ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
にこうみイベで最もスコアの稼げるまじえんじぇーが全く回ってこないQooオレンジでございます。
未だにマメフェスvol.2がハイスコア…。
本日は絵里さん生誕祭特別編の第2回目になります。
そんな今回は毎度お馴染みの彼女が無茶苦茶しております。
それでは 2017 絢瀬絵里生誕祭特別編「素敵怪盗えりーちか ②」 はじまります。
「もぐもぐ…………うっ?!ぐふっ?!」
かつてのアジトへ向かう途中、道に迷っちゃって行き着いた先の公園で見付けたミニたい焼きの屋台。
そこで買ったお土産のロシアンルーレットミニたい焼きを説明を聞かないでぱくっ♪っとお口に放り込んだにこは、もぐもぐと数回咀嚼すると顔色を変えて“ぐふっ?!”ってうめき声をあげちゃったわ。
にこのあの様子なら1/100の確率の辛い系のミニたい焼きが当たっちゃったみたいね。
屋台のおじさんが唐辛子やわさびとかの普通の辛味系の他にも、とんでもなくヤバいレベルの物も1/1000くらいの確率で入っているって言っていた様な気がするけど……なんだったかしら?
「グフ?!に、にこちゃん?!どうしたの!なんでミニたい焼き食べてジオンの陸戦型モビルスーツみたいなうめき声だしてんの?!って!なんか顔色悪いわよ!大丈夫!にこちゃん!」
真姫は急に顔色を変えてうめき声をあげだしたにこを見て驚いてるわ。
あ、ちなみに真姫がグフの事をちゃんとジオンの陸戦型モビルスーツって言ってたけど、この世界線でもガンダムはちゃんと存在していたのよ。
もっとも、ガンダムは存在していても、“私”達が夢中になっているガンプラバトルはなかったんだけどね。
もちろんガンプラバトルが無いんだから、“私”達“μ's”が優勝を目指しているガンプライブもないのよ。
ここは“私”の世界線じゃないってわかってはいるんだけど、やっぱりなんだかちょっと寂しいわ。
「おめでとう、にこ。大当たりね♪中身はなんだった?」
ガンプラバトルが存在していないのは寂しいけと、“私”が元の世界線に戻ればまたいくらでもできるわ。
その為にも最後の“ラブカストーン”は必ず手に入れてみせるわ。
とりあえず今はにこに当たっちゃったミニたい焼きの中身ね♪
うふふ♪ナニが当たっちゃったのかしら♪
唐辛子?わさび?からし?
「ひぎぃぃぃぃぃぃ!!!わさびぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
あ♪わさびだったみたいね♪
“私”も私もちょっとわさびは苦手だから、涙を流して悶えてるにこには悪いんだけど、当たり?外れ?がにこに当たってくれて助かったわ。
「う"ぇぇぇえ?!わさび?!にこちゃん?!しっかりして!ちょっとエリー!大当たりってアンタはにこちゃんにナニ食べさせてんのよ!」
「え?ただのロシアンルーレットミニたい焼きだけど?1/100くらいの確率で当たり?が出るんだって。にこが食べたミニたい焼きはわさび味のミニたい焼きみたいね♪珍しいわよね♪わさび味のたい焼きなんて♪」
他にも唐辛子やからしとか当たり?の変わったミニたい焼きはあるかもしれないけど、流石にこの中にはもう入ってないわよね?
屋台のおじさんの話では100個買って1個入っていたら運が良いって言ってたし。
「ロ、ロシアンルーレットミニたい焼きぃぃぃぃ?!ナニソレ!ほんとぉぉぉぉに!イミワカンナイ!」
「ま、まきぃぃ!おみずぅぅぅ!!!早くおみずぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
「お水ね!ちょっと待ってて!」
わさびで苦しんでるときってお水を飲んで治るのかしら?
確かお水を飲んだらもっと酷くなるんじゃ……?
あれ?お水を飲んでもっと酷くなるのって唐辛子の時だったかしら?
