ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
転生トラックに轢かれたらSaint Snowの鹿角姉妹のお家に居候として転生したいQooオレンジでございます。
「あのー理亞さん?なんで私の膝の上に座ってるのですか?」
「別に。私がどこに座っていても私の勝手でしょ。」
とか理亞ちゃんとイチャイチャしたい。
聖良さんともイチャイチャしたい。
ついで?に理亞ちゃんが内浦から持ち帰ったシーラカンスルビィちゃんともアウアウしたい。
さて。戯れ言はこの辺にいたしまして、今回はことりさんsideの第16回目となります。
それでは 第7話B「トベナイコトリ」そのじゅうろく 始まります。
「むぅ!あんなにじゃんじゃんばりばり撃たれまくったら近づけません!ガトリングはナシですぅ!ついでにオルトロスもナシですぅ!せ~せ~ど~ど~ビームサーベルでけっと~して欲しいですぅ!」
打倒!“無冠の女王”さん!のために、“soar(ソア)”を使えるよ~に練習を始めたことりちゃんでしたが、当然と言うべきか当たり前と言うべきか…そうそう簡単に“soar”を使えるよ~にはなりませんでした。
それでも諦めずにがんばって“soar”の練習を続けることりのところへと向かって来たのは、ガナー、ブレイズ、スラッシュのウィザードシステムを豪勢に積み込んだ武装てんこ盛りのSEEDザクさんでした。
宇宙戦初心者さんがやっちゃうよ~なスラスター噴かし過ぎでの大回転をしちゃって海空さんに笑われたり、全然“soar”がうまく使えるよ~にならなかったりと、色々とストレスが溜まりまくっていたことりは、このてんこ盛りSEEDザクさんにバスターライフルをぶっぱ~♪ぶっぱ~♪してストレス発散♪しよ~としたんだけど、なんとびっくり!いきなり海空さんにバスターライフルを壊されちゃいました。
“soar”を使って懐に一気に入ってビームサーベルで倒せ!ってことなんだろ~けど、ことりの大切なバスターライフルを壊すなんてひどいと思いませんか?
そんなこんなでことりは仕方なくビームサーベルでてんこ盛りSEEDザクさんに突撃を敢行したんだけど…両肩のガトリングガンから吐き出される大量のビーム弾の前にあえなく撤退しちゃったんですぅ。
むぅ。
あのガトリングガンから吐き出される大量のビーム弾は、ビームサーベルでの近接戦闘しかできない今のことりとウイングガンダム・リトルバードにとっては厄介すぎですぅ。
[[あっはは♪だから“soar”で一気に近づいちゃえばいーんだよ♪ほら♪ちょうどガトリングガンの射程に入るギリギリくらいからなら、“soar”を1発使えばビームサーベルのちょうどいい間合いに入れるよ♪ファイトだよ♪ことりちゃん♪なーんてね♪]]
ガトリングガンの大量のビーム弾の前に、あえなく戦略的撤退をしたことりに対して、海空さんは何が面白いのか笑いなが“soar”を使えばい~んだよ♪って言って来やがりますぅ。
おまけになにが“ファイトだよ♪”ですか!
ってかガトリングガンの射程ギリギリから“soar”を使えばちょうどビームサーベルの間合いとか言ってくれやがりますけど、そうそう簡単に“soar”なんて使えません!
そもそも“soar”を使えるようになるために練習をしていたんですぅ!
使えないモノを使えとかむちゃぶりしやがるな!ですぅ!
[[あ。オルトロス。]]
「っ!あー!もう!おちおち考えてる暇もまりません!!!」
海空さんがぼそりと呟いた言葉でオルトロスが発射されたことに気づいたことりは、リトルバードを狙って放たれたオルトロスの二条の赤いビームをスラスターを盛大に噴かすことで回避します。
そして無事に回避が終わると逆噴射で制動をかけて機体を一度止めて、武装てんこ盛りのSEEDザクさんと向き合います。
そりゃ今のリトルバトルはバスターライフルみたいな長射程の武装を持ってないから、この距離で向き合ったところでどうにもならないんだけど、少しくらいは向き合うことで精神的な牽制になればいいなぁ~ってとこですぅ。
ことりだってただ向き合って“バスターライフル♪使おっかな♪ど~しよっかな?”とかバスターライフルないのにバスターライフル使おうとするフリしながら向き合ってます♪的なハッタリで精神的な牽制とかセコいとは思いますが、そんなこと言ってる場合じゃありません!
