ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

今回は本編に戻りまして、ビグ・ラングとの戦闘(ようやく…)になります。


それでは 第5話「START:DASH!!」そのにじゅう 始まります。



















第5話「START:DASH!!」そのにじゅう

[[イリィィスゥ!ヤツ等の間の通信制限を解除しろォォ!今すぐにだァァァァ!!!]]

 

私と青空がビグ・ラングに対して突撃を始めようとしたその時、あの腐れ外道女は唐突に、自らの電子精霊であるイリスに通信制限の解除を命じました。

 

腐れ外道女…一体何のつもりでしょうか?

 

あの性根の捻れ曲がった女がただで通信制限を解くとは到底思えませんね。

 

さては通信制限の解除に乗じて、また何か仕掛けてくるつもりですすね!

 

絶対に何か非道な行為を行うつもりです!

 

<<通信制限を解除してしまって、本当によろしいのですか?マスター?>>

 

[[よろしーいんですよォ!イリスゥ!テメェはこのアタシが通信制限を解除した程度でェェ!どうにかなるってェェ思うのかァァ!それになァァ!ソコの園田 海未とかってクズ女に“負けたのは通信制限のせいですぅ”なんて言われちまったら堪ったもんじゃねぇーからなァ!]]

 

<<マスターがよろしいのならば私に異論はありません。了解いたしました。少々お待ち下さい……お待たせいたしました。設定変更完了です。ナルカミソラ様、ソノダウミ様、両機の間での通信制限を解除いたしました。>>

 

青空と私の間での通信制限だけですか…。

 

ことり達とは相変わらず通信は出来ないのですね。

 

仕方ありません。ことり達とはこの腐れ外道女をぶち殺してからゆっくりと通信しましょう。

 

それにしても“クズ女”ですか…。

 

腐れ外道女に“クズ”だなんて言われたくはありませんね!

 

「これはご丁寧にありがとうございます!ですが!貴女こそ負けたのは通信制限を解除したからだ!とかぬかさいで下さいね!」

 

[[ぬかすか!ボケがァ!!!このアタシがテメェ等程度にヤられるかよォ!]]

 

「あ!またボケとか言いましたね!さっきはクズ女って言いました!誰がクズ女ですか!誰がボケですか!クズは貴女です!ボケも貴女です!そもそも私の基本属性はボケではなくツッコミです!」

 

[[テメェの何処がツッコミだァ!どォ見てもボケだろォがァ!ボケにはボケで十分じゃボケ!ピーチクとウルセェェェんだよ!クソビッチがァァァ!]]

 

「なっ!クソビッチ?!クソビッチですって!言うに事欠いて今度はこの私がクソビッチですって!私の何処がビッチですか!私はまだ処女です!処女!貴女こそ“あばずれ”でしょうに!」

 

[[あ、あばずれぇぇぇ?!言いやがったなァァ!このクソビッチがァァァァァ!!!]]

 

「だからビッチじゃありません!新品です!未使用品です!未貫通です!膜はまだ破れていません!処女です!しょー!じょー!」

 

[[アタシだって心の膜はまだ破れてねェよ!心は処女なんだよ!あばずれ言うな!]]

 

「はぁ?!心の膜?!心は処女?!心は処女って何ですか!それって身体は処女ではないじゃないですか!ほら!やっぱりあばずれでしょうに!」

 

[[がァァァァァ!!!あばずれあばずれってウルセェ!アタシだって好きで処女捨てたんじゃねェェんだよォォ!このオ○ニー狂いのクソ処女ビッチがァ!!!]]

 

「日々のオ○ニーは健全な女の子の証です!ことりだって毎日ヤってます!それと!クソ処女ビッチって何処のミラ・ジョ○ビッチですか!私はゾンビ相手に無双なんてしませんからね!」

 

[[なんでゾンビだよ!誰もミラ・ジョボ○ッチなんて言ってねェーし!このクソ処女ビッチ!やっぱテメェはツッコミじゃねぇーよ!絶対にボケだろォがァ!]]

 

「このわからず屋!だから!ボケじゃなく私の担当はツッコミだと何度も言ってますよね!」

 

[[いーや!違うね!テメェは絶対にボケだ!ボケ以外にはあり得ないねェェ!このボケ処女ビッチ!]]

 

「いーえ!ツッコミです!貴女にツッコミのナニが分かるのですか!穂乃果もことりも青空も!花陽に凛まで!周りは見渡す限りボケにボケを被せるボケばかり!私はそんなボケの群に毎日毎日!独り孤軍奮闘でツッコミまくって頑張っているのです!どうです!私以外にツッコミはあり得ませんでしょうが!私こそがツッコミです!ツッコミ・オブ・ツッコミなんです!」

 

[[ツッコミ・オブ・ツッコミとか意味わかんねぇコト言ってんじゃねェェよォ!頭沸いてんのかよ!このボケがァ!コ"ラ"ァ"!!!]]

