Fate/Asura's Wrath 悪鬼羅刹と行く第五次聖杯戦争   作:放仮ごdz

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本日、九月一日は自分、放仮ごの誕生日。だから特別な回(カーニバルファンタズム的なノリ)を書きたかったんですが時間が無かった。


そんな訳でちょっと特別回で、振り返り的な話になります。凛と黒名視点です。楽しんでいただけたら幸いです。


#7:遠坂凛の憂鬱

常に優雅たれ

 

それが我が家の家訓だ。しかし私は今、遠坂邸から軽く離れた空き地で横にランサーを置き、憤慨していた。

 

 

「…何なのよアレ。魔術師を嘗めてんの?」

 

「怒るのは分かるが落ち着け嬢ちゃん。コイツが戦争って奴だろ?」

 

「…それは分かっているけど」

 

 

ランサーに窘められるが、今ここにはこいつ以外に誰もいないのだからこれぐらいはいいだろう。私が憤慨している理由は主に二人だ。

 

一人はあの私の兄弟子、綺礼から魔術を習った癖して魔術師を毛嫌いし魔術使いを名乗るクロナ。実際、彼女の戦い方は魔術師のそれではない。誇りなんて何一つ感じさせない、「生き残る」事に特化した魔術の使い方だ。

あの子は10年前の第四次聖杯戦争の顛末、大火災を唯一誰の助けも借りずに生還した凄い奴だ。その在り方が理由なのだろうが、それでも納得いかない。仮にも私の父から教えを受けた綺礼から習った癖して、優雅の欠片も無いとはどういう事だ。サーヴァント相手に時間稼ぎできるぐらいのあのでたらめさがあると言うのに。

 

もう一人は、遠坂と同じ始まりの御三家の一つ、アインツベルンの魔術師イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。今回は前回と同じくセイバーを召喚して参戦した…そこまではいい。最優のクラスを狙うのは当たり前だ。しかし、確か前回の戦争に参加したアインツベルンのマスターが「魔術師殺し(メイガスマーダー)」の名を持つ魔術使いだと言うのは知っている、綺礼から教えられた。だからって、錬金術に特化した生粋の魔術師が同じ真似をするなんて誰が想像できるだろうか。何だあの魔術を補助係としか見ていない戦い方は。文句の一つぐらい言いたかった。しかしそれでサーヴァントに対抗しているのだから文句が言えない。

 

間桐が期待できない以上、アインツベルンか外からの魔術師相手、もしくはキャスターのサーヴァント相手なら思う存分に戦えると思っていたのだが…話が違うとはこの事。何でマスターがサーヴァント、しかも三騎士と張り合えて、それが二人も居るとか冗談じゃない。

しかもマスターの一人は聖杯戦争のせの字も知らない見習い魔術師だし、クロはクロで付き合い長い癖して得体が知れないし、桜…ライダーのサーヴァントだって訳が分からない。エルメスなら探せば見つかるだろうけどサモエド仮面って何だサモエドって。ロシアの犬の名前じゃなかったか。何で頭にリンゴを乗せているのか、あのでたらめな剣術は何なのか、そもそも何で本体のライダーが女子高生なのか。もう正直、考えるのをやめたい。

 

 

「・・・・・・よし、文句はここまで。さてどうしましょうか」

 

 

考える事は考えた、もううじうじ憂鬱になるのはやめよう。問題はこれからの事だ。…まずはここで纏めて置こう。

 

まずは三騎士の一角にして最優のクラス、セイバー陣営のアインツベルン。セイバーの正体は宝具が「時をも越え輝く退魔の剣(マスターソード)」と言う事とあの容姿から考えて間違いなく、ハイラルの勇者「リンク」だ。

だがどの時代の勇者か分からないので弱点を突くのは難しい。白兵戦に置いてはあのバーサーカーと全くの互角だった、ランサーでも敵うかどうか微妙なラインだ。でも恐らくは、宝具の打ち合いではこちらが有利だ。…まあ瞬間移動みたいな事が出来るみたいなので当たればの話なのだが。

 

 

「おい、嬢ちゃん。今何か不愉快なこと考えなかったか?」

 

 

マスターの特徴は、・・・「魔術師殺し(メイガスマーダー)」恐らく本来の戦い方はあの使い魔・・・恐らくは「シュトルヒリッター」で間違いない。アレは聞こえてきた台詞から見て、「衛宮切嗣」の息子がいると聞いて用意した急増の物だ。事実、あの高速移動を二回発動した後、彼女のダメージは深刻に見えた。…それを全快させてしまったセイバーのクスリが厄介ね。恐らくは時間を操る系の魔術、「衛宮家」については冬木のセカンドオーナーとしても今度詳しく調べる必要がありそうね。とにかく、油断したら負ける相手なのは確かだ。