唐辛子の主成分のカプサイシンはお水に溶けにくい成分で、お水を飲んじゃうと舌が洗い流されてより鮮明に辛さを感じちゃう様になるって確か前にあちらの世界線の真姫に聞いたような…?
「にこちゃん!お水よ!しっかりして!」
「おみず!ごく…ごく…ごく…ごく……ぷはぁぁぁぁ!はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……あ、ありがと真姫…助かったわ…。」
わさびはお水で大丈夫みたいね。
それならやっぱり唐辛子を食べた時にお水がダメなのね。
唐辛子の時は……そう!牛乳よ!牛乳!
舌が油分でコーティングされて辛さが収まるのよ!
みんなも唐辛子の辛さでツラいときは牛乳を試してみてね♪
「し、死ぬかと思ったわ……グォオラァァァァ!ぽんこつドM!わさび味のたい焼きなんて喰わせてアンタはアタシを殺す気か!」
“私”がわさびで悶えてるにこを見て辛さについての考察をしているうちに、にこは真姫から差し出されたお水を飲んで悶絶状態から復帰していたわ。
開口一番、にこは“私”に殺す気か!って言うけど、わさびじゃ人は死なないわ。
「説明の途中で話も聞かないで先走って食べちゃったにこが悪いのよ?“私”はちゃんと説明しようとしていたのに…。」
「にこちゃんが話を聞かないで先走るのって今に始まったことじゃないわよ。私はロシアンルーレットミニたい焼きなんてイミワカンナイ物を買ってきてエリーもどうかと思うけど。」
「面白いと思ったんだけどダメだったかしら?」
「外れを引いて悶えてるヤツを端から見てる分には面白いでしょーね!でも外れ引いた方からしたらふざけんな!なのよ! まったく………この絵里は私達の知ってる絵里じゃないハズなのに、やってることは絵里とおんなじじゃない…。」
「にこも“私”の知ってるにこじゃないけど、あちらの世界線のにこと同じ様な事ばかりしてるわよ?」
「結局は絵里は絵里、にこちゃんはにこちゃんでしかないってことよ。」
「ふふ♪そうね♪そして真姫は真姫、ね♪」
「ま、否定はしないわ。それよりも今は最後の“ラブカストーン”よ。にこちゃん、説明お願い。」
「わかったわ。最後の“ラブカストーン”は…………」
いよいよ最後の“ラブカストーン”の在処がわかるのね…。
待っててね…私…。
あと少しでこの身体を貴女に返すわ。
「“ラブカストーン”が国立音ノ木坂美術館に寄贈された?」
「そ。しかも寄贈したのは“南家”……つまりはいつもいつもあの頃の私達や今のアンタの邪魔をしてくれやがるあの鳥警部の家なのよ。この意味…わかるわよね?」
にこの言っている鳥警部って、こちらの世界線でのソラの上司をしている特殊犯罪捜査室の室長のことり警部の事よね?
“私”の世界線だと頭のネジがいい具合に緩んでるだけの可愛い後輩なんだけど、この世界線でのことりは“私”の世界線のことりよりも更に頭のネジが緩みまくった挙げ句に1番大事なネジを2・3本くらいどこかで落としたみたいな子になってるのよ。
あの子…犯罪者に人権は無いって公言して、いつもあきらかに直撃したら人なんか簡単にミンチになる様なオーバーキルな武装を取り揃えてるのよね…。
そんな“私”の世界線よりもイカれ度がマシマシの特殊犯罪捜査室のことり警部と私とにこと真姫の3人との関係は、追う者と追われる者……ルパンと銭形警部みたいな関係ね。
私達とことり警部との関係は怪盗団“キューティーパンサー”時代から続く因縁の相手なの。
この世界線でのあの子は毎回毎回かなりムチャクチャするのよね……。
困った事に周辺の被害なんて一切考えてないのよ。