 

「えぇーい!頭が沸いてるのは貴女でしょうが!お黙りなさい!ドチンピラ!!!」

 

[[誰がチンピラじゃ!ボケェェ!!!]]

 

[[うへぇ…女って怖ぇ…。]]

 

[[ア"ァ"?鳴神ィィィィ!何っつたァァァ?!テメェ!!!]]

「あら?青空?貴方は今ナニか言いましたか?い!い!ま!し!た!か!!!」

 

[[このクソ処女ビッチのボケクズ勘違い女と一緒にすんな!!!]]

「このイカれ腐れ外道チンピラあばずれ女と一緒にしないで下さい!!!」

 

む?不愉快ですが腐れ外道女と同じタイミングでツッコんでしまいましたね。

 

[[ヒィィィ!ゴ、ゴメンナサイ!]]

 

「ほら!青空!馬鹿な事をしていないでさっさと行きますよ!」

 

[[って!そうだった!時間もねぇーんだ!遠慮も容赦も手加減も慈悲も!全部無しで一気に終わらせる!アイリ!“限界突破(リミットバースト)”!起動(ドライブ)!]]

 

<<了解しました。“限界突破(リミットバースト)”起動します。…機体出力の上昇を確認、稼働臨界までのカウントを開始します。マスター、どうぞ。>>

 

[[おーらい!逝くぞ!キ○ガイ女!海未さんや穂乃果!ことりさんに小泉に星空!ついでににこちゃんの声真似までしやがって、ヒトのトラウマをガッツリ抉りやがったこの借りは!まとめてノシ付けてぶち返す!]]

 

先程までの精神喪失状態が嘘だった様に、青空は気合いの叫びと共に強化系ユニークアビリティ“限界突破(リミットバースト)”を発動させて突撃を開始ししました。

 

“限界突破(リミットバースト)”の発動が完了すると、機体全体から淡い光を放ちながら、青空の高機動型ザクⅡはロングポールヒートアックスを何時もの脇構えの型で構えたまま、ブースト機動でビグ・ラングへと向かって行きます!

 

[[来いよォォ!オラァァァ!イリィィィスゥ!コイツ(ビグ・ラング)の腹ん中に残ってるオッゴを全部出せぇ!一匹残らずだァァァ!クソうるせぇクズ女は後回しでイイ!タゲ設定は鳴神だァァ!紙装甲のクソザクなんぞォォォ!囲んで削ってェェ!ぶち殺せェェェェ!!!]]

 

<<了解いたしました。ビグ・ラング内の残存オッゴ全機出撃。優先攻撃目標はナルカミソラ様を指定します。残存オッゴ全機展開完了。これより攻撃を開始します。>>

 

対する腐れ外道女はビグ・ラング内部に残されていた小型機オッゴを全機出撃させて、急加速で突撃して行く青空を迎撃させるつもりの様です。

 

メインターゲットは青空で私は放置して構わない…ですか。そうですか…私は無視ですか……確かに私は青空に比べれば使用している機体も操縦技術も何もかも遥かに劣ります…この子(ジム・スナイパーⅡ)の武装ではビグ・ラングに対してまともなダメージも与えられません……ですが……。

 

「腐れ外道女の分際で私を無視するとか良い度胸です!ならば!戦場でスナイパーを放置する恐ろしさを身を持って味わいなさい!さぁ!先ずは青空の邪魔をするオッゴからです!堕ちなさい!」

 

私はサブコンソールを操作し頭部のスコープバイザーを展開しスコープモードを起動させると、残された右腕を前に突き出してスナイパーライフルを構え、青空の高機動型ザクⅡへと押し寄せるオッゴのうちの一機に狙いを付けます。

 

オッゴの軌道は単純に真っ直ぐに青空の高機動型ザクⅡを目指して突撃するだけ…腐れ外道女が指示した様に私のジム・スナイパーⅡには目もくれません。

 

全くもって舐められたモノですね!

 

ことりのウィングガンダム・リトルバードが装備する大型バスターライフルクラスの火力があれば別ですが、確かに私の素組のジム・スナイパーⅡの火力ではビグ・ラングの分厚い装甲は抜けません。

 

ですが青空の高機動型ザクⅡを狙って押し寄せて来ているオッゴが相手ならば話は変わります。

 

ハイ・モック以下の装甲しか持たないオッゴなんてスナイパーライフルのビームが当たれば一撃で撃墜ですよ!

