比企谷八幡に特殊な力があるのはやはり間違っている。~救いようのない哀れな理性の化物に幸せを~   作:@まきにき

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皆様あけましておめでとうございます。かなり投稿が遅れてしまいすいませんでした。


俺の夏休みは何処か間違っている。

夏休み初日。朝早くから俺の携帯は鳴り続けている。何故携帯に出ないのか、それは連絡の相手が平塚先生からだからだ。

夏休み初日からほんとに勘弁してもらいたい。既にかれこれ30分鳴りっぱなしの俺の携帯は1年分くらい仕事したんじゃないかと思う。目がゴロゴロすると思ったらカラーコンタクトを付けたまま寝てしまったようだ、洗面所で顔を洗うときに新しいのに付け替えるかと考えているとノックも無しに俺の部屋の扉が開かれた。

 

「お兄ちゃんー!おっはよー!」

小町は俺の部屋に入ってくると先程から煩いくらいに鳴っている携帯を取り二言程話して電話は置かれた。

ん?内容?そんなの怖くて聞けるはずがない。

 

「お兄ちゃん、もう起きてるんでしょー?」

 

「ん?ああ小町か。どうした?」

 

「いや、そんな今起きましたみたいな演技されても....。ほら今から出掛けるんだから仕度してよ」

 

「出掛ける?」

 

「少し前に言ってあったでしょ?夏休みに入ったら予定空けといてって」

 

「あーそう言えばそんなこと言われたような気がするな」

 

「はぁ。その様子だと忘れていたみたいだね」

 

「い、いやまぁなんだ。思い出したぞ」

 

「てことは忘れてたんじゃん。まぁ良いけど、ほらお兄ちゃん早く仕度して行くよ」

 

「そもそも何処に行くんだ?」

 

「それは秘密でーす♪」

 

「・・・」

どや顔で言ってくる小町に少し違和感を覚えた俺は断ろうとしたが、前々からの約束ということで違和感を抱えながら仕度をすることにした。

 

「あ、お兄ちゃん。泊まりだから着替えとか持ってねー?」

 

「はぁ!?」

 

何処に行くのか分からないまま二日分の着替えと歯磨きセット、タオル、まぁ必要最低限の物だけ持って鞄に入れ、重くなった鞄を肩に掛けて小町を待っていると何週間泊まるの?って突っ込みたくなるくらいキャリーケース一杯に着替えやら何やら詰め込まれていた。

 

「さあ!行くよお兄ちゃん!」

 

「いや行くよってその荷物は何だよ?何日帰ってこないつもり?いつの間にか妹に放浪癖が出来ていたなんてお兄ちゃんビックリだよ」

 

「何言ってるの?お兄ちゃん。泊まるのは一日で一泊二日だよ?」

 

「いや、お前の荷物どう考えても多すぎだろ」

 

「もう、これだからゴミぃちゃんは...」

 

「おいゴミぃちゃんって」

 

「いい?女の子はね色々と必要なの。小町以外にそんなこと言ったら切腹もんだからね?」

 

「俺はこんなことで腹切られるんですかね」

 

「はぁ....まぁお兄ちゃんに期待しようってのが無理かぁ。やっぱりお義姉ちゃん候補達に頑張ってもらうしか.....」

 

小町は何やらブツブツ言ってるがろくなことじゃないのは分かってるから聞かずに玄関の扉を開けた。

ジリジリと開けた瞬間に太陽から発せられる熱で今は夏なんだと改めて理解させられる。

 

「暑い.....」

 

「うわー今日も暑いね。お兄ちゃん」

 

「ん、ああ。そもそも夏休みってのは昔暑すぎて生徒の熱中症が増えた為出来たもんだしな」

 

「え!?そうだったの!?」

 

「そうそう。だから家で大人しくしてろって事なんだよ。ほら、まだ間に合うから帰ろうぜ?」

 

「いやいやいや。帰らないよお兄ちゃん。そのほんとかどうかも怪しい雑学で小町は騙されないよ!」

 