 

 

 

 

次に、アーチャー陣営。衛宮士郎。ここはセイバー陣営と違い情報が少ない。ただ、見た所マスター自身が使える魔術は「強化」「解析」・・・あと恐らくは「投影」のみだ、恐るるに足らない。同じ火事を生き抜いたクロとは大違いだ。

ただ問題なのはアーチャーの素性。天使の様な翼から見て天使関係の英霊だろうが、耳に何か変なの付けていた。何なのだろうかアレ。そして何より、アーチャーの癖して戦い方が超物理戦だと言う事。あの翼の機動力は注意した方がいい、音速を超えていた。しかし直線的であったため対応は容易に可能だと思う。

…とにかく、正体が分からない以上できるだけ味方でありたい。衛宮君の性格を利用すれば何とかなるだろうか。…クロがいるうちは多分無理だろう、それに桜もいるし…衛宮陣営は不安定な陣営だ、早く何とかしないと。

 

 

 

 

ランサーは私達だから、次にライダー陣営。桜の口から聞いた所アーチャー陣営と同盟を組んでいるらしいが、アーチャーとライダーの遠距離コンビじゃ同盟組んでいても底が知れているので安心だ。

マスターの桜は…強化と治癒は恐らく使用可能で、何より間桐の「水」の魔術も扱えている可能性が高い。数年離れていて手の内が分からないだけに警戒しないと行けない相手だ。弱点は恐らく衛宮君、彼を狙えば桜はまず倒せる。

ライダーの一番の特徴は、手数の多さ。詳しくないが現代銃器をランサー曰く一本一本Dランクの宝具として扱い、遠距離から近距離まで対応可能。そして正体不明の喋るストラップは何故か大型二輪車に変身でき、ライダーの名の通りそれを乗りこなすが、ランサー曰くそのバイクも英霊らしい。訳が分からない。そして何より、「ピンチ」の際現れる反則の様なセイバーのサーヴァント。サモエド仮面。彼が一番得体が知れない。アレにだけは勝てる気がしない。ランサーの宝具で早々に仕留めたいところだ。ただ、真名や宝具が分からなかったのは痛い。謎だらけのサーヴァントだ。

弱点はVSイリヤスフィール戦を見た所、英霊の癖して戦闘経験が少ないのか隙が大きい面。呑気だからかエルメスの方がそれを補っているのか…隙を突けば、勝てない相手ではない。

 

一つ懸念事項があるとすれば、数日前のいきなりの間桐邸崩壊+桜の衛宮邸に居候+ワカメのホテル暮らし+間桐家当主・間桐臓硯の失踪だ。間桐邸が一夜のうちに忽然と崩れたと聞いたので驚き、心配で見に行ったのに桜はピンピンしていて拍子抜けしそこまで気にしてなかったが、明らかに可笑しい。調べてみた所全部細切れにされていて何も分からなかったが…少なくとも血は無かった。

慎二に問いただしてみたが無駄だった、恐怖か何かで記憶が混乱していた。桜、もしくはライダーが何かしたのかと考えるのが妥当だが…あの老獪は何処に行ったのだろうか。死体すら無かったが。

 

 

 

 

次にアサシン陣営。これもまたよく分からない。得体の知れない、複数の姿と人格に一瞬で「切り替わる」能力を持った正体不明の敵にして、私達が初めて戦った相手。衛宮君からしたら明確な「悪」だろうか。

あの切り替わる能力は何かをキーにしているらしく、後手に構えた「何か」が間違いなくそれだ。注意すべきは戦略の幅広さ。大剣、怪力、牡牛の様な構えからの接近戦。あのランサーとほぼ互角だった。厄介なのは、衛宮君曰くアサシンがランサーの姿にまでなったと言う事。騙し討ちもできると言う事だが…もう一つ、槍までは情報が足りなくて再現できなかったとも言っていたらしい。ここから相手の手段が大体分かる。

もう一つ問題なのはマスターの正体が分からないという点。衛宮君たち曰く「サーヴァントとマスターは極力殺すなって言われている」とぼやいたらしく、まだ情報収集に徹している様だ。目的が分からない。

そう言えば学校に「下拵え」に来たとか言っていたわね。明日にでもすぐに確かめよう。

 

 

 

 

で、問題のバーサーカー陣営。これはもうほぼ完全に分かっている、クロ…言峰黒名の陣営だ。綺礼の性格からして他マスターの情報は持っていないだろうけど、「強化」系統の魔術のみしか使えないみたいなのにその実力は恐らくこの聖杯戦争でもトップクラスだろう。あの戦い方、ちょっと対策を考えないと私でも歯が立たないかもしれない。

