ダンジョンに施しの英雄がいるのは間違ってるだろうか 作:ザイグ
カルナ・クラネル。
Lv.6
力:B 761→A 882
耐久:C 633→B 746
器用:A 858→S 935
敏捷:A 894→S 999
魔力:B 735→S 911
幸運:D
不死:E
耐異常:G
鍛治:G
《魔法》
【アグニ】
・付与魔法(エンチャント)
・炎属性
・詠唱式【我を呪え】
【ヴァサヴィ・シャクティ】
・階位昇華(レベル・ブースト)
・発動対象は術者装備限定
・行使条件は【日輪具足】使用解除
・発動後、一日の要間隔(インターバル)
・詠唱式【神々の王の慈悲を知れ。主神よ、刮目しろ。絶滅とは是、この一刺。焼き尽くせ】
《スキル》
【憧憬庇護(リアリス・フレーゼ)】
・早熟する。
・懸想(ベル)を守る限り効果持続。
・懸想(ベル)が近いほど効果向上。
【日輪具足(カヴァーチャ・クンダーラ)】
・光鎧を装備する。
・この鎧は神々でさえ破壊困難。
・装備者は損傷(ダメージ)を九割削減。
これがLv.6最後の【ステイタス】。【アグニ】を限界まで行使したことで『魔力』が二段階も上昇。他の項目も軒並みA以上になっている。唯一『耐久』が見劣りするがスキルのせいで伸びにくいので仕方ない。
「いつ見ても異常なステイタスやな。レアアビリティ、レアスキル、レア魔法のオンパレード。ほい、更新終わったで」
ロキが更新した【ステイタス】を共通語(コイネー)に書き換える。カルナは【神聖文字(ヒエログリフ)】が読めるので書き換える必要はないのだが黙って受け取る。
カルナ・クラネル。
Lv.7
力:I 0
耐久:I 0
器用:I 0
敏捷:I 0
魔力:I 0
幸運:D
不死:E
耐異常:G
鍛治:G
精癒:I
《魔法》
【アグニ】
・付与魔法(エンチャント)
・炎属性
・詠唱式【我を呪え】
【ヴァサヴィ・シャクティ】
・階位昇華(レベル・ブースト)
・発動対象は術者装備限定
・行使条件は【日輪具足】使用解除
・発動後、一日の要間隔(インターバル)
・詠唱式【神々の王の慈悲を知れ。主神よ、刮目しろ。絶滅とは是、この一刺。焼き尽くせ】
《スキル》
【憧憬庇護(リアリス・フレーゼ)】
・早熟する。
・懸想(ベル)を守る限り効果持続。
・懸想(ベル)が近いほど効果向上。
【日輪具足(カヴァーチャ・クンダーラ)】
・光鎧を装備する。
・この鎧は神々でさえ破壊困難。
・装備者は損傷(ダメージ)を九割削減。
【英雄宿命(アルゴノゥト)】
・強敵対峙に対するチャージ実行権。
・解放時における全アビリティ能力補正。
・能力補正はチャージ時間に比例。
アビリティが全て初期化され更新された【ステイタス】。新しく発現したアビリティは『精癒』。カルナの知る限りではリヴェリアしか習得していない『レアアビリティ』だ。それに新しいスキルも発現している。始めて見るスキルだが、強敵と戦う時に力を溜めて飛躍的な能力増幅(ブースト)するものらしい。その上、溜める時間が長いほど際限なく強くできる。こちらも間違いなく『レアスキル』だろう。
発現の起因は間違いなくヴォルガング・クイーンとの死闘だな。
「まずはおめでとうと言っておくよ、カルナ」
「やれやれ、とうとう先を越されたか。お前さんならもしやと思ってはおったが」
「これでカルナも世界最高位の一人か」
この場には【ロキ・ファミリア】の首脳陣も集まっていた。カルナの【ランクアップ】を祝福をする為に集まってくれたかというとそうではない。
「さて、とりあえず58階層で何があったか話して貰おうか」
「強いのは知っとるが、無茶し過ぎはいかんの」
「どんな危険を冒したかさっさと吐け」
Lv.7に至る『偉業』。即ちそれだけ命に関わる危険を一人でやらかしたカルナに三人は怒っていた。
「言い訳はしない。三人が怒っても仕方ない事を俺はした。何があったか話すのは筋をだろう」
カルナは58階層で見たことを包み隠さず話した。ただし、ヴォルガング・クイーンが『穢れた精霊』であったことは隠して。
