ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

この時季になるといくら寝ても寝たりないQooオレンジでございます。



今回も絵里さんsideのお話となります。
今回は穂乃果ちゃんががんばルビィいたします。







それでは 第8話A「夢の欠片」そのろく⑤ 始まります。
































第8話A「夢の欠片」そのろく⑤

私が装甲強化型のグスタフ・カールと戦い始めた丁度その頃、後方から私を追って来ていた高坂さんも素組のジェガンとリゼルの2機と接敵していわ。

 

私はこの戦闘をリアルタイムで確認してはいなかったけど、高坂さんの一人称で戦闘描写をさせちゃうと擬音精舎の鐘の声(※正しくは“祇園”精舎です。)もびっくりな擬音祭りなっちゃうから、今回の高坂さんとジェガン&リゼルの戦闘回は私が解説しちゃうわね。

 

そんな高坂さんと素組のジェガン&リゼルそれぞれバトル………

 

<<てっきほそくー。しゃてーない、しゃてーない。>>

 

[[おっけー!ぽち!いっくよーーーー!!!]]

 

<<おー。>>

 

まず先手を取ったのは音ノ木坂学院が世界に誇る(?)アホの子な高坂さんの操るエールストライクガンダムだったわ。

 

使用している機体は同じ素組同士でも高坂さんには電子精霊が憑いているから、それが少しだけ有利に働いたみたいね。

 

高坂さんは相棒の電子精霊から射程内に敵機を捕捉したことを伝えられると、すぐにジェガンとリゼルの2機へ向けて右手に構えたビームライフルを連射し始めたわ。

 

高坂さんのエールストライクガンダムが握るビームライフルから放たれた緑色のビームは、真っ暗な宇宙を眩(まばゆ)く照らしながらジェガンとリゼルの2機へと降り注いで行ったわ。

 

高坂さんのことだから適当に狙って撃ったのかしら?と思ったんだけど、エールストライクガンダムから放れた緑色のビームは私の予想を裏切ってジェガンとリゼルそれぞれにピンポイントで放たれていたの。

 

一瞬だけ“えっ?アホが服を着て息をして食事をして寝て歩いて何となくで日常生活を送っているハズの高坂さんなのにちゃん狙って撃ったの?!”って思ったんだけど、たぶん高坂さんが狙って撃ったって言うよりも高坂さんの電子精霊が射撃のサポートを的確にしてくれているから正確な狙いが付けれているだけなんだろーなーとすぐに思い至ったわ。

 

そうじゃなきゃ射撃に関してだけは私以上になっちゃうもん…。

 

そんなアホが以下略な高坂さんなのに電子精霊のサポートによって割りと正確な狙いで放たれたビームは、まぁ当たり前だけど簡単に避けられちゃったわ。

 

当然よね。

 

フェイントとかそんな感じの工夫もなくただ真っ正面から狙って撃っただけのビームなんかに当たるガンプラファイターはそうそう居たりはしないわ。

 

私のトールギス・ヴァルキュリアみたいな防御特化型でもない限りは今の攻撃は避けて当たり前よ。

 

まぁ高坂さんも今の攻撃は当然のことだけど牽制目的…

 

[[げっ!避けられた!!!当たったと思ったのに!!!!!]]

 

じゃなくマジで当てに行ってたのね…。

 

真っ正面からバカ正直にただビームライフルを撃っただけで当たるワケ無いじゃないの…。

 

ただ撃っただけで当たるのはAI操作のハイ・モックくらいよ。

 

今の場合は初擊は牽制目的で避けさせる為の射撃をしてから、相手がこちらの思惑通りに避けたらその回避先に向かって今度は本命の一撃を撃つって流れよ。

 

高坂さんはそんな基本的な戦術も知らないのかしら?

 

ソラやにこは教えなかったの?

 

それとも……教えたけど忘れた…とか?

 

あ、あり得るわ…。

 

だって高坂さんだもん…。

 

アレがアレしてアレがアレな高坂さんだもん…。

 

ガンプラバトルのイロハを教えても2秒後くらいにはキレイさっぱりと忘れちゃうなんて高坂さんなら十二分にあり得ることだわ…。

 

私が高坂さんの残念さについて再確認しちゃっていると、高坂さんの放ったビームを危なげなく回避したジェガンとリゼルの2機がそれぞれの射程内にエールストライクガンダムを捉えたみたいで反撃を開始して来ていたわ。

 

2機はそれぞれビームライフルを構えると、高坂さんのエールストライクガンダムに向けて次々とビームを発射して来たの。

 

ジェガンとリゼルの2機から放たれるビームライフルの連射に対して、高坂さんが選択したのはシールドでの防御ではなく…

 

[[ (穂乃果!来るよ!) わかってる!そんなふつーのビームなんかに当たんないもん!!!]]

 

回避。

 

高坂さんは背中に取り付けてあるエールストライカーと機体のあちこちに設置されてある姿勢制御用のスラスターを噴射させて、機体を上下左右に軽やかに動かし楽々とジェガンとリゼルが放ったビームを回避してみせたのよ。

 

回避行動を終えた高坂さんは各部のスラスター噴射を止めて再びビームライフルを構えて反撃に出ようとしたんだけど…

 

[[ (ちょっと穂乃果!何よりやってんの!ダメだよ!足を止めちゃ!) へ?なんで?]]