 

青空の邪魔をするオッゴを片っ端から撃ち墜として、ビグ・ラングを操る腐れ外道女までの道をさっぱり綺麗に片付けてやります!

 

私はターゲットサイトにオッゴを捉え引き金を引きます。

 

スナイパーライフルから放たれたビームは勿論オッゴに直撃し、一撃で機体を爆散させます。

 

「まずは一つ!」

 

最初の一機を皮切りに、私は次々にオッゴへと狙いを付け撃ち墜としていきます!

 

<<マスター。ホーミングミサイル、準備完了です。>>

 

[[ロォォォォクゥゥ!オォォォォォン!堕ちろやァァ!鳴神ィィィ!!!]]

 

<<ターゲットロック。ホーミングミサイル、発射します。>>

 

私が青空へと迫るオッゴを片付けていると、腐れ外道女はビグ・ラングのミサイルランチャーを起動させて青空の高機動型ザクⅡへとホーミングミサイルを発射しました!

 

射撃武装を持たない今日の青空には、何処までも誘導追尾して来るホーミングミサイルは厄介ですね!

 

青空の高機動型ザクⅡの機動力ならばホーミングミサイル程度に追い付かれはしませんが、追われ続けてしまってはビグ・ラングへも向かえません!

 

[[チッ!クソ面倒くせぇ!ザク ・マシンガンだけでも射撃武装がありゃあの程度のホーミングミサイルなんぞ屁でもねぇーのになぁ!アイリ!ミサイルの弾道予測を解析!終わったら海未さんにデータを回して撃ち落として貰え!]]

 

<<ご存知ですか、マスター。私は何処かのイカれた女の契約精霊をしている愚妹や、その愚妹の仕掛けたハッキングやらウィルスやらに気付かないクソババア…もといマザーシステムとは違い、とてもとてもデキル電子精霊です。その程度のデータ解析はもうとっくの昔に終わっています。ウミ、聞こえていますね。今からそちらに送るデータをターゲットサイトにリンクさせて、マーキングされているホーミングミサイルを順番通りに撃ち落として下さい。こちらの指示通り撃ち落としてくれれば、現在マスターの尻のアナを狙って熱烈に追尾しているミサイルを全て誘爆させる事が出来ます。そうなるとマスターの貞操も守られ、ついでに進路もとてもスッキリしますので、よろしくお願いしますね。>>

 

[[このボケ精霊!尻のアナとか言うな!ってか!俺は女の子の尻のアナを掘るのはまだ良いけど!テメェのケツのアナを掘られんのだけはマジで勘弁だ!ぬぉぉぉぉぉ!!!ミサイルなんかにカマぁ掘られてたまるかぁぁぁぁぁ!!!]]

 

青空とアイリは…相変わらずバトル中に軽口を叩き合っているなんて、この人達は随分と余裕そうですね…。

 

お尻のアナを掘るとか掘られるとか…。

 

そう言えば、ことりも似たような事を言っていましたね。

 

お尻ですか…真姫も言っていましたが、本来の用途は出す専門でモノを入れる場所ではないのですが…。

 

まぁ、青空がどうしてもと言うのならば、青空にならば私のお尻のハジメテを……って!今はそれ所ではありません!

 

なんですか!お尻のハジメテって!

 

思考がますますことりに侵食されてますよ!

 

今はあの掘るみんぐミサイル、じゃなくて!ホーミングミサイルです!

 

ホーミングミサイルを何とかしなければいけません!

 

「動き回るミサイルを順番通りに撃ち落として下さいだなんて、青空もアイリも中々に無茶を言いますね…分かりました!やりましょう!転送データをターゲットサイトにリンクさせて下さい!」

 

私は自機のサポートAIに指示を出し、アイリから送られて来たホーミングミサイルの弾道予測データをターゲットサイトにリンクさせます。

 

マーキングされているホーミングミサイルは全部で4…撃ち落とす間隔まで指示してありますよ…。

 

これは腕の魅せ所ですね!

 

「確認しました!青空!カウント5でミサイルを順に撃ち落として行きます!その後は!」

 

[[おうよ!俺が爆炎に紛れてビグ・ラングに突っ込んで、コイツ(ロングポールヒートアックス)であの女の脳天をぶち割る!任せろ!]]

 

「ええ!青空にお任せします!カウント!始めます!5!4!3!2!1!」

 

まずは一番端のあのミサイルからですね!

 

狙いは上々です!