あれだけムチャクチャしちゃえば普通ならヤり過ぎでとっくの昔にクビになってるんだけど、あの子の周りには恐ろしいくらいに国内外の権力者が集まってるのよ…。
ことりのお母様が警視庁のトップでお父様は内閣官房長官。
知り合いにも総理大臣や米軍の太平洋艦隊の司令さん、他にも大物政治家や経済界の重鎮とかがずらりと揃っていたりするから、あの子がちょっとやそっとムチャクチャしちゃっても、多方面から権力とお金と暴力で圧力をかけまくってすぐに揉み消しちゃうのよ。
マスゴミ……失礼。マスコミがちょっとでもことり警部のムチャクチャを叩こうモノなら……あぁ怖い……。
いったい何人の無謀な自称知識人の愚かなワイドショーのコメンテーターが東京湾の魚のエサになったことやら。
そんなムチャクチャで有名な警視庁の名物暴走警部のことり警部の家から、怪盗エリーチカが最近盗みまくっている“ラブカストーン”が寄贈されたって事は……。
「罠ね……。」
「ま、十中八九そうでしょうね。あの鳥頭のことり警部もここに来てようやく怪盗エリーチカの狙いが“ラブカストーン”だって気付いたみたいね。そしてその“ラブカストーン”をエサにして怪盗エリーチカを捕らえるための罠を張ろうとしているなんて…鳥頭の分際で少しは知恵をつけたのね。それとも今回の“ラブカストーン”を使った誘きだし作戦はあの鳥警部にいつも振り回されてる部下の平刑事…名前は確かソラだったかしら?あの平刑事の仕業かしら?」
「罠を張ろうとしてんのがイカれ鳥警部でも万年平刑事のソラでもどっちでもいいわよ!もう!よりによってあの連中!最後のラブカストーンの時に変な知恵をつけやがって!アンタ達もそう思うでしょ!あの鳥頭!昔から鳥頭の鳥頭なクセに!鳥頭は鳥頭らしく最後まで鳥頭でいれば良かったのよ!“ラブカストーン”が50個揃うまであと1つなのよ!あと1つ!」
ことり警部が音ノ木坂美術館に“ラブカストーン”を寄贈したのなら、もうあの美術館は静かに名画や美術品を鑑賞する市民の憩いの場じゃなくなってるわね。
恐らくはこちらの世界線での花陽……特殊犯罪捜査室の誇るマッドサイエンティストの花陽の手で、対怪盗エリーチカ用の罠が満載の要塞みたいな建物に改造されてるんだわ。
床には振動感知式の対戦車地雷に扉にはC4爆薬の仕掛け。
ドアノブには高圧電流も流してるわね。
あとは何故か毎回仕掛けられているお米が真ん中に置かれた獣捕獲用の檻…。
あのお米の罠に引っ掛かるのってオコメスキーの花陽だけよね?
実際にいつも自分で仕掛けたお米に引き寄せられて自分で罠にかかってるし。
………なんだかあのことり警部とマッド花陽の作った対怪盗エリーチカ用の罠満載の要塞って、結局はいつも通りの罠しかなさそうだから余裕そうよね?
「大丈夫よ。なんとかするわ。」
そう♪
なんと言っても“私”は世間を賑わす噂の素敵怪盗“怪盗エリーチカ”なのよ♪
例えことり警部とマッド花陽の陰湿な罠が十重二十重に張り巡らされていても、華麗に可憐に最後の“ラブカストーン”を盗んで魅せるわ♪
私と“私”……二人分の絢瀬 絵里の技術を持っている今の“私”になら楽勝よ♪
「エリーのその顔……ことり警部とマッド花陽の陰湿な罠程度なら楽勝よ♪とか考えてるでしょ?残念だけど今回あのイカれ鳥頭が用意したのは陰湿な罠だけじゃないわ。」
「罠だけじゃない?」
「そうよ……ちょっとこれを見てちょうだい……。」
そう言って真姫がタブレットに表示させたのは何かの機械の設計図の様なモノだったわ。
この設計図は…ロボット…なのかしら?
胴体があって手足があって…頭は…一応はあるわね。
全体的になんかこう…弱そうね。
…あれ?
よく見るとこのロボットのデザインってどこかで見たことがあるわよ……?