「ちっ」

 

「それよりもーお兄ちゃん」

 

「あ、どした?」

 

「小町はか弱い乙女なわけですよ」

 

「へえ。お前って乙女だったんだな。というか乙女の定理を教えてほしいもんだ」

 

「そんなか弱い乙女にこの荷物はキツイわけですよ」

 

「・・・それで?」

 

「荷物持って、お兄ちゃん♪」

俺は夏休み早々から妹のやたら重いキャリーケースをゴロゴロと引っ張り、太陽をまるで仇のように睨みながら駅まで歩くのだった。

 

「お兄ちゃん。暑いのは分かるけど.....太陽を睨むのはどうかと思うよ?」

 

「そう言えばそうだな。ならこの荷物自分で」

 

「いやーほんとに今日も暑いね~。お兄ちゃん♪」

 

「はぁ....」

千葉県民の兄なら分かるだろう。千葉県の兄は妹からのお兄ちゃんという言葉には逆らうことは出来ないのだ。

 

 

 

駅に着くと見覚えのある顔が見えてきた。俺は顔面蒼白になって回れ右をすると何かにタックルされて尻餅をついてしまう。

 

「痛っ....て神崎!?」

 

「はい♪先輩があまりに遅かったので私心配で1度先輩の家まで行ったんですけどお留守だったみたいで....交通事故にでもあってしまったんじゃないかって....」

 

今まで寝ていて遅くなったなんて口が裂けても言えず、目の前で泣いている神崎に罪悪感を抱きながらこの状況を早くなんとかしようと神崎の肩を掴んで離れさせようとする。と、後ろから夏だと言うのに一気に冬になったんじゃないかと勘違いするほど冷たい声が聞こえてきた。

そして俺はその声を知っていた。

 

「・・・雪ノ下」

 

「あら何かしら?こんな往来の真ん中で女の子と抱き合っている変態谷君」

 

「ひ、ヒッキー....」

 

「おい、ちょっと待てって。この状態は....」

 

「あー!先輩ー!何さっちゃん泣かしてるんですか!?」

 

「い、いいいや泣かしてねえよ」

 

「全く....どうやったらこういう状況を作れるのかしら」

雪ノ下がこめかみを押さえながら聞いてくるがそれは俺が聞きたいくらいだ。

 

「それに俺は今日から小町と泊まりで旅行だ。偶然ここであっただけで」

 

「本当に偶然だと思っているの?」

 

「やあ。比企谷」

 

「・・・お、おはようございます」

 

「あれだけかけていたのに何故電話に出なかったんだ?」

 

「そ、その、まだ寝ていたので」

 

「お前の妹は起きていたと言っていたぞ?」

 

「ぐっ....」

 

「まあ来たんだ。今回は許してやろう。それよりも私の目の前で良い度胸だな」

ボキバキと指を鳴らし始めた平塚先生の顔は表面上笑っていたがその笑いはどんな怒った顔よりも怖かった。

 

 

何故か俺だけ平塚先生に制裁という八つ当たりをくらい散々雪ノ下からディスられ、由比ヶ浜からはサイテーと言われ、一色は「わたしが慰めてあげましょうか~?せーんぱい♪」とか言われ。その事にまた、雪ノ下からディスられて.....もう俺の体力はスライムにアーサーがエクスカリバーを放つくらいオーバーキル状態だった。うん。わけわからないな。

 

「さて比企谷は私の隣で助手席に乗りたまえ。異論は認めない」 

平塚先生に助手席に座るように言われたが俺だってその唯一の安全エリアに最初から座るつもりだった。

だが何故か小町が助手席に乗り始めた。

 

「・・・私は比企谷に助手席に座れと言ったのだが?」

 

「いやですねぇ。私も比企谷ですよ?」

 

「ふ....やるじゃないか」

 

