同居人   作:春の雪舞い散る

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 いよいよ戸塚への提案が始まります


アタシのテニブリ物語…プレイスタイルから見直そう

 

 

 戸塚のウォーミングアップが終わりまずは軽くアタシのサーブを受けてもらうことにして…第一球目

 

 コーナー結構良いとこ決まった…でも、さすがにアタシの球速じゃ簡単に返されたし返せないんじゃ見込みないと思いながら…

 

 「甘いっ!」

 

 そう叫ぶと共に既にネットに詰めていた私が逆サイドにボレーを決めると

 

 「八重ちゃんスゴいっ!」

 

 と、ナゼか大興奮の由比ヶ浜が理解できないんですけどね

 

 第二球目はスライスサーブがきっちり決まりサービスエースが決まったけどちゃんとアタシはネットに詰めている

 

 第三球目はフォームが変わり警戒はしたけど戸塚の予想を超える変化大きさに何とか返したけどやっぱりボレーの餌食

 

 そして第四球目は先程と同じフォームからフラットサーブで裏をかかれた戸塚はやっぱりボレーの餌食になりゲーム終了

 

 「戸塚、アタシのサーブ&ボレーはどうだった?」

 

 笑いながら話し掛けると

 

 「そつのないコンビネーションとスライスサーブのフォームから打つフラットサーブに同じくキックサーブのフォームから打つフラットサーブ…見分けがつかなかったよ」

 

 苦笑いで言う戸塚に

 

 「あはは、あれはちょっとね…ある意味詐欺なんだよね…と、ゆーかアタシは狼少年ってそう呼んでるんだけどさ」

 

 そう言ったら雪乃が

 

 「それはいいえて妙なネーミングセンスね?」

 

 雪乃が笑ってそう言うと

 

 「あ、もしかして…」

 

 どうやら戸塚も気付いたらしいから

 

 「そう、アタシはフラットサーブはただの一度も打ってないよ?

 

 と、言うか本来フラットサーブって男子の鋭いサーブを指すものでアタシくらいのスピードでフラットサーブって呼ぶこと自体おこがましいんだけどようはミスサーブ

 

 特にキックサーブの後のサーブは警戒し過ぎでただの棒玉にまで反応できなかったんだよね?」

 

 そう言ってアタシに笑われて赤くなって

 

 「そんな風に種を明かされるとなんかスゴく恥ずかしいね?」

 

 そう言って戸塚が笑ってる

 

 そうアタシに言われて

 

 「言ってみてよ、今は藁にもすがり付きたい気持ちなんだからね?」

 

 そう戸塚が答えるからアタシは

 

 「ん、わかった…でも、その前に一言だけ言っておくけど藁にすがったって助からないからね?」

 

 アタシがそう戸塚に告げると

 

 「そうね、あれは元々は溺れる者は藁をも掴むですがり付くものではないしそれで助かろうと思って掴むわけではないのよ?」

 

 頭が痛いと言わんばかりに右手をこめかみに当てる雪乃に

 

 「え、そうなの?あたしはてっきり藁に当たりがあって当たりを引いたら助かるんだって思ってたんだけと違ってた?」

 

 そう言って首をコテンと倒す由比ヶ浜を見てアタシは千葉の…ひいてはこの国の入試制度の抜本的な見直しを求めたくなってしまった

 




 体格差のハンデがある程度までならカバーできるのを戸塚に示してみました…論より証拠のつもりですが

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