そして、また数ヶ月休んでしまってすいません…(汗)
出来る限り、今年中に第1章とその後にあるラムさん章を終わらせてしまう予定です。その前に、ずっと更新できなかったお詫びという事で…二つの話を『特別で章』へと更新しようと思ってます。
一つが今回の話。次の話は、少しネタバレ話となっております。
そして、どっちもメインヒロインはレムさんとなってます。
なので、この小説を読んでいただいている読者のみなさんの中にいらっしゃるラムさんファンの皆様は、少々不快な内容となっているかもしれないので…読む際はご注意下さい。
では、本編をどうぞ!
*お気に入り912名!評価者59名!感想も多く頂き、本当にありがとうございます!!
また、久しぶりに書いたので…読みにくいかもです…
アーラム村からロズワール邸へと向かう帰り道。
二つの影が寄り添うように、歩幅を合わせて歩みを進めている。
さらさらと癖っ毛の多い赤髪を風に揺らして、ビッシっと執事服を着込む少年・ハルイトへと隣を歩く青い髪を肩まで切りそろえている胸元や肩を露出した改造式メイド服に身を包んでいる少女・レムが話しかけてくる。
「重くないですか?あな…ハルイトくん」
「ふっ」
「もう、なんで笑うんですか!ハルイトくんっ。レムは真剣に心配してるんですよ」
「いいや、ごめんって、レム。だって、今は二人っきりでしょう?だから、呼び方を変えなくたっていいのにさ。レムってば、律儀に変えるもんだから…おかしくって」
クスクス笑うハルイトは今だにプクーと頬を膨らませて怒るレムへと視線を向ける。
夕焼けに照らされた青い髪は茜色と混ざり合い薄紫色の柔らかい光を放ち、こちらを見ている大きな薄青色の瞳は不満そうな色を浮かべており、幼さが残る輪郭はプクーと膨らんでおり、更に子供らしい。
だが、そんな愛らしい顔つきと裏腹に、白と黒で作られている改造メイド服なるものから覗く胸元は年不相応に大きく実っており、歩みを進めるたびに上下へと揺れる。見事にくびれたウエストは今は〈大きく〉なっている。メイド服を内側から押し出すお腹の中に順調に実っていっている新たな命に思わず頬を緩めてしまう。
“あぁ…やっぱり、俺はレムを愛しているんだな…”
彼女の全てが愛おしく、狂おしい。今こうしている間もそんな気持ちでどうにかなってしまいそうになる。
初めて会った頃は、こんな気持ちになるとは思いもしなかった。
“…少しだけならいいかな?”
ハルイトはレムの紙包みを持ってない方の腕を引くと、彼女の桜色の唇へと自分の唇を押し付ける。
「…んっ」
びっくりして大きく瞳を見開くレムの唇を優しく慈しむように啄ばみ、私欲を満たしていく。
少しと見込んでいたキスの時間は数分にも達し、ゆっくりと唇を外した際、ハルイトとレムの間を透明な唾液の橋が架かる。
酸素が足りてないのだろう。ボォーとした表情と可愛らしい声音はハルイトを幸せにも、また理性を壊しそうにもなる蠱惑的な魅力を放つ。
「…ハルイ…ト…くん…?」
「今は二人きりなんだから…いつもみたいに、あなたって呼んでほしい」
その誘いを強く抱きしめることで我慢したハルイトは、耳元で囁く。
ハルイトの提案に渋るレムへと脅迫しようとするが、それは脅迫というよりもレムもしたいと思っていた事だった。
「ですが、今は…」
「言ってくれないなら、言ってくれるまでキスする」
「ふふ。それ、脅しになってないですよ、あなた。レムにとって、それはご褒美です」
「そっか…。脅しにはならんか…」
「はい、ならないですよ」
クスクス笑うレムにハルイトは頭をかくと、そんなハルイトへとレムが腕を絡めてくる。それを嬉しそうに受け入れたハルイトはレムから紙包みを受け取るとロズワール邸へと歩いていく…
τ
「たっだいまー」
「今、帰りました」
扉を上げて、屋敷へと入ったハルイトとレムへと小さな疾風が二つほど二人へと突進してくる。
それをレムに当たる前に抱き上げたハルイトへと、その疾風たちの後ろにいた黒髪を後ろへと持ち上げたような髪型をしている執事・スバルが愚痴る。
「たく、やっと帰ってきたか」
「よっ、スバル」
「よっ、じゃねーよ!!何時間かかってんだ!こっちは大変だったんだぞ!餓鬼どもの世話はしないといけねぇーし!姉様はだらけってばっかで何もしてくんねぇーし!俺、ハイパー頑張ったんだから!」
身振り手振り、今までの功績を言ってのけるスバルの話を半分以上聞き流しながら、ハルイトは抱き上げている我が子供達を改めて見る。
右腕に抱きかかえているのが、3歳となる長男・