「いえいえ~♪」

さて問題はここからだ。平塚先生が用意した車は基本的に前に二人。後ろに3人の5人乗りだ。成人男性が3人座れることを考えて細身の(由比ヶ浜は一部分が危ないが)俺達なら座れないことはないがそうは言っても狭いのだ。そりゃーもう肩なんて余裕でぶつかって更に寄らなくてはいけないくらいには。

 

「えーと~。それじゃあ先輩には一番右に座ってもらってその隣はわたしが、そしてその隣にさっちゃんに」

 

「いろはちゃん?それは何の冗談なの?」

 

「そ、それじゃあ窓側がわたしで先輩、そしてさっちゃんでいい?」

 

「それならいいけど」

 

「ちょ、ちょっと待ったぁあああ!」

 

「どうしたんですか?由比ヶ浜先輩」

 

「もしかして結衣先輩も~先輩の隣に座りたいとか?」

 

「え、いやーそれは....」

そこで何で俺見るんですかね?目そらすことしか出来ないよ?

 

「んん....ゆきのーん」

 

「私は.....比企谷君。車には座席以外にもスペースがあることを知ってる?」

ああ、あれですね。俺は荷物を置くところに乗れということですね。いやまぁ、それが一番良さそうだから良いんだけどさ。平塚先生のガッツポーズが少し納得いかないと言いますか。

 

「まぁ仕方ないか」

 

「そんな....先輩が可哀想ですよ」

 

「神崎さん、これは仕方のないことなのよ」

 

「でも....。分かりました」

 

「理解してくれたようで良かったわ」

 

「私が先輩の膝の上に座ります!それで全て解決ですよね?」

おぃぃ。この子は何を言ってるのん?一色ですら唖然としてるからね?そして平塚先生、そんなおもいっきり車殴ったら壊れますよ....というか小町。なんで此方見ながらニヤニヤしてるの?お兄ちゃんそんな子に育てた覚えはないよ!

 

「さ、さっちゃん!?思わずフリーズしてしまいましたが....本気?」

 

「勿論だよ、いろはちゃん。私....先輩なら大丈夫だから」

 

「比企谷君.....」

 

「ヒッキー....」

 

「先輩.......」

なにこれ俺がいけないの?何で皆俺を腐った目で見てくるの?そもそも平塚先生がこんな小さい車で来たのがいけないわけで俺のせいじゃない。

 

「そもそも何で平塚先生はこの人数で行くのに5人乗りの車で来たんですか?」

 

「ああ?」

 

「すいません....」

平塚先生はかなり機嫌が悪いようで原因を擦り付けることは死に繋がると悟った。

 

「はぁ....これでは埒があかないわね.....」

 

「ああ。ほんとにな」

 

「他人事のように言っているけれど貴方のせいよ?」

 

「え?それなら俺帰っていい?」

 

「いいわけないでしょ?」

 

「はぁ....それじゃあこうしよう。行きは一色と神崎の真ん中に。帰りは雪ノ下と由比ヶ浜の隣に座る。それでいいだろ?」

 

「まぁ。それなら」

 

「わたしも異論ありません~」

 

「わ、私は....」

 

「い、良いじゃんそれ!ね!ゆきのん!良いよね?」

 

「や、私は....」

 

「ねえ、ゆきのん。良いでしょー?」

 

「ゆ、由比ヶ浜さん....でも」

はぁ相変わらずユリユリってるなぁ。どうせ雪ノ下は由比ヶ浜に弱いから大丈夫だろうし。乗りますか。

甘かった。俺の判断は甘かったとこのあと思い知らされることになった。

神崎は、やたらとボディータッチしてくるしそれに対して雪ノ下からはディスられるし、由比ヶ浜は騒いでるし、一色は一色で俺の肩に頭を乗せて寝息立ててるし。平塚先生は.......いやもうあの人は放っておこう。

 

 

かれこれこんな事を繰り返すこと3時間。ようやく目的地に着いた。

 

「・・・千葉村?」

 

