ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

本日から水古戦場なQooオレンジでございます。
サーバーを維持する方々も、参加する騎空士の方々もきっと古戦場は中止が良いと望んでいる誰も望まないけど定期的にやって来る決戦!星の古戦場…。
またいつかの古戦場みたいにジオ君が破壊してくれませんかね…。



今回も絵里さんsideのお話となります。
続々々々戦闘回。









それでは 第8話A「夢の欠片」そのなな⑨ 始まります。





















第8話A「夢の欠片」そのなな⑨

小型ホーミングミサイルを着弾直前にわざと自爆させて、その爆炎を目眩まし代わりに使って行ったソラの奇襲攻撃。

 

その奇襲攻撃がきっかけで、今日のバトルでほんの少しずつだけど感じていたソラの違和感が決定的なモノになったわ。

 

“soar”を使うべきタイミングで“soar”を使わなかった。

 

他にも色々と違和感はあったけど、ソレが私の感じた最大の違和感。

 

おかしいわ。

 

絶対にナニかおかしいわ。

 

でもナニがおかしいのかがわからないのよね。

 

おかしいって言うのはハッキリとわかるんだけど…。

 

そんな違和感の正体に思考を巡らせながらも、ニュータイプやXラウンダー的な直感に従ってソラの奇襲攻撃を見事にやり過ごした私は機体を再び大きく旋回させてランスチャージの体勢へと入っていたわ。

 

ランスチャージの体勢に入ると同時に、横目でチラリとサブモニターに表示させてあるスーパーバーニアの内部に溜まっている圧力を見てみると、あとちょっとで2回目のブーステッドバーンが使用可能になりそうなのが確認できたわ。

 

なら2回目のブーステッドバーンが発動可能になるまではこのままランスチャージを続行ね♪

 

とか言っても私に出きるコトは大型ランスと大型シールドを構えて突撃するランスチャージだけなんだけど。

 

またバカのひとつ覚えって言われたとしても、ガンプラバトルになると何故か極端に不器用になっちゃう私にはソレしかないんだから仕方ないわ。

 

ホント、こんな変な特性をムダに遺伝してくれちゃったパパを荒縄で縛り上げてスカイツリーの展望台辺りに吊るしてヤりたいわよ。

 

今度ロシアから帰ってきたらホントにヤっちゃおうかしら…?

 

でもうちのパパって私とおんなじ性癖だからそんなコトしてもただのご褒美にしかならない気もするのよねぇ。

 

罵ってもご褒美になっちゃうだけし、無視してもご褒美なっちゃうだけし、痛め付けてもご褒美になっちゃうだけし。

 

ホント、パパって御し難いヒトよね。

 

ママはアレのドコが良くて結婚してあげたのかしら?

 

まぁうちのアレなパパのコトは今はどーでも良いわ。

 

取りあえず今はいつも通り大型ランスと大型シールドをそれぞれ構えてまたまた突撃開始よ♪

 

「まだまだ行くわよ!!!」

 

[[チッ!また来やがったな!クソが!イクのはベッドの上だけにしとけってんだ!!!]]

 

「可憐な乙女に向かってベッドの上だけでイクとかえっちなコト言っちゃダメなのよ!セクハラは禁止よ!禁止!そんなセクハラばっかりの悪い子にはえりーちかがきっつーーーいお仕置きしちゃうんだからね!!!シュトゥールム!!!!!」

 

お互いに軽口を叩き合いながら再び始まる攻防。

 

私はそんな攻防を繰り広げながらも、余裕そうにセクハラ全開の軽口を叩き付けてくるソラのザク・リヴァイブの挙動に注視してみたわ。

 

そうしてわかったんだけど、今日のソラのザク・リヴァイブは一見いつも通りの動きに見えるんだけど、よーーーく見ていると要所要所でほんの少しだけだけど軌道のブレや反応の若干の遅れに加速のタイミングの遅れ等々…いつものソラならばあり得ないようなミスがちらほらと目についたのよ。

 

バトルが始まってすぐの頃はそんなコトは無かったのに…。

 

まぁ私が注意して見てなかったってコトもあるんでしょうけどね。

 

[[だからしつけぇってんだよ!!!]]

 

「しつこく追い回されるのがイヤならおとなしくランスチャージの餌食になっちゃいなさい!!!そうすればぜーーーんぶ終わるからもうしつこく追い回されなくなるわよ♪」

 

[[墜ちるの前提の提案は却下!!!]]

 

「ならギブアップしちゃえば?」

 

[[だから何で俺が負けるコト前提の提案何だよ!!!]]

 

「だってえりーちかが勝つんだもん♪ソラが負ける前提の提案をするのは当たり前よ♪」

 

[[はぁ?!誰が誰に勝つだって?冗談ならこれっぽっちも笑えねぇーなぁ!!!]]

