がここで…
絵里のヤツにヤられても…
別に……
問題なんてこれっぽっちも……
無い………わよね?
ねぇそうでしょ?私…?
「んなワケぇぇぇ…あるかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
仲間がヤれても問題無い?
このまま見捨てる?
は?ナニ言っちゃってんの?
バカなの?
バカでしょ?
バカ確定でしょ!
この私が!大銀河宇宙No.1超絶天才美少女スクールファイターが!
矢澤 にこサマが!
天下のにこにーサマが!!!
「おバカな後輩を見捨てるワケ…ねぇぇぇだろ!!!!!」
ひとりぼっちだったからこそ!
仲間が誰も居なかったからこそ!
見捨てちゃダメなのよ!!!
だからっ!!!!!!!
「突っ込めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!ブバルディアァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
助けてみせるわ!
全身全霊で!
その決意と共に私はサブコンソールを素早く操作して、右手に持たせていた大型ライフルを手放したわ。
さらにサブコンソールの操作すると、続けて両肩のシールドバインダーをパージ。
「これで軽くなったでしょ!!!ねぇ!ブバルディア!!!!!」
飛行時の補助翼としても使っていたシールドバインダーをパージしちゃったから、ここからは今までみたいな飛び方は出来なくなっちゃうわ。
でも、それでも、例え再び空を自由に飛び回れなくなったとしても、余計なウェイトを取り払った事で、今この瞬間だけは…
「この場の誰よりも速くなれる!!!」
でも…まだ足りない…!
あと少しだけ足りない!
間に合わない…!
なら……!
「穂乃果ぁぁぁぁぁぁ!歯ぁぁぁ食いしばれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
突っ込むのは絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”ではなく!
穂乃果の“ソルストライクガンダム”の方よ!!!!!
[[うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?なんかにこちゃんまで突っ込んで来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?]]
真姫の余計な攻撃のせいでちょっとだけずれた進路。
そのずれた進路を戻して絵里のヤツに突っ込むよりも、このままの進路で穂乃果のヤツに突っ込んだ方がロスが圧倒的に少ない!
そう判断した私は軌道の修正を諦めて、当初の予定からずれた進路のまま、全速力で機体を疾走させたわ。
目の前のメインモニターには徐々に大きくなっていく穂乃果の“ソルストライクガンダム”の姿。
サブモニターにはこっちもやっぱり徐々に大きくなっていく絵里の“トールギス・ヴァルキュリア”の姿。
機体の速度的にはほんの一瞬の出来事のハズなんだけど、その一瞬がまるで永遠の様にも思えるほど長い。
これがいわゆる“ゾーンに入った”ってヤツなのかしら?
まぁゾーンでもソーンでも何でもいいわ。
間に合うなら、ね。
一瞬の永遠。
そんな矛盾する時間が過ぎ去って行き、そして…
「間に…合ったぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
私は穂乃果の“ソルストライクガンダム”へと全速力で激突したわ。
[[ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!]]
「ぐぬぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
激突した瞬間、コクピットに激しい衝撃が襲って来て、思わず恋する乙女にあるまじき声が口から漏れちゃったわ。
ぐぬーってナニよ、ぐぬーって。
でもまぁ…何とかなったわね。
絵里のヤツのランスチャージから、穂乃果を救う事は出来たわ。
全速力で激突したせいでもつれ合ってかなりの距離をゴロゴロと転がった私と穂乃果だったけど、しばらく転がり続ける事でようやく止まる事が出来たの。
ギシギシと軋む機体を起き上がらせて周囲を警戒すると、ランスチャージを終えた絵里のヤツは機体を再び大空へと舞い上がらせて大きく旋回をしている所だったわ。
「ハッ!思惑通りに行かなくて残念だったわね!ロシアンキツネ!」
距離が離れた事で私からの通信は絵里には届いて無いだろうけど、ざまぁな絵里のヤツにどーしても一言言ってやりたくて自然と口から言葉が出ちゃったわ♪
いや、マジでざまぁよね♪
[[に、にこちゃん…]]
「ん?ナニ?穂乃果?」
そんな私のざまぁ発言に反応するかの様に、ようやく機体を起き上がらせた穂乃果が情けない声で話し掛けて来たわ。
その穂乃果の視線の先。
ソコには…
[[腕が…!]]
左肩を大きく抉られたせいでぶらぶらと揺れる“ザク・ブバルディア”の左腕かあったわ。
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
プライベートで割とゴタゴタしておりまして、申し訳ございませんが次回更新は未定でございます。
可能な限りは週一更新を継続させたいとは思っております。
何卒応援の程、よろしくお願いいたします。
次回も手洗いうがいをしっかりとしてからがんばルビィで執筆中でございます。
皆様からのご感想、お気に入り登録、“高”評価等がポンコツな私のモチベーションへと繋がります。
皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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