Fate/Asura's Wrath 悪鬼羅刹と行く第五次聖杯戦争   作:放仮ごdz

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※今回新規されたサーヴァントのプロフィールは後日追記します。※追記しました。
シリアスが続くと思いましたか?…いえ、作風自体はシリアスにするつもりなんですけどね?アーチャーとライダーがギャグ世界出身な物で…そんな訳で間桐sideです。衛宮は次回に持ち越しです。

プロローグが長いと思うけどクロナとバーサーカーが主人公として動くためには必要な訳で。次回まで我慢していただけると幸いです。プロローグが終わったらシリアス全開に行きます故。

最弱のライダー降臨。間桐家での一悶着です、楽しんでいただけると幸いです。


プロローグ#3:謎の美少女ガンファイターライダー

数日前、深山町:間桐邸

その不気味さから誰も近付こうともしない、聖杯戦争を立ち上げた御三家の一つ、間桐家の屋敷。

その地下に在る、不気味な蟲が蠢く蟲蔵と呼ばれる魔術工房の床に描かれた魔法陣が輝き、間桐家の現当主である老獪、間桐臓硯とその孫にして間桐家長男であるワカメの様な青い髪を持つイケメン、間桐慎二の前で一人の少女が英霊召喚を行なっていた。

 

少女の名は間桐桜。彼女もまた、魔術師と言う存在により当り前の幸せを奪われ絶望の底に堕ちた人間だった。

元々黒かった髪は青みがかかり紫色に変色し、瞳の色彩まで変わっている。これは、魔術師の血が途絶える寸前だった間桐を存続させるために優秀な母体を求めた間桐臓硯がとある魔術師の家系から養子にもらい、使い魔である蟲達に10年という歳月を凌辱という形で調整し続けたのである。

それを救おうとした馬鹿な男が第四次聖杯戦争に参加していたが…結末は酷い物だった。それも桜を絶望に叩き込む要因となっている。もう怒る事も忘れてしまった彼女に希望は一つしか残されていない。

 

 

大好きな先輩との平和な日常。本当の家族も奪われ、かつて姉だった人物からも他人として接され、義理の兄からは奴隷の様に扱われ、自身を引き取った老獪からは最早人間扱いされていない、最低最悪の毎日の中で唯一人間として生きられる、優しい二人の先輩やトラブルメイカーなタイガーと食卓を囲める衛宮家での日常こそが最後の希望。

 

そんな彼女が聖杯戦争に挑む理由は一つ、勝ち残り平和な日常を再び送る。全ての元凶たる臓硯は、聖杯さえ持ち帰れば解放すると約束してくれた。相手にはかつて姉だったあの人も確実にいるだろうが、関係ない。日常を掴みとるためならば手にかける覚悟だ。

 

 

「――――天秤の守り手よ…!」

 

 

詠唱が終わると同時に魔法陣の輝きが増し、臓硯と慎二が見物する中、桜の前にエーテルが集束し、一人のサーヴァントが現れた。…しかしそれは、英霊と呼んでいいか分からない人物だった。

 

 

「サーヴァント・ライダー…でいいのよね、エルメス?」

 

『まったく、キnじゃないや、ライダー。ちゃんと説明したよね?僕達はただでさえ貧弱なんだからマスターからの信頼を得てご飯を食べたいのなら威厳を保てって。ほら、もう一度』

 

「はいはい、分かりましたよーだ。…えっと、サーヴァント・ライダー。召喚に応じ参上しました。まずはご飯を所望する!」

 

『…駄目だこりゃ』

 

「「「………」」」

 

 

どうすればいいか分からない、カオスな空気が辺りを支配し…現れたのは、一人の女子高生だった。というかただの女子高生にしか見えない。

いや確かに腰にガンベルトを巻いていて、ホルスターを下げてはいるが納まれているのはモデルガンだ。普通はつけないのだろうが、それでもただの女子高生。

 

着ているのは緑色のセーラー服。これもごく普通の代物で神秘の欠片も無い。

 

跳ねている前髪が目立つ濃い緑色の髪に天真爛漫な輝きを宿す緑色の瞳。…いやまあ、桜の母親も緑髪だったしそう珍しい物じゃない。

 