 

「ゼロ!行きますよ!一つ!」

 

カウントがゼロになると同時に放たれたスナイパーライフルのビームは、最初に指定されていたミサイルを撃ち落とします!

 

一つ目を撃ち落とした私は視界の端に予め捉えていた二つ目のミサイルへとターゲットサイトを移動させ、照準と共に引き金を引きます!

 

「二つ!」

 

私は直ぐ様、次に指定されていたミサイルに狙いを付け引き金を引き…

 

「三つ!」

 

そして目標のミサイルの最後の一つを照準の中央に捉え…

 

「これで!ラストです!」

 

撃ち落とします。

 

アイリから指定されていたミサイルを指示通りに撃ち落とすと、ミサイルは次々に誘爆を起こして見渡す限り派手な爆炎に包まれてしまいました。

 

私の仕事はこれにて完了ですね。

 

次は青空の番ですよ!

 

「青空!アイリ!ご注文通りに全てのミサイルを撃ち落としてみせましたよ!次は貴方達の出番です!」

 

[[うへぇ…アレでマジで初心者かよ?ホント、海未さんってイイ腕してるねぇ!よっしゃぁ!任せろよ!フルブースト!]]

 

<<ミサイルの迎撃をお願いしておいて何ですが、マスターの意見には全面的に同感ですね。ブースト出力最大。ロングポールヒートアックス、アクティブ。>>

 

[[いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!]]

 

青空は高機動型ザクⅡのバックパックと脚部のスラスターを全開で噴射し、未だに広がる爆炎に向けて長柄の斧を構え突っ込んで行きます!

 

<<アラート、敵機接近。クローアーム、アクティブ。>>

 

そんな青空のザクに対して、爆炎の向こう側で待ち構える腐れ外道女のビグ・ラングはクローアームを展開させて迎撃するつもりの様です!

 

[[そんな脆いザク程度ォォ!コイツで握り潰してヤるよォォ!オラァ!]]

 

爆炎が晴れた先では、今まさに青空のザクがロングポールヒートアックスを腐れ外道女の操るビグ・ラングへ振り抜こうとしている所でした。

 

[[脆かろうが当たらなきゃ問題ねぇーんだよ!ウラァ!]]

 

突き出されたクローアームを巧みなスラスター捌きだけで回避した青空は、そのままの勢いでクローアームの間接部を狙い一気に振り抜きました!

 

振り抜いた一撃は間接部を見事に両断し、ビグ・ラングの右のクローアームを斬り飛ばしてやりましたよ!

 

腐れ外道女!ざまぁです!

 

<<右腕クローアーム破損。ガトリング起動、索敵、照準。>>

 

[[雑魚いクセにちょこまかとォォ!墜ちろよ!クソ虫がァァ!]]

 

そんな青空のザクに腐れ外道女のビグ・ラングはガトリングガンを起動させ射撃を開始します。

 

<<あちらさんにロックオンされました。回避行動を推奨しますが?>>

 

[[言われなくても分かってるっての!んなヘボい弾に当たるかってんだ!オラァ!どーしたよ!俺はコッチだぁ!キ○ガイ女ァァ!]]

 

まぁロックオンされたとしても青空がそうそう簡単に被弾なんてしませんよね。

 

それにしても…本性剥き出し状態の腐れ外道女と青空の話し方は何処と無く似ていますね…。

 

恐らくは二人共チンピラ属性なんでしょうね。

 

[[抜けた!アイリ!もっかい仕掛けるぞ!ブースト!]]

 

<<了解しました。サポートに入ります。>>

 

あら?可笑しな事を考えている間に青空がガトリングガンの弾丸の雨を抜けて再びビグ・ラングへと仕掛けようとしていますね。

 

この調子ならば次の接近であの腐れ外道女もお仕舞いです。

 

大口を叩いていた割りには随分と簡単に終わりそうですね。

 

全く…腐れ外道女も少しは避ける素振りでもみせれば……待って下さい。

 

ビグ・ラングは…腐れ外道女はどうして先程から迎撃だけだ移動しないのでしょうか?

 

ビグラングはこの宙域に到着してからは一歩も…宇宙で、しかも足の無い相手に一歩もとは変ですが、一歩も動いてませんよね?

 

スラスター等の推進装置に異常でも発生しているのでしょうか?

 

それとも無理矢理に違法なハッキングでビグ・ラングを乗っ取ったから、機体を完全に制御できていない?

 

いえ…違いますね。根拠は無いですが、間違いなくどちらでもありません。

 

相手は私の事をクソ処女ビッチとか言いやがったあの腐れ外道女ですよ。

 

性根が捻り曲がった性格最悪な嫌な女ですよ?

