ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
地獄の水古戦場を戦い抜いたQooオレンジでございます。
皆さんわざわざ地獄を作り上げる為だけに競馬場から帰って来なくても良かったのに…。
次の古戦場はマジで競馬場から帰って来ないで欲しい限りです。
今回も穂乃果ちゃんのガンプラの強化回となります。
原作主人公の無双回その2となります。
それでは 閑話「月夜の太陽 ⑤」 始まります。
次々に起こる理解不能な事態に私が大混乱している間に、あっさりと8機の敵機を撃墜しちゃったお姉ちゃん。
それなりに改造されていた機体も何機かあったって言うのに、それらを素組のミキシング機で瞬く間に撃墜しちゃうとかホントどーなってるのよ。
あり得ない事態の連続に精神的にへたれそうになっている私を尻目に、お姉ちゃんは接敵した敵集団の最後の1機に挑もうとしていました。
敵集団の最後の1機…それは割りと無理矢理気味に巨大なプロペラントタンクの下部に恐らくはフルスクラッチした足を取り付けると言う技術的にはスゴいけどソレってやる意味あるの?って思ってしまうとにかくムダだけどスゴい改造が施された世にも珍しい大地をノシノシと歩く珍獣的なネオジオングでした。
まぁ三代目メイジン・カワグチ曰く、ガンプラは自由だ!とのコトなんで、意味なくネオジオングに足を付けて重力下で歩かせてもソレはソレで本人の自由だから別に良いとは思います。
取りあえずはアレ、たぶん登録してある機体名はそのまんまなパーフェクト・ネオジオングなんだろうなぁ…。
私が何故か超強化されているお姉ちゃんや技術のムダ使いなパーフェクト・ネオジオングとかの色々なコトに関して半ば思考を放棄して最終的には今夜のごはんのオカズはなにかなーとかそんなアホなコトをぼんやりと考え出しそうになっている一方で、果敢にも単身パーフェクト・ネオジオングに挑もうとしているお姉ちゃんはと言うと…。
[[おっきなぁー。]]
と、こっちはこっちで割りと呑気なコトを呟いていました。
さらには…
[[(ねぇ穂乃果?さっきからずっとホノカと思考リンクしたままだけど、まだ大丈夫そう?頭使い過ぎて頭痛くなってない?) ほへ?あー…うん。なんか今日はまだ大丈夫っぽいよ? (そうなの?うーん…なら今日は思考リンクを解いた時に一気に反動が来てぎゃーすなパターンんかもね?) うげっ…あとで一気に…それはヤだなぁ…。(あはは♪まぁがんばれー♪) 穂乃果、痛いのはキライだなぁ…あとがんばりたくなーい…。]]
ナニやらぶつぶつと一人言を呟いています。
我が姉ながら急にぶつぶつと一人言を始めるとかマジで別の世界に逝っちゃったんじゃないの?って心配になるから止めて欲しいです。
そうこうしていると…
[[(っ!穂乃果!気を付けて!おっきいヤツが撃って来たよ!) ]]
パーフェクト・ネオジオングがお姉ちゃんのストライクガンダム(仮)へ向けて、バカスカと両手?の指からビームをぶっ放し始めました。
お姉ちゃんが一人言をぶつぶつと呟いているうちに、お姉ちゃんのストライクガンダム(仮)はいつの間にかノシノシと歩いて来たパーフェクト・ネオジオングの射程内に入っちゃったみたいだね。
[[ (穂乃果!思考リンクの深度を上げるよ!)うん!せっかくの新しいガンプラなのにこんなトコで負けたくないもんね!お願い!ホノカ!!!(おっけー!任せてよ!)]]
パーフェクト・ネオジオングの両手の指から放たれたビームの雨あられを掻い潜りながら、お姉ちゃんはまだナニか一人言を言っています。
ようやくお姉ちゃんの一人言が終わったと思ったその時、唐突にストライクガンダム(仮)の動きがまたまたガラリと変わりました。
上手く説明できないんだけど、なんと言うか…動きに迷いがなくなってキレが増しましたような…。
現にさっきまで一人言を言いながらパーフェクト・ネオジオングのビームの攻撃を避けていた時は結構ギリギリな感じで回避していたんだけど、動きのキレが増した今は余裕でビームでの攻撃を避けているんだよね。
そんなお姉ちゃんの動きはまるで次にドコにビームが来るのか予めわかっているかのような動きでした。
いつものお姉ちゃんなら絶対にぎゃーすって泣き叫んで大慌て確定なのに、今のお姉ちゃんにはそんな気配は微塵も見られません。
しかも…
[[っ!射線が開いた!]]
とか難しい言葉使ってるし。
お姉ちゃんはそんな普段なら絶対に使わない射線とかってお姉ちゃんにしては難しい単語を使いながら、いつの間にか右手に持っていたビームライフルの銃口から緑色のビームをパーフェクト・ネオジオングへ向けて連続で放ちます。
1発、2発、3発。
合計3発放たれたストライクガンダム(仮)のビームライフルの緑色のビームは、パーフェクト・ネオジオングのコアユニットになっているシナンジュへと真っ直ぐに突き進んで行きました。
その射撃の精度は基本アホなお姉ちゃんのクセにムダに良い狙いしています。
でも…
[[うぎゃ!?ビームが弾かれた!?なんで!?どーして!?]]
