ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

色々とあって心が折れ掛けていたQooオレンジでございます。


今回はソラがメインの閑話となります。
ソラが立ち向かうのは…?
次回からは本編再開の予定です。
次回はようやく合宿回…いよいよ素組組の新しいガンプラが…?
















それでは 閑話「Red Comet MemorieS」 始まります。












閑話「Red Comet MemorieS」

「さっさと逝っちまえよ!三冠王!!!」

 

ザク・リヴァイブを狙ってバラ撒かれるザク・マシンガンの弾丸を両肩のアクティブ・スラスターを前後左右に忙しなく動かしながら噴かす事で掻い潜りつつ、バックパックの大型スラスターを派手めにひと噴かしして眼前の赤いザクⅡへ向けて一気に加速。

 

そして予めザク・リヴァイブの左手に持たせてあったビームブレードを目の前の赤いザクⅡへと振り下ろす…が。

 

[[良い攻撃だ!だが!当たらなければどうと言う事はない!!!]]

 

必殺を期して振るわれたビームブレードの緑色のビーム刃の一閃は、赤いザクⅡを切り裂く事はなくただ虚しく空を切りやがった。

 

「チッ!今のタイミングでも避けやがるのかよッ!!!」

 

<機体の性能はこちらが圧倒的に上のハズなのですがね。流石は“赤い彗星”と言う所でしょうか?もう面倒なので白旗でも上げましょうか?>

 

「はっ!白旗なんざ冗談じゃねぇ!赤い彗星だろうが白い悪魔だろうが!早々負けてヤれるもんかってんだよ!!!」

 

<ですね。では機体も温まって来た様なのでそろそろもう1段階ギアを上げるとしましょうか?>

 

「おうよ!逝くぞ!ゴルゥラァァァァ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“赤い彗星”シャア・アズナブル。

 

ガンダムを知っているヤツなら知らないヤツは居ないであろうこの“赤い彗星”となんで俺がいきなりバトってるのかって言うと、そこそこ深いワケが…イヤ、あんまり深いワケなんてねぇーな。

 

ぶっちゃけただ単に圧縮エネルギーカートリッジの代わりとして設計した粒子結晶カートリッジの素材であるプラフスキー粒子の結晶体“アリスタ”をちょいとニルスさんに都合して貰おうと思ったら、代わりに新開発の擬似人格AIと模擬戦をして欲しいって頼まれただけなんだよな。

 

で、その擬似人格AIの擬似人格ってのがこの“赤い彗星”だったってワケだ。

 

“赤い彗星”って言っても所詮はただの擬似人格。

 

高難易度用のNPCのAIに毛が生えた程度…って思ってかなり舐めてたんだけど、蓋を開けてみたらご覧の通りに大苦戦待った無しってワケなんだよな。

 

さっきみたいに確実にヤれるってタイミングで仕掛けても、あちらさんはまるでこっちの攻撃の先の先を読んでる様に余裕綽々で軽く避けやがるんだよ。

 

1番始めにトドメを刺すつもりで仕掛けて軽く避けられちまった時は、これが“ニュータイプ”ってヤツかー…なんてちょいと呑気なコトを思っちまったわ。

 

そんな呑気なコトを思える位にまだ余裕があるのか?って言われたらぶっちゃけ余裕なんざ微塵もねぇワケなんだか。

 

<アラート。ロックされました。回避行動を推奨します。>

 

「チッ!またかよ!クソうぜぇ!」

 

ザク・リヴァイブの装甲はそこまで厚くはねぇーけど、流石にただのザク・マシンガン程度の火力じゃ穴は空かねぇ…って思ってたら所がどっこい。

 

コイツが全く持ってただのザク・マシンガンなんて代物じゃなかったんだ。

 

放たれる弾丸1発1発が当たれば即貫通間違い無しに無駄にフルカスタマイズされた逸品だったりしやがるんだよなぁ。

 

その証拠に右腕側のピアッシングシールドでシャアザクの放ったザク・マシンガンを防いだら、なんとびっくりアッサリと貫通しやがった。

 

イヤイヤイヤ!攻防一体型のシールドって言っても一応はシールドって名前付いてるだけどあってピアッシングシールドはかなり硬ぇハズだぞ?