しかし、ベルトに付けられている、時代を感じさせる二輪車がうっすら描かれたごく普通のストラップが喋っており、ライダー本人もそれに驚かずむしろ好意的に接している。表面上は冷静に見えるが内心、狼狽えながらも桜はライダーのステータスを確認する。

筋力E。耐久E。敏捷D。魔力D。幸運E。あとは宝具だけがC+。桜はがっくりと膝を付き、項垂れる。それを見てポケーッと首をかしげるライダー。…誰がどう見ても、最弱の英霊だった。

 

 

「…これが、私のサーヴァント…」

 

「えっと、マスター?」

 

 

…桜はこれでも間桐に扱かれてそれなりの魔術師だった実感は持ち合わせている為、あまりにもショックがデカすぎた。何より、こんな英霊でどう勝ち残れと言うのか。まだアサシンならマスター殺しに特化しているため勝ち目はあっただろう。しかしライダーではどうしようもない。これではもう生き残る希望さえ見出せなくなった。絶望に打ちひしがれる桜に、さすがに気付いたのか心配の声をかけるライダー。

 

 

「どうしてこんなことに…」

 

 

そもそもこの召喚はちゃんと老獪に触媒を用意してもらっての召喚だったはずだ。それはちゃんと兄に預けられ………………………………預けられ、その後にちゃんと受け取り魔法陣に置きましたっけ?

 

桜がギロリと義理の兄を睨みつけると、ワカメは苦笑いしながらもやはり非はあるのかおずおずと後退していた。臓硯もそれに気付いて睨み、この場に味方が居なくなった慎二は苦し紛れに逆ギレした。

 

 

「な、なんだよ!確かに触媒なんて完全に忘れていたけどさぁ…それでも、触媒無しなら呼び出されるのはマスターに相性ぴったりな奴なんだろ!?だとしたらそれは桜が凡人以下って事じゃないか!魔術が使えるのにそんなの呼びだすなんて、恥ずかしくないのかよ!」

 

「…っ!」

 

 

魔術師の家系でありながら魔術回路を持たない義兄の言葉に、複雑な表情を見せる桜。身勝手な話ではあるが、彼はこれでも最初は自分を気にかけてくれていたのだ。それが。自分が間桐を継ぐために来たのだと知った途端に辛く当たる様になった。その気持ちは分かるのだ、自分も姉の方が優秀であるがために捨てられた様な物だから。

言い返そうともしない桜に、気分を良くしたのかそのまま悪口を捲し立てる慎二。臓硯も此度は諦めた方がよいか…と溜め息を吐いて蟲蔵を後にしようとし、それを見たワカメはさらに水を得て好き勝手喚き散らす。

 

 

「複雑な家庭って奴なのかね、エルメス?」

 

『さあ?呼び出されただけじゃマスターの事まで分からないから何とも…でもキnライダー、曲がりなりにも正義の味方だよね君は?』

 

「無理矢理アンタに仕立てられたんだけどね。…まあしゃーない、やったるわよ。私としてもマスターが暗い顔になるのは見てらんないし」

 

 

静観していたライダーはそう言うとポーチを開き、そこからぬこっと何かを取り出した。それは、拳銃だった。それも現代では映画やゲームでも露出が多く有名なM92Fだ。絶対にポーチには納まらないだろうサイズの拳銃の登場に我に返る桜と慎二。臓硯も呼び出されたサーヴァントがどんな能力持ちなのか気になるのか脚を止めた。

 

 

「やい、そこのうどんに入れたら美味そうなワカメ頭」

 

「だ、誰がワカメだサーヴァントの癖に!」

 

「うっせーどう見てもワカメでしょその頭。そんなことよりねぇ、アンタ私達のマスターの何なのさ。好き勝手言ってくれちゃって…もし懲りずに悪口言おうものなら私のM92Fが火を噴くよ」

 

『いつもなら止めるけど同感だからやっちゃえキnライダー!』

 

「ぼ、僕はそいつの兄だ!文句あるか!」

 

「んな訳あるかー!」

 

 

火を噴くM92F。ビビる慎二。いきなりの発砲に目を丸くする桜。ただの銃か否かを判断するために睨む臓硯。三者三様の視線で見詰められたライダーは心底不服そうに頬を膨らませて吠えた。

 

 

