ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。


いよいよ今回は真姫ちゃん生誕祭特別編の最終回になります。
自称最強の第2段階鳥★人類“ますく・ど・えむーちか”の脅威の鳥能力“無限の荒縄(アンリミテッド・アラナワ・ワークス)”によりまたまた大ピンチの真姫ちゃんとソラ&西木野警備保障。
そんな彼女達の前に現れたのは…。

それでは 2017 西木野真姫生誕祭特別編「真姫ちゃんのドキドキ初デート大作戦⑦」 始まります。

そして始まる衝撃のラストバトル…。
お、怒らないで下さいね?























2017 西木野真姫生誕祭特別編「真姫ちゃんのドキドキ初デート大作戦⑦」

「ソラと真姫は………人類の希望の火は消させないわ!!!」

 

“希望の火は消させない。”

 

自称最強の第2段階鳥★人類“ますく・ど・えむーちか”の鳥能力“無限の荒縄(アンリミッデド・アラナワ・ワークス)”によって、四方八方から襲い掛かってくる無数の荒縄に苦戦する私達の前に、そんな某Xの強化人間が言っていた言葉と共に現れたのは、エナメル地で作られたピンク色のバニースーツをそのスレンダーな身体に纏って片手にハリセンを持った“μ's”ロリ枠担当こと頼れる似非ロリっ子…にこちゃんだったわ。

 

「にこちゃん!!!」

 

「なんでバニースーツだよ?!しかもエナメルでピンク?!くぅぅぅぅ!!!なんだよ!ソレは!なんなんだよ!ナイ乳でバニースーツだって?!クソ!似合ってねぇはずなのに似合ってるってマジでなんなんだよ!“ますく・ど・えむーちか”のボンテージや“らぶあろ仮面”のチャイナドレス!“まじかる☆のんたん”のむちむちな魔女っ子コスもエロかったけど……俺的にはにこちゃんのナイ乳バニースーツが今日1番の当たりだ!イヤ!大当りだ!!!」

 

大当りだ!って…。

 

ソラ…ナイ乳バニースーツが今日1番の大当りって、結構アナタもマニアックて言うか変わってるって言うか…。

 

あと“こし☆ぴかりん”の全身白タイツを忘れてるわよ?

 

「うっさいバカ!似合ってるならイイでしょ!仕方ないのよ!青とんがりのオレンジジュース野郎の頭んなかにこれしか衣装が残ってなかったんだから!私だってピンクのエナメルバニースーツなんて恥ずかしいの着たくなかったわよ!」

 

「相変わらず貧相な身体で可哀想ね、にこ……いえ……裏切りの鳥★人類!“すまいる♪ばーにぃ”!!!ソラと真姫が危機に陥ればアナタは必ず現れると思っていたわ!」

 

「「“すまいる♪ばーにぃ”?!」」

 

にこちゃんも頭の中身が貧相なぽんこつドM女に、貧相な身体が可哀想とか言われたくないでしょうね。

 

私はにこちゃんのスレンダーなプロポーション、可愛いと思うわよ?

 

ソラも前に言ってたけど、にこちゃんの抱き心地って最高なのよね。

 

あの大きさ?小ささ?がフィットしてイイ感じなの。

 

合宿のときににこちゃんを抱き枕にして眠ったら自分でもビックリするくらい安眠できたわ。

 

このまま永眠するんじゃないのかってくらいに気持ちよかったわ…。

 

にこちゃん…どうすれは私だけの抱き枕になってくれるかしら…。

 

一日一万位で雇えないかしら?

 

「私はことりの言いなりになってるアンタ達とは違うのよ!それと!その恥ずかしい名前で私を呼ばないで!」

 

“すまいる♪ばーにぃ”って私は可愛いと思うわよ?

 

どうして“ばにー”じゃなくて“ばーにぃ”なのかちょっと疑問ではあるけどね。

 

うーん……なんだか“ばーにぃ”ってクリスマスにザクⅡ改に乗ってNT-1アレックスに挑んでいきそうな鳥★人類ネームね。

 

それでもやっぱり“ますく・ど・えむーちか”や“らぶあろ仮面”、“こし☆ぴかりん”に“まじかる☆のんたん”に比べるとかなりマシで可愛いと思うわよ?

 

っと、そんなことよりも裏切りの鳥★人類ってどう言うことなの?