 

相手は高坂さんと違いちゃんとガンプラバトルのイロハを知ってるファイターだったみたいね。

 

ジェガンとリゼルはそれぞれさっきの攻撃を回避した後に足を止めてしまった高坂さんのエールストライクガンダムに向けて本命の一撃を放って来たわ。

 

しかもご丁寧に今度はジェガンとリゼルがそれぞれ時間差をつけてビームライフルを放ったの。

 

ジェガンが放ったビームを避けてもすぐにリゼルの放ったビームが襲ってくる。

 

初心者にはちょっと酷な状況よ。

 

さて、初心者……高坂さんはこの状況を一体どうするのかしら?

 

定石ならここは回避ではなく防御よ。

 

回避が困難な状況ならば機体のダメージを極力抑える為に防御する。

 

普通のガンプラファイターならばそうするハズよ。

 

普通のガンプラファイターなら、ね。

 

でも…

 

[[ (あー!もう!言わんこっちゃない!穂乃果!ホノカが“視る”からちゃんと避けてよね!!!) うん!りょーかいだよ!!!]]

 

高坂さんは“普通のガンプラファイター”じゃなかったみたい。

 

高坂さんがこの窮地に選んだのは定石通りの“防御”ではなく“回避”。

 

そう…この回避が極めて困難な状況で高坂さんは防御ではなく回避を選んだの。

 

先に到達するジェガンの放ったビームに対して、高坂さんは機体の左側のスラスターだけを噴射させて半身になることで見事に避けてみせたわ。

 

そして…

 

[[ (タイミングに気を付けて!) おっけー!(カウント!いくよ!さん、にー、いち!今!!!) おりゃーーーー!!!!!]]

 

時間差で放たれたリゼルのビームライフルに対して、今度は両腕を思いっきり振り上げて、その反動を利用して機体の上半身をのけ反るような体勢にさせることでギリギリ避けちゃったのよ。

 

まるでマトリ○クスみたいな避け方ね。

 

とか感心していると、ジェガンが左腕のシールドに内蔵されているミサイルランチャーを放ちながら、無理矢理気味な回避を終えたばかりの高坂さんのエールストライクガンダムに向けて突っ込んで来たわ。

 

ジェガンの右手にはさっきまで握られていたビームライフルは無い…

 

[[ (あのメロン色のジェガンってヤツ!牽制のミサイルのあとに近接戦闘を仕掛けてくるつもりだよ!) だからけんせーってナニ?!(牽制は牽制!とにかく!ミサイルを避けるか撃ち落としたらビームサーベルの準備!!!) ミサイルを何とかしてからビームサーベルだね!りょーかい!!!]]

 

それはつまり接近してビームサーベルでの格闘戦を仕掛けようとしているってことだわ。

 

高坂さんもナニか変な独り言を言っていたけど、どうやら私と同じ判断をしたみたいね。

 

ジェガンがエールストライクガンダムに接近するために牽制として放った合計4発のミサイルに向けて、高坂さんは右手に握っていたビームライフルを素早く4連射すると、すぐさまビームライフルを“武装領域(ウェポンストレージ)”へと収納して…

 

[[いくよ!!!]]

 

背中のエールストライカーからビームサーベルを引き抜いたの。

 

高坂さんがエールストライカーからビームサーベルを引き抜いた直後、撃ち落とされたミサイルの爆発を突き破ってビームサーベルを振りかぶったジェガンが襲い掛かってきたわ。

 

高坂さんは振り下ろされるジェガンのビームサーベルを自機のビームサーベルで防ぐと、そのままビームサーベル同士で鍔迫り合いへと突入したわ。

 

あぁそうそう。

 

初期のSEEDだとビームサーベル同士の鍔迫り合いは出来ない設定だったけど、ガンプラバトルシミュレーターだと普通に初期SEED系の機体でもビームサーベル同士で鍔迫り合いが出来ちゃうのよ。

 

原作に忠実に再現しろ!って設定厨も多いみたいだけど、私は別にアリだと思うわ。

 

だって激しく粒子を飛ばすビームサーベル同士の鍔迫り合いってロマンじゃない♪

 

ね?そう思わない?

 

とか思っていると、いつの間にかリゼルが鍔迫り合いをしている高坂さんのエールストライクの後方へと回り込んで来ていたわ。

 

挟み撃ちね。

 

高坂さんのエールストライクガンダムの後方へと回り込んだリゼルは、そのままビームライフルをエールストライクガンダムへと向けて…

 

[[ (穂乃果!後ろ!) うしろ?えっ?!あーっ!ほ、ほんとだ!ぎゃーーす!どーしよー!!!(とりあえずぎゃーすしてる暇があるなら早く逃げ…あ♪んっふふ♪ねぇねぇ穂乃果♪あのね♪ホノカちょっといいこと思い付いちゃったかも♪だからやっぱり逃げるのはナシだよ♪) へ?いいこと?]]