とにかく!セコくても今は少しでも考える時間が欲しいんですぅ!
幸い、てんこ盛りSEEDザクさんはこちらを警戒してか攻撃を止めて様子を伺っているみたいです。
たぶんハッタリにハマって、ことりのリトルバードがウイングガンダム系の機体だから、バスターライフルを使うのを警戒してるんだと思います。
でもいつまでもバスターライフルを使わないでいたら、今のリトルバードにバスターライフルが無いってことがわかっちゃいます。
だから…考えるなら今のうちですぅ!
バスターライフルが無いのがバレちゃう前に!
ど~すれば“soar”を使えるのか考えなきゃ!
ちゅん。
そんなわけでれっつしんきんぐた~いむ♪ですぅ♪
さっき…海空さんは一番最初のスラスターで“足場を作る”って言ってました。
ってか“足場”ってど~ゆ~ことですか?
スラスターの噴射で足場なんて無理ですよね?
足場ってことは物理的なモノのハズですぅ。
それをスラスターの噴射で作る?
うん。
ワケワカメですぅ。
でも……スラスターで作るのがもし足場じゃなく、何かしらの“力場”なら?
それなら…なんとかなるかもですぅ。
確か世界大会常連のレジェンドファイターさんの1人、“闘将”の二つ名を持ってる格闘系最強クラスのファイターさん…“神木 世界”さんが宇宙ステージで戦うときに、足裏のスラスターを使って一瞬だけ力場を発生させて、その力場を蹴って宇宙空間を駆け抜けるとかぶっちゃけちょっと真姫ちゃん的イミワカンナイことをやっていたハズですぅ。
海空さんはきっと穂乃果ちゃんみたいなアホなので、力場のことを足場って言ったんだと思いますぅ。
普段から何気なく力場を足場として使ってるから、無意識に出てくる言葉で思わず足場って言っちゃったんですね。
そう考えると…うん。
さっき海空さんが言っていた“足場”は、やっぱり“力場”のことだと思いますぅ。
問題は力場をどうやって発生させるか、ですぅ。
ガンプラバトルにプラフスキー粒子が使われていたちょっと昔なら、プラフスキー粒子の力場を発生させて、それを足場に使えば良かったんだろ~けど、残念ながら今のガンプラバトルではプラフスキー粒子は使われていないですぅ。
ちゅん?そ~言えばど~してプラフスキー粒子が使われてないの?ですか?
それはどっかの半島のおバカなブタさんそっくりの独裁者がプラフスキー粒子を兵器に転用しちゃったからですぅ。
ぶっちゃけ…1/1サイズのガンプラを作って戦争しようとしやがったんですぅ。
まぁそこら辺はそのうち誰かが説明してくれると思うので、その時に説明を聞いてくださいね♪
ってかあんまりことりのしんきんぐた~いむ♪のお邪魔をしやがりますと………チュンチュンシチャイマスヨ?
あは♪
じょ~だんですぅ♪
え~っと、どこまで行きましたっけ?
あぁ。そうそう♪
プラフスキー粒子が使われていた頃なら~♪ってとこまでですね。
ごほん♪
それじゃ改めて……プラフスキー粒子はもう使われていません。
それなら…プラフスキー粒子の代わりとして似たようなことができるよ~にって設定されたエネルギー粒子?
でもエネルギー粒子系の技術はクリアパーツを使って専用の設定をしなきゃ使えません。
設定無しで使うとしたら…“限界突破(リミットバースト)”とかの強化アビリティを発動させなきゃダメですぅ。
ことりのリトルバードには強化アビリティは発現していません。
もし“soar”がエネルギー粒子を使って使うような、前提条件がある技術なら、いくら海空さんがおバカさんでもことりに教えようとはしないハズですぅ。
そう考えるとエネルギー粒子を使う…ってことも違うよね?