お嫁さん曰く、鍛えなくてもエンスイにはエンスイのいいところがあるので無理に鍛えなくても…とのことだったが、自分のように女々しい女々しいと言われるのは余りにも可哀想だと思うので、ハルイトはじゃれついてくる長男を見つめながら、強く思うーー必ず、かっこいい男へと成長させてやるからなっ!と。
もう一方の腕に抱いているのは、一歳となる長女・
ハルイトもお嫁さんも性格が逆だったらいいのにというほどのやんちゃぷりで、ハルイトもアリナの世話はてんてこ舞いとなっている。なので、将来がすごく心配だが…まぁ、なるようになるだろうとアリナの場合は気楽に構えている。多方面から親バカなどと呼ばれるが、気にはしない。
そんな愛する我が子を見ながら、二人へと質問すると、その答えがすぐ後ろが聞こえてきた。
二人を抱えたまま、振り返ると呆れた表情を浮かべて、両腰へと両手を添えているお嫁さんと瓜二つな顔つきと服装をした桃髪のメイドさんが立っていた。
隣に静かに佇むお嫁さんと比べると暖かみのある色合いを持つ桃髪のメイドさんことラムさんだが、それがどっこい、その質はその色合いとは正反対で毒舌と絶対零度の如くで俺を凍えさす人だったりする。まぁ、もっと言えば、それ以上に思いやりに溢れた人だったりするのであるのだが…それは下のようなセリフにより、上手く隠されていたりする。
「お前たち、いい子してたか?」
「えぇ、 とてもいい子だったわよ。どっかの年中発情期の犬みたいに自分の嫁さんに襲いかかるような下卑た父お…いいえ、ハルと違って」
「うぐ…、ラムさん…。それは言いっこなしですよ…。それと言い直せてないですからね!それだと!!」
「わざと言い直したのよ。だって、事実でしょう?ラムの大切な妹をあんなにも弄んで、汚して…もう三人目を妊娠させているのよ?」
「…ほんとごめんなさい。これでも反省してるんです…」
確かに、ラムのおっしゃる通りでハルイトは絶賛、お嫁さんことレムを妊娠させている。しかも三人目と…これは、ラムが怒り心頭なのもうなづける。
「反省してるのなら、態度で示しなさい。晩御飯を作るわよ、ハル」
「…はい、ラムさん」
故はハルイトは項垂れながらも、ラムと共に晩御飯作りに精を出すのだった…。
もちろん、子供の世話はスバルに任せて…
➖オマケ➖
「エンスイ、大きな口を開けなさい。あーんは出来るでしょう?」
「…やっ」プイ
「エンスイ、これを食べないと大きくなれないわよ?」
ラムは癖っ毛が強い青髪を持つ幼児を相手に離乳食を食べさせていた。
傍らには妹のレムがいて、エンスイの妹となるアリナへと母乳を与えている。小さな手でレムの胸元を揉みながら、ごくんごくんと飲んでいくアリナをチラッと見て、ラムは口元を緩ませる。
そんなラムの視線を感じたのか、アリナを見ていたレムが顔を上げると駄々を捏ねる息子へと視線を向けると、ラムへと申し訳なそうな顔をする。
「…姉様、ごめんなさい。エンスイが我儘を言ってしまって…」
「いいえ、気にしなくてもいいわよ、レム。エンスイは小さい頃のレムによく似ているもの。懐かしく思うわ」
「そうですか?」
「えぇ、流石ラムの妹の息子だわ。きっと、早く大きく、立派に育つはずだわ」
「はい、姉様」
そんな妹へとラムは首を横に振るとエンスイが見せた隙を見て、小さなスプーンを口へとつっこんだ。
「…もぐもぐ」
エンスイがもぐもぐしている最中に零している離乳食をスプーンで掬ってやりながら、ラムは終始懐かしい気持ちになりながら、エンスイへと離乳食を与えていた…
ということで、絶賛三人目妊娠なレムさんなのですが…本当、どうしてこうなったのか…(汗)
また、久しぶりに書いた話がこれで良かったのか…?という気持ちを抱きながらも更新した作者な訳ですが…
ふと、今回みたいな話を浮かんでしまう時がありまして…作者がラムさんからレムさんへと心が揺らいでいる証拠なのでしょうか…(苦笑)
ラムさんがお母さんっていうのも…いいと思うんですがね…。ラムさんがどんな風にお母さんしてるのか、思い浮かばなくって…(汗)
そして、すごく今更なんですが…今回の話はifストーリーとなってます。なので、ハルイトがレムちゃん一筋なわけで…(汗)
オマケは溢れ出るラムさん愛が溢れでてしまって…、書いたものです…。ということは、まだ私はラムさんファンですね(笑)
さて、そんなことは置いといて、次回はネタバレが多く入った話となってます。
ので、読まれた方はそのシーンが本編のどこに入ってくるのか?
楽しみに見ていただけば、嬉しいと思います(礼)
そして…そして…機会があれば、今回のような話のラムさんverも書いて見たいなぁ〜とか思います。機会があれば、ですが…(汗)
あと、お母さんラムさんのイメージか固まればっ!