「君達にはここで林間学校のサポートスタッフとして働いてもらう」

 

「サポートスタッフ?」

 

「ああ、そうだ。小学生がこの千葉村で過ごすそうなんだが人手が足りないらしくてな。若手に、そう若手の私に話が回ってきたと言うわけだ」

うわー。大切な事なので2回言いましたよこの人。てかそれって良いように雑用押し付けられただけなんじゃないんですかね....。

俺が平塚先生を哀れに思っているともう1台ワゴン車が駐車場に止まった。

 

 

「やあ。君達も来ていたんだね」

そのワゴン車から降りてきたのは先日依頼をしてきた葉山隼人だった。

 

「そっちは何で来たんだ?」

 

「募集の貼り紙があってね。手伝って働き次第では内申点を上げてくれるって書いてあったんだ」

 

「どういうことですか?俺達そんな話聞いてないんですけど?」

 

「君達は奉仕部の合宿で来てるんだ。当たり前だろ?それに良い機会だ。君達は別のコミュニティーと上手くやる術を身に付けた方がいい」

 

「無理ですよ。あの辺と仲良くするなんて」

 

「仲良くする必要はないさ。上手くやれと言っているんだ。敵対でも無視でもなくサッと無難にやり過ごす術を身につけたまえ。それが社会に適応するということさ」

 

「はぁ.....」

 

このあと直ぐに俺達は集められて小学生の前に立たされ俺達がサポートをする事を伝えられて小学生は自由行動になった。

 

「さて、君達の最初の仕事はオリエンテーリングのサポートだ。一緒に行動してトラブルの無いよう見守ってくれ」

そう平塚先生は言うと1人車に乗り込み何処かに行ってしまった。俺達は仕方なく小学生の一番最後尾の少し後ろを歩き、トラブルがないように見張ることにした。

 

「べー!まじ小学生とか若いわ~!高校生とか、もうおっさんじゃね?」

 

「ちょっとやめてくれる?まるであーしがババアみたいじゃん」

 

今の発言を平塚先生に聞かせたらどうなるのかなと考えながら歩いていると、ひとつの女の子のグループで誰が見ても分かるくらいにハブられて楽しそうじゃない女の子がいた。グループからは少し遅れて歩き、時々思い出したように持ってきていたカメラを見ながら手を震わせていた。

 

「チェックポイント見つかった?」

 

「いえ」

 

「そうか。君、名前は?」

 

「鶴見留美」

 

「留美ちゃんか。俺は葉山隼人、よろしくね。あっちの方とか隠れてそうじゃない?一人じゃ見付けるの大変だと思うし皆で一緒に探そうよ」

そう言って葉山は、少し離れながら探していた女の子をグループの中に戻しにいく。誰が見ても分かると思ったけどいたよここに1人分からない奴が。

 

「隼人優しい♪」

 

あーここにもいましたね。

 

「見た?今のスッゲーナチュラルに誘って、ナチュラルにあの子の心削りにいったぞ」

 

「まぁ、葉山先輩ですからね。でも心を削ったってどういう意味ですか?」

 

「ボッチには、自分を守るための距離感ていうのがあるんだよ」

 

「あの女の子がボッチだと何故分かるんですか?」

 

「いろはちゃんは分からないの?」

 

「さっちゃんは分かるの?」

 

「分かるよ。だって....私と似た雰囲気あるから」

 

「そうね。彼のしたことは、あまり良い事ではないわ」

 

「そう言えばですが、ここにいるのボッチばかりでしたね....結衣先輩は、小学生と楽しそうに話してますし」

 

「あまり納得したくは無いけれど.....特に私はボッチというわけではないのよ?」

 

「そうだな。今は由比ヶ浜がいるからな」

 

「いえ、そういうわけではなくて....」

 

「なんにしろ、見てれば分かるさ。葉山が一緒に行ったときは、なんか仲良くしてそうだろ?」

 

「はい」

 

「でもな、葉山がいなくなれば」

 