なら……単純にスラスターを噴かしたときに噴射する推進剤?
噴射された推進剤が推進力に変わる前に…力場として足場にする…とか?
もしそうなら…最初のスラスター噴射からかなり短い感覚で2回目の噴射をしなきゃダメ…
[[ちょっと!ことりちゃん!ナニぼけーっとしてるの!オルトロスが狙ってるよ!!!]]
「ふぇ?オルトロス…ちゅん?!」
ことりが思考の渦に囚われて、あーだこーだと“soar”について考えていると、急に海空さんがオルトロスが狙ってるよって声をかけて来ました。
色々と考え込んでいたことりは、始め海空さんがナニを言ってるのか理解できませんでしたが、目の前のてんこ盛りSEEDザクさんが両脇に構えたオルトロスの銃口が赤く光っているのを見てようやく事態を把握できました。
どうやらてんこ盛りSEEDザクさんはことりがバスターライフルを撃つ気がないと思ったよ~で、ならヤっちゃう?的に攻撃を再開しようとしているみたいですぅ。
そして一応はバスターライフルを警戒しているのか、少しずつリトルバードとの距離を詰めながら、こちらへとオルトロスをぶっぱ~♪してきやがりました!
「当たってたまるかこのヤロー!ですぅ!」
ことりは急いで背中のウイングスラスターを展開させると、そのまま一気に噴射させて、リトルバードへ向けられて放たれたオルトロスの二条の赤いビームの間を縫うようにして回避しますぅ。
ガトリングガンの射程まではまだ少し間があります。
オルトロスの単発の砲撃なら回避するのはそうそう難しくはありません。
ほんとはもう少し考える時間が欲しかったけど、一応は考えはまとまりました!
使ってやろ~じゃないですか!
“soar”を!
ソラ君が得意としている機動方法を!
ことりちゃんは普段はヤらないだけでほんとはヤればできる子ですぅ!
だから!
「ヤってやるですぅ!」
ことりはさっき海空さんが見せてくれた“soar”を頭の中で思い描きながら、足裏のスラスターを一気に噴射させようとしました。
でもその時…
「ふぎゅ?!ミサイル?!って!ファイヤビー!!!」
てんこ盛りSEEDザクさんが背中に背負っていたブレイズウィザードから大量の小型ミサイルが発射されました。
ブレイズウィザードに搭載された小型ミサイルは“ファイヤビー誘導ミサイル”…つまりこっちを延々と追ってきやがるホーミングミサイルですぅ!
や、やべーい♪ですぅ!
ファイヤビー誘導ミサイルのとこすっかり忘れてました!
いつもなら…バスターライフルを持っているなら、小型のホーミングミサイル程度で慌てることなんてないけど、今のリトルバードじゃあの数のホーミングミサイルをどうにかするなんてちょっと無理ゲーですぅ!
バスターライフルさえあれば一気に凪ぎ払えるのに…!
とりあえずは後退しながら頭のバルカン砲とマシンキャノンでできるだけ迎撃ですぅ!
「堕ちやがれ!ですぅ!!!」
ことりは直ぐ様、リトルバードのスラスターを逆噴射させて機体を後退させると、トリガーをひきっぱなしの撃ちっぱなし状態でバルカン砲とマシンキャノンを盛大に撃ちまくります。
大量にばらまかれたバルカン砲とマシンキャノンの弾丸は、ことりのリトルバードを狙って迫りくるファイヤビー誘導ミサイルの群れへと襲いかかって行きました。
そ~してバルカン砲とマシンキャノンの弾丸は、1つ、2つ、3つ…とファイヤビー誘導ミサイルを撃ち落として行き…
「ちゅん?!えっ?!マ、マジですか?!全部撃ち落とせた?!」
なんとびっくり♪
リトルバードに迫ってきていた大量のファイヤビーの小型ホーミングミサイルを撃ち落としちゃえました。
でもホッとしたのもつかの間。
撃ち落とされた小型ホーミングミサイルの爆炎を貫いて、真っ赤な大出力ビームがことりのリトルバードへ迫ってきました!