 

私達の間に割って入って、“無限の荒縄(アンリミッデド・アラナワ・ワークス)”の荒縄をハリセンで凪ぎ払った時に見せたあの非常識な身体能力は確かに第2段階鳥★人類のモノだったけど…。

 

「そのピンクのエナメルバニースーツもスッゴい気になるけど、裏切りの鳥★人類?!にこちゃん!!!どういうことなの?!」

 

「裏切り…ね。真姫…そのぽんこつドM女が言ってる裏切りの鳥★人類ってのはそのままの意味よ。私もソイツらとおんなじ鳥★人類…でもね?私はことりに…鳥★人類ウイルスに感染して第2段階鳥★人類になっても、そこのぽんこつドM女や残念スナイパー、米狂いにデカ乳腹黒たぬき女達みたいに自我を…自分自身を見失ってはいないわ!ことりなんかに負けてたまるかってのよ!もちろん凛みたいに穂乃果(アホ)にも感染はしてないわ。どんなになっても私は私。その私に命令できるのは私だっけてこと。」

 

にこちゃん…ムダにカッコいいかも。

 

「それより!今は詳しい話は後よ!全人類を鳥★人類化させることりの究極最終鳥能力“ことりの世界(ちゅんちゅんわーるど)”が発動されるまでもう時間がないわ!」

 

「「“ちゅんちゅんわーるど”?!」」

 

にこちゃんがちょっとカッコいいこと言ったと思ったら、“ちゅんちゅんわーるど”とかまた頭の悪い単語が出てきたわね…。

 

でも…頭の悪い名前だけど、全人類を鳥★人類化させるって…。

 

「そう!“ことりの世界(ちゅんちゅんわーるど)”よ!アレが発動されたら人類は…いいえ…人類だけじゃないわ。この世界に生きる全ての生物がことりのモノになっちゃうわ!だからそうなる前に!全てが手遅れになる前に!真姫!そら!アナタ達は二人でことりを止めに行きなさい!“μ's”でまだ鳥★人類ウイルスに侵されていないアナタ達だけが世界に残された最後の希望なの!」

 

この世界に生きる全ての生物がことりの言いなりになる?!

 

そんなことになったら…私達の物語に…ガンプライブ!にR-18タグが付いてR-18版に行かなきゃダメになるわ!

 

ただでさえ最近はガンプラバトル回が皆無なのにR-18タグが付いてエロましましぃ♪になっちゃったらタイトル詐欺で通報されちゃうわ!

 

「私がソラと真姫をそう簡単にことりの所に行かせると思ってるの!行かせないわ!絶対に!この“無限の荒縄(アンリミッデド・アラナワ・ワークス)”を展開してしまえば!私の荒縄からは誰一人として逃れられないのよ!アナタ達はみーんな!ここで私に縛られて!虐げられる被虐の悦びを知るの!!!みーんな仲良くドMの仲間入りよ!どえーむ!おん!さぁ!逝きなさい!私の可愛い荒縄達よ!絢瀬流緊縛術!“旋風M字開脚!”」

 

“旋風M字開脚”?!

 

ちょっ!なんで荒縄が集まって脚の形になって回転しながら襲って来るのよ!

 

緊縛術なら普通は縛るんじゃないの?!

 

縛んないで打撃技なの?!

 

「はぁ?!荒縄の作った脚で竜巻旋風脚かよ!旋風と脚しか合ってねぇーし!M字開脚関係ねぇーし!!!うぉ!縄脚が来たぁぁぁ!!!」

 

「ヤらせない?ハン!それはこっちのセリフだってのよ!私の鳥能力の前にアンタの荒縄程度がどうこう出来ると思わないことね!逝くわよ!“ますく・ど・えむーちか”!鳥能力!“時計兎(らぴっど・らびっど)”!!!発動!モード!“クイック・ウォーカー”!!!さぁ!一気に駆け抜けるわよ!ぽんこつドM女をシバき倒しまくってヤるわ!!!」

 

“時計兎(らぴっと・らびっと)”ってにこちゃんの鳥能力?!

 

鳥能力なのになんで兎?!

 

あ!もしかして数え方が鳥も兎も同じ“1羽”だから?!

 

「う"ぇえぇぇぇぇぇぇぇ?!」

 

私が鳥も兎も同じ1羽だとか変なことで納得していると、鳥能力を発動させたにこちゃんが物凄いスピードで駆け抜けて行ったわ!

