比企谷八重への提言
② 雪ノ下雪乃は提案する
雪ノ下雪乃はアタシにそう言われたけどそれで
『はいそうですか、わかりました』
と、引き下がるような女じゃなかったのはアタシの計算外だった…え、計算してたのかって?
…互いににらみ合いながら
「周期は安定してるの?」
そういきなりイミフな事を聞いてきたから
「周期ってナニ?」
と、首をコテンと倒して呟くと
「平塚先生、どうやら彼女は女の子が学ぶべきものを何も学んでないようです
おそらくはTSの発症時期が起因するものでしょうが生理の周期も知らないようですから…平塚先生に私から提案があります」
そう言って平塚先生に向き直り
「依頼内容を比企谷八幡の更正ではなく比企谷八幡及び八重の両名の学校生活のサポートにしていただけませんか?
私が言うのもなんです色々なものを一人で抱えてきた八重さんの力になりたいんです
それにね、八重さん…貴女の言った女子であることの不都合をまだ理解できてません
もしまだ学校生活を続けたければ取り敢えずは保健室の養護の先生だけにでも打ち明けなさい
で、なければ生理痛で保健室で休むことができないしナニよりまだ始まってないのでしょ?」
そのいきなり生々しい話しに赤面するアタシを見ながら
「やはり的中でしたか…現状は不確定な要素が多く私達は情報が乏しすぎますからご両親、主治医と話し合う必要があると思いますが如何でしょうか?
その上で保健室の養護の先生の理解を得れば保健室登校で当面を凌ぎその間に対策を考える時間が作れます
確かにナニも知らない私たちにどれ程の事ができるかはわからないけど貴女一人じゃ抱えきれない事なのは当事者である貴女が一番よくわかってる事よね?」
そう言って私の頭を抱えて頭を撫でる雪ノ下は
「頼りないかも知れないけど私達を頼って…」
そう言われアタシは泣いた…アタシがアタシと言う自我に目覚めて以来人初めて人前で泣いた…しかも大号泣だ
その後何とか落ち着いたアタシをつれて保健室に行き養護の先生に話すと
「わかりました…まぁ当然と言えば当然の話ですが比企谷八重さんはしばらく私が預かり女子が小学校で学ぶ保健の勉強から教えましょう
雪ノ下さんもその必要性を感じたからこそ私に事情打ち明ける必要があると感じたのでしょ?
私もTSに関してそれほど知識がある訳じゃないけど比企谷さんのように発症の遅い子はその年令なら知っていて当たり前と言う一般論により知っているものと勘違いされ勝ちなんですが…」
そう言って雪ノ下を見る養護の先生
五話から話は変わって行くはずです