不確定要素なのはアイツがどうも「大火事」「魔術師」「アインツベルン」に執着していて、それが関係すると攻撃的になる事と、何故か「衛宮君と桜」に対してだけ好意的だと言う事。私なんてほぼ無視している癖に。衛宮君の方は同じ境遇だからと言うのは分かるけど…桜は何故なのか見当もつかない。

アイツのサーヴァント、バーサーカー。アレは多分、「阿修羅」系統の神性持ちだ。通常は二本腕の様だが、何かをきっかけに六本腕に変化したりするが、戦い方は一転して接近戦だ。恐らく遠距離系の攻撃をあまり持っていないんだと思う。サーヴァント三人がかりでも物ともせず、腕が全てもがれようと臆さず最優のクラスを渡り合える規格外のサーヴァントだろう。

 

宝具は「むみょうきこくとう」と言うらしいから多分日本に近い国・・・アジア圏の英霊だろうか。気になるのは開帳時の「借りて行く」って言う言葉だが…文献を漁れば見つかるだろうか?

私にとっては今回の聖杯戦争で一番注意すべき陣営だ。学校で襲いかかっては来ないだろうが…アイツの正体を隠して衛宮君たちと「バーサーカーを倒すまで」と同盟を組んだ方がいいかもしれない。バーサーカーのマスターがアイツだって知られなければ強力な援護が期待できるし。マスターがクロだって分かったら衛宮君たちは味方してくれるだろうか?そこは神のみぞ知ると言うところね…

 

 

 

 

 

そして最後に、未だに姿を見せないキャスター陣営。…まだ初日なのだから当り前なのだろうが、それにしても何か引っかかる。…こればっかりは様子見しないと駄目か…

 

 

 

 

「どうだマスター?考えは纏まったか?」

 

「…ええ。とりあえずはアーチャーとライダー陣営の同盟と組みたいところね。でも、衛宮君は甘すぎる。…もし学校で私に警戒なく近付いて来た時は…利用価値が無いと見て脱落してもらうわ」

 

「おおー恐いねえ。でも嬢ちゃんがそれでいいなら俺は従うまでだ。この退屈じゃない聖杯戦争、勝ち抜いてやろうぜ、マスター」

 

「当り前よ」

 

 

聖杯の探求。それはこの遠坂家において魔術師の血と共に代々受け継がれてきた宿願。私の父は第四次聖杯戦争で帰らぬ人となった。卑劣な騙し討ちに敗れたんだと言う。それ以来、私も聖杯戦争へ参加するため準備を重ねて来たのだ。

 

――――凛、聖杯はいずれ現れる。アレを手に入れるのは遠坂の義務であり、魔術師であるならば避けては通れない道だ。

 

それが父の最期の言葉。最後の最期であの人は父親ではなく魔術の師として言葉を残した。不満な訳じゃ無い。確かに常人からしたらばかげている話だろうが、私は魔術師だ。だから私はその言葉に従い、魔術師として生きよう。そして見事、ランサーと共に聖杯をこの手にして見せる。

 

 

「さて、衛宮くんちの窓やら直して疲れたし…帰るわよ、ランサー。見張りは任せた」

 

「おうよ」

 

 

帰還する、我が家へ。…だけど何故か、何時も通りな居間の天井がちょっと寂しく感じた。・・・クロ、貴方は何を思ってこの戦いに参加したの?…衛宮君と違って貴方は、正義感何て絶対に持たないそんな奴でしょ…?

 

まさか、「怒り」だけじゃないでしょうね…?だとしたら、私は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衛宮邸から戻り、私は伸びをして軽く食事した後に教会の庭で座禅を組み、集中。魔術回路を開く。…やっぱりあの程度じゃサーヴァント相手には足止め出来る程度だった。少なくとも、君主(ロード)クラスの魔術師を一人で相手する事になるかもしれないんだからもっと強い使い方を考えなくては。

それにしてもあー疲れた。不可抗力なんだから父さんも王様もあんなに怒らなくてもいいのに。それに、自分は真面に戦えないくせにいっちょ前に心配している桜も桜だが、士郎も士郎だ。少しはお姉ちゃんを信じないのか。

 

 

「マスター、何しているんだ?」

 

「あ、バーサーカー。何か簡単に士郎達を誤魔化せてすぐに帰ってこれたから改造魔術の鍛錬をね」

 

「…あんなのでいいのか?」

 

「大丈夫だ問題ない」

 

 