 

速っ?!一にこちゃんのあのスピードはナニよ?!

 

一瞬にこちゃんを見失っちゃったわ?!

 

人って(※今のにこちゃんは人ではなく鳥★人類です。)あんなに速く動けるの?!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

私が心の平静を保つために必死にツッコミ続けていると、にこちゃんは鳥能力の力で目にも止まらぬ超スピードで荒縄の脚の群へを凪ぎ払い始めたわわ!

 

「うぉ?!なんだ?!あのちっこい嬢ちゃんのスピードは?!」

 

「見えないね。凄いや。」

 

「よくわかんねぇけど…オルガ!今なら!」

 

「っ!ああ!野郎共!!!ちっこい嬢ちゃんが荒縄を抑えてくれてる間に残りの鳥ゾンビを片付けるぞ!」

 

私がにこちゃんの超スピードにぽかーんとしていると、今度はにこちゃんの登場ですっかり空気になっていた団長達が再度鳥ゾンビに向かって攻撃を開始したわ。

 

「うっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!逝くぜ!テメェらぁぁぁぁ!!!」

 

「1羽足りとも逃がすな!ここで皆殺しにするぞ!!!」

 

昭弘!アンタ達は確かに中身はヤクザみたいなモノだけど基本は警備会社なんだから皆殺しだ!とか言っちゃダメ!

 

その発言が万が一にでもマスゴミに知られたら!アイツらはウルサイのよ!

 

あの連中は報道の自由とか言えばナニを言っても許されるとか思ってるクソなんだから!

 

あ…イヤだわ…私、クソだなんて…。

 

これじゃまるで私までヤクザみたいじゃないの!

 

「お嬢様!心の平静を保つために必死にツッコミ続けている所になんですが!ここは僕達が抑えます!お嬢様は鳴神君と一緒に討伐目標のことりお嬢さんを!」

 

「行きなさい!真姫!そら!アナタ達で世界を救うのよ!!!」

 

「行かせないわ!真姫!ソラ!喰らいなさい!!!絢瀬流緊縛術!“千手観音小手縛りぃぃぃぃぃ”!!!」

 

「もう我慢できない!心の中だけでツッコミ入れてるだけじゃ足りないわよ!こら!“ますく・ど・えむーちか”!!!さっきからアンタのソレはどこが“縛り”なのよ!“旋風M字開脚”は回し蹴りでその“千手観音小手縛り”はただの連続パンチでしょ!」

 

「“すまいる♪ばーにぃ”!アナタがいくら速くても!次々とくり出されるこの“千手観音小手縛り”のスピードなら!」

 

「流石は自称最強の第2段階鳥★人類“ますく・ど・えむーちか”!アンタのその荒縄は確かに速いわ!でもね?それなら私ももう1段階速くなればイイだけなのよ!!!“クイック・ウォーカー”!ギア!セカンド!」

 

「ゴラァァァァ!ぽんこつドM女ぁぁぁぁぁ!!!人のツッコミを聞きなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!」

 

「はぁ…。溜め息しかでねぇーよ。ビスケットさん、そんじゃちょっと行ってきます。」

 

「はぁ…。本当に溜め息しかでないね。鳴神君。悪いけどうちのお嬢様の事をくれぐれもよろしくね。」

 

「うっす。了解です。オイ!真姫!いつまでバカ相手にツッコミ入れてんだ!ここはにこちゃんと西木野警備保障のみんなに任せて、俺達はことりさんを倒しに行くぞ!」

 

「むぅぅぅぅ!!!わかったわよ!わーかーりーまーしたー!ちょっとそこの“ますく・ど・えむーちか”とか言ってるドMを拗らせたバカの化身!!!あとで覚えてなさいよ!帰ってきたら徹底的にツッコミ入れてやるんだからね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いたな……ここの展望フロアにことりさんが…変異黒化最終段階鳥★人類“ことり”が居んだな…。」

 

鳥★人類ウイルスに感染してもことりに支配されないでにこちゃんのままだったにこちゃんに“ますく・ど・えむーちか”を任せた私とソラは、偵察に出ていた見習い部隊の雷人が見付けたことり率いる鳥★人類の巣にやって来たわ。

 