「アイズが戦った女性型の同種とヴォルガング・ドラゴンを数十体。そして女性型ヴォルガング・ドラゴンか」
「その女性型ヴォルガング・ドラゴンって階層主(バロール)より遥かに強かったんやろ? そんなん一人で倒せば【ランクアップ】もするわ」
「まったく……仲間を思って原因を調べようとしたのは分かる。だが、いつもカルナが一人で危険に飛び込む必要はーーー」
「まぁ、そういうなリヴェリア。無事に戻ってきたんじゃ。戦力強化もできて結果的に良かったではないか」
反応は様々だったが、誰もがカルナの無事で良かったということで落ち着き、解散となった。
内心、リヴェリアに説教されるのではビクビクしていたカルナは安堵していた。
◆◆◆
翌日。カルナ達は遠征の後処理を済ませる為に団員総出で街に出ていた。
「僕とリヴェリア、ガレスは『魔石』の換金に行く。あ、カルナもギルドまでは一緒かな。皆は予定通り、ここから各々の目的地に向かってくれ。換金したお金はどうかちょろまかさないでおくれよ? ねぇ、ラウル?」
「あ、あれは魔が差しただけっす⁉︎ 本当にあれっきりです、団長っ⁉︎」
「一度失った信頼は簡単には取り戻せないものだ」
「カルナさんっ⁉︎」
「ははっ。じゃあ、一旦解散だ」
誰もが目的地に向かう中、カルナはフィン達と共にギルドに向かった。
最も高額で量がある『魔石』は首脳陣が換金するのが決まりであり、本来はカルナも他の役割をするべきだ。
しかし、カルナは【ランクアップ】したのでそれをギルドに報告するためフィン達に同行していた。
「じゃあ、僕達は『魔石』を換金してくるから、カルナは『遠征』の報告書を出してくれ。【ランクアップ】したことも忘れずに報告するんだよ?」
「言われなくてもそうする」
カルナはフィン達と離れ、受付に向かう。受付嬢の中に自分の担当がいるのに気付いたカルナは彼女に話しかける。
「ミィシャ」
「あっ、カルナ君じゃない! 遠征から帰ったんだね、お帰りー!」
元気に返事をしたのはミィシャ・フロット。受付嬢らしくない馴れ馴れしい喋り方だが、これはカルナだけなので特に問題ないだろう。
何しろ、カルナはミィシャが受付嬢になって初めての担当冒険者なのだ。
当時、カルナがたった三年で都市最強の一角に登り詰めるなどミィシャは想像もしていなかった。
「ああ、今回の遠征は残念ながら到達階層は増やせなかった。詳しくはこれに書いてある」
「はいはーい。確かに受け取ったよ」
いつも通りのやり取り。ミィシャも手際良く手続きをする。そこにカルナは爆弾を投じた。
「後、俺が【ランクアップ】したからその報告も頼む」
その言葉にミィシャは報告書を落とす。
「……カルナ君。今なんて?」
「【ランクアップ】したと言った」
「前回、【ランクアップ】したのいつだっけ?」
「1年前だな。数ヶ月毎に【ランクアップ】していたのを考えれば今回は長かった」
「その時のLv.は?」
「Lv.6」
「今は?」
「Lv.7」
「………」
「………」
沈黙する二人。だか、カルナはこの後の展開が何となく分かった。
「Lv.7〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ⁉︎」
昨晩のロキに引けを取らない大声量。無論、こんな大声で叫べば、
「Lv.7⁉︎ 一体誰が!」
「あの人だ! 【ロキ・ファミリア】のーーー」
「不死身のカルナか!」
「オッタルのライバルと言われる⁉︎」
「とうとう【猛者】と並んだのか!」
一瞬でギルドにいた全員に知れ渡ることになった。一時間もすればオラリオに住む全員が知ることになるだろう。
「………騒々しい」
【ランクアップ】しただけで誰もが大騒ぎする。いい加減疲れたカルナはギルドを後にした。
オリジナルアビリティ
不死
瀕死の状態でも存命し、損傷(ダメージ)を自動回復する。
能力高低がE評価の『不死』ならば即死しなければ致命傷さえ瞬時に回復する。