 

ソレをアッサリと貫通しやがるとかドンだけだよ…。

 

ニルスさん…魔改造するにも程があるってんだよ。

 

まぁ機体自体にはそこまで非常識な魔改造が施されてねぇーのが幸いだな。

 

っと!

 

「っぶねぇ!」

 

<考え事ですか?随分とまぁ余裕がありますね?そこまで余裕ならば私のサポートを切りましょうか?漏れなく楽しい地獄の様なバトルがプレイ出来ますよ?>

 

「ボケッとしてたコトは謝るからマジで止めろ!このバカ!」

 

<完璧美少女のアイリちゃんにバカですか?そうですか……ではマスターのお望み通りにこれより全てのサポートをオフに…「だー!待て待て待て待て待て!!!謝るから!バカって言ったコトは謝るから!だからマジで止めてくれ!」…はぁ…。ならちょっとは真面目に戦って下さい。>

 

「わぁーってるっての!」

 

ったく…コレでも一応は真面目にヤってるつもり何だけどなぁ…。

 

[[ちぃぃ!うろちょろと目障りな!]]

 

そんなやり取りをしていると、“赤い彗星”の操るシャアザクはザク・マシンガンで弾幕を張りながらこっちへと突っ込んで来やがった。

 

射撃が当たらねぇから近接戦闘に切り替えようってトコか?

 

けっ!上等だ!

 

「近接戦闘で早々俺に勝てると思うなよ!三冠王!!!」

 

自慢じゃねぇーがこっちは射撃戦よりも近接格闘戦の方が得意なんだよ!

 

クロスレンジで殴り合おうってんなら望むトコだ!!!

 

来やがれってんだよ!ボケが!

 

俺は内心で悪態を付きながらも機体を左右上下に小刻みに動かして回避運動を行い、バラ撒かれるザク・マシンガンの弾丸の隙間を縫う様にシャアザクへと向かう。

 

すると“赤い彗星”は手にしていたザク・マシンガンを放り投げ、腰にマウントしてあったヒートホークを取り出して早速とばかりにその刃を赤熱化させやがった。

 

そして…

 

[[墜ちろ!!!]]

 

バックパックのスラスターを盛大に噴射させて一気に加速すると、俺のザク・リヴァイブ目掛けて手にしたヒートホークを横薙ぎに払う様に振り抜いて来やがった。

 

「墜ちるかってんだよ!!!」

 

俺はその振り抜きにタイミングを合わせる様に両肩のアクティブ・スラスターを機体前面へ向けて全力で噴射するコトで無理矢理に急制動をかけて紙一重でヒートホークの一撃を回避。

 

さらにバックパックの大型スラスターを全力噴射して機体をまるでバク転させる様にグルリと縦に回転させる。

 

そして、機体を縦に回転させながらサマーソルトキックの要領で眼前へと蹴りを放つ。

 

蹴りの狙いはシャアザク本体!じゃなくて横薙ぎに振るわれたヒートホークだ!

 

「ゴルゥラァァァァ!!!」

 

流石のニュータイプも眼前でいきなりバク転かまされるとは思わなかったらしく、こっちの目論見通りに縦回転から放った蹴りはヒートホークに掬い上げる様にぶち当たって派手に蹴り飛ばしてやったさ。

 

「アイリ!」

 

<アクティブ・スラスターの動作サポートに入ります。>

 

ソコからもう一度バックパックの大型スラスターを全力噴射させて回転を加速させつつ、両肩のアクティブ・スラスターを左右逆に噴射させて今度は機体を無理矢理気味に横に回転させる。

 

「もういっちょ!貰っとけ!!!!!」

 

縦回転に無理矢理気味に横回転を加えた機体は斜めに回転を始め、シャアザクに対して背中を向ける形になった瞬間をみはからって俺は回転を利用して再び蹴りを放つ。

 

今度の蹴りはローリングソバットって言えばいいのか?

