材木ウザいっ!これでも食らいやがれっ!
「八重ちゃんって彩ちゃんの事好きなの?」
そう言われたアタシのバックには見る者によってはボンっ!と言う効果音と頭から湯気がたっていたのは間違いない
「なっ、な、な、な、ナニゆってるの?アタシみたいなんがかっこカワイイ戸塚の事を好きなんて言ったら戸塚が迷惑だろ?」
そう言って焦るアタシ
「いや、我の聞き違いでなければ戸塚氏は主の事を八重ちゃんと呼んでおった筈だが?」
と、地雷を踏み抜きやがった材木に
「てめえ、余程死に急ぎたいらしいな…誰がお前にその呼び方を許したよ?」
怒りと羞恥に震えるアタシに
「取り敢えず八重さんはそのニヤケきった男から離れなさい」
そう言われて材木座を見たら…
(うわっ、マジキモいっ!そーいや八はコイツの事の事ロリペドワナビーって思ってたっけ…)
「うわっ!」
思わず叫ぶと材木座を突き飛ばし…たつもりだけど重い材木座は微動だにせず…なんで何かムカついたから鳩尾に膝蹴りをくれてやった
(材木座、ざまぁっ!)
身体をくの字に曲げ踞るヤツを尻目に鼻を「フンっ!」と、鳴らすとアタシはとにかく雪乃の後ろに逃げ込み
「我ながらナニやってるんだか…」
そう呟いてから
「感想を言うの明日で良いな?材木」
そう言って原稿を受け取ると最終下校時間までその原稿を読んで過ごした
できるだけ持ち帰る量を減らしたいからだ…ったく、無駄に量が多いぞ
午前中を保健室過ごし午後は奉仕部の部室で過ごしたアタシは例の場所の販売機でマッカンを買って部室に戻ると雪乃が机に突っ伏して居眠りをしていた
あれで徹夜はキツいよな…
そう思いながらマッカンちびちびやってると
「ヤッハローっ♪」
と、何度聞いてもアホっぽい挨拶をして入ってくる由比が浜…
『アホッダローっ!』
と、返したらどんな反応するのか興味はあるけど面倒臭いからそんなことは言わない、後うるさいし
「静かに、雪乃が寝てる…それと材木来てないからなんなら今の内に飲み物買ってきたら?」
そう声を掛けると
「じゃあちょっと行ってくるね」
そう言って出掛けていった
その後目を覚ました雪乃とジュースを買ってきた由比が浜と三人でお菓子をつまんで待つことに
ナゼこうも遅かったのかよくわからないけどようやく現れた材木座がアタシ達のスコーンを羨ましそうに見てたから
「羨ましいかぁ~っ、アタシの手作りスコーンっ♪」
そう言って最後の一個を食べてから
「残念ながら今のが最後の一個だったがどうしても欲しかったらこれをやろう」
そう言って特製クッキーを渡した
そう由比が浜印の練炭クッキーを…
ナニも知らない材木座が大喜びで掻き込み
「」チーン…
「それがお前の原稿に対する感想だ、あんなもの読ませやがって」
アタシがそう言い捨てると苦笑いの由比ヶ浜と溜飲を下げたらしい雪乃
「さ、雪乃と一緒に過ごす時間が減るのシャクだけど夕べは誰かのせいで無為な事に貴重な睡眠時間をとられちゃったから今日は早めに終わりにしよ?」
そう言って三人がかりで材木座を部室から放り出し帰ろうとしたら
「遊びに行こうよゆきのんと八重ちゃーんっ♪」
そう甘えるようにゆーのは良いけどアタシを縫いぐるみか何かみたく抱き抱えるのは止めろ、由比が浜
見ろ雪乃がご機嫌斜めじゃん?って思ってたら
溜め息をひとつ吐いて
「八重さんの言う通に早く帰って身体を休めるのも良いけど今日は金曜ですから気分転換に出掛けるのも悪くないかもしれないわね?
それとも八重さんは私達とは出掛けられない?」
雪乃がそう言ってアタシを見ると
「そうだよ八重ちゃん、彩ちゃんとじゃなきゃ嫌なの?」
そう声を荒げて言うから
「前にも言ったけど戸塚とはそんな仲じゃないし学校の外で会ったこと無いと、ゆーより未だそんな親しくなるほどな仲じゃねぇし校内の特定の場所以外じゃ…登下校中も含めてね…
でも怖い…わからない…アタシなんかが…許されない…アタシは咎人…なんだから普通を求めちゃダメなんだ…アイツを苦しめてるアタシなんか…」
そうぶつぶつ呟くアタシに
「も~っ、そんな難しく考えないでさ、もっと気楽に楽しもーよぉ~っ!」
そう言ってアタシの左腕を抱き込み拉致する由比ヶ浜と呆れながらもアタシ達
の後ろをついてくる雪乃
アタシが初めて学校(部室)→家以外のルートを始めて選択とゆーか取らされた瞬間だった
恐るべし由比ヶ浜結衣