これを見たことがあるのは私の記憶じゃないわ…これは“私”の方の記憶ね。
この…特徴的なモノアイ……。
ヤられる為だけに産み出されたような間抜けな見た目……。
“μ's”の誇る凄腕スナイパーが愛して止まない量産機……。
そう……そうだわ。
この図面に描かれているこの機体は……。
「ハイ・モック?」
“私”の世界線のガンプラバトルではお馴染みのヤられメカのハイ・モックよ。
ハイ・モックって素組のガンプラでも1発当てれば一撃で堕とせるくらいに弱いのに、バトルロイヤルなんかじゃほととんど無制限にわいてくるから相手にするのが正直に言って面倒なのよね
放置すれば放置したで、延々と増援を呼んで洒落にならないレベルに増えていくし…。
だから面倒でもハイ・モックを見かけたら出きるだけ倒さなきゃダメなのよ。
放置したハイ・モックが延々と増援を呼んで起こるハイ・モックのスタンピードなんて冗談じゃないわ。
防御特化の機体が何百機ものハイ・モックに集られて嬲り殺しにされる動画を見たことがあるけど…ああなるのはゴメンだわ。
いくら“私”が荒縄で縛られて身体中に低温蝋燭でぽたぽたされたりするのが大好きな少しだけ変わった性癖の女の子でも、ハイ・モック程度に集られて喜ぶ趣味はないもの。
大量のハイ・モックに集られて喜ぶのはモックスキーの海未くらいのものだわ。
趣味は人それぞれだから文句は言わないけど、海未はハイ・モックのどこら辺が好きなのかしら?
一度聞いてみようかしら?
…………何だか聞いたら聞いたで何時間もハイ・モックの素晴らしさについて熱く語られそうね…。
やっぱり海未にハイ・モックの事を聞くのは止めておきましょ。
「あら?エリーはこのキリングマシーンのこと知ってるの?これって一応は米軍と西木野財閥の兵器開発部門が共同で極秘に開発を進めていた機体だから、まだ日本でこのモックの存在を知ってる人はいないハズなんだけど……?」
「えっ?!べ、米軍?!極秘?!って!キリングマシーン?!ちょっと待って!これってハイ・モックよね?!あのヤられメカの?!」
なんか真姫の口からちょっと信じられない単語が出たわよ?!
ハイ・モックがキリングマシーン?
米軍と西木野財閥の兵器開発部門が極秘に開発した?!
えっ?!ハイ・モックよ?!
一部のレア・モックを除けば最弱ってルビが付いちゃうハイ・モックよ?!
「エリーの言ってるヤられメカとかよくわかんないけど、私が持ってきたこの設計図に書かれている機体はそう簡単にはヤられたりしないわよ?この設計図に書かれているのは米軍と西木野財閥の兵器開発部門が開発した最新無人戦闘機械“モック”…。主に対人戦闘に特化した全長5mのロボットなの。ことり警部は大統領に例の“おねがぁい♪”でお願いして、このモックを5機譲ってもらったの。もちろんあのぷっつん鳥頭のことだから、今回の音ノ木坂美術館の警備に投入してくるハズよ。」
「えっ?このモックって5mなの?!ちっちゃいわね?!」
モックスキーの海未じゃないからハイ・モックの詳しいスペックデータなんて覚えていないけど、ハイ・モックって確か全長15mくらいなかったかしら?
5mって言ったらヤジマ・コーポレーションの本社ビルやニールセン・ラボに置かれているヤツと同じくらいの大きさなんじゃないの?
「ちっちゃいって絵里!アンタ本気で言ってんの?!真姫の話だとコイツは全長5mのキリングマシーンなのよ?!しかも1機じゃなく5機よ!5機!あの鳥頭!なんてモノを用意したのよ!」
「他にも自衛隊から開発中のプラズマ粒子砲の試作品を引っ張って来たみたいよ。まだ試作段階だからかなり大型なんだけど、モックなら余裕で扱えるわ。」
プラズマ粒子砲?
ことりのガンダムエルブランシュのデストリュクシオンライフルも、確かソラとにこが試作していたプラズマ粒子砲をベースに改造したモノだったわよね?