「騙されないわよ、こちとら話を聞かないマイペースなイケメンは懲り懲りなんです!てかどう見てもうちのマスターと共通点が髪の色ぐらいしかないんですが何か弁明ある?」

 

「義理の兄妹だ!」

 

「だったら猶更よ!義理でも兄貴だったら私みたいなハズレを引いちゃった妹を慰めるぐらいしなさい!なに、それとも妹を虐めて優越感を感じるサディストなのこの変態ワカメ!うちのマスターに手を出したら絶許!何故ならこのマスターめっちゃ料理得意そうだから!」

 

『その台詞と涎で色々台無しって事に気付いてる?』

 

「エルメスは黙ってろ捨てるぞ」

 

『ゴメンナサイ』

 

「あとそこのクソジジイ!」

 

「む?我が孫を虐めていたかと思えば今度はこの老輩か?」

 

 

いきなり標的にされ若干狼狽える臓硯。しかしライダーは間髪入れずに銃口を向けたM92Fの引き金を引き連射。寸分たがわず頭部を撃ち抜かれた臓硯は悲鳴も上げずに崩れ落ちた。…文字通り。

 

 

『やっぱり化け物の様な嫌な気配がするかと思ったらビンゴみたいだよ、ライダー』

 

「やっと言い間違えずに済んできたわねエルメス」

 

「爺さん!?」

 

「カッカッカ。どこを見ておる慎二。儂はここじゃ」

 

 

たった今マスターの一応の祖父を撃ち殺したと言うのに平然としているサーヴァントに顔を引きつらせる慎二。だがその背後から死んだはずの老獪の声が聞こえ、振り向くとそこには間桐臓硯その人がいた。幽霊だと思ったのか気を失うワカメ。海草の癖にチキンである。

 

 

「何のつもりじゃ?ライダーのサーヴァント」

 

「やっぱりね。化け物の嫌な感覚がした訳だ。アンタ、ヒトの形をしているけど中身は蟲の化け物ね?」

 

『しかも一番気味が悪い奴だ。蟲の集合体で肉体を作っている』

 

「如何にも。だがどうする?儂を殺すのか、どうやって?」

 

 

間桐臓硯…否、間桐家初代当主『マキリ・ゾォルケン』としてライダーを敵と見定めた500年を生き続けた老獪は使い魔である蟲を大量に呼び出し、ライダーと呆けながらもライダーに守られている桜を囲む。ライダーはそれらをじろじろ睨んで何かを探すも、やっぱりかとでも言いたげに息を吐いて右腰のホルスターに下げられたプラスチック製のリヴォルバーを構えた。

 

 

「やるわよエルメス。マスターの害にしかならない化け物はここで倒して置こう!」

 

『それはいいけどその心は?どうせロクな物じゃないんでしょ?』

 

「マスターの害になる物は排除しないとご飯が美味しくないわ!」

 

『だろうね。マスター、こんなお馬鹿だけど守られてくれない?大丈夫、こう見えてライダーは守る戦いなら本当に得意だから』

 

 

エルメスは「イーニッドの時の奴ね!」とか勝手に納得しているライダーを無視して放心している桜に問いかけた。桜は我を取り戻し、慌てる様にライダーに駆け寄り問いかけた。

 

 

「あ、はいエルメス…さん?ライダー、お爺様を…殺すの?」

 

「え、駄目だった?もしかしてあんな蟲でも家族としての情はあった?」

 

「…いえ、むしろ敵意しか感じてません」

 

「じゃあ任せんしゃい。サーヴァントとして、ちゃんと守ってあげるよマスター。一応私は正義の味方だしね」

 

『ご飯を美味しく食べるために戦うヒーローだけどね』

 

「うっさいエルメス。っと、そう言えば名前は?」

 

 

ライダーはモデルガンのハンマーを親指で上げて右手を頭上に高々に上げながら桜に問いかける。桜はまるでアニメの変身ヒーローの様なポーズを取るライダーに少々見惚れ、すぐに我に返り笑顔で答えた。

 

 

「…桜、間桐桜です」

 

「了解、桜。さあエルメス、行くよ!”フローム・マーイ・コールド!―――デッド・ハーンズ”!」

 

 