何か、「うちのサーヴァント強いからちょいちょい嫌がらせして逃げ回ってたら何とかなったよ」とか言ったら簡単に誤魔化せた。傷だらけになったのはさすがに怒られたが深い傷は無いんだから許して欲しい。でも良く考えたらセイバー相手にしたのによく持ったな私。思った以上に実力を身に着けているのかもしれない、王様の戯れで回避力が上がっているのも無駄ではないだろう。ちょっと自信が付いた。

 

 

「…そうだ。バーサーカー、腕の具合はどう?」

 

「見ての通りだ。再生には時間がかかる、戦闘には丸一日出れないぞ」

 

「それでも王様を軽く相手できるって凄いね」

 

「………神皇を殺した濡れ衣を着せられた時に針鼠にされてな…」

 

「あ…ごめんなさい」

 

「気にするな。悪いのはデウスの野郎だ」

 

 

そう言って腕が捥げたままの姿で、庭の端に置いてあるベンチに腰掛け空を見上げるバーサーカー。…そうだ、彼は「大義」のために濡れ衣を着せられ裏切り者に貶められた上で娘を奪われ、妻を殺されたんだった。できるだけそれに繋がらない話題を心掛けないと駄目か…?いや、自分のサーヴァントに何気を遣っているんだ、利用していると言ってもサーヴァントなんだ、気にする事は無い。

 

 

「…で?どうするんだ?」

 

「…?…………何が?」

 

「魔術の鍛錬って奴だ。何か策はあるのか?」

 

「…ぶっちゃけ、ない」

 

 

そうなのだ。私は努力と言う者が苦手で、大体テストとかも直前で色々見れば大概高得点を採れる。士郎が悔しがってた、勉強あまりしてないのに何であんなにいい点数なんだ?と。知らん、一瞬だけ覚えて置けば問題あるまい。

 

 

「…魔術は知らんが、お前が何のために戦っているのかを考えればいいんじゃないか?信念は力に繋がる、俺にとっての(ミスラ)の様な奴、とまでは言わねーが…俺を呼び出したお前なら、持ち合わせているだろうが」

 

「…ああ、そうか」

 

 

怒り。それが私を形作る全て。たったら呪文も、それを体現する物ならば強力な物になる筈…あの時思った、物を改造しても神秘そのものであるサーヴァントには敵わない。だから…

 

私の肉体を、サーヴァントに張り合えるぐらいに強化…は無理だとして改造が出来ないものかと。それを体現する事が出来れば…魔導の名門、アニムスフィア家の研究だとか書庫にあった本に書いてあった…デミ・サーヴァントに近い事が出来れば、私の怒りは誰にも止められない。…そうだな、ちょっと詩みたいにしてみよう。

 

 

 

 

 

 

――― この身は憤怒で出来ている

 

血潮はマグマで、心は鋼鉄(ハガネ)

 

幾たびの理不尽に対して憤る

 

ただの一度も安らぎはなく

 

ただの一度も泣きはしない

 

彼の者は常に怒り

 

燃える孤独の街で嘆き怒る

 

故に、その生涯に意味はなく

 

その体は、きっと怒りで満ちていた

 

 

 

 

そう唱えた瞬間、一瞬だけ世界が書き換わった。燃える街で、一人佇む私。周りには燃える人達。私はそれを無視して、ただ自分が生きる為だけの全神経を使って…そこで我に返る。…今のは、何だ?

 

 

「世界が書き換わる…否、世界を書き換える…固有、結界…?」

 

 

…いやまさかね。こんな強化しかできない未熟な魔術使いが使えていい物じゃない。…でも、これが本当にそれで使いこなす事が出来れば…

 

 

「…使える?」

 

 

…とりあえず今は今できる事を素早く、的確にできる様にしよう。一瞬でイメージ出来なければ改造魔術は使いこなせない。バーサーカーがいるんだ、焦るな。まだ時間はある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの思惑を胸に、夜が明ける。

 

例を上げるなら、怒り。正義感。誇り。

常人から見たらどうでもいいだろうものに命を懸けて、彼等は挑む。その先にあるのは、悲劇か。それとも喜劇か。少なくとも、そう簡単には終わらない。




UBW的な呪文。これは何を意味するのか……とりあえずクロナは規格外。凛さんは分析上手。

ただ…問題発生です。キャスターが決まらぬぇ…いや、ゼル伝出身の奴か洋画出身かに迷っているんですが…どっちも普通に想像できて困ってます…
ゼル伝出身は何か受けが悪そうだし…洋画出身は英霊にいそうだから問題なく出せるんですが性格に難あり…絶対ギルと喧嘩するんですよ、イスカンダルと似た様な宝具あるし。何か意見がありましたらぜひともくださいませ。てかゼル伝の方に反対意見が無ければこっちにしたいですキャラ把握してるし。

次回も楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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