 

「あら?今のが冗談に聞こえたのなら、えりーちか的には耳鼻科と脳神経外科への早期の受診をオススメしまくるわ♪」

 

[[ケッ!勝手に言ってろ!こちとら耳も頭も正常だってんだ!ボケがぁ!!!]]

 

うん。

 

こうして改めて思ったんだけど、やっぱりソラって乙女相手に失礼過ぎよね。

 

私ったらコレのドコが好きで好きになっちゃったのかしら?

 

うーん…でもこの調子でベッドの上で罵られたりしたら………………あ、うん。良いかも♪

 

余裕があるようで実はあんまり無いソラとのそんな攻防を繰り返しながら、私はまたチラリとサブモニターの内圧表示を確認したわ。

 

ソラの軽口をあしらいながらチラ見したサブモニターには、しっかりと2回目のブーステッドバーンを使えるだけの数値が表示されていたわ。

 

発動条件はクリア♪

 

あとはタイミングね…と思ったその時…

 

「あっ…!」

 

余計なコトをアレコレと考えちゃったから、一瞬だけ操作ミスをしちゃってトールギス・ヴァルキュリアの軌道がブレちゃったの。

 

ほんの一瞬。

 

けど今日のバトルの相手はそんなほんの一瞬を見逃すような甘い相手じゃなくて…

 

[[っ!ソコ!!!]]

 

容赦なく、そして遠慮なく、私のスキを突いて来ちゃうのよね。

 

ソラは私の一瞬のミスを見逃さずに、ここぞとばかりき仕掛けて来たわ。

 

辺り一面に鳴り響くドン!という爆発音。

 

“soar”が発動された時に鳴り響くその爆発音と共に、私の視界から暗緑色の機体が一瞬で消えちゃったわ。

 

マズイ!

 

そう思った次の瞬間…

 

「きゃぁぁぁぁぁ?!」

 

[[外れた?!んにゃ、外したのかよ!(クソ!“soar”の発動に気を配り過ぎてピアッシングシールドのインパクトのタイミングがズレちまった!いい加減にレスポンスが鈍すぎるんだよ!)]]

 

メインモニターにはさっき私の目の前から一瞬で消えちゃった暗緑色の機体…ソラのザク・リヴァイブが画面いっぱいに写し出されていわ。

 

そして続けてトールギス・ヴァルキュリアのコクピットに走る激しい衝撃。

 

私は思わず悲鳴をあげながらも…

 

「くっ!この!よくも!!!」

 

咄嗟に目の前のザク・リヴァイブを振り払うために、大型シールドが取り付けられてある左腕を大きく振るったわ。

 

[[チッ!んな物騒なモンに当たってヤれるかってんだよ!!!]]

 

ソラはそんな咄嗟に大きく振るわれた大型シールドが自機に当たるのを嫌がったのか、脚部のスラスターを軽く噴射させて機体を後退させてこちらから離れて行ったの。

 

その光景を見て私はひと安心。

 

ソラを相手に零距離での戦闘は、いつピアッシングシールドでの致命的な一撃が飛んでくるかわかったもんじゃないから気が気じゃないのよね。

 

って!ソレどころじゃないわ!

 

今の攻撃でドコをヤられたの?

 

私はソラと同じようにこちらも機体を後退させながら、焦ってサブコンソールを操作してドコにダメージを受けたのかを急いで調べたわ。

 

調べたんだけど…

 

「えっ?ノーダメージ?」

 

結果はダメージ無し。

 

“soar”で加速して突撃した時に接触して、ソレで外装部分に少しだけキズが付いたみたいだけど、ソレを除けばドコにもダメージらしいダメージは受けてはいなかったわ。

 

えりーちか的にはピアッシングシールドでドコか撃ち抜かれたと思ったんだけど…。

 

絶好のチャンスなのにあのソラが決めるタイミングを外した?

 

ソレってなんの冗談よ?

 

[[クソが…(ミスったな。絵里さん相手に今ので決められなかったのは流石に痛ぇーわ。にしても…アイツが居ねぇだけでここまで操縦しづらくなるなんてな…。ったく、情けないったらありゃしねぇーな。) ]]

 

「あ。」

 

ソラの悪態がコクピットに聞こえてくる中で、ダメージが無かったコトを不思議に思いながらも、私はふと“アレ?今って何気にブーステッドバーンを使えば攻撃が届くんじゃ…”と考えちゃったのよ。

 

そう思った途端に私の身体はすぐに動いていたわ。

 

眼前に大型ランスと大型シールドを構えていつものランスチャージの体勢を取り、目の前で後退して行くソラのザク・リヴァイブ目掛けて…

 

「ブーステッドバーン!セカンドブリット!!!シュトゥールム!!!!!」

 

本日2回目のブーステッドバーンを発動させて突撃したの。

 

身体を押し潰さんとするヤバめのGを一身に受けながらも、トールギス・ヴァルキュリアは瞬く間にソラのザク・リヴァイブとの距離を詰めて…

 

[[ (そこら辺の有象無象相手にならどーとでもなるけど、流石に絵里さん相手にマニュアル操作じゃ厳し…)…っ!しまっ!]]