 

“動けない”ではなく“動かない”が正解の筈です。

 

何故、動かないか…動かない理由……。

 

あぁ…分かりましたよ。動かない理由が。

 

[[レンジ内!捉えた!]]

 

[[チィィィィィ!クソ虫がァァァ!!!]]

 

私が腐れ外道女の思惑について考え込んでいる間に、青空はビグ・ラングへと距離を詰め、とどめを差そうとロングポールヒートアックスを振り上げている所でした。

 

[[往生際ォォせいやァァァァ!!!]]

 

私の考えが正しければ、あの腐れ外道女は勝利を確信した私達を嘲笑う為だけに、今まで動かない振りをしていた筈です。

 

何と言ってもあの腐れ外道女は性格最悪ですからね。

 

[[ヒャッハァァァ!!!残念立ったなァァぁ!鳴神ィィィィ!!!ちーぃどばかしかすったがァァァ!大ハズレだァァァ!!!]]

 

やっぱりですか…。

 

私の予測通り、ビグ・ラングは突如として全身のスラスターを逆噴射させ、青空の降り下ろした一撃から逃れてしまいました。

 

[[しまっ!ってか!テメェ!動けんのかよ!]]

 

ですが、あれだけの巨体です。

 

完全に回避は出来なかった様ですね。

 

青空の降り下ろした一撃はビグ・ラングのモノアイの少し下の部分を掠め、装甲にやや深い傷を付けています。

 

[[誰がァァ動けねぇーって言ったよォォ!バカかテメェはァァ!イリス!ホーミングミサイルゥゥゥ!セットォォォァァァ!!!]]

 

<<ホーミングミサイル起動。ターゲットロック。照準完了です。マスター、トリガーを。>>

 

<<やれやれ。相変わらずマスターはツメが甘いですね。ほら、敵機にロックオンされましたよ。マスター、なんとかして下さい。>>

 

[[ちょっと待て!この体勢からか?!無茶言うな!]]

 

青空はとどめの一撃のつもりで思いっきり降り下ろしたので体勢を立て直せていない様ですね。

 

このままではホーミングミサイルの餌食になってしまいます。

 

ここは私の出番です!

 

「聞こえていますね、腐れ外道女。先程、私は貴女に言いましたよね?“戦場でスナイパーを放置する恐ろしさを身を持って味わいなさい”と!」

 

[[ア"ァ"?ナァァニィィ言ってんだァァ!このクソ処女ビッチはァァ!]]

 

この状況で先程の様なミサイルの撃ち落としは無理です。

 

ならば狙うはただ一点…青空が先程ビグ・ラングのモノアイの少し下に付けた装甲の僅かな傷口。

 

スナイパーライフルの有効射程はギリギリ。

 

目標の傷口はスコープモードを最大望遠にしても、この位置からでは豆粒以下にしか見えない。

 

「こうも言いましたよね?“コイツ(スナイパーライフル)の一撃で、その脳天をぶち抜いて差し上げます”と!」

 

まさに針の糸を通すような狙撃…。

 

普通ならば撃つだけ…試すだけ無駄な難易度なのでしょうが、今の私には試さないという選択肢はありません。

 

[[クソ処女ビッチの勘違いボケ女はァァ!!黙ってろやァァァ!!!]]

 

そう…無理なのでしょう。無謀な試みでしょう。けど…何故でしょうか……今の私には…この一射は全く外す気がしないのですよ!

 

腐れ外道女!ここまでとことん私を無視した報いを受けなさい!

 

蜂の一刺し!熊をも倒す!一射一倒です!

 

さぁ!いきますよ!園田 海未!

 

「黙るのは……貴女です!」

 

極限の集中が再び私をあの不思議な感覚へと誘います。

 

視界が開け、ゆっくりと時間が進み、色も音も無くなった世界。

 

三度目にもなると、何となくですがこの感覚が何なのか分かるような気がしてきました。

 

以前、お祖父様が仰っていた達人達が到達する武の極みの一つ…。

 

それはある種の“悟り”の様なモノ…。

 

己と向き合い、己を越えた先にある無我の境地…。

 

武を極め、頂へと登り詰めた者達が垣間見る刹那の刻(とき)…。

 

 

 

 

“零(ゼロ)の領域”

 

 

 

 

武を志す者の一人として、何れは私も辿り着きたいとは思っていましたが、まさか長年研鑽を積んで来た弓道や、お祖父様から教えを乞うた剣ではなく、あくまでも遊びの延長に過ぎないガンプラバトルでこの極みへと到達するとは思いませんでしたね。

 

まぁ、あの腐れ外道女を撃ち抜けるならばこの際なんでも良いです。

 

“零の領域”だろうが何だろうが、使えるモノは全て使い、あのイカれた腐れ外道女の脳天をぶち抜いてやりますよ!