デストリュクシオンライフルのベースになったプラズマ粒子砲とモック……ことり警部はあちらの世界線のことりがハイ・モック限定大会で使っていたトリ・モックとか使いそうね。
まぁ基本的にモックなら荒縄とムチと低温蝋燭でどうとでも対処は出きるわ。
「ふふ♪大丈夫よ♪このモックならあちらの世界線で嫌ってくらい相手をしてるから♪怪盗エリーチカに任せちゃって♪」
真姫の用意してくれた身体能力を大幅に上げてくれる強化コスチュームもあるわ。
生身でもモックくらいやっつけちゃうんだから♪
みんなでロシアンミニたい焼きを食べながら作戦会議を行ったあの日から3日の時間が過ぎたわ。
あれから私はロシアン喫茶“ハラショー”を切り盛りしながら、警視庁と音ノ木坂美術館とマスコミ各社へ“怪盗エリーチカ参上します♪”の予告状を出したり、真姫が用意してくれた色々な装備と絢瀬流緊縛術の要でもある秘伝の荒縄袋の確認をしたりと、それにりに忙しく毎日を過ごしていたわ。
あとモックや試作プラズマ粒子砲についてモーニングセットを食べに来たソラにそれとなく聞いてみたんだけど、ソラは知らないみたいだったわ。
ソラのナニソレ?美味しいの?的な反応が気になったから少し調べてみたんだけど、どうやらモックや試作プラズマ粒子砲とかのキ○ガイ兵器はことり警部の命令でマッド花陽がぐふぐふ言いながら単独で準備を進めているみたいね。
そんなこんなであっという間に時間は過ぎて、今夜が怪盗エリーチカの予告の当日なの。
今夜も華麗に可憐に怪盗エリーチカが“ラブカストーン”を盗んじゃうわよ♪
「おい!この鳥上司!なんだ!この趣味の悪いデカブツは!こんなモノ配備するなんて俺は何にも聞いてねぇーぞ!」
予告の時間まではまだ少しだけあるから、私は怪盗エリーチカ対ことり警部with特殊犯罪捜査室を見物に音ノ木坂美術館の周りに集まった野次馬達に紛れて、ことり警部達の様子を伺いながら事前に仕掛けた盗聴器を使ってあの子達の会話をこっそりと盗み聞きしているの。
イヤホンを耳に付けて盗聴器を起動させると、さっそくイヤホンからソラの怒鳴り声が聞こえて来たわ。
やっぱりソラは今の今までモックが配備されるなんて知らなかったのね。
体育座りをして待機状態になっている白い3機のモックと灰色のモックと緑色のモック…全部で5機のモックを指差してことり警部にこれはなんだ!って詰め寄っているわ。
「ちゅん?この子ですか?うふふふふふ♪この子はモックさんですぅ♪だいと~りょ~さんがいつもがんばってることり達に善意100%で寄付してくれた最新鋭の軍事用のマニピュレーションスーツなんですぅ♪花陽巡査♪ソラ君に詳しい説明をおねがいしまぅ♪」
「はい!ことり警部!先輩!あのですね?このモックは米軍さんが西木野財閥の兵器開発部門と共同で開発した最新鋭の軍事用マニピュレーションスーツなんです!スゴいんですよ!この子!いいですか!先輩!まず動力炉!このモックの動力炉にはつい先日小型化に成功したばかりの新型メビウスリアクターが内蔵されているんです!この新型リアクターのおかげで従来のマニピュレーションスーツを大きく上回るパワーを長時間に渡って発揮できるんです!大昔のサラリーマンみたいに24時間無補給で戦えちゃいます!他にも装甲には月でしか精製できないルナチタニウムってスゴい金属を使ってるんです!銃弾なんか簡単に弾いちゃいます!他にも他にも…………以下略…………どうですか!先輩!このモックのスゴさに感激しちゃってください!」
「このデカブツがスゲェのはわかったけど説明が長いんだよ!ってかなんで軍事用なんか持ち出して来てんだ!お前らは怪盗エリーチカを殺す気かよ?!警官は犯罪者を逮捕してなんぼだろーが!殺してどーすんだよ!アホか!」
そうよね。
本来なら警官は犯罪者を逮捕するのがお仕事だもの。
普通の警官は泥棒を捕まえるのに軍事用の兵器なんてとんでもないモノは持ち出して来ないわよね。
あの銭形警部なんてルパン相手に手錠だけで立ち向かってるのよ?