巣の場所はついこの間、秋葉原に新しくできたばかりの“アキバタワー”。

 

このアキバタワーの展望フロアに変異黒化最終段階鳥★人類“ことり”が…。

 

「アキバタワー…ね。なんとかと煙は高いところが好きって言うから、こんな高いところに陣取ってるのかしら?」

 

「さぁーな。とにかく、ここの展望フロアで真っ黒になったことりさんが待ってるんだ。ことりさんさえどうにかすれば…。」

 

枝分かれした鳥★人類ウイルスの根源…マザーウイルスの保有者のことりに坑ウイルス剤をぶち込めば、ようやく今回の騒動もおしまいよ。

 

「ええ。今回のバカ騒ぎも終わりね。」

 

「そーゆーことだな。っし!真姫!装備の確認は?」

 

「ライフルの残弾は問題なし。坑ウイルス結晶ブレードもバッチリ!」

 

アサルトライフルも坑ウイルス結晶ブレードも準備は万端よ!

 

変異黒化したことりは、あの足元から発生している高濃度の鳥★人類ウイルスにさえ気を付ければ倒すのは難しくはないわ。

 

「ん?ハンドガンは?確か真姫も持ってなかったか?」

 

「あぁ、ハンドガンね。あれならさっきの“無限の荒縄(アンリミッデド・アラナワ・ワークス)”で落としちゃったみたいなのよ。まぁハンドガンなんて無くても頭の狂った鳥娘の1羽くらいならどうとでもなるわ。」

 

「おいおい…大丈夫かよ?今回はそんな感じで散々に油断して酷い目に会いまくってるだろーが…ったく…ホラ、俺のハンドガン貸してやるから一応は持っていろ。ゲームで言えばこの先にラスボスがいんだ。ナニがあるかわかんねぇーぞ。」

 

「べ、別にいいわよ!大体!銃がなくてもこの坑ウイルス結晶ブレードが1本あれば大丈夫なんだから!」

 

海未みたいに無双できるような腕前はまだないけど、私も一応は園田流剣闘術を習っているのよ。

 

西木野警備保障の鉄火場のお仕事にこっそり付いていって、戦闘にも参加したこともあるから実戦経験だって問題ないわ。

 

あとから団長に泣かれながら説教されたけど…。

 

海未や海未のお祖父様でもある私のお師匠様みたいにフルオートでばら蒔かれる弾丸を相手に、斬って避けて制圧するとかは無理だけど、私だって最近は拳銃の弾の1発くらいならブレードで斬れるようになったし。

 

だから銃がなくてもブレードが1本あれば何とかしてみせるわ!

 

「いいからお守り代わりにでも持ってけ!どうもこっから先はお前一人で行かなきゃダメみたいだからな。」

 

「え?!私が1人ってなんで?!ソラは一緒に来てくれないの?!」

 

「俺だって真姫と一緒に行きてぇーよ。けどな、どうやら俺はぞろぞろと集まってきた鳥ゾンビ共の足止めをしなきゃなんねぇーみたいだからな。」

 

「っ!ウソ?!いつの間にこんなに集まってきた?!」

 

振り向いた先には道を埋め尽くすように大量の鳥ゾンビがひしめいていたわ…。

 

「ま、ここは敵の…鳥★人類の本拠地なんだ。雑魚もガンガン湧いてくるさ。」

 

「ソラ…。」

 

「心配ねぇーからそんな顔すんなって。動きも鈍いし鳥能力も使えない雑魚の鳥ゾンビだけなら俺だけでもなんとかなる。それよりも…俺としてはことりさんの相手をしなきゃなんねぇー真姫の方が心配だよ。」

 

「わ、私だって大丈夫よ!1人でも…1人でも…私は……。」

 

「真姫…ちょっとゴメンな。」

 

「…………え?」

 

私の名前を呼んだソラは突然、私のことを抱き締めてくれたわ。

 

たぶん、私が不安がってるのが分かっちゃったから、落ち着かせるためにこうして抱き締めてくれてるんでしょうね…。

 

ソラ…あったかいな…。

 

……そう言えばにこちゃんが何時だか言っていたわね。

 

“大好きな人の温もりは私に勇気をくれる。”って。

 

うん。

 

にこちゃんの言う通りかもしれないわ。

 

