皆様、明けましておめでとうございます。今年もどうか、この『Re:フラグから始める攻略生活』をよろしくお願いします!
さて、今回の話は主にスバルとベアトリスの話となってます。このやりとり聞いたことあるぞと思う方もいらっしゃると思います。
では、ご覧ください。
そして、新年早々なんですが……皆様に尋ねたいことがございまして……御手数ではないのなら、そちらにもお答えいただけると嬉しく思います!
※お気に入り登録・664名!評価者・46名!感想を新たに3件頂きました!ありがとうございます!!
赤髪の少年・ハルイトが其々に向けたメッセージを読み終えた者たちは、三者三様の反応を見せた。
ある者は静かに仇討ちを胸に抱き、ある者は亡骸へとしがみつき、暫くの間動こうともしなかった。そんな様子を見ていた黒髪の少年・スバルは手元にあるメモ帳へともう一度、視線を落とす。
“ハルは、あの子犬が犯人って書いてたよな?”
スバルは部屋の中を見渡し、目的の人物を見つける。クリーム色のロングヘアーを縦ロールにした、紅いドレスがとても似合う愛らしい外見をした少女・ベアトリスだ。
ベアトリスへと歩み寄ったスバルに、ベアトリスは眉を顰める。水色の瞳がこちらを見上げてくるのをスバルは硬い表情で迎え入れる。
「何かしら?」
「ベア子、お前に聞きたいことがある。今の俺ではあいつの意思を継ぐことも、仇を撃つことも出来ないからな」
「……その顔からして、ここでは話せないことのようかしら」
「あぁ」
「いいのよ。あの赤毛の女々しい男にも頼まれたのだから…力は貸すかしら」
「恩に着る」
ベアトリスへと頭を下げたスバルは、もう一度ハルイトの亡骸へと視線を向ける。そして、唇を軽く噛むとこう誓う。
“ハル、俺が必ずお前の仇を撃ってやる!”
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ハルイトの部屋を暫くの出たところで立ち止まったベアトリスは、スバルへと視線を向けるとこう口を開いた。
「それで話というのは何かしら?」
スバル、ごくんと唾を飲み込むとベアトリスを見つめる。
「ハルの死因は魔法という線より呪術って言ってたよな?呪術って何だ」
「何を言い出すかと思えば……呪術とは随分、けったいな事を聞きたがる奴かしら」
隠す気もない悪意。まるでその単語すら聞きたくないという感じの嫌悪。ベアトリスがそこまで毛嫌いする呪術とは何なのだろうか?
しかし、その呪術を俺は知らなくてはいけない。あいつを死に追いやったそれをーー。
「呪術っていうからには…基本、他人に迷惑かける前提の魔法なんだよな?多分。ほら、北国の方で生まれたとかいうやつみたいな感じか?」
ベアトリスは腕組みをするとスバルを見上げる。
「そこまで知ってたら十分な気がするかしら。……呪いによって対象を病魔で侵したり、一定の行動を禁じたり、純粋に命を奪ったり……性格の悪い系統なのよ」
「なんつーか、マジで文字通りの呪術なんだな……」
他人の足を引っ張るしか使い道のないそれは正しく〈呪い〉であった。
“ハルはあの子犬が犯人だって書いてた……、即ち何かしらの理由でハルはあの子犬に殺されたってわけだ。だが、なんで殺させた?考えろ、考えるんだ!ナツキ・スバル!!”
押し黙るスバルにもう用事が済んだと解釈したのだろう踵を返そうとするベアトリスにスバルは慌てる。
「もうベティーから聞くことは終わったのかしら?なら、ベティーは行くのよ」
「ちょっ、ちょっと待った!もう一つだけ聞かせてくれ!その呪術を防ぐ方法とかあるのか?」
肩を掴むスバルをうっとおしげに見たベアトリスは、はぁ〜とため息をつくと
「ないのよ」
「へ?」
「だから、ないかしら。一度、発動してしまった呪術を防ぐ方法は存在しないのよ。発動したが最後、それが呪術かしらーー」
ベアトリスの言葉を聞きながら、スバルは項垂れる。
“何だよそれ……。即死耐性無効化呪文とか、どこぞの積みゲーだよッ。最強すぎるだろ!”