 

手にした大型ランスの一撃を叩き込んだの。

 

必殺を期して穿った大型ランスの一撃。

 

穂先が胴体を捉えようとしたその瞬間…

 

[[う!ご!けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!]]

 

ソラは全てのスラスターを一斉に噴射させてかなり強引に機体を捩らせて、ギリギリ胴体へと穂先が突き刺さるのを回避してみせたわ。

 

けど…

 

「今ので仕留められなかったのは残念だけど、機動性はガタ落ちって所かしら?」

 

大型ランスの穂先はザク・リヴァイブの左肩に取り付けられてあるアクティブスラスターを貫いたわ。

 

[[ヤってくれやがったなぁ!クソが!クソが!クソが!クソが!クソが!クソが!クソが!!!!!クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!]]

 

「ほへ?」

 

2回目のブーステッドバーンの超高速のランスチャージによって、ザク・リヴァイブの高い機動性を実現させていたアクティブスラスターの1つを破壊してえりーちかったら超有利♪とか思おうとしたんだけど、ソラが急にブチキレちゃってえりーちかビックリ。

 

[[もうマニュアル操作だろうが何だろうが関係ねぇ!徹底的にブチ殺す!!!!!“Rrapid acceleration(ラピッドアクセラレーション)”!!!死に晒しやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!]]

 

って!えりーちかビックリ♪とか言ってる場合じゃないみたい!

 

ブーステッドバーンからのランスチャージでアクティブスラスターを片方失ったソラは、突然ブチキレて“soar”を連続で使用する言わばソラの必殺技的な“Rrapid acceleration(ラピッドアクセラレーション)”を発動させちゃったの。

 

“soar”の発動を告げる爆発音。

 

その爆発音が辺り一面に連続で鳴り響き始めて……

 

[[あっ!うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!]]

 

突然、止んじゃったの。

 

「へ?」

 

気付くとトールギス・ヴァルキュリアのメインモニターには、機体の制御を盛大に失って錐揉みしながら遠くへと勝手に飛ばされていくソラのザク・リヴァイブが写し出されていたの。

 

あーるぅれぇぇぇぇぇー?

 

失敗?

 

ブチキレたのに失敗?

 

“Rrapid acceleration”ってあそこからビームブレードの二刀流で超高速の滅多斬りをしてくるんじゃないの?

 

お話の流れ的に今のはえりーちかが大ピンチになるんじゃないの?

 

で、ソコから3回目の最後のブーステッドバーンで一発逆転とかしちゃう流れじゃないの?

 

それなのにソラの必殺技的な“Rrapid acceleration”が失敗して不発でしかも勝手に飛ばされて行っちゃうの?

 

ないわー。

 

コレはもうアレね。

 

アイリにこの事をネタにされて徹底的にバカにされちゃう…………………あ。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

わ、わかったわ!ずーーーっと感じていた違和感の正体!!!

 

アイリよ!アイリ!

 

いつも戦闘中だろうと何だろうと所構わずにソラを小バカにしたような物言いでからかったりするのにそれでも何だかんだでしっかりとサポートしてるアイリが今日は一言も喋ってないのよ!!!

 

ってかあのアイリが今の“Rrapid acceleration”の失敗でソラに対して一言も無いだなんて絶対にあり得ないわ!!!

 

アイリなら絶対に“ナニが“うぎゃー”ですか。バカですか?必殺技的なアレを盛大に失敗するとかバカなのですか?と言いますかバカですよね?確実にバカですよね?大体にして今のは決めるのが一般的な流れですよね?一般的な流れに乗るのがイヤだからわざと失敗したとかですか?なら流石は我が親愛なるド腐れマスターです。ド腐れ過ぎて涙を流せない電子精霊な私でも思わず涙を流してしまいそうですよ。”とか言うもん!

 

ソレにアイリならさっき小型ホーミングミサイルを撃ってきた時だっていつもならソラが“ホーミング!”って言ったら続けてアイリが淡々と“ターゲットロック。ミサイル、発射します”とか言うもん!

 

アイリなら攻撃を外したりしたら“不様ですね”とか言うもん!

 

それなのに一言も無いだなんて……もしかして…

 

「アイリが乗ってない?」

 

あれ?電子精霊って乗ってないって表現でいいのかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

と、言うワケで違和感の正体はソラの電子精霊アイリの不在でございました。



次回はそろそろグダグダな戦闘に決着が……つかないかも…でございます。



皆様からのご感想、お気に入り登録、“高”評価等がポンコツな私のモチベーションへと繋がります。
“μ's”全員集結までもう少し…皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のお気に入り登録、ご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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