しかも迫って来ちゃうのはオルトロスの真っ赤な大出力ビームだけじゃありませんでした。
ご一緒にガトリングガンはいかがですか?とばかりに、真っ赤な大出力ビームと共にまたまた大量のビーム弾がばらまかれちゃったんですぅ。
「一難去ってまた一難ですぅ!」
どうやらてんこ盛りSEEDザクさんはファイヤビーをぶっぱ~♪した直後に、ことりのリトルバードとの距離を一気に詰めていたみたいですぅ。
いや~ん♪
ことりちゃんったら地味に大ピンチですぅ♪
とりあえず火力とある程度の機動性の代償で装甲値をゴリゴリと削っちゃってるリトルバードだと、オルトロスの真っ赤な大出力ビームが当たったら一巻の終わりですぅ。
ガトリングガンのビーム弾は…当たったら痛いけど、オルトロスの真っ赤な大出力ビームに比べたらまだマシですぅ!
だから…!
「コックピットをシールドでカバーして!あとは致命傷にならないよ~にお祈りですぅ!」
ことりはオルトロスから断続的に放たれる真っ赤な大出力ビームを最優先で回避して、ガトリングガンから大量にばらまかれるビーム弾はある程度は無視しちゃうことにしました。
貫通しちゃうとコアロスト判定になっちゃうコックピットにだけはガトリングガンのビーム弾が当たらないよ~に、左腕に鳥付けて…じゃなくて、取り付けてあるシールドを機体の前面に構えて、ことりはとにかく頑張ってビームの雨あられを避けまくります!
[[おーい、ことりちゃーん?だいじょーぶー?]]
そんな最低限の事故死を注意しながら必死に回避行動をしていることりに対して、海空さんは呑気にだいじょ~ぶ~?って通信を送ってきやがりますが、ぶっちゃけ今はことり、ちょ~っと真面目に必死なんで海空さんの相手をしている暇はこれっぽっちもね~ですぅ!
現在進行形でガトリングガンのビーム弾がリトルバードのあちこちに当たって、装甲を貫通しちゃったりバリバリ削ったりしてるんです!
それなのに海空さんはナニを呑気にだいじょ~ぶ~?ですか!!!
このリトルバードの惨状を見てだいじょ~ぶ~?って思えますか?
普通は機体のあちこちが穴だらけになってたらだいじょ~ぶ~?とか思えませんよね?
思えるハズないですよね?
それでもだいじょ~ぶ~♪とか思える人はちょっとどころじゃなく頭が逝っちゃってる人だとことりは確信しちゃいますよ!
っと!今はそれどころじゃなかったですぅ!
早くこの状況をなんとかしなきゃ、リトルバードがダメージの許容値オーバーで撃墜判定喰らっちゃいますぅ!
でも…
「ビームサーベル1本でじゃんじゃんばりばり撃ちまくってるてんこ盛りをなんとかするなんてやっぱり無理ゲーですぅ!!!」
そう。
無理ゲーなんですぅ。
てんこ盛りSEEDザクさんの火力と手数の前では、ビームサーベル1本だけのリトルバードじゃぶっちゃけお話になりません。
こんな状況をど~にかするにはソラ君くらい強くなきゃ無理ですぅ。
もし今のことりがこの無理ゲー状態をひっくり返すには……うん。
やっぱり“soar”を使って一気にビームサーベルの間合いに…てんこ盛りSEEDザクさんの懐に飛び込まなきゃダメですぅ。
“soar”の理論?みたいなのはだいたい理解できたと思いますぅ。
あとは…各スラスターのタイミングと……1歩を踏み出す勇気……。
失敗すればオルトロスの大出力ビームとガトリングガンのビーム弾で木っ端ミジンコ…。
ここでやらなきゃまた負けちゃう…。
負けちゃうけど…でも…やっぱり怖いよ…。
今まで、ことり1人ではナニかをするために、1歩を踏み出すことなんてなかった。
1歩を踏み出すときにはいつも隣に穂乃果ちゃんと海未ちゃんが居てくれた。
ことりの手を握って一緒に1歩を踏み出してくれた。
2人が居てくれたから、だからことりも勇気を出して1歩を踏み出せていた。
けど今は?