 

まぁ後ろ回し蹴りってヤツだな。

 

その後ろ回し蹴りで狙うのはシャアザクの胴体部分。

 

サマーソルトに続き掬い上げる様に放たれた後ろ回し蹴りは、最初のサマーソルトで若干体勢を崩していたシャアザクの胴体へと吸い込まれる様にぶち当たった。

 

[[えぇぇい!道化の様な動きを!!!]]

 

“赤い彗星”の言う様に、道化…つまりはピエロの様なアクロバティックな動きで放たれた一連の攻撃は流石のニュータイプでも虚を突かれたみてぇーで、面白ぇくらいにキレイに決まりやがった。

 

“赤い彗星”は悪態を放ちつつ盛大に吹き飛ばされて行きやがった。

 

さて、ヤツが体勢を立て直す前に決めちまわねぇーとなぁ!

 

「“Accel”!!!」

 

ここで切る札は単発の“soar”

 

機体全体のスラスターを使った急加速で蹴り飛ばして距離が空いちまったシャアザクとの間を一気に駆け抜ける。

 

“soar”による急加速で文字通りに瞬く間にシャアザクの眼前へと接近し…

 

「コイツで!終わりだ!!!!!」

 

左手に握ったビームブレードを振り抜く!

 

振り抜かれたビームブレードの緑色のビーム刃は、体勢を立て直す寸前だったシャアザクの胴体を真横に薙ぎ払って上下にぶった切ってやったさ。

 

相手が“赤い彗星”だろーがロリコン・シスコン・マザコンの三冠王だろーがニュータイプだろーがざっとこんなもんよ!

 

忠実に再現されたガンダム作品でも間違いなく最強クラスのMSパイロット“赤い彗星”のシャア・アズナブルに勝った事でちょいといい気分になっていると、外でバトルをモニタリングしていたニルスさんから通信が入ったんだ。

 

その内容は…

 

[[ご苦労様です、ソラ。それでは次の“赤い彗星”の相手をして貰いましょう。]]

 

ってコトだった。

 

ってか…はい?次の“赤い彗星”…?

 

は?

 

次?

 

「えーっと…ニルスさん?次って…?」

 

[[言ってませんでしたか?今の“赤い彗星”は“シャア専用ザクⅡ”を使用していた時期の“赤い彗星”です。次に相手をして貰うのは“シャア専用ズゴック”を使用していた時期の“赤い彗星”になります。ここまで言えばソラならばわかりますよね?]]

 

イヤ、わかりますよね?ってわかるワケねぇ…あ"………オイオイオイ!まさか!

 

「機体を乗り換える毎にヤらせるつもりっすか!?」

 

[[勿論。そうしなければデータ取りになりませんので。]]

 

「ちょっ!?」

 

“赤い彗星”が機体を乗り換える毎にバトルしなきゃダメって何回バトんなきゃダメなんだよ!

 

一年戦争時代だけてザクにズゴックにゲルググにジオングの4機だぞ!

 

まさか小説版のリック・ドムとかねぇーよな!

 

なんかシャア専用ガンダムとかってのもあった気がするし!

 

ん?

 

ニルスさん…確か“シャア専用ザクⅡを使用していた時期”って言ってたよな…?

 

使用していた時期って………俺が今、倒した“赤い彗星”ってもしかしてまだニュータイプに覚醒してなかった最初期のシャア…ってコトか…?

 

は?アレでニュータイプじゃなかった…?

 

イヤイヤイヤ!ウソだろ!ウッソだろ!

 

アレだけこっちの攻撃を先読みしまくってたクセにニュータイプ覚醒前なのかよ!?

 

覚醒前でアレなのにニュータイプに覚醒したらアレよりもっとやべぇーのかよ!?

 

[[さて、それでは次のバトルフィールドへと変更しますよ?次は地上戦フィールドです。]]

 

「ストップ!マジでストップ!ニルスさん!」

 

[[問答無用です。頑張って下さいね、ソラ。]]

 

「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

<ぬぉーとかマスターはどこのパパスさんの最期ですか?>

 

「うっせぇわ!こんボケェ!!!」

 

何で電子精霊のテメェがドラクエとかの小ネタ知ったんだよ!ってツッコミてぇけど今はそれどころじゃねぇーよ!

