「八重ちゃんって彩ちゃんの事好きなの?」
そう言われたアタシのバックには見る者によってはボンっ!と言う効果音と頭から湯気がたっていたのは間違いない
「なっ、な、な、な、ナニゆってるの?アタシみたいなんがかっこカワイイ戸塚の事を好きなんて言ったら戸塚が迷惑だろ?」
そう言って焦るアタシ
そんな感じで学校校内を出たのは良いんだけどさ、由比ヶ浜…
「どこ行こ?」
ってそれなんだよ
だからアタシはハッキリ言ってやったよ
「アタシは寄り道する習慣無いからいつもジュース代と一往復分くらいが入ってるSuicaしか持ち合わせてないんだけど?
それにこんな風に遊び行く経験なんて今までなかったから聞かれても困るんだよね」
とも…
八もあまり寄り道するヤツじゃないからそれほど熱心に観察してた訳じゃないしな…
そんな事をぼんやり考えながら歩いてたら
「さっきから気になったんだけどそのピングーのアニマルリュックが八重ちゃんカバン?荷物それだけなの?
お化粧道具もろくに入らないよね?そのサイズじゃ?」
お弁当に水筒、おやつ持参を知ってる結衣がそう言うから
「は?化粧品…ってそんなん校則違反じゃないん?つかメンドイし化粧品の臭いって嫌いなんだけど?」
そう露骨に嫌そうな顔をして答えると
「妹さんは何も言わないの?」
そう、雪乃に痛いところを突かれたアタシは何も答えずにプイッと横を向くと溜め息を吐かれて
「言われてる…でもメンドイ(アタシ一人の体じゃないんだし…)」
そうぶつぶつ言い訳する私に
「取り敢えず無香料タイプの制汗剤と薬用リップなら妥協できるでしょ?」
口をへの次に曲げたアタシが
「ヤダ、一度妥協したら終わりだ…アタシは徹底抗戦するっ!」
そう勇ましく宣言しながらも
「あっ、この薬用リップは彩ちゃんが寒い時季使ってたメーカーのだ、制汗剤も練習後に使ってるのと同じのだし」
そう言われて
「そうか由比ヶ浜、貴重な情報提供に感謝する」
そう言って会計を済ませるとジト目で睨む雪乃に
「雪乃どうかした?」
そう言われて溜め息を吐いた雪乃は
「別に何も…貴女、ホントにその戸塚君の事が好きなのね?」
そう言われてアタシは
「八の記憶の中には妹の小町以外の人間に好意を向けたことがないからアタシも雪乃をちゃんと知るまでは誰か人の事を好きになった事が…
特に元が元だけに男に対して好意的な目で見れる日が来るなんて思っても見なかった…
でもそれが由比ヶ浜がゆー意味で戸塚の事が好きなのか?
って、そう考えたら自分でもわからないし怖いからあんまし深くから考えたくない…それが今のアタシの正直な気持ち」
自分でも理解できない戸塚に対する感情に戸惑うアタシに
「そう、その答えは焦って出さなくても良いと思うわ…(色々な意味において未成熟な貴女はね)」
そう雪乃に心配されているのは勿論私が知るよしもなかった
その後雪乃の勧めでパンさん関連のグッズを買いアタシのアニマルリュックがくたびれてると言ってパンさんのリュックを買ってくれた雪乃に感謝
そしてフードコートでハンバーガーを食べてから各々の家路についたんだ
八重の持つ小物類がゆきのんの影響を受ける第一歩でした