大好きな人の…ソラの温もりが不安でいっぱいだった私に、闘う勇気をわけてくれているような気がする。

 

ここから先、私は一人でも私は一人じゃない。

 

ソラがいる。

 

ソラだけじゃない。

 

私を助けてくれた沢山の大切な人達の想いも、きっと私と一緒にいてくれる。

 

今の私には沢山の大好きの力を集まってる。

 

大丈夫。

 

私は大丈夫。

 

私なら大丈夫。

 

私なら絶対に大丈夫。

 

「落ち着いたみたいだな。心配しんな。俺も雑魚共を片付けたらすぐに真姫の所に行くよ。だから…だから少しだけ、真姫だけでも頑張れるか?」

 

「うん!任せて!」

 

「イイ子だ…じゃ失礼だな。うん。やっぱこんな時はイイ女だ。かな?」

 

「うふふ♪ありがと♪ねぇ?ソラはイイ女はキライ?」

 

「んにゃ。ガンプラバトルと同じくらいに大好きだ。」

 

「良かった♪イイ女がキライって言われたらどうしようかと思ったわ♪それじゃそのイイ女の真姫ちゃんからのお願い♪」

 

「お願い?」

 

「そう。お願いよ。……ねぇソラ?全部終わったら、また二人でデートに来ましょ?今日みたいに色んなお店を覗いて、今日と同じお店で美味しいパスタを食べて、それから…それから…。」

 

「随分と可愛いお願いだな。おうよ。いいぞ。また来よう、二人で。その為にも…まずは!」

 

「うん!今はそれぞれがやるべきことを!」

 

「俺は雑魚共の足止めを!」

 

「私はことりの討伐を!」

 

「「さぁ!狩りの時間の始まりよ(だ)!!!」」

 

待ってなさい!ことり!

 

今アンタからのところに行って、特別製の鉛弾(子供が誤ってお口にいれてしまっても安心安全な天然素材100%を使用した特殊素材でコーティングされた西木野製薬特製の対鳥★人類用坑ウイルスBB弾です!)をぶち込んであげるわ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このときの私は知らなかったわ…。

 

まさか…ことりとの最終決戦があんな幕引きになるなんて…。

 

あんな終わりなんて…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「電源が生きていてホントに良かったわ…。このバカみたいに高いアキバタワーを階段で昇るなんて、決戦前にそんな無駄な体力を使いたくないもんね…。」

 

鳥ゾンビの足止めに残ったソラと別れた私は、変異黒化最終段階鳥★人類“ことり”を探して1人でアキバタワーに突入したわ。

 

ホントはすぐにでも展望フロアに向かいたかったんだけど、もしアキバタワー内に鳥ゾンビが居たりして、“ことり”との戦闘中に背後から襲撃されたらたまったもんじゃないから、まずはアキバタワー内の探索を優先させたの。

 

1階から少しずつ調べてみたんだけど、結果としてはアキバタワー内には何故か1羽も鳥ゾンビがいなかたったわ。

 

隠れているってワケでもないみたいだし…。

 

うん…。なんだか逆に不気味ね…。

 

「まぁいいわ。備えあれば嬉しいな…じゃなくて備えあれば憂いなしってことで一応は調べただけし。居ないなら居ないでいいのよ。」

 

私は展望フロアへと向かうエレベーターの中でそんな独り言を呟きながら、インジケーター(エレベーターの階数表示版)を見上げて展望フロアへの到着を待つわ。

 

「次が展望フロア……。」

 

エレベーターが止まるとき特有の軽いGから解放されると、閉じられていた扉が左右に開いて合成音声のアナウンスが展望フロアへの到着を告げるわ。

 

「“ことり”は……。」

 

『籠の~なか~♪』

 

っ?!今の“ことり”の声?!違う…これって…歌声?

 

どこから…。

 

『閉じこ~めて~♪』

 

色んな人達の協力のお陰でようやくたどり着けた決戦の地。

 

鳥★人類の本拠地“アキバタワー”の展望フロアには、“ことり”の優しげで柔らかな歌声が響いていたわ。

 

『私だ~け~の~モノ~に~♪』

 

“ことり”はまだ私が展望フロアに侵入したことに気付いてないのかしら?

 

ならこのまま隠れて近付いて奇襲で一気に終わらせちゃいましょ。

 

奇襲が卑怯とかって言わせないわよ?

