ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
ガ○ダムベース名古屋での殴り合い宇宙に大草原なQooオレンジでございます。
今回も本編となります。
今度こそは決着…そして海未さんが新しい扉を開く?
それでは 第11話「NICO's Boot Camp」そのにじゅうなな 始まります。
シェンロン・モック(仮)の撃墜に成功して、これで全てのオペレーション・メテオっぽい特性を持った指揮官型ハイ・モックを片付けたと思ったその時…
[[っ!絵里!後ろです!!!!!]]
トールギス・ヴァルキュリアのコクピットに海未の焦った様な声が響いて来たの。
後ろって…?
そう思って振り向いてみたら…
「デスサイズ・モック(仮)!?」
そこにはヒームサイズを振り上げて、今まさに私のトールギス・ヴァルキュリアへと攻撃を仕掛けようとしているデスサイズ・モック(仮)が居たの。
えっ!?なんで!?どーして!?デスサイズ・モック(仮)ってウイング・モック(仮)のバスターライフルの攻撃に巻き込まれて撃墜されたんじゃなかったの!?
突然の事態に軽くパニックに陥った私だったけど、身体が咄嗟にデスサイズ・モック(仮)の攻撃に対して反応してくれたわ。
私はビームサイズで切り掛かって来ようとしていたデスサイズ・モック(仮)に向かって、振り向き様に反射的に左腕の大型シールドを大きく振るっておもいっきりに叩き付けてやったわ。
咄嗟の行動だったけど、私の放った一撃はビームサイズを振り上げて無防備になっていたデスサイズ・モック(仮)の胴体部分へと直撃して、デスサイズ・モック(仮)は大きくよろめいたの。
そこへ…
[[堕ちなさい!!!]]
海未のジム・スナイパーⅡが手にした大型ビームスナイパーライフルでの一撃を放ったわ。
放たれた緑色のビームは真っ直ぐによろめいたデスサイズ・モック(仮)へと向かって行ったけど…
[[身を挺して庇った!?]]
ビームが直撃する寸前に、1機のハイ・モックが体当たりする様にデスサイズ・モック(仮)へと突っ込んで来て、その身を挺して庇う事でデスサイズ・モック(仮)を助けちゃったのよ。
その直後、メインモニターにジジジっとまたノイズが走ったわ。
そして…
[[なっ!?消えた…!?]]
デスサイズ・モック(仮)の姿が煙の様に消えちゃったの。
レーダーにもナニも表示されていないし…これって一体……あっ!
「ハイパージャマー!!!」
ガンダムデスサイズの特性を持ったデスサイズ・モック(仮)なら当然!ガンダムデスサイズが持ってるハイパージャマーも持ってるハズだわ!
そのハイパージャマーを使ってこっちのカメラやレーダーに干渉してまるで姿が消えた様に見せているのよ!
だからさっきハイパージャマーを発動させた時にメインモニターにノイズが走ったのね!
そうなると…ウイング・モック(仮)のバスターライフルの攻撃に巻き込まれて撃墜された時にもメインモニターに一瞬ノイズが走っていたから…あの時に撃墜された様に見えただけで、実際にはハイパージャマーでこっちのモニターやレーダーを誤魔化して隠れていたってワケね!
最後の最後に姿を隠して奇襲する為に!
「海未!モニターとレーダーには映らないけどまだ近くに居るわよ!気を付けて!!!」
[[モニターにもレーダーにも映らない!?なんですか!そのインチキは!?]]
「インチキっぽいけどインチキじゃないわ!ハイパージャマーって言うちゃんとした電子戦装備よ!」
[[姿を消すとかちゃんとした装備だとしてもインチキじゃないですか!?]]
「文句なら設定を考えたガンダムWのスタッフとか監督さんに言いなさい!」
この程度で驚いていたらキリがないわよ?
ハイパージャマーもインチキっぽい装備だけど、まだガンダム作品にはミラージュコロイドとかの姿を消す装備があるんだもの。
そもそもガンダム作品に限った事じゃなくて、花陽辺りも光学迷彩を施したステルスマントとかインチキ装備を使ってる時あるし。
まぁそれはそれとして…私と海未は言い合い染みた会話を続けながらも、互いに周囲を警戒してデスサイズ・モック(仮)の奇襲攻撃に備えるわ。
けど…
[[っ!?ハイ・モック達が…!]]
「まだ動くの!?」
シェンロン・モック(仮)を撃墜した時点でその動きを止めていた周囲のハイ・モック達が、一斉にそのモノアイを“ぐぽーん”と光らせて動き出したのよ。
そして…
「ただ再起動しただけって…ヲチにはならないわよね!!!」
再び私と海未へと襲い掛かって来たの。
デスサイズ・モック(仮)が周囲のハイ・モックの指揮権を得て再起動させたってワケね。
すっかり囲まれた状況だわ。
こうなるとデスサイズ・モック(仮)の奇襲攻撃に備えて足を止めちゃっていたのが完全に裏目に出ちゃったわね。
でもデスサイズ・モック(仮)さえ仕留めれば勝利条件は満たしてバトルクリアよね?