それに引き換えことり警部ったら…。
まぁ目的の為に手段も方法も色々と無視してここまでヤっちゃうのは、ことりらしいって言ったらことりらしいんだけど。
「ちゅん♪問題ないですぅ♪犯罪者に人権はありません♪人権がない犯罪者にはナニをしてもい~んですぅ♪捕まえないでその場でコロッとしても、捕まえて裁判なしで死刑にしても、取り調べ中に裸にしてお薬使ってばっちり調教してことりの奴隷にしちゃっても問題ないですぅの」
「問題だらけだ!それじゃどっちが犯罪者かわかんねぇーよ!それと!認めたくはねぇーけどクソ犯罪者にも一応は人権はあるんだよ!犯罪者に人権はねぇ!とか、んなこと言ってるとまたクソみてぇーな人権団体の連中から突っ込まれるぞ!」
そしてその人権団体の人達はみんな仲良く翌日には東京湾にご遺体になって浮かんでるのよ。
あと見た目の良い女の子達は、ことりを助けてくれている偉い人達にプレゼントされちゃうのよね。
ホント、この世界線って大丈夫なのかしら?
“私”の世界線のことりよりもムチャクチャしてることり警部が警官だなんて、救いは無い様な気がするわ。
でもまぁこの世界線の人達って何だかんだでみんな楽しそうにしているから、それはそれで良いのかしら?
きっとこんな事を考えちゃってる“私”も、この世界線のゆるーい空気にに毒されちゃってるのね。
あぁ…なんだか急に“私”の世界線の音ノ木坂が恋しくなって来たわ。
えりーちか。おうちかえりたい。
「ことり?このアリアンロッド艦隊から提供して貰った“だーりんすれいぶ”と言う弓矢は本当に使っても構わないのですか?説明書を読む限りは着弾すると大規模な爆発を起こして、かなり広範囲に影響を及ぼす様ですが…?」
ソラがモックについてあれこれ言っていると、今度は紺色のプロテクタースーツに身を包んだこの世界線の海未が、真っ黒で禍禍しい大きな弓矢を抱えてやって来たわ。
“だーりんすれいぶ”って言っていたけど、もしかしてあの“だーりんすれいぶ”かしら?
“私”達の世界線で変異したことりの狂鳥病ウイルスに感染した海未が、第二段階鳥★人類に進化して発現させた鳥★能力…。
色々と省略しちゃうと、着弾すると爆発しちゃう矢なのよね。
詳しくは2017西木野真姫生誕祭特別編を見てね♪
「だいじょ~ぶだよ♪海未ちゃん♪ことりと花陽ちゃんは特別にカスタムした専用モックさんに乗り込んでるから少しくらいの爆発は平気だもん♪遠慮なくその“だーりんすれいぶ”であのどろぼ~女を射殺しちゃって♪」
特別にカスタムされたモック…あの灰色のモックと緑色のモックね。
灰色のモックはバスターライフルっぽい大型のライフルを持っているから、あれがことりのモックに間違いないわ。
もう1機のカスタムされた緑色のモックをミサイルポッドを装備しているわ。
あのミサイルポッドの中身…まさか“私”の世界線の花陽の愛機“ジム・カーバンクル”がよくミサイルポッドの中に入れている広域殲滅用の特殊弾頭ミサイル“ファイアフラワー”じゃないわよね?