穂乃果ちゃんはどこ?
海未ちゃんはどこ?
右を見ても、左を見ても。
いつも一緒に手を繋いで1歩を踏み出してくれていた2人は居ません。
穂乃果ちゃんはここには居ません
海未ちゃんもここには居ません。
ここにいるのは弱虫のことり1人だけです。
1人じゃ勇気を出せないちっぽけなことりだけです。
そうだよ…やっぱり…ことり1人じゃ……
[[ようやく見付けた!ことりさん!!!!!]]
大量にばらまかれるガトリングガンのビーム弾の雨の中。
この状況を打開するためには“soar”を使うしかなくて、でも1歩を踏み出す勇気が無くて…覚悟を決めたハズなのに1人でまたうじうじしていたことりの耳に届いたのは、最近すっかりと聞き慣れた大好きな人の声…。
ソラ君の声でした。
そして大量のビーム弾に埋め尽くされていることりの視界の端に写ったのは、大きな斧と機体の半身を覆うような大きなシールドを携えたソラ君の高機動型ザクⅡの姿でした。
ソラ君はことりのことを助けとようと、手にした大きな斧…ロングポールヒートアックスを構えて、こちらへとスゴいスピードど真っ直ぐに向かって来てくれます。
一気に接近してわてんこ盛りSEEDザクさんをいつもみたいに両断しちゃうつもりですね。
けど…
[[待ってろ!すぐに助けるから!!!だからもう少しだけ耐えて <<アラート。9時方向より攻撃です。>> っ!っと!あぶねぇーな!おい!邪魔すんな!クソが!!!]]
[[あは♪邪魔すんな!クソが!とか、相変わらずソラ君ったら口悪いなぁ♪でもね?今お邪魔なのはソラ君の方だよ?]]
そんなソラ君を止めるために、海空さんは手にしたビームライフルでソラ君に対して攻撃をしかけちゃいました。
アイリちゃんの警告を受けたソラ君は足裏のスラスターの逆噴射で機体に急制動をかけて、海空さんのメサイアガンダム・スカイコンクエスタから放たれたビームライフルの一撃をギリギリで避けると…
[[んだとぉ!ゴルゥラァァァァ!!!誰が邪魔じゃボケェ!!!誰だか知らねぇーが邪魔なのはテメェだ!早くしねぇとことりさんが!]]
邪魔だよ♪って言われた海空さんに大きな声で邪魔なのはテメェ~だ!って怒鳴り返しました。
[[だいじょーぶ。あそこから“soar”を使えば助かるし、おまけに一発逆転しちゃえよ♪]]
[[はぁぁぁぁあ?!“soar”だぁぁぁ?!んなもん今のことりさんが [[使えるよ。ことりちゃんなら。ソラ君だってわかってるでしょ?ことりちゃんなら“soar”を使いこなせるだけの素養は十分にあるって。]] っ!それは…確かにそうだけど…。]]
[[なら、今そら君がすることはあのてんこ盛りSEEDザクを直接倒すことじゃなく、にこちゃんって強者に抗うために必死に羽ばたこうとしていることりちゃんの背中をそっと押してあげることなんじゃないかな?ね?そら君?ことりちゃんに教えてあげてよ。羽ばたき方を。天駆ける方法を。“soar”を。私じゃアホだからうまく教えてあげられなかったからさ♪]]
[[チッ!クソが!(確かに今の状況うんぬんを抜きにしても、実力差が離れすぎてることりさんがにこちゃんを相手に一発逆転狙うなら、“soar”を使っての強襲しかねぇーか…。それなら今のこの状況…) ことりさん!いいか!よく聞け!“soar”は最初のスラスター噴射であし!]]
「足場になる力場を作るのはなんとなく理解できてますぅ!だから教えてください!スラスターのタイミングを!」
[[マジか?!それなら話ははえぇ!1歩目の噴射からすぐに間を置かねぇで機体全体のスラスターを進行方向へ向けて最大噴射!その直後にもう1回同じ規模で最大噴射!2歩目はしっかりと!そして3歩目は大胆に!]]