となると…この包囲を離脱してレーダーにも映らないデスサイズ・モック(仮)を宛もなく探し回るよりも、逆にこの場に留まって確実に周囲に居るであろうデスサイズ・モック(仮)の奇襲攻撃に対してカウンターで決めるって戦い方の方がバトルクリアには1番近道っぽいわね。
それじゃ早速…
「海未!」
海未と陣形を組んでハイ・モックの攻撃を捌きながら、デスサイズ・モック(仮)の奇襲攻撃に備えなきゃね!
[[はい!]]
私が海未へと一声掛けると、海未はすぐに私の思惑に気付いて群がるハイ・モックを蹴散らしながらこちらへとやって来てくれたわ。
そして私のトールギス・ヴァルキュリアと背中合わせの位置に着くと、大型ビームスナイパーライフルを手放し、そのまま腰からカタナを引き抜いて構えたの。
[[さぁ!嫁斬丸の錆びになりたいのならば!臆せず掛かって来なさい!!!]]
あのカタナ…嫁斬丸って名前なのね。
うん。
なんかスッゴく物騒な名前よね…。
それはさておき…この想定外の事態でも海未はまだまだヤる気十分みたいね♪
これは私も負けていられないわ!
「んっふふ♪海未に無惨に斬り殺されるのが良いか…私に穿ち貫かれて果てるのが良いか…優しいえりーちかはアナタ達に好きな死に方を選ばせてあげるわよ♪」
バトルクリアはもう目前!
とーぜん!簡単には負けてなんてあげられないわ!!!
モックアックスやモックソード、モックハンマーを構えて突撃して来るハイ・モックの群れ。
そんなハイ・モック達に私と海未はそれぞれの得物を振るって大いに奮戦していたわ。
[[っふ!はぁ!!!]]
私の真後ろで背中合わせで嫁斬丸とかって物騒な名前のカタナを振るう海未は、次々と襲い掛かって来るハイ・モックを文字通りに一刀両断し続けているわ。
しかもハイ・モック達が構えた武器諸とも。
別にハイ・モックの武器だから特別脆いってワケじゃないんだけどね。
そんな事はお構い無しに海未は次々とハイ・モックを時にその構えた武器諸とも斬り倒し続けているの。
もちろん私も海未に負けていないわよ?
「はぁぁぁぁ!!!」
私は私で押し寄せてくれたハイ・モックに対して、手にした大型ランスを振るってまとめて薙ぎ払ったり、大型シールドで押し潰したりしているわ。
足を止めて真っ向から殴り合う様な今のこの状況だと、私のトールギス・ヴァルキュリアのメインウェポンである大型ランスは突き刺すよりも、振り回して棍棒的な使い方で打撃武器として使った方が効率的なのよね。
ほら?突き刺しちゃうと突き刺したモノを引き抜かないとダメじゃない?
その一手間が乱戦だとスキになっちゃうのよ。
それにしても…
「ホント、次から次に湧き続けるわね…。」
ハイ・モックの増援が止む気配が全くしないわ。
まぁ無限にハイ・モックが湧き出るって触れ込みのミッションだから当然って言ったら当然なんだけど。
[[誰がこのミッションを選んだと思っているのですか!だ!れ!が!]]
次から次へと湧き出るハイ・モックに思わず愚痴を溢したら、海未がその私の愚痴を耳聡く聞き付けて怒鳴って来ちゃったわ。
海未もこの次から次にハイ・モックが湧き続ける状況にイライラしちゃってるようね。
ここは1つ、えりーちかの小粋なジョークで和ませてあげなきゃダメね♪
「えー?えりーちか、難しいことわかんなぁーい♪」
と、言うワケで、私は軽い冗談でそんな事を言ったんだけど…
[[ふんっ!!!]]
その途端、背中合わせで戦っていた海未がいきなり振り向いてこっちへ向けてカタナを振り抜いて来たの。
「ちょ!?危ないわね!」
私は咄嗟に身を翻してその一撃を避けたわ。
あ。
今ので装甲の端がちょっと切れちゃってる。
超合金ロシアン・ニューZ製のトールギス・ヴァルキュリアの装甲をこうも簡単に切り裂いちゃうとか…海未、恐ろしい娘!
って言ってる場合じゃないわね。
「海未!敵はあっちよ!あっち!間違えないで!」
この状況で海未まで敵に回っちゃったら堪ったもんじゃないわ。
[[この状況を作り上げた絵里こそが寧ろ敵だと思うのですが?]]
「気のせいよ!気のせい!」
[[……まぁ良いでしょう…。]]
「ほっ…。」
えりーちかの小粋なジョークで和ませようとしたら何故か逆上した海未に斬り殺されそうになったけど、えりーちかの必死の説得で何とか海未に見逃してもらえたみたいね。
とかやっていたら…
[[っ!絵里!]]
海未の鋭い声がコクピットに響いたわ。
その声と同時に、メインモニターの端にビームサイズを振り上げたデスサイズ・モック(仮)の姿が映し出されたの。
「ようやくお出ましね!!!」
この瞬間を待っていたわ!