ストライクガンダム(仮)のビームライフルから放たれた緑色のビームは、パーフェクト・ネオジオングのコアユニットになっているシナンジュへと届く前に弾かれるように霧散してしまいました。
うん。
Iフィールドだね。
このビームを弾いちゃうIフィールドって最近の宇宙世紀系の巨大MAにはもう標準装備みたいな感じになってきてるよね。
∀とかだとビームを防ぐ以外にも何だかよくわからない効果も持ってたりするし。
ほら?ユニバース的な?
さてさて。
そんなユニバース的なビームを防ぐIフィールドでコアユニットのシナンジュを狙ったビームライフルでの攻撃を弾かれたお姉ちゃんは、一通りいつものお姉ちゃん(アホ)っぽく慌てていたんだけど…
[[ビームライフルが効かないならまとめてドーン!ってヤっちゃえば良いだけだよね!!!]]
と、なんともまぁ乱暴な解決法に辿り着いてました、
ってかアレだけおっきなパーフェクト・ネオジオングをまとめてドーン!ってヤっちゃえば良いって…お姉ちゃんのストライクガンダム(仮)じゃムリでしょ?
素体の一部として使っているガンダムXのサテライトキャノンでもあればまとめてドーン!もイケたんだろうけど、今のお姉ちゃんのストライクガンダム(仮)が持ってる武装ってビームライフルにビームサーベルの基本的なモノだけだよ?
その他の武装も胴体部分のブレストバルカンと頭部のイーゲルシュテルンくらいかな?
うん。
見事なまでにぜーんぶガンダムタイプの基本的な武装オンリーだね。
バルカン系やビームライフル、ビームサーベルとかの基本的な武装って使い勝手は抜群に良いんだけど、代わりにまとめてドーン!ってヤっちゃうような威力は出し難いんだよね。
そう言えばお姉ちゃんはさっきまでの戦闘でエネルギーに物を言わせてビームサーベルの出力をバカみたいに上げていたけど、アレもやり過ぎるとビームサーベルの基部の劣化が激しくなって戦闘中に使い物にならなくなるから、本当はあんな無茶なやり方はあんまりやらない方がいいんだよ…ってお姉ちゃん言っても聴く気はないだろうから言わないけど。
少なくとも私はあんな無茶な使い方はしたくないかな?
そんなコトを相変わらず現実逃避気味に考えていると、私の視界の中でまとめてドーン!宣言していたお姉ちゃんが動きました。
お姉ちゃんのストライクガンダム(仮)は右手に持っていたビームライフルを“武装領域(ウェポン・ストレージ)”の中へと収納して、なにも持っていない右手をニギニギと開いたり閉じたりしています。
お姉ちゃん、まとめてドーン!って行ってたけど、一体ナニするつもりなんだろ?
[[大丈夫!私たちならやれるハズだよ!]]
やれるハズじゃなくてヤられるハズの間違いじゃないのかなぁ…。
そんなツッコミを入れつつも、私はお姉ちゃんの動向を見守ります。
いざとなったらお姉ちゃんを守る為に。
なんだかんだ言っても私はお姉ちゃんが大好きだから。
恥ずかしいからお姉ちゃん本人にはそんなコト絶対に言わないけどね。
私の内心での実はお姉ちゃん大好き宣言の最中にも、お姉ちゃんの謎の行動は続いていました。
[[ポチ!ありったけのエネルギーを右手に集めて!]]
≪りょーかーい。ぜんえねるぎー、みぎてにしゅーそくー。≫
[[サテライトチャージで貰った全部のエネルギーを使って!]]
≪ぶっちー。≫
お姉ちゃんは自身の電子精霊“ポチ”に右手に全エネルギーを集束させてと命じます。
ポチは素直にその命令を遂行しているけど…右手に全部のエネルギーなんか集めてどーするの?
私のその疑問はすぐに解消されました。
[[全力!全開!!!]]
お姉ちゃんが普段のぽわぽわなアホ姉とは違った気合いの入った叫びと共に、ストライクガンダム(仮)の右手の掌を前方のパーフェクト・ネオジオングへ向けて付き出すと…
[[これで…全部!!!消えちゃえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!]]
バチバチと激しくスパークを辺りへ撒き散らしながら、その右手の掌から1つの光の玉が放たれたんです。
右手の掌から放たれたその光の玉はスパークを撒き散らしながらドンドンとその大きさと範囲を広げて行って、遂にはパーフェクト・ネオジオングを飲み込んでしまう程の巨大な光球へとなったんです。
お姉ちゃんの叫びと共にストライクガンダム(仮)の右の掌から放たれたソレはまるで…そう、太陽のように眩い光球。
そんな月夜に放たれた太陽はお姉ちゃんの眼前にある全てモノを飲み込み、次々と一瞬で消し飛ばして行きます。
ソレはもちろんパーフェクト・ネオジオングも例外ではありませんでした。
太陽のような光球に飲み込まれたパーフェクト・ネオジオングは、その巨体全てを一瞬で溶解させてバトルフィールドから消滅させられてしまったんです。
「なんなの…アレ…?」
やがて光球は少しずつ小さくなって行きました
そしてお姉ちゃんの目の前には球状に抉られた大地だけが残されていました。
そう…月夜に放たれた太陽は範囲内全てのモノを文字通り消し飛ばしちゃったんです。
[[やったね!大成功!ってアレ?警告アラート?]]