海空さんと言い争っていたソラ君は、海空さんの説明?説得?に納得したみたいで、すぐにことりに“soar”を使うときのタイミングを教えてくれました。
その内容は、2歩目はしっかりと。
そして、3歩目は大胆に。
うん。
せっかく教えてくれたところ大変きょ~しゅくなんだけど、それってタイミングのアドバイスじゃないよぉ~。
でも………今のソラ君のアドバイスでことりはなんとなくわかっちゃいました♪
“soar”を使うタイミング…それはきっと…
「ダン!グッ!ぐわぁー!ですぅ!」
1歩目の足裏のスラスター噴射で推進剤の足場を作って。
噴射した推進剤の足場が推進力に変わる前に、2歩目は全力のスラスター噴射をしっかりと。
そして3歩目は大胆にぐわぁー!って♪
ダン!グッ!ぐわぁー!
それはまさに、海空さんが1番始めに教えてくれた擬音祭りの説明の通りでした。
ことりの中で今までのアドバイスがカチリとはまり、すべての行程をまばたきするよ~なほんの一瞬のうちに繰り返すと……
「きゃっ?!」
リトルバードのコックピットに今までガンプラバトルをしてきた中で、1度も感じたこのないような物凄いGが一気に襲いかかってきました。
襲いかかってくる強烈なGに押し潰されならがらも、ことりの目に写った光景…。
それは目に写るすべてのモノが一瞬で後ろへと過ぎ去って行くなんとも不思議な光景でした。
そして気づけば目の前にはてんこ盛りSEEDザクさんの姿があって…
「ぎゃーす!!!」
ことりのリトルバードは勢い余っててんこ盛りSEEDザクさんにおもいっきり激突しちゃいました♪
てへ♪
[[あ。止まり方の説明するの忘れてた。]]
[[してねぇーよかよ!!!]]
「あ、頭がくらくらしますぅ…。」
ソラ君のアドバイスのお陰でようやく発動させることができた“soar”。
ことり&リトルバードは“soar”が無事に成功したことで、てんこ盛りSEEDザクさんのガトリングガンから放たれるビーム弾の雨からなんとか逃れることができました。
逃げることはできたんだけど………。
[[おい!ことりさん!生きてるか!]]
勢い余っててんこ盛りSEEDザクさんにおもいっきり激突しちゃいました♪
そりゃも~派手に。
盛大に。
どっか~ん♪って。
激突した瞬間はそりゃも~ひどいモンでした。
あったことはないけどまるで交通事故にあったよ~な激しい衝撃がリトルバードのコックピットにぐわしゃ~と襲ってきて、あまりの衝撃の強さでことりは一瞬息ができなくなっちゃいました。
それなのに海空さんは心配するどころか…………
[[アレだけ派手にぶつかったらいくらクレイジーリトルバードのことりちゃんでも死んだんじゃないかな?とりあえずはんにゃーしんきょー?しんぎょー?でも唱えとこーか?かんじーざいぼーはらーぎゃーてー。なむなむー。ことりちゃん。ちゃんとお経あげたから、お願いだからおねーさんのとこにだけは化けてでないでねー。]]
[[縁起でもねぇ!念仏唱えながら化けて出るとか言うな!ってか子供が遊んでも安心安全が売りの天下のヤジマ・コーポレーション提供ガンプラバトルシミュレーターでそうそう簡単に人が死ねるか!アホか!!!]]
[[ (“アホ”か、ねぇ…うん。アホだなんてすごい久しぶりに言われたなぁ…最後に言われたのは確かあの雨の……あ。ヤバい。思い出したらちょっとマジで泣きそうかも。ダメダメ!まだ泣いちゃダメ!しっかりしろ!“私”!) あ、あはは♪アホだなんてひっどいなぁ~♪おねーさんアホじゃないよ?]]
[[うるせぇ!ってか今さらだけどアンタのその声!あの時の不吉な予言っぽい忠告してきた怪しい女だろ!!!っと、んなことよりも今はまずはことりさんだ!ことりさん!返事しろ!ことりさん!]]
