ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
続々々体調不良なQooオレンジでございます。
咳がまったく治りません…。
夜が来る度に咳き込んで死にかけております。
今回も絵里さんsideのお話となります。
絵里さんと穂乃果ちゃんがバトルロイヤルへと出撃いたします。
それでは 第8話A「夢の欠片」そのろく② 始まります。
色々とトラブルもあったけど、なんとか無事に高坂さんの新しいエールストライクガンダムを組み立て終わった私達は、残った時間を有効利用してバトルロイヤルに出撃することにしたの。
高坂さんの新しいエールストライクガンダムをGPスキャナーでスキャンして、そのデータをGPベースに書き込み終わった私達は、早速バトルロイヤルの出撃登録を済ませてそれぞれ指定されたガンプラバトルシミュレーター筐体へと乗り込んだわ。
「システムチェック完了っと。さて、高坂さんの方は出撃準備できたのかしら?」
そして私は私の愛機“トールギス・ヴァルキュリア”のデータが入ってる愛用の薄い水色のGPベース“アイシクル・メイデン”を筐体中央の所定位置へとセットしてシステムを起動させると、手早くシステムチェックを済ませて出撃準備を完了させてしまったわ。
ここら辺の流れはもう飽きるほど繰り返しているから余裕よね。
でもガンプラバトルを始めた頃はこの出撃準備によく手間取っていたわね…何だか懐かしいわ。
そんなことを考えながら、私はサブコンソールを操作して今回の僚機である高坂さんのエールストライクガンダムへと通信を送ったの。
「高坂さん?聞こえてる?」
通信を繋げた先の高坂さんは…
[[あれ?絵里先輩の声…あっ!通信か!どこから聞こえてくるのかと思った!絵里先輩!聞こえてますよ!]]
最初はどこから私の声が聞こえてくるのかわからずに戸惑っていたようだけど、すぐにそれが通信だと気付いて元気な声で返事を返して来たわ。
「そんなに大きな声を出さなくても大丈夫よ。それより…そっちの出撃準備は終わったかしら?」
「はい!ポチがぜーんぶやってくれたからもういつでも行けます!」
ポチ?
犬…じゃないわよね?
そう言えば…確か高坂さんも電子精霊持ち…“精霊使い(エレメンタラー)”だったわね。
それじゃポチって高坂さんの電子精霊の名前かしら?
ポチって何だか犬みたいな名前よね。
ちなみにロシアだと“ビム”とか“ジャック”とかが人気な犬の名前なのよ?
他には“王様”って意味を持つ”ツァー“、“レックス”、“マルス”とかもベターな名前ね。
最近だと“マサル”って名前も有名かしら?
白いもふもふのわんちゃん…かわいいわよね♪
他の国にも犬のポピュラーな名前ってあるのかしら?
アメリカとかだと…マックスとかだったかしら?
個人的にはジョンとかアメリカの人たちが犬の名前として付けそうな気もするんだけど。
[[絵里先輩?どーしたんですか?]]
「えっ?」
私が犬のポピュラーな名前とかこれから始まるガンプラバトルにまったく関係ないことをボーッと考えていると、そんなボーッとしていた私を心配した高坂さんがちょっと不安そうな声で声をかけて来たわ。
「ごめんなさい。ちょっとどうでもいいことを考えてボーッとしちゃってたわ。」
ほんと、ポピュラーな犬の名前とか今はどーでもいいわよね…。
どうにも最近は思考が脱線気味になっちゃうわ。
私も年かしら?
[[どーでもいいこと?]]
通信モニターに映る高坂さんはおうむ返しにどーでもいいこと?って言いながら小首をかしげて不思議そうな顔をしていたわ。
私はそんな高坂さんの様子をどことなく“あ。かわいいかも…”とか思いながら…
「そ、どーでもいいことよ。それより…高坂さんの出撃準備も完了してるなら早速バトルロイヤルに出撃しちゃいましょっか?」
くすり、と少しだけ微笑んで、改めて高坂さんに出撃しちゃいましょ♪って提案をしたのよ。
そんな私の提案に高坂さんは…
[[はい!]]
いつもの元気一杯の返事を返してくれたわ。
高坂さんは頭の中身には空っぽに限りなく近くて残念極まりないけど、このいつも明るくて元気なところはステキよね。
ソラも高坂さんのそんなところに惹かれているのかしら?
「うん、元気一杯で良いお返事ね♪それじゃ…行くわよ!高坂さん!!!トールギス・ヴァルキュリア!絢瀬 絵里!」
いつも冷たく接する私とはほんと大違いよね。
私も高坂さんみたいに明るくて元気一杯で可愛げのある女の子だったら……
[[はい!エールストライクガンダム!高坂 穂乃果!!!]]
とか言っても私は私何だから仕方ないか。
さぁ…
「взлёт(ヴズリョート)!!!」
[[いっきまーーーす!!!]]