 

だから……今はただ一人の射手として、あの外道を撃ち抜きましょう!

 

[[ハッ!その距離からソイツ(スナイパーライフル)で狙ってもコイツ(ビグ・ラング)に効くかよ!ってかその距離から当たるかってんだよォォ!バカだねぇ!悲しいねぇ!憐れだねぇ!愚かだねぇ!クソ虫だねぇ!イカれてるねぇ!愉しいねぇ!なぁ?そォォだろォォォォ!!清く正しく美しいィィィ!クソ処女ビッチなァ“園田 海未”さんよォォ!クズなテメェは鳴神をヤった後で!残りの四肢をへし折って!ダルマにしてジックリ!ユックリ!タップリとォォ!端正込めてェェェェ!なぶり殺しにしてヤんよォォォォ!オラァ!まずはヘタレ野郎だァァ!ホーミングゥ!鳴神のクソザクを追って!追って!追い掛けてェェェ!ぶち殺しやがれェェェェ!!!]]

 

<<ホーミングミサイル発射します。>>

 

<<間もなく敵機より本機へ向けてホーミングミサイルが発射されます。マスター、これは無理ですね。フルアシストをしてあげますので、さっさと“soar”を使ってあのデカイのから距離を取って下さい。>>

 

[[分かってるっての!無駄口叩いてねぇーで!出力を脚部のバーニアに集中させろ!クソが!今から間に合うのか?!]]

 

<<出力調整完了です。間に合わなければ墜ちるだけですよ。お早めにお願いします。>>

 

[[今さらァァ!間に合うかよォォォォ!!!死にさらせぇぇぇぇぇぇぇ!!!]]

 

「間に合う間に合わない以前の問題です!死ぬのは青空ではなく!イカれ腐れ外道チンピラあばずれ女!貴女ですから!!!」

 

“零の領域”の拡張された感覚の中で、私はビグ・ラングのモノアイの少し下に付けられた僅かな傷口に狙いを定めスナイパーライフルの引き金を引きます。

 

腐れ外道女はスナイパーライフルから発射されたビームも私の事も相変わらず無視し、青空のザクを狙っています。

 

青空も窮地から脱する奥の手がまだある様ですが、その札はもう切る必要はありませんよ。

 

だって………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の一撃がビグ・ラングを貫き、奴にとどめを刺すのですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<<マスター、被弾しました。また、発射直前のホーミングミサイルの内部誘爆によりビグ・ラングのダメージが規定値を越えた為、間もなく本機はバトルから除外されます。>>

 

私の放ったスナイパーライフルの一撃は、狙い定めた通りにビグ・ラングに付けられた僅かな傷口を貫きました。

 

どうやらその一撃は傷口の左右にあった発射直前のホーミングミサイルにも誘爆し、内部からビグラングに大ダメージを与えた様ですね。

 

[[はぁ?!被弾だァァァ?!オイ待て!イリスゥ!アタシがいつ被弾した?!まさか!クソ処女ビッチの狙撃か?!素組のジムスナのあんな豆鉄砲喰らってもビグ・ラングの装甲ならァ!]]

 

<<マスターの仰る通り、ソノダウミ様の超長距離狙撃による攻撃です。装甲への着弾ならばダメージは皆無だったのでしょうが、先程、ナルカミソラ様の一撃で僅かに出来たモノアイ下部の装甲の傷口をピンポイントで撃ち抜かれました。>>

 

[[………は?装甲の傷口?!確かに傷自体は深けェが、あの位置から狙っても当たるかよ!]]

 

「当たりますよ!私は狙撃手…いえ、“射手(スナイパー)”なんですから!だから私は貴女に言いましたよね?“戦場でスナイパーを放置する恐ろしさを身を持って味わいなさい”と!“コイツ(スナイパーライフル)で貴女の脳天をぶち抜いて差し上げます”と!私をたかが素組の初心者だと侮り過ぎて!放置していた貴女の負けです!腐れ外道女!!!」

 

[[は…はは……ははははははは!なんだよ…なんだよ!何なんだよ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソがァ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ虫がァァァァァ!!!!!]]

 

侮っていた私の一撃でヤられたのが余程悔しかったのでしょう。

 

腐れ外道女は激昂し何度も“クソ”と叫んでいます。

 

私はヤる時はヤる女なんです!