 

クソ!ニルスさんもアイリも!後で覚えとけよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わった……よな?」

 

次々に襲い来る“赤い彗星”と延々とバトルを続けて、四苦八苦しながらも最後のナイチンゲールを撃墜した俺は、ようやくホッとひと息入れるコトができた。

 

できた…よな?

 

ってかひと息つけるよな?

 

アレで終わりだよな?

 

他にシャアが乗ったMSは無いハズ…だよな?

 

<終わったよな?なんてそれはあからさまにフラグなのでは?>

 

「言うな!俺だってフラグっぽいとか思っちまったけど頼むから言わないでくれ!!!」

 

<バカ丸出しですね。ご自身でフラグとか言ってる時点でフラグ回収のフラグじゃないですか。>

 

クソ!アイリのヤツ!さっきから散々に言いやがって!

 

そりゃ俺だってフラグ云々言ったらソレがフラグ回収フラグだってコトはわぁーってるっての!

 

けど今回は大丈夫!

 

何せシャアが乗ったMSはさっきのナイチンゲールで終わりなんだ!

 

シャアは最後にサザビーorナイチンゲールに乗ってアムロと戦って行方不明なんだ!

 

これ以上は絶対に無い!

 

無いったら無い!!!

 

俺はそう確信していたんだが…

 

[[では次のバトルへ行きましょうか。]]

 

現実は非情だった。

 

ザク・リヴァイブのコクピットに鳴り響くのは次のバトルを告げるニルスさんの声。

 

ってか次ってなんだよ!次って!

 

ナイチンゲールで終わりじゃねぇーのかよ!!!

 

「ちょい待ち!ニルスさん!シャアってナイチンゲールで終わりじゃねぇーのかよ!!!」

 

[[そこら辺は気にしたら終わりです。では次の機体を投入します。それと安心して下さい。これで終わりですから。]]

 

「気にするっての!」

 

<グダグダ言って無いで早く終わらせましょう。私、見たいテレビがあるんでよ。>

 

「見たいテレビがあるとかお前はホントに電子精霊か!」

 

<目標、12時方向に捕捉。おや?これはまた随分と大きい。>

 

「ツッコミ無視かよ!ったく!あー!もう!クソが!ヤるよ!ヤれば良いんだろ!どれだ!次の相手は……へ?」

 

俺は世の中の無情に嘆きつつも、ニルスさんの次で終わり発言を信じて最後のヤル気を振り絞り最後のターゲットを確認する為に、拡大表示されたメインモニターを睨むと、ソコには…

 

「ねおじおんぐ…?」

 

真っ赤なバカデカいMS…イヤ、MA“ネオ・ジオング”が悠然とこちらへ向かって突き進んでいる光景が映し出されていたんだ。

 

って!

 

「なんでネオ・ジオングなんだよ!乗ってねぇーだろ!ネオ・ジオングにはシャアは乗ってねぇーだろ!!!ネオ・ジオングに乗ったのはフル・フロンタルだろ!!!赤い彗星の再来の方だろ!!!史実を根島んな!このクソ運営!!!」

 

[[クソ運営とは酷いですね。ソレにこれは所謂エキシビジョンマッチと言うヤツですよ?if世界線でシャアが生存し、彼がネオ・ジオングに乗ったらどうなったか…と言う言わば我々運営の遊び心が生んだ夢のエキシビジョンマッチです。難易度は過去最高峰なのでゆっくりと楽しんで下さいね。]]

 

「楽しめるか!死ぬわ!こんなの!!!」

 

<アラート。サクッとロックされましたので回避行動を推奨します。>

 

「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」

 

俺、折角の休みの日にナニやったんだろ…。

 

こうして俺のとある1日は過ぎて行ったんだ。

 

報酬として手元にプラフスキー粒子の結晶体を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。


プライベートで割とゴタゴタしておりまして、申し訳ございませんが次回更新は未定でございます。
可能な限りは週一更新を継続させたいとは思っております。
何卒応援の程、よろしくお願いいたします。




次回も手洗いうがいをしっかりとしてからがんばルビィで執筆中でございます。



皆様からのご感想、お気に入り登録、“高”評価等がポンコツな私のモチベーションへと繋がります。
皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のお気に入り登録、ご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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