 

相手はナニをするかわからない鳥★人類…そのなかでも唯一の最終段階に到達している“ことり”なんだもの。

 

手段を選んでいる余裕はないわ。

 

『しちゃいたいな~♪今の~アナタ~♪』

 

それにしても……この歌って歌詞が少し違ってはいるけどどこか別の世界線でスクールアイドルをやってることり達のユニットの曲“小夜啼鳥恋詩(ナイチンゲールラブソング)”…よね?

 

『それは~恋の詩~♪』

 

…少し歌詞が変わるだけで随分と物騒な歌になったわね…。

 

『ふたりきり~♪籠の~なかで~♪』

 

あ…見付けた!

 

街で見たときとは違う喪服のよう真っ黒なドレス…アレってウェディングドレスかしら?をその身に纏った“ことり”は、展望フロアの下界が見下ろせる窓辺で優雅に歌を口ずさみながらお茶をしていたわ。

 

『子作り~♪し~たいな~♪』

 

って!

 

「“小夜啼鳥恋詩”に子作りなんて歌詞はないわよ!!!名曲を変な改変で汚さないで!!!」

 

「うふふ♪いらっしゃい♪真姫ちゃん♪“ことり”のお歌は真姫ちゃんはお気に召さなかったみたいだね?」

 

あ?!

 

しまった!

 

思わず“子作り~♪し~たいな~♪”なんてバカな歌詞にツッコミ入れちゃったわ!

 

隠れて近付いて奇襲で終わらせようって作戦が台無しじゃない?!

 

「当たり前でしょ!歌うなら歌うでちゃんとした歌詞で歌いなさいよ!バカな歌詞のせいで奇襲し損ねたじゃない!」

 

「え~♪子作りVer.もいい~と思わない?」

 

「思わない!ナニよ!その子作りVer.って!そんなバージョンはないわよ!」

 

「うふふ♪真姫ちゃんのツッコミ♪今日もキレキレだね♪」

 

「アンタ達がツッコミ処満載だからでしょ!」

 

「え~?そうかなぁ~?」

 

「そうよ!」

 

あーもう!時間が無いって言うのになんでこんなくだらないことで“ことり”と言いあわなきゃいけのいのよ!

 

にこちゃんの話だと早く“ことり”をどうにかしないと世界中の生物が鳥★人類化しちゃうらしいし…。

 

早く“ことり”を……アレ…なんで私、黒化してる“ことり”と普通に会話してるの…?

 

今までの黒化状態のことりとはまともな会話はできなかったはずなんだけど…。

 

「うふふふふふふ♪ふしぎそ~なお顔してるね♪なんでことりが暴れてないかって?思ってるんだよね♪」

 

「…そうよ。なんでことりはいつもみたいに暴れてないのよ?さっき街で会ったときはいつも通りに暴走していたのに…?」

 

「し~らない♪」

 

「は?」

 

「だから、し~らない♪」

 

「知らないってアンタ!」

 

「そんなことよりも……ねぇ?真姫ちゃん♪ことりがことりのままでいるうちに、真姫ちゃんには早くその坑ウイルス剤を撃っちゃって欲し~かな?」

 

「は?え?え?えぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」

 

坑ウイルス剤を撃っちゃって欲しい?!

 

それって自分を倒せってことよね?!

 

まさかナニかのワナ?!

 

「だってことりの鳥能力“ことりの世界(ちゅんちゅんわーるど)”が発動しちゃったら、ことりはみんなのことりに…全ての鳥★人類の頂点に立つお姫様になっちゃうの。それはと~ってもめんどうじゃないかな?ことりはみんなのことりじゃなくて、ソラ君だけのことりでいたいんだ。」

 

「ソラだけのことり…。」

 

そうだわ…ことりの行動原理はいかにしてソラと(ついでに私達“μ's”メンバーと)ハッピーになるか…。

 

それ以外はことりにとっては雑事に過ぎないのよ。

 

世界中の生物を鳥★人類にしたらことりが頂点に…王になる…。

 

うん。王様とか確かになんだか面倒そうよね。

 

「うん♪ソラ君だけのことり♪ことりの中の黒いことりは生きてるモノをぜ~んぶ、鳥★人類に変えちゃってから、ソラ君以外はみんなお料理にしちゃえばイイんだって思ってるんだけど、ことりはそんなめんどうなことしたくないんだ。」