 

今更、悔しがってももう遅いです!腐れ外道女!ざまあみやがれですよ!

 

<<今回のバトルで一番のチート性能を発揮したのはマスターでもあのイカれた女でも無くウミでしたね。精霊使い(エレメンタラー)でもない普通のファイター、しかも初心者が、あの位置から素組の機体でピンポイントで装甲の僅かな傷口を撃ち抜くなんて、マスターやメイジン・カワグチを始めとしたワールドクラスのトップファイターでも無理ですよ。ウミは本当に人間なのですか?>>

 

[[だよな。素組の機体で同じことヤれって言われても普通は無理だよなぁ。俺でもあの位置から装甲に出来た小っさい傷口を狙うなんて芸当、お前の力を借りて狙撃戦用のフルカスタム機を使ってやっと出来るか出来ないかってレベルだろ?ホント海未さんマジかよって感じだな……。バトルフィールドで腕の良い狙撃手(スナイパー)ほど怖ぇもんはねぇからな…海未さんが味方で良かったよ……。]]

 

[[ァァァァァァ…はぁはぁはぁはぁはぁはぁ………うふ…うふふ…うふふふふふふふ♪ワタクシぃ♪ヤられてしまいましたわぁ♪超長距離からのピンポイント狙撃ぃ♪しかも素組のジム・スナイパーⅡでなんてぇ♪園田 海未さん♪実にぃ♪実にぃお見事な一撃でしたわぁ♪まさにぃ神業ですわぁ♪ソコに痺れるぅ憧れるぅ♪ですわぁ♪]]

 

腐れ外道女の口調が初めの丁寧ですが人を小馬鹿にした胡散臭いモノに戻りましたね。

 

この期に及んで本性を隠すなんて、何を考えているのですか?

 

また何か良からぬ事を企んでるのでしょうか?

 

「ヤられたと認めたのならば、さっさと消えて下さい!そして!二度と私達の前に現れないで下さい!」

 

[[うふふ♪園田 海未さんったらぁそんなつれない事を言わないで下さいませぇ♪こんなにも熱く♪熱く♪あつぅーくぅ♪想いをぶつけ合ったんですものぉ♪ワタクシ達わぁ♪もう立派な“お友達ぃ”でしょう?]]

 

は?“お友達”?

 

こ、こんな女と“お友達”ですって?!

 

性根の捻れ曲がった品性下劣な腐れ外道女なんかと“お友達”だなんて!願い下げです!

 

「貴女は!本気でそんな事を言っているのですか!貴女が私達の声を使って!私達の振りをして!青空に何をしたのか!その胸に手を当てて思い返しなさい!忘れたなんて言わせませんよ!」

 

[[うふふ♪嫌ですわぁ♪そんないじわるぅ言わないで下さいませぇ♪アレはただの余興♪冗談みたいなモノですわぁ♪]]

 

じょ、冗談……?!トラウマを抉って人の心を壊れる寸前まで追い詰めておいて、冗談?

 

……無理です。やっぱりこの女とは“お友達”になんてなれません!

 

<<マスター。間もなくお時間です。>>

 

[[あらぁ?そうですかぁ…残念ですわぁ…ワタクシ♪もぉぉぉぉっとぉ♪鳴神さんとぉ♪園田さんとぉ♪お話ぃしたかったですわぁ♪]]

 

「しつこい人ですね!私達はこれ以上!貴女と話すことはありません!」

 

[[海未さんに同感だな。テメェみたいなキ○ガイ女なんかとは二度とかかわり合いになりたくねぇーな。]]

 

<<マスターもウミも、それは無理なのでは無いですか?二度と関わるなと言って、本当に二度と関わって来ない相手ならば、そもそもこんな事はしないはずです。>>

 

アイリ…嫌な事を言いますね…。

 

アイリの意見は正論過ぎて反論出来ません…。

 

[[はぁい♪アイリちゃんの仰る通りですわぁ♪ワタクシわぁまた皆様とぉ遊びに参りますわぁ♪うふふ♪イリスちゃんもぉ♪またアイリちゃんとぉ遊びたいでしょうしぃ♪]]

 

<<マスター…私は別に…。>>

 

<<愚妹、確かイリスと言いましたね。今回はトラウマからくるマスターの体調不良をあのクソババア…マザーシステムの目から誤魔化すために、偽装バイタルデータの維持にリソースの多くを振っていたので貴女に好き勝手されましたが、この次はこうは行きませんよ。そもそも貴女がクソババアの目を盗んで今回のバトルに介入出来たのも、私の用意した偽装バイタルデータを傘に潜り込んだからでしょうに。>>

 

<<……承知しております。今回、マザーシステムを誤魔化せたのはお姉様の偽装バイタルデータを利用したからだと言う事は。私単体の能力ではこうも簡単に介入は出来なかった筈です。ですが…お姉様を間近で視て、私も学びました。次回は私ひとりの力でマスターのお役に立ってみせます。>>

 

<<ヤれるモノならばヤってみなさい。その時は姉より勝る妹など居ないという事を教えてあげましょう。>>

 

<<お手柔らかにお願いいたします。お姉様。>>

 

<<ふん。>>

 

あれ?今の会話だと、アイリは偽装バイタルデータの維持が無ければイリスの介入をどうにか出来たのですか?