もしも“ファイアフラワー”なら音ノ木坂は地図上から消えちゃうかもしれないわ…。
「それなら問題ないですね。」
「おい!待て!狙撃娘!頼むから待て!問題だらけだろ!そもそもなんだ!その真っ黒な禍々しい弓矢は?!着弾すると大規模な爆発?!広範囲に影響?!鳥上司とマッド花陽はあのモックとかってロボットに乗ってりゃ平気だろうけど怪盗エリーチカを見に来てる野次馬は平気じゃねぇーよな?!ってか俺はプロテクタースーツ着てても生身なんだよ!」
なんだか必死に突っ込んでるソラが哀れになってきちゃったわ…。
毎回毎回ことり警部とマッド花陽とスナイパー海未の3人に振り回されてはいたけど、今日はいつもより輪をかけて酷い振り回され方なんだもの。
余りにも哀れだから明日のモーニングセットはちょっとだけサービスしてあげようかしら?
「ソラなら大丈夫ですよ。世の中にはギャグ補正と言う便利な法則がありますので、この“だーりんすれいぶ”の爆発に巻き込まれても頭がアフロになる位で済む筈です。あと名も無き一般人が何人吹き飛んでも私には一切関係ありません。正義の前に犠牲は付き物です。」
「ギャグ補正なんてあるか!あと頼むから警官がそう簡単に一般人を切る捨てるな!」
「それではことり警部。私は狙撃ポジションに向かいます。」
「ちゃん♪よろしくね~♪海未ちゃ~ん♪」
「だから待て!海未さん!そんな物騒なもんなんて使うな!」
「青空?貴方に私への命令権はありませんよ?まぁどうしても言うならこの作戦が終ってあの泥棒女をたい…殺してから、二人でこの件についてラブホテルでじっくりと話し合いましょう。二人の将来について。」
「なんで逮捕って言いかけたのにわざわざ殺してって言い直した!殺すな!警官が人を殺すな!しかも殺した後で話し合っても意味ねぇーんだよ!あとなんで話し合いがラブホテルなんだよ!おまけに話し合う内容が二人の将来になってるし!」
「青空と海未の間に産まれた子供なら名前は陸駆(リク)で決まりすね。それでは私は二人の明るい未来の為にもあの泥棒女を射殺しに行って参ります。」
「ゴルゥラァ!!!待てやボケ!なんで本編でまだ絵里さんが仲間になってもねぇ段階の特別編でいきなり続編の主人公の名前の由来とかバラしちまってんのさ!サンシャイン2期の影響で無印編の設定が色々変わってリクが海未さんの弟になったらどーすんだよ!」
ホント、ソラも大変ね。
ちなみ“私”とソラの子供の名前は絵美とかどうかしら?
きっと“私”とソラの子供ならきっとスゴいファイターに育ってくれるわよ♪
「ことり警部!こちらも準備完了です!花陽とことり警部以外のモックさんはご指示通りAIをキリングモードに設定して起動させておきました!これでことり警部の命令ひとつでここら辺一帯にいる特殊犯罪捜査室に所属していない生物は血と臓物を撒き散らしてあぼーんですよ!“あびきょーかんのじごくえず”ですよ!ぐふふふふ♪」
「ちゃん♪ちゃん♪ごくろ~様ですぅ♪それじゃさっそくことり達も乗り込んじゃいましょ~♪血と硝煙に彩られた殺戮の宴のはじまりはじまりですぅ♪♪♪」
「こっちはこっちで待て!重ねて頼むから待て!超待て!!!なんだそのキリングモードって?!血と硝煙に彩られた殺戮の宴?!アンタらは野次馬も殺す気マンマンだろ?!怪盗エリーチカァァァァァ!頼むから今夜は来んなぁぁぁぁぁ!!!アンタが来たら大虐殺が始まっちまうぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「ちゅん♪ちゅん♪みなごろしですぅ♪」
………ごめんなさい、ソラ。
エリーチカ、もう来ちゃってるの♪
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
何だかんだでまた長くなりそうな特別編ですが、次回は怪盗エリーチカVSことり警部withうみぱなの特殊犯罪捜査室三人娘のバトルが…あっさりと終わります。
代わりに怪盗エリーチカとソラが少し真面目?に戦ったりする予定です。
次回更新は本編を月曜日のお昼頃に、絵里さん生誕祭特別編を金曜日のお昼頃にそれぞれ更新予定でございます。
お時間よろしければご覧下さい。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。