 

その言い方だと面倒じゃなかったら黒化状態のことりのプランを実行するってことよね。

 

世界中を鳥★人類にしたあとに、支配下に置いた鳥★人類を全部お料理にしちゃうとか…相変わらずの狂いっぷりでドン引きだわ…。

 

「それにもうこの遊びも飽きちゃったし♪これ以上もっと無茶苦茶なことしたらソラ君にも怒られそうだしね~♪だから、この辺で終わりにしようかなって思って、今にも暴れだしちゃいそうな黒いことりをがんばって抑え込んでるんたよ~♪うん♪今がチャンスだよ~♪真姫ちゃん♪ヤるなら今のうちだよ?ね♪」

 

ことりが自分の意思で黒化を抑え込んでる?

 

っていうか…出来たんだ。そんなこと。

 

アレって発動条件が満たされたら自動で発動して暴れだすモノだと思っていたわ。

 

どうでもいいけど最後の最後にコレって…なんだかどっと疲れちゃったわ…。

 

「ホントは今日だってこっそり真姫ちゃんとソラ君のデートを見守ってるつもりだったんだ。でも…幸せそうに笑ってる真姫ちゃんを見た瞬間……ことりの中の黒いことりが暴れだしちゃって…。そのときに止めても良かったんだけど、つい♪」

 

つい♪で今日の私達のデートはこんな悲惨か事態になったんだ…。

 

考えたらダメよ真姫…。

 

諦めなきゃダメ。

 

そうよ。色んなことを諦めちゃえば楽になれるわ。

 

きっとこれが安楽死を選ぶ時の心境なのね。

 

「こんなことになってことりもびっくりだよ~♪」

 

「私達の方がびっくりよ…。」

 

「そうだよね~♪鳥★人類ウイルスってな~に?って感じだったよね♪」

 

「ホントよ…。」

 

鳥★人類ウイルス…ね。

 

ことりのマザーウイルスに坑ウイルス剤投与すれば、みんな元通りになるけど…。

 

結局、鳥★人類ウイルスってなんだったのかしら?

 

どうしてことりの黒化ウイルス(仮)は変異したんだろ?

 

どうして私には感染しなかったんだろ?

 

…うん。ラボにはマザーウイルスから切り離した鳥★人類ウイルスのサンプルがあるから、あとでじっくりと考察してみましょ。

 

そのためにもさっさとラスボスのことりをヤっちゃいましょ!

 

ここでホントならラストバトルよ!ってなるんだけど……

 

「…なんでラスボスがこんなに簡単に片付きそうになってるのよ…。納得いかない…いかないけど…もう諦めなきゃ…。」

 

「あはは♪じんせいは諦めが肝心だもんね♪真姫ちゃん♪今日はデートの邪魔しちゃってゴメンね?」

 

「はぁ…もういいわ…。おとなしくヤられてくれるんならどうでもいい。」

 

「は~い♪それじゃ…おねがいね♪」

 

「えぇ。おやすみ。ことり。」

 

まぁ色々な謎も残ってるし釈然としないモノもあるけど、簡単に終わってくれて助かるわ。

 

バイバイ。鳥★人類。

 

バカ騒ぎもこれでおしまい。

 

私のアサルトライフルから発射された坑ウイルスBB弾はことりに着弾して……そして………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソラ!お待たせ!」

 

あの鳥★人類パンデミックが起こった日からもう1週間…。

 

街は平静を取り戻していつもと変わらないありふれた日常が帰ってきたわ。

 

結局、鳥★人類ウイルスの存在は総理大臣の蒔苗(まかない)のおじい様の鶴の一声によって隠されることが決まったわ。

 

世間一般には新型のインフルエンザウイルスが発見された!と、思ったら今までと同じインフルエンザウイルスでした。って感じで発表されたの。

 

知らないって幸せよね。

 

「お、やっと来たな。」

 

あの日、鳥★人類と戦ったみんなには箝口令が敷かれて、団長達が“お嬢が世界を救ったのになんで誰にも言えねぇーんだ!”って怒っていたわね。

 

世界を救ったには代わりはないけど、ラストバトルはなんか…ねぇ…。

 

正直に言ってあんな最後で世界を救ったなんて言われたくないわ…。

 

流石にアレはないわよね?