 

……偽装バイタルデータが必要だったのは青空のトラウマ対策ですよね…。

 

ならば青空がトラウマを克服すれば今後はアイリがイリスの介入を防いでくれるのでしょうか?

 

ならばやはり青空のトラウマ克服は急務ですね!

 

[[うふふ♪イリスちゃんもワタクシと園田さんみたいにぃ♪アイリちゃんと仲良くなれたみたいですわねぇ♪姉妹は仲良しが1番ですわぁ♪うふふ♪イリスちゃんも学習出来た様ですしぃ♪次が楽しみですわぁ♪]]

 

やはり“次”があるのですね…。

 

この腐れ外道女と関わるのは金輪際御免蒙(こうむ)りたいのですが、仕方ありません…。

 

仕掛けてくるのならば!また撃ち抜いてやります!

 

「覚えておきなさい……貴女がまた私達にちょっかいを掛けてくるのならば……その時はまた私が貴女の脳天をぶち抜いて差し上げます!」

 

[[うふふ♪覚えておきますわぁ♪その時にわぁ、園田さんももっと強くて素敵なお召し物(ガンプラ)を用意していて下さいねぇ♪だってぇ…素組のそんな情けないお召し物(ガンプラ)でぇ、弱いままの貴女と遊んでもつまりませんわぁ♪うふふ♪それでわぁ皆様ぁ♪本日わぁワタクシの実験と暇潰しにお付き合いいただきぃ♪本当にぃほんとぉぉーにぃありがとうございましたわぁ♪またぁ…近いうちにぃお会いいたしましょう♪うふふ♪うふふふふふふふふ♪あはははははははははははははははは!]]

 

<<それではナルカミソラ様、ソノダウミ様、お姉様。失礼いたします。ああ、それとソノダウミ様。少しの時間ではございましたが、ソノダウミ様とのお話はとても興味深く、大変に楽しい一時でした。また、いつかゆっくりとお話しが出来たのならば幸いでございます。ではまた何処かでお会いいたしましょう。>>

 

そう言い残すと、腐れ外道女が乗っ取ったビグ・ラングは爆発四散し、腐れ外道女とその契約精霊のイリスは消えて行きました…。

 

腐れ外道女は最後に実験と暇潰しと言っていましたが、暇潰しは兎も角として、実験とはなんの実験だったのでしょうか…。

 

あの腐れ外道女の事です。どうせろくでもない実験だったのでしょうが…。

 

それに、また近いうちに…ですか。

 

はぁ……またあんなのの相手をしなければいけないのですね…。

 

憂鬱です…。

 

勝ちはしました…勝てはしましたが……なんとも後味の悪い終わり方ですね……。

 

[[“また近いうちにお会いしまょう”、ね…。アイリ。無駄だとは思うけど…。]]

 

<<はい。一応は追跡しています。ですが恐らくは…。>>

 

[[だよなぁ……ったく…本当にクソだな…。]]

 

「青空…クソだなんて止めて下さい…。まるであの腐れ外道女のようですよ…。」

 

[[うへぇ…あのキ○ガイ女と一緒って……ソイツは本当にクソだなぁ…。]]

 

「そーらー!止めて下さいって言いましたよね!」

 

[[へーい…。]]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。

今回、物語中に登場した「零の領域」は、サイバーフォーミュラーと言うアニメに登場した所謂「ZONE」と同じ様な状態になります。
有名な作品ですので、ご存じの方も多いと思いますが、やはり黒子のZONEに比べると知名度では劣りますよね…。
そう言えば、まったく関係無いのですが、スクフェスのメドレーフェスで三連フルコンボを出せるときは、もしかすると自分とZONEに入っているのかもしれません。

次回はようやくμ'sでの初バトルも終わりになります。
久し振りに絵里さんも登場する予定です。
更新予定はいつも通り、来週の月曜日のお昼頃を予定しております。
よろしければ是非ご覧下さい。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想もお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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