「・・・あ、また少しずつ離れて」

 

「あいつのやり方じゃその場の解決にはなってもあの女の子の状況の解決にはならないってことだ」

 

「それなら。先輩ならどうしたんですか?」

 

「ほっとくな」 

 

「え?いやでもそれって....」 

 

「別に見捨てるってことじゃない。今の状況で俺達が動いてもあいつにとっては悪い方向にしかいかないってことだ」

 

「そうね。今出来ることはないわね」

 

「私もあの状況なら放っておいてほしいかも」

 

「今の状況って事は先輩は何とかするつもりなんですか?」

 

「さあな。別に頼られた訳じゃないし、そのままでも良いんじゃないか?」

 

「はぁ、そういうものですか」

 

オリエンテーリングも終わり夕飯のカレーライス作りが各グループにより始められた。

俺は、先程一人だった女の子を見ていた。別に探した訳じゃない。ただ昔の自分を見ているようで懐かしく感じたのかもしれない。1人黙々と作業を進め自分の役割をこなしていく。小学生というのに、かなり慣れているようで殆ど1人でカレーを作りあげていた。女の子と同じグループの他の女の子達は、全員で楽しそうに話ながら飯盒でご飯を未だに作っていた。そんなグループの女の子達を見てカメラに目を落として、俺と目が合うと何処かに行ってしまった。

 

「比企谷君。気になるの?」

 

「雪ノ下か、別に気になってる訳じゃないんだが....自然と目がな」

 

「そう....あなたも、あんな感じだったの?」

 

「まあな。でも俺は1人が嫌だなんて思ったことはないけどな」

 

「まぁそれは私も思っていたわ」

 

「んで、他のやつらは?」

 

「平塚先生に呼ばれてるわ。私は用件が済んだので先に来たというわけ」

 

「俺そんなの知らないんだけど?」

 

「貴方は良いのよ。知らない方が良かったなんて良くあることでしょ?」

 

「おいちょっと待て。なんだそれめちゃくちゃ怖いんだけど?」

 

「それより、貴方は何かするつもりなの?」

 

「どうだろうな....あいつがどう思ってるのかなんて本人にしか分からないだろ?」

 

「そうね。もしあの子がそれを望んだら貴方はどういう風に動くのかしら?」

 

「そんなのその時にならないと分からないだろ?」

 

「そうね。留美さん、此方に来なさい」

 

「は?」

 

雪ノ下が鶴見という女の子を呼ぶと先程ハブられていた女の子が茂みから出てきた。

 

「鶴見留美です.....」

 

「え、えーと。雪ノ下さん?」 

 

「何かしら?」

 

「これはどういうことでしょうか?」

 

「鶴見さんは、私の親戚の女の子なの。前々から関わりがあったのよ」

 

「ゆ、雪乃お姉ちゃん.....」

 

「あら、ごめんなさいね。比企谷君、先程の続きなのだけれど」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ....話についていけん」

 

「ついてこれなくても良いわ。貴方の頭が残念なのは理解しているもの。それより小学生の女の子が名前を言ったのよ?貴方は何を呆けているのかしら?」

 

何で俺こんなときでもディスられてるんだろう....。最後の方は、正論なので何も言い返せないが。

 

「あ、あの....」

 

「俺の名前は比企谷八幡だ。えーと鶴見だっけ?よろしくな」

 

「あ、はい。よろしくお願いします」

 

「ちゃんと自分の口から言うのよ?」

 

「う、うん.....。そ、その.....八幡は私と同じ感じがしたの」

 

「いきなり呼び捨てかよ」

 

「なんか、雰囲気っていうか.....他の人とは違うって感じ」

 

それは俺も思ったが俺の問いはスルーなんですかね?

 

「それで?」 

 

「そ、その.....。お願いがあるの」

 

やっぱりこのパターンなのか。俺の夏休みは最初から俺を休ませてくれることは無さそうだ。

 

 

 

 

 





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