 

「時間通りに来れると思ったんだけど、海未の捕獲に時間かかっちゃって。」

 

「海未さんの捕獲って…ナニしてきたんだよ…。」

 

まぁ鳥★人類ウイルスが隠蔽されたとか、世界を救ったとか、私にはとってはどうでもいいわ。

 

そう…問題は今日のデートのリベンジよ!

 

「今日こそは邪魔されないように邪魔してきそうな連中をみんな捕まえて監禁してきたの。」

 

前回は準備もデータも何もかもが不足している状態での実戦(デート)だったけど、前回の反省を生かして今日は準備は万全よ!

 

ナニを隠そう今回は予め邪魔しそうなことり達をみんな捕まえて監禁してあるわ!

 

海未の捕獲だけは手こずったけど、今日の為に海未のお祖父様…私のお師匠様に理由を話して、海未捕獲の助っ人に出向いて貰ったんだから♪

 

流石の海未でもリアルサムライなお師匠様には敵わないわ。

 

もちろん護衛もバッチリ!

 

今日は西木野警備保障“鉄華団”のフルメンバーよ!

 

指揮を執ってる団長には怪しいヤツは片っ端からヤりなさい。って厳命してあるし♪

 

「うぉぉぉぉぉい!監禁とかナニさらっとおっかねぇーこと言ってんだよ!」

 

ことりの人○料理よりは遥かにマシよ。

 

デートが終わったらちゃんとリリースするつもりだし。

 

「デートが終わったらちゃんと解放するわよ。」

 

「解放すればイイってもんじゃねぇー気がすんだけど…。」

 

「いーの!ホラ!行くわよ!今日こそはちゃんと最後までデートしてみせるんだから!」

 

「へいへい…ま、いっか。んじゃ行きますか。」

 

「うん!」

 

さぁ!今日こそは最終目標!ラブホテルで初体験よ!

 

真姫!気合い入れていくわよ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ことりったら…仕方ない子ね…。折角、貴女を全ての生物の頂点にしてあげようっておもったのに……。まぁいいわ…。次はこの私が…原始鳥★人類“クイーンバード”が、面白おかしく世界中の全ての生物を鳥★人類化させてみせるわ…。ウフフフフフフフフフ…』

 

私達は勘違いをしていたの…。

 

いえ…見逃していたって言うべきかしら?

 

マザーウイルスを保有していたことりのマザーたる存在を……。

 

“狂った鳥の物語(コトリハザード)”は……まだ…終わっては……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[東條希生誕祭特別編 次回予告]

 

アレは…まだうちが“わたし”だった頃のお話。

 

海辺の街で出会ったのはうちと同じ寂しそうな瞳をした少年。

 

これはうちとあの子の出会いと別れ…そして小さな恋のお話。

 

そう…うちの初めての恋のお話。

 

 

次回 2017 東條希生誕祭特別編「Early Days ~もしもから、きっと~」

 

 

ねぇ?キミは覚えとる?

 

うちとの初めての……。

 

 

※特別編予告内容は通知無しに変更される場合がございます。何卒ご了承下さいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

真姫ちゃん生誕祭特別編…どうしてこうなった…。
ラストはちゃんとした真面目(?)なバトルになる筈だったのですが、またまた気づけばあの様な有り様になっておりました…。
ソラのハンドガンとかプレゼントのチョーカーとか色々と伏線も張ったいたのですが、全てが無駄に!
ですが通常装備の真姫ちゃんが変異黒化状態のことりさんに勝てる未来が浮かばなく、泣く泣くあの様な結末になりました。
なんだか少しずつことりさんにこのSSが浸食されて来ていますね…。

今後の予定ですが、来週からは何時もの週一の更新速度に戻りまして本編第6話「米と猫とツンデレと」を再開したします。
本編6話そのろくではなんと久し振りのガンプラバトルが始まります。
花陽ちゃんが謎のお姉さんと共に赤いνガンダムに挑みます。

また、6月9日には希さんの生誕祭特別編を予定しております。
作中での次回予告にもございましたが、次回は希さんの小さい頃のお話になります。
次回の特別編はガンプラバトルをマシマシでお送りする予定でございます。
さらには本編に先駆けて希さんのガンプラも登場予定だったりしております。

相も変わらずのグダグダ見切り発車ではございますが、お付き合いいただければ幸いでございます。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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