「は、は~い♪ちゃんと生きてますぅ~。」
[[あ。生きてた。]]
って言いやがったんですよ!
ぐぬぅ!
おのれ海空さん!
あ。生きてた。じゃありません!
ソラ君みたいにちゃんと心配してください!
[[ふぅ…良かっ、っ!ことりさん!後ろ!後ろ!!!]]
内心では海空さんに対してちょっとプンプン丸なことりは、ソラ君の返事しろ!って問いかけになんとか答えることができました。
ソラ君はことりのお返事を聞いてひと安心♪したのもつかの間、今度はことりにことりさん♪後ろ♪後ろ♪って某志○!後ろ!後ろ!っぽくナニかを伝えようとしてくれました。
「ちゅん?後ろって…ちゅん?!」
ことりがその声に反応して後ろを振り向くと…
[[ことりちゃんが生きてたんだから、当然あのてんこ盛りSEEDザクさんも生きてるよねー。]]
そこには両脇に抱えるように2本のオルトロスを構えて、両肩のガトリングガンをぎゅいーん♪と稼働させ始めているてんこ盛りSEEDザクさんの姿がありました。
うわぁ~い♪
またまたやべ~い♪ですぅ。
[[呑気に言ってる場合かよ!ことりさん!そいつから離れろ!とにかく1回距離を取って体制を建て直すんだ!!!]]
ソラ君もてんこ盛りSEEDザクさんに気づいたみたいで、あわててことりに1回距離を取って体制を建て直せ~って言ってくれたけど…それじゃダメですぅ。
物事には機運ってモノがあるってよく聞きますぅ。
今はきっとその機運ってモノがことりに盛大に傾いているハズですぅ。
だから今は……
「今は攻めるときですぅ!!!」
[[う"ぇぇぇえ?!こ、ことりさん?!]]
「もう1回…」
タイミングはばっちり掴みました。
きっと次もうまくいきます。
だから…もう1回!
「“soar”です!!!」
ことりはもう1度、“ダン!グッ!ぐわぁー!”のタイミングでスラスターを噴射させて“soar”を発動させます。
その瞬間。
さっきと同じよ~にリトルバードのコックピットに強烈なGが襲いかかってきました。
襲いかかってくるこの強烈なGは“soar”がちゃんと発動した証拠ですぅ。
“soar”の発動を確信したことりは、襲いかかってくる強烈なGを身体全身で感じながら、前をしっかりと見据えます。
さっきは無我夢中でナニがなんだかワケワカメでした。
でも今回はだいじょ~ぶ♪
しっかりと見えていますぅ。
やっぱり止まり方はわからないままだけど…そんなのは関係ありません。
だって……
「タマ取ったるですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
ヤグサ屋さん映画のチンピラさんがドス構えて突撃するみたいに、ビームサーベルを小脇に構えた突きの姿勢で“soar”の超スピードのまま突っ込めばい~んですぅ♪
そ~すればさっきみたいに激突しちゃえばブスっと刺さりますぅ♪♪♪
やんや~ん♪
ことりちゃんったら天才すぎですぅ♪♪♪
“soar”の生み出す超スピードで一瞬で過ぎ去って行く景色のなかで、ことりがそんなことを思っていると…
「ふぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅ?!」
リトルバードにさっきと同じよ~に交通事故にあったみたいな強烈な衝撃が襲いかかってきました。
それはつまり…
[[ことりさん…タマ取ったるって…]]
[[ヤクザ屋さんかな?]]
目標のてんこ盛りSEEDザクさんに激突して小脇に構えたビームサーベルがブスり♪と突き刺さったってことですぅ♪
ちゅん♪ちゅん♪
ですぅ♪♪♪
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
主人公なのにまたまた久しぶりに登場のソラも合流し、ことりさんの修行もいよいよ佳境を迎える事になりした。
次回ことりさん回は出番の少ない主人公が必殺技っぽいナニカを使ったりと少し本気を出したりしております。
そして何気にちょくちょく出てくるあの人もまたまた影でこっそり暗躍していたりいなかったり…。
次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新は金曜日のお昼頃を予定しております。
お時間よろしければご覧下さいませ。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。