≪えねるぎーざんりょーぜろでみぎうでもしょーしつー。ぶっちゃけだいぴんちー?≫
[[ほへ?エネルギー残量ゼロで右腕も消失…?しょ、消失って無くなったってコトだよね!?って!マジで右腕無いし!何で!?どーして!?ちょっとホノカー!ってかさっきからなんか頭痛いし!ぎゃーーーーすぅぅぅ!?]]
お姉ちゃん、スゴい…。
宣言通りにまとめてドーン!をしちゃったお姉ちゃんに対して素直にそう思っていたのも束の間、お姉ちゃんはいつも通りのアホ丸出しでぎゃーぎゃーと騒ぎ始めていました。
右腕が消失ってコトはたぶんさっきの太陽のような光球のあまりの威力に機体自体が持たなくて、基点になっていた右腕部分が吹き飛んじゃったんだろうね。
まぁほぼ素組のミキシング機だから仕方ないよね。
ぎゃーぎゃー騒ぐお姉ちゃんを見ながらそう思っていると…
「ん?広域レーダーに反応?」
私のガンダムホワイトラビットのコクピットに新たに敵機がレーダーレンジ内に侵入して来たコトを告げる警報が鳴り響きました。
「えーっと…って!げっ!?」
サブモニターの広域レーダーを確認すると、そこには大量の赤い光点がこちらへ向かって群れを成して移動して来ていました。
移動スピードはみんなバラバラで、たまに赤い光点が消えたり増えたりしています。
これはつまり…
「さっきのお姉ちゃんの太陽っぽい一撃を遠目で見てた人たちがわんさかこっちに来ている+そのわんさかに反応してリポップしたハイ・モックが加わってヤバいコトになりながらこっちに向かって来てるってコトだよね!?」
ヤバい。
これはヤバいです。
だって…
[[おーい、雪穂ー!お姉ちゃん、右腕無くなってオマケに動けなくなっちゃった♪てへ♪あと頭が痛くて死にそーだよー♪]]
アホ姉は機体に重大な損傷&エネルギー切れで行動不能なんだもん。
動けない今の状況でアレだけの大規模集団の乱戦に巻き込まれたら一瞬でミンチになっちゃうよ。
こうなったら…
「お姉ちゃん!逃げるよ!」
退却あるのみ!
そう決断した私は、エネルギー切れで動けなくなっているお姉ちゃんの所まで移動して、その機体の首根っこを引っ掴んでフルブーストで逃げ出しました。
[[ふぎゃ!?ゆ、雪穂ー!?ちょっと!お姉ちゃん!頭痛いからあんまり揺らさないでー!]]
三十六計逃げるが勝ち!
私はナニか言ってるお姉ちゃんのナニかをスルーして逃走を開始します。
そんな私たちへと…
[[ふぎゃ!?雪穂!?なんかスッゴい数のミサイルが飛んで来てるんだけどー!?あとビームもいっぱい!]]
ミサイルとビームの雨が降り注いで来ました。
そして辺りへと着弾し始めます。
着弾も同時に…
[[ぎゃーーーーす!!!死ぃぃぃぃぬぅぅぅぅぅぅぅ!?]]
派手に爆発。
私はそんな爆発の中を動けなくなったお姉ちゃんのストライクガンダム(仮)の首根っこを掴んだまま突き進んで逃走を続けます。
いつまでも止まないミサイルとビームの雨と着弾後の爆発。
その中を縫うように逃げ惑う私(とお姉ちゃん)。
結局、この地獄の様な鬼ごっこはバトル終了まで続きました。
[[ダレカタスケテーーーー!]]
「助けて欲しいのはこっちだし!あとそれってお姉ちゃんのセリフじゃないから!!!」
[[何でもいいからタスケテーーーーー!!!!]]
「うっさいからちょっと黙ってて!!!」
[[雪穂に怒られたぁぁぁぁぁ!!!]]
「だからうっさい!このアホ姉!!!」
[[穂乃果!アホじゃないもん!!!]]
「お姉ちゃんはアホ姉でじゅーぶん!!!」
[[アホじゃないもん!!!穂乃果!アホじゃないんだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!]]
<<BATTLE END>>
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
プライベートで割とゴタゴタしておりまして、申し訳ございませんが次回更新は未定でございます。
可能な限りは週一更新を継続させたいとは思っております。
何卒応援の程、よろしくお願いいたします。
次回も手洗いうがいをしっかりとしてからがんばルビィで執筆中でございます。
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皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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