 

発射したわ。

 

1機が近接戦闘で敵を抑えて、もう1機が射撃で仕留める。

 

悪くない連携だわ。

 

特にジェガンではなく機動性で優れているリゼルの方がその機動性を遺憾なく発揮して敵の後方に回り込んでいるのがポイント高いわ。

 

でも…

 

[[ (いい?ホノカが合図したら避けてね♪楽しいことになるから♪) ん?よくわかんないけどわかった!]]

 

挟み撃ちをするときはお互いの位置に気を付けないと大変なことになるわよ?

 

そんなことを思っているとうちに、高坂さんのエールストライクガンダムの真後ろから放たれたリゼルのビームは、真っ直ぐに突き進んで行って…

 

[[ (まだだよ……まだ……まだ…まだ……っ!今!穂乃果!)うん!うりゃーーーー!!!!!!]]

 

ジェガンのコックピット部分を貫いたわ。

 

必殺を期して放たれたハズの味方のビームでコックピットを貫かれちゃったジェガンのファイターは、一体ナニが起こったのか理解が追い付かなかったでしょうね。

 

まぁ簡単に言えばリゼルが放ったビームを、高坂さんが直撃ギリギリの所で避けて鍔迫り合いをしていたジェガンに直撃しちゃったのよ。

 

高坂さんはリゼルが真後ろから放ったビームが直撃する寸前に、鍔迫り合いをしている体勢から機体の力をフッと抜いて、そのままくるりと回転してビームを避けてしまったの。

 

そして高坂さんのエールストライクがビームを避けた結果、エールストライクのすぐ前に居て鍔迫り合いを演じていたジェガンに直撃しちゃったの。

 

言葉にすると簡単だけど、よく土壇場であんなことをやったわねーって感じだわ。

 

高坂さんの相変わらずまるで後ろにも目があるようなその動きにはかなり違和感を感じるけど、ピンチをチャンスに変えちゃえるセンスは素晴らしいと思うわ。

 

ジェガンとリゼルのファイターたちは挟み撃ちの時は同士討ちには十分に注意しなきゃダメよ?

 

気を付けないと今みたいに同士討ちになっちゃうんだから。

 

[[やった!1機倒した!(直接は倒してないけどね。) いいの!穂乃果がホノカと倒したの!(はいはい。それじゃこのまま残りの紺色のヤツも倒しちゃお♪)うん!]]

さて。

 

残るはリゼル1機ね。

 

ここまでのバトルを見てみると、高坂さんと素組のファイターのガンプラファイターとしての力量は同じくらいに思えるわ。

 

けど戦術的な考え方ができる分だけリゼルのファイターの方がやや上かしら?

 

高坂さんはセンスはいいけど頭の中身がアレなのよね…。

 

そんな頭がアレな高坂さんと残された素組のリゼル…まず動いたのは素組のリゼルだったわ。

 

素組のリゼルは高坂さんのエールストライクガンダムが仕掛けてくるよりも早く、機体をウェブライダー形態へと変形させて宇宙空間を疾走しだしたの。

 

基本的に素組のガンプラ同士ならスピードにそこまで差は出ないんだけど、それはMS形態の時に限ったこと。

 

可変機体は変形すると素組のガンプラでも一気に機動性が増しちゃうのよ。

 

素組のリゼルのファイターは素組のガンプラ同士の1対1で機動性で優位に立つために、機体を素早くウェブライダー形態へと変形させて駆け出したったワケね。

 

悪くない判断だわ。

 

対する高坂さんは…

 

[[うぇぇぇ?!な、なんかへんけーした!(うん。たぶんアレってことりちゃんのウイングガンダム・リトルバードみたいに変形すると機動性が上がるヤツだよ!もしかしたらホノカ達のエールストライクじゃ鬼ごっこしても追い付けないかも?) 追い付けないの?!どーしよー!!!(うーん…どーしよかっなぁ…。とりあえずどーするかホノカが考えるから、穂乃果は適当に追い回して攻撃してて。) う、うん…。]]

 

ナニやら独り言を呟きながら、ウェブライダー形態へと変形した素組のリゼルを追い掛け始めたの。

 

追い掛け始めたのは良いんだけど…

 

[[ナニアレ!なんかすっごく速い!!!!!]]

 

私の予想通りにウェブライダー形態へと変形したリゼルのスピードは、高坂さんのエールストライクガンダムよりもかなり速くて全然追い付けなかったわ。

 

ここでようやく前回のラストに繋がるってワケね。

 

機動性に差のあるリゼルに対して、高坂さんは一体どんな戦い方をするのか…。

 

それはまた次回♪があればいいんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

何とか今週の更新には間に合いました…。
そして続連載以来最大のピンチ継続中でございます。



次回も絵里さんsideのお話となります。
次回は…まだ未定でございます…。



次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新は妄想力の低下&クソ上司のお陰でブラック労働万歳の為、しばらくはお休みさせていただきます。
何卒ご了承下さいませ。


それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のお気に入り登録、ご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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