色々と考えるのはおしまいよ。
今はただ、これから始まるガンプラバトルを楽しみましょ♪
身体にのしかかるGに耐えながらトールギス・ヴァルキュリアを加速させ続けて発進ゲートを抜けると…
「今回のバトルフィールドは宇宙世紀系のベーシックな宇宙フィールド…か。」
そこには見慣れた宇宙空間が広がっていたわ。
今回、マザーシステムによってランダムに選ばれたバトルフィールドは宇宙世紀系の宇宙フィールドっぽいわね。
私はサブコンソールを操作して今回の詳しいフィールド情報をサブモニターへと表示させたわ。
こんなことはサポートAIに頼めばすぐにやってくれるんだけど、まだサポートAIシステムが搭載されていなかった頃からガンプラバトルをしてきた私は、ついついクセで自分でやってしまうのよね。
でもサポートAIシステムが搭載される以前からガンプラバトルをプレイしているガンプラファイターの中では、私と同じようについつい自分でやってしまう…って人たちは多いみたいよ?
っと。
またどうでもいいことを考えちゃってたわね。
えーっと…今日のバトルフィールドの詳細情報は…
「今のところはミノフスキー粒子の濃度もあんまり濃くは無いし…トラップゾーンも無いっぽいわね…。特殊ギミックも特には無いみたいだし…ほんと、普通の宇宙空間フィールドね。」
特殊ギミック…例えばサンダーボルト宙域のビッグガンとかのフィールド固有のオブジェクトは、機体性能で劣っていても使われると一発逆転されちゃう時があるから厄介なのよね。
けど厄介であると同時に、ジャイアントキリングを狙う為には心強くもあるのよね。
最も…ビッグガンみたいな射撃兵器系の特殊ギミックだと私が使ってもこれっぽっちも意味が無いんだけどね。
だって私は射撃が死ぬほど…
[[絵里先輩!前!前!ハイ・モックがいっぱいいますよ!]]
はぁ…。
また関係ないこと考えちゃった…。
ダメね…バトルに集中しないと。
「うん。こっちでも捉えてるわ。数は全部で25機…かなり多いわね。」
高坂さんが通信で伝えてくれた通り、私たちの進行方向には大量のハイ・モックが沸いて出ていたわ
メインモニターに写し出されている大量のハイ・モック…数を数えるのが億劫になる程度には大量のハイ・モックが沸いて出ていたの。
レーダー情報を確認するとその数は合計25機。
布陣は前衛には盾持ちのハイ・モックがずらりと並んで、その後ろにバズーカやらビームランチャーを装備した重装型のハイ・モックが控えているわ。
そしてその合間を埋めるように大型の斧やブレードを装備した近接型ハイ・モックが展開しているみたいね。
盾持ちのハイ・モックが遠距離攻撃を防いで、重装型のハイ・モックが反撃。
近付いて来る相手には近接型が対応…っていった戦術かしら。
まぁ妥当な戦術ね。
圧倒的に機体性能が低いハイ・モックにしては、これっぽっちも面白味はないけど堅実的で一番勝率の高い方法よ。
最も…普通の相手には…だけど。
残念だけど私の愛機“トールギス・ヴァルキュリア”はちょっとどころじゃなく普通じゃ無いわよ?
「数だけ多くても所詮はハイ・モックよ。高坂さん!私が突撃してハイ・モックの隊列を崩すわ!あなたはバラけたところを1機ずつ確実に撃ち落としなさい!」
[[りょーかいです!!!]]
例えバズーカが直撃しても、高出力のビームランチャーが直撃したとしても…私のトールギス・ヴァルキュリアの盛りに盛った装甲の前では無意味よ。
射撃兵器で私のトールギス・ヴァルキュリアの装甲を抜きたかったら、希のドム・ハーミットのサテライトリボルバーくらい威力のある武装を持ってきなさい。
それじゃ…
「蹂躙するわよ!!!штурм(シュトゥールム)!!!!!」
突撃開始よ!