ずっとハイパージャマーで隠れていたけどえりーちかの小粋なジョークで逆上した海未の暴挙を見て仲間割れとでも思ったのかようやく出て来たデスサイズ・モック(仮)。
そのデスサイズ・モック(仮)はトールギス・ヴァルキュリアの左側から頭部目掛けて、振り上げたビームサイズを振り下ろそうとしていたわ。
私は攻ようやく撃を仕掛けて来たデスサイズ・モック(仮)に対して…
「吹っ飛びなさい!シールドクラッシュ!!!」
全身のスラスターを総動員して大型シールドごと体当たりを仕掛けてあげたわ。
右側から来たら大型ランスで殴り倒してやろうと思っていたんだけど、大型シールドをもった左側から来ちゃったからこの対応よ。
そんな私の大型シールドでの体当たり…シールドクラッシュは、ビームサイズが振り下ろされるより先にデスサイズ・モック(仮)へと直撃したわ。
体当たりされた方のデスサイズ・モック(仮)は吹き飛ばされまいと、慌ててスラスターを噴かしてその場に留まろうとしたけど…
[[その隙をこの私が見逃すとでも思いますか?]]
言葉通り、海未がその致命的な隙を見逃すハズもなく…
[[破っ!!!]]
例の嫁斬丸とかって言う物騒な名前のカタナを一閃させて、私の目の前でデスサイズ・モック(仮)を両断して見せたわ。
胴体を真っ二つに両断されたデスサイズ・モック(仮)はそれでも撃墜判定が下るその前に、まさに最後の力を振り絞って振り上げていたビームサイズを振り下ろそうとしたわ。
ギギギと、壊れたブリキのオモチャのような動きで必死にビームサイズを振り下ろそうとするデスサイズ・モック(仮)。
でも…
[[往生際…しなさい!!!]]
再び振るわれた海未のジム・スナイパーⅡのカタナの一閃によって、今度は縦に真っ二つに切り裂かれて、その最後の抵抗も虚しく終わったわ。
デスサイズ・モック(仮)を十字に切り裂いた海未は、まるで血を振り払うかの様に手にしたカタナを軽く振るってからゆっくりと鞘へと納めたの。
と、同時に…
<<BATTLE END>>
バトル終了を告げるシステムアナウンスがコクピットへと鳴り響いたわ。
どうやら今度こそバトルクリアみたいね…。
ふぅー…。
「お疲れさま、海未。」
「はい。お疲れ様です、絵里。」
私がややぐったりしながらもガンプラバトルシミュレーターの筐体から出て来た海未に声を掛けると、海未は少しだけ眉根に皺を寄せながらも“お疲れさま”と返して来てくれたわ。
疲れたのはともかく、どうして海未は無事にバトルクリア出来たのに顔をしかめてるのかしら?
その様子をちょっと不思議に思った私は、その事を海未に聞いてみたのよ。
「ねぇ海未?そんな顔してどうしたの?」
「あー、はい…。あのですね?」
「うん?」
「大量のハイ・モックを延々と斬り殺していたら、何故だか段々と…その…ハイ・モックが…可愛らしく思えて来て…。」
「…はい?」
海未から返って来た言葉は全くの予想外の言葉だったわ。
ハイ・モックが可愛らしく思えて来てって…なんで?どーして?
「頭でも打ったの?大丈夫?」
「大丈夫…だと思いたいです…。」
大丈夫だと思いたいですって…それって絶対に大丈夫じゃないよね?
「それにしても…あのまぁーるいナニを考えているのか理解不能な頭部…デザイナーがやっつけ仕事で仕上げたかの様な手足…ヤられてもヤられても黙々と向かってくる足軽の様な思考ルーチン…うっふふ…なぁーんて愛らしいのでしょうか…うっふふふふふふふふ…。」
ま、まぁ好みや性癖は人それぞれよね♪
「この南の島から帰ったら早速近所中のガンプラ売場のハイ・モックと言うハイ・モックを買い占めてあげましょう。いえ、買い占めではありません。これは保護です。保護。真にハイ・モックの良さを理解した私が保護をしてあげるのです…ぐふふふふ…。」
うん。
なんか…えりーちかが間違って無限モック地獄なんてミッション選んじゃったばっかりに変な性癖の扉を開かせちゃったみたいで本当に…
「あぁ…♪そう言えばこのお屋敷のガンプラコレクションルームにも保護すべきハイ・モック達が沢山居ましたね…待っていて下さいね…すぐに…すぐにぃ…私が保護して差し上げますよ…♪うっふふふふふふふふふふふ…ぐふふふふ…♪」
ゴメンナサイ。
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
プライベートで割とゴタゴタしておりまして、申し訳ございませんが次回更新は未定でございます。
可能な限りは週一更新を継続させたいとは思っております。
何卒応援の程、よろしくお願いいたします。
次回も手洗いうがいをしっかりとしてからがんばルビィで執筆中でございます。
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皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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