その言葉と共に引き金を引いてハンマーが落ち、キャップ火薬が叩かれぽぽんっ、と情けない音と共にライダーは光に包まれ、一瞬後再び姿を現した。もう何かクルクル回ったりノリのいいBGMが聞こえたり光のシルエットが裸ギリギリだったり光の帯が衣装になったりしたかもしれないがそれは置いといて。

 

 

『変身完了だ!人呼んで、"謎の美少女ガンファイターライダー”略して謎のライダーだよ!』

 

「"謎の”って言うな」

 

「え、あの…変わっていませんが!?」

 

 

エルメスの言葉に耳を疑う桜。それもそうだ、セーラー服、ポーチがいくつかとホルスターが付けられた茶色い革のガンベルトを腰に巻き、前髪が跳ねている。髪の色も目の色も変わったりはしていない。どこが変わったと言うのか。

 

 

『いや、変わっているよ!まずモデルガンが宝具【魔射滅鉄(ビッグカノン)】になっているし、セーラー服の袖が1ミリ厚くなったしサービスでスカートは3ミリ短くなってるしポーチの止め金具のマークが熊から猫になったし…なによりステータスも上昇しているはず!』

 

「宝具バレすんなし。まあ私の正体なんか誰にも分からないんだろうけどさ」

 

「あ、確かに…」

 

 

そう言われて桜がステータスを再度確認すると、確かに筋力C 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運Eと、魔力と幸運以外のステータスが上昇していた。何かのスキルを使った様だ。明らかに上がった魔力に、身体を震わす臓硯。身の危険を感じ取るが、もはやそれは遅い。

 

 

「てー!」

 

 

ポーチの蓋を開け、宙を舞うだけでばら撒かれる銃、銃、銃、銃、銃。火縄銃からスナイパーライフルまで、過去から現代までの世界中の銃がより取り見取りである。今ここに、宝具に詳しい錬鉄の英雄でもいたなら驚いただろう。何せ、現代の兵器である銃全てが、ランクD相当の宝具なのだから。

桜とライダーを守る様に宙を舞い外側に銃口を向ける銃達は、ライダーの叫びと共に一斉掃射。群がる蟲共を一匹残らず駆逐、ついでに臓硯も撃ち抜く。しかしどこから湧いてくるのか新しい蟲で肉体を形成し、さらに蟲を呼び出す臓硯。

 

 

「カッカッカ!如何に英霊と言えども儂に勝つのは不可能じゃ。特にライダー、桜のサーヴァントである貴様には絶対になぁ!」

 

 

愉快痛快とばかりに嗤う臓硯の言葉を合図に、風切り音と共に高速で襲い来る蟲軍。ライダーは「うへー」と気持ち悪そうに唸りながらも手にしたウージー二丁で「銃七乗の拳法」と呼ばれる、知り合いの戦士が得意とした「敵の攻撃位置を過去の戦闘統計から予測、それを回避しつつ最も効果的な攻撃位置に立ち両手に持つ銃で一方的に攻撃する、閉鎖された空間における近接戦闘に置いて世界最強を誇る究極の拳法」で桜を守りながら蟲の大群を迎え撃った。

 

 

「カッカッカ。さすがの英霊とて、数には勝てぬじゃろうて。無限に湧く儂の可愛い蟲達にどこまで足掻けるかの?」

 

「生憎ね、こっちは人じゃなければいくらでも倒せるんだっての!…それに、どうすればいいかも分かったし。ね?エルメス!」

 

 

数分後、嗤う臓硯に笑みを返すライダーの姿がそこにあり、その手には通常の銃器ではなくリヴォルバー…彼女の宝具【魔射滅鉄(ビッグカノン)】が握られていた。

 

 

『もちろん。あのお爺さんの本体はマスターの心臓部にあるみたいだ。行ける?ライダー』

 

「初めてだけど何とかなるなる。じゃあマスター、ちょっと痛いよ。いやちょっとじゃないかも。とりあえず痛いから覚悟して」

 

「えっ…?」

 

「何を…させるかァ!」

 

 

桜に銃口を向けようとするライダーに、何をしようとしたのか悟ったのか鬼の形相で蟲の大群を一斉に襲い掛からせる臓硯。その時、ライダーの瞳はキランと光り、しかし溜め息を吐いた。…彼女の切札の一つであり、そして一番使いたくなかった物だからだ。いや確かに強いのだが。

 

 

「――――ピンチだな!」

 

 