あ♪
“штурм(シュトゥールム)”って言うのはロシア語で“突撃”って意味よ♪
ドイツ語の“突撃”って意味を持つ“Sturmangriff(シュトゥルムアングリフ)”とちょっと似てるわね、とかまたどうでもいいことを考えながら、私は肩に取り付けてあるスーパーバーニアを起動させると、左手に持った大型シールドと右手に持った大型ランスをそれぞれ構えて一気に機体を加速させたわ。
その急加速はガンダムW第9話でゼクス・マーキスがトールギスに初めて搭乗した時に言った通りまさに殺人的な加速よ。
普通のファイターならきっと身体が押し潰されて出ちゃらめぇ♪系な臓物とか女の子がプレイ以外で人前で出しちゃうと一生モノのトラウマになっちゃうかもなアレやコレとかが、口とか下のお口なマタノトビラとかもうひとつのマタノトビラ♪から出ちゃうじゃないかと不安になるようなGが容赦なく襲い掛かって来るの。
でもえりーちかはそんな激しいGに襲われてもへっちゃら♪
むしろGさん♪もっと激しく襲ってきてぇ~♪えりーちかの身体を容赦なく押し潰してぇ~♪もっと!そう!もっとよ!もっと激しく!熱く!強く!えりーちかを満足させるまではまだまだま~~~だぁ足りないわなぁ~♪って感じね。
この程度のGはえりーちかにとってはごほうびでしかないわ♪
どうしてえりーちかがあのゼクス・マーキスですら殺人的な加速だ!って言った程のヤバめなGにテンションあげ↑あげ↑しちゃってるかと言うと…………うふふ♪
それはまだヒ♪ミ♪ツ♪よ♪♪♪
オトコノコが乙女の恥ずかしいヒミツを簡単に知ろうとするなんていけないわよ?
っと。
またバトルと関係ないことを考えてたわね。
とにかく、私は襲い掛かる殺人的なGをものともせずに前方に展開しているハイ・モックの集団に向かって突撃を開始したわ。
そして突撃を始めた私のトールギス・ヴァルキュリアに続くように…
[[とっつげだーーーーー!!!!!!]]
高坂さんも新しいエールストライクガンダムを加速させて突撃を開始したの。
ところで突撃を始めた高坂さんが妙に嬉しそうなのは何でなのかしら?
と、本日何度目になるのかわからないくらいに繰り返して来たどうでもいいことを激しいGに襲われながらも考えていると、眼前にはもうハイ・モックの集団の前衛部隊が迫って来ていたわ。
私はそのままハイ・モック集団の前衛部隊の盾持ちハイ・モックに向かって加速を緩めることなく槍と盾を構えて…
「吹き飛びなさい!!!!!!」
突っ込んだわ。
構えた槍の切っ先は1機の盾持ちハイ・モックをその構えたシールドもろとも貫いて、おまけにその後ろにいた重装型のハイ・モックも一緒に貫いちゃったの。
それでもまだ私は加速止めないわ。
そのままランスにハイ・モック2機を串刺しにしたまま加速を続けて、ハイ・モックの集団を突っ切って……
「邪魔よ!」
トールギス・ヴァルキュリアの太もも部分に取り付けてある補助バーニアを使って機体のスピードを殺すことなく旋回させながら、大型ランスを軽く降るって串刺しにしていた2機のハイ・モックを放り投げ……
「штурм(シュトゥールム)!!!!!」
再びハイ・モックの集団へ向かって大型ランスと大型シールドを構えて突撃を敢行したわ。
ハイ・モックの集団は私の突撃でど真ん中を突破されちゃったモノだから、見ていて面白いほどに大慌てしちゃってるわ。
そのハイ・モックの集団の大慌てな様子がまるで普通にファイターが操ってる有人機のようなが動きだったから、一瞬だけあれ?ハイ・モックって無人機よね?とか思ってしまったのは仕方ないことよね。
そんなことを思っているうちに、2度目のランスチャージが大慌てのハイ・モック集団へと襲い掛かるわ。
今度の目標は近接型のハイ・モックのうちの1機。
よーく狙いを定めて…
「貫いきなさい!!!!!」
大型ランスの穂先を近接型ハイ・モックの胴体のど真ん中へと突き刺したの。
もちろんそこで止まるような私とトールギス・ヴァルキュリアじゃないわよ?
そのまま加速を続けてさっきと同じようについでに適当なハイ・モックをもう1機大型ランスで貫いて、これまたさっきと同じように大型ランスを降るって串刺しにした2機のハイ・モックを振り落としてわ。
私がまた太ももの補助バーニアを使って機体を旋回させながら、チラリとサブモニターに映る高坂さんのエールストライクガンダムの様子を見てると、そこには…
[[いっけぇーーーー!!!!!]]
私の2度のランスチャージで完全に陣形を崩されて大混乱中なハイ・モックを相手に、元気にビームライフルを撃ちまくってる姿が見えたわ。
あの様子なら高坂さんは放っておいても大丈夫そうね。
さて…それじゃ…
「もう1回行くわよ!!!ヴァルキュリア!штурм(シュトゥールム)!!!!!」
楽しい楽しい突撃を繰り返しましょっか♪
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
本編にまったく関係ないのですが、どうやらスクスタはUR果南さんが居ないと上級はヤバいみたいですね。
中級Sクリアは何とか行けるのですが…
次回も絵里さんsideのお話となります。
絵里さんと穂乃果ちゃんの前に立ちはだかるのは…。
次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新は妄想力の低下&クソ上司のお陰でブラック労働万歳の為、しばらくはお休みさせていただきます。
何卒ご了承下さいませ。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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どうかお気軽にお声掛け下さい。