「ーーただし、発動した呪術に限定した話なのよ」
「へ?は?何言って…」
焦りを顔に浮かべるスバルを見ながら、ニンヤリと笑うベアトリスにスバルは騙されたことを悟った。
胸の中に込み上げてくる怒りを何とか飲み込み、ベアトリスに続きを促す。
「さっきも言ったとおり、発動した呪術を防ぐ手段はないのよ。ただし、発動前の呪術ならば妨害できるかしら。発動前はただの術式だから、できる技術があれば解呪は簡単なのよ。
……この屋敷では、まずベティーとにーちゃ。あとはロズワールくらいかしら。小娘三人は経験がなさそうだから無理かしら…あ、お前は勿論、論外なのよ」
「失敬な!俺も頑張ればあれやこれや出来るつーのっ!」
「お前の努力なんてたかが知れてるかしら」
「あぁ、たかが知れてるよっ!だから、お前に知恵を借りてるんだ。取り敢えず、発動前の術式って言ったよな?術をかける為の前準備ってことか?」
ベアトリスの辛辣な返しをヤケクソ気味で言い返すと、強引に話を前に進める。
「効力の強い呪いには当然強い負担がつきまとう。魔法も呪術もそこは同じかしら。呪術は特にその側面が強いのよ。欠陥だらけ、とベティーが言うのもわかるかしら」
「つまり、前準備ってことだよな?なら、その前準備とかって見当ついたりするのか?」
スバルの質問にベアトリスは瞑目して、乾いた唇を湿らせると
「内容次第で変わるけれども……呪術には絶対に外せないルールが存在するのよ」
「外せないルール……?」
ごくんと唾を飲み込んだスバルは、ベアトリスへ懇願の眼差しを向けると、ベアトリスは軽く顎を引いて答えた。
「ーー呪術を行う対象との接触。これが必須条件かしら」
「…………」
“確かにハルはあの子犬と接触……。そう確か、子犬に噛まれそうになった俺を構って……ーー掴んだ…掴んだぞ、尻尾”
嬉しさのあまりプルプルと震えるスバルを一瞥するとベアトリスは身を翻す。
「それよりもういいかしら、ベティーは本当に行くのよ」
近くの扉へと向かうベアトリスにスバルは声をかける。
「あぁ、ありがとうな。すげェ〜、助かった」
ベアトリスが本当に姿を消すと、スバルは自分の部屋へと向かう。
“あの子犬が噛んだものを無差別に呪いをかけていたんだとすれば……、ハルが死んだのもこれから起こりうることも想像できる。村に向かわないとーー”
だがその前に助っ人調達だ。
「ロズワールに話すっていっても……、この場合誰に……」
「さっきからグタグタと何を言ってるのかしら、バルス。その目つきの悪さと相余って、何かを企てている犯罪者のようだわ」
「……」
突然、現れた桃髪のメイドを暫く見ていたスバルはニンヤリと悪い笑みを浮かべる……
次回は村に訪れるところだと思います。
さて、皆様に聞きたいことはというとーー
この作品のメインヒロインのラムさんについてです。レムちゃんは攻略済みですので、いいとしまして……ラムさんの扱いをどうしようか迷っています。
ネタバレを含むので、多くの事は言えないのですが……ラムさん攻略を第三章の中盤頃には終わらせたいのですが、皆様の意見の程を伺いたいと思います。
詳しい事は、【リフラ〜アンケート〜】へと書いてますのでチェックして見てください。
※リフラとは・・・Re:フラグから始める攻略生活の略です。