どこからともなく響く男の声。ライダーは恨めしいと言った顔で臓硯を睨んだ。「余計なことしてくれたな」と目が語っていた。

 

 

「――――正義の少女がピンチの時…!」

 

「ら、ライダー。この声は?」

 

「…何と言えばいいんだろ、エルメス?」

 

「――――今、一人の騎士が天空の彼方より舞い降りる!」

 

『変態でよくね?』

 

 

その口上と共に、エーテルの光を纏い空から優雅に舞い降りたのは純白の学生服とシルクのマントを身に纏った男だった。

懐から一つの懐中時計がぶら下がり、腰には黒い鞘の日本刀が一本差し、きりりとしまった顔つきは鼻から額にかけての純白のマスクで隠され、少し長い黒髪の頭には何故か白くふさふさした犬の耳がちょこんと着いて、その頭頂部には赤いリンゴが。あと室内なのに何故か純白のハトがスローで横切って消えた。

いきなり現れた変態に、心底嫌そうに溜め息を吐くライダー。ライダーが召喚された時よりも唖然とする桜と臓硯。ワカメの頭を踏んで着地した変態は日本刀を抜き名乗りを上げる。

 

 

「私の名は、純白の正義の騎士・サモエド仮面!またの名をジ・オーリーワン・サモエドナイト!わははははははっ!今参る、とうっ!」

 

 

そして次の瞬間、襲い来る蟲の群れは一瞬で斬り伏せられ灰塵と化す。臓硯は呼び出されたサモエド仮面を見て、長年の経験からセイバークラスのサーヴァントだと直感する。…同時に、ライダーの「対窮地宝具」だと言う事も気付いた。

当のライダーはどこかうんざりした様子で再び桜に銃口を向けており、臓硯は焦りこの屋敷に巣食う全蟲を導入。しかしサモエド仮面はものともせず、むしろ陽気に歌いながら斬る、斬る、斬る。ライダーが銃の達人ならこちらは剣の達人である。

 

 

「おおー!君は見たかー♪あの爽やかな笑みー♪風にたなびくマントはー、正義のしーるーしー♪」

 

 

蟲の壁なんて物ともせず、無駄に上手い歌をこの閉鎖空間に似合わない陽気な声で歌い上げ爽やかな笑みと共に神技とも言える斬撃で散らしていくサモエド仮面。

 

 

「とりゃー!うりゃー!成敗!逃げるなー!」

 

 

無茶苦茶すぎるその光景に桜は考える事を止めた。臓硯は泣いた。サーヴァントでも勝てる自信はあったがこれは勝てない。馬鹿には勝てぬ、という奴だ。

 

 

「化け物なんて殺してもオーケー!正義のためにはなんでもあーりー!たのしーなっ!」

 

『何かマスターが死んだ目になってるけど大丈夫かなー?』

 

「気持ちは分かるけどね。じゃあ桜、気を引き締めて。魔を撃ち払え!必殺!【魔射滅鉄(ビッグカノン)】!」

 

「や、やめろォオオオオオオオオッ!」

 

 

ライダーが引き金を引くと同時にたーんっと音が突き抜け、老獪の断末魔と変態の笑い声だけが地下室に響き渡った。

 

その数刻後、セーラー服の女子高生が後部座席に少女を乗せてバイクで立ち去ると同時に、間桐の屋敷は完膚なきまでに切り刻まれて倒壊したと言う。




マキリ絶許、慈悲は無い。ワカメは知らん。大真面目にふざけた結果がこれだよ!

ステータス最弱だけど変身スキルで強化+二人で一人のサーヴァント+宝具で生前知り合いだった人間を宝具無しのサーヴァントとして召喚。…はい、つまりは色んなライダーを合わせた特殊系サーヴァントになりました。アン&メアリー、イスカンダルと言った感じで。まだ真名出してないけどもう正体は分かる人には分かったかと思います。

ビッグカノン→破壊力抜群の魔物封印弾頭→「魔」のみに対して当たれば一撃必殺→桜の心臓というか肉体を透過してマキリ本体のみを撃ち抜く起源弾。こうなった結果がマキリの破滅。この方程式を思いついた時は痺れました。桜のサーヴァントが決定した瞬間です。

次回こそ衛宮side。原作とは大いに変わっていますので次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。

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