真かみさま転生200X(未完)   作:tbc

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前回からとうに一週間経ってやがる、ゆっくりしすぎたんだ


驚愕の木曜日2

>5日目(木)08:00

 はれときどきどく。豚は降ってこない。ところであのシリーズって割と最近も刊行してたんだってね。

 じゃなくて、謎のセプテントリオンの攻撃で毒素がバラ撒かれているため、場所を特定するために局長が観測するまで護衛を頼まれたという話。ななみちゃん、それからモジャ公たちも一緒。メムアレフの使い、リリスについては暫く妖精郷(というより、ただの妖精たちが集まったグループでしかないが)の方で待機してもらうことにした。

 こういう時に限って妙にアクティブな悪魔たちを返り討ちにするが、ボス対策ばかりで雑魚集団への範囲攻撃スキル継承を疎かにしていたため随分と苦労させられる。そのせいか殲滅速度でモジャ公たちに負けた。ちょっと悔しい。

 他世界では珍しい野良のライト悪魔、国津神ヒトコトヌシ(こいつの出現は原作通り)をぶっ飛ばしてそのレアドロップである貴重な氷結属性武器を剥ぎ取りながら局長の観測結果を聞く。やはりというか謎のセプテントリオンは上空から毒素を撃ち出していたようで、場所を特定し『アリオト』の透明化を見破るが、奴は既に東京タワー直上へ到達していた。迎撃も間に合わず、このまま奴を倒しても残った外殻がタワーを押し潰してしまえば守った意味がなくなると、タワーの機能を緊急停止させる苦渋の決断を下す。

 連絡から少しの通信途絶の後、タワーを停止させてアリオトが東京を離れた報告を受ける。『アリオト』は原作通り、東京の次は北海道を目指しているそうだ。時間も手段も無かったとはいえ、東京崩壊が早まる決定的な事件を防止できなかったことはやんなるかな。アリオトが北海道のタワーを無視して引き返す可能性があるため、奴が北海道側へ近づくまでタワーは停止しなければならない。それまでの数時間でどれだけポラリスの侵食が進むのだろうか……。

 

 タワー停止のあれこれはさておき、アリオト撃墜のための対策を練るということで局長に案はあるかと声をかけられる。案も何も、峰津院家の龍脈とか封印している悪魔の手を借りたパワーで撃墜し、あとはこれまでのセプテントリオンと同じように直接本体を倒せばいいのでは?と答える。

 それもそうだな、と局長は謎の納得を見せて、君なら伏せ札を握っているのではないかと期待してたのだがね、と意味深げに話す。

 ……俺が敵対勢力を作ろうとしてることがバレたか? いや、あの言い分だと怪しまれてはいても確信してないか、あるいは局長の性格から行動を調べた上で俺たちが牙を研ぎ終える(そしてそれを自らの実力で叩き潰せる時)までを待つ強者の挟持か。まとめて反乱分子を消すために、あえて人数が揃うのを待って隙を狙っている可能性もあるが、それを恐れて慎重に足取りを消す暇は俺たちには残されていない。

 まー成功しても失敗しても、ヤマトを潰せばなんとかなるんでモジャ公の動向さえ気をつければ大丈夫だ。今やレベルは逆転し、例え龍脈パワーを用いた超ヤマトでも倒せないレベルではない。というかあいつも万能とレベル差でごり押すタイプだし、完全にとは言えないが鬼女の献身で主な攻撃手段は封じられるでしょう。つまり雑魚。合掌。

 

 スヤァ

 

 

>5日目(木)09:30

 1時間の仮眠を取って、本調子ではないけど眠気は覚めた。マコトさんとモジャ公たちがアリオト撃墜の手段として、シヴァの『バスパタ』を使う準備しているのをよそ目に身支度を整え、リリスを呼んで名古屋駅へ出立。おへそちゃんのヘソチラとか気になるシーンではあるけど……横にいるななみちゃんが邪念を感じたとかで小突いてきた。イテテ。

 

 名古屋駅へ迎えが来るまで待機するが、少し時間があるので今のうちにななみちゃんの能力を見直す。とはいっても前回からさしてレベルが上がってるわけでもなし、悪魔を更新するにも早く特に金を費やす先はないが……毒素を撒き散らすアリオトへの対策に、POISON耐性もつく【魔力無効】を得られる「ラトルスネーク」と、それから貴重な耐物理を得られる「王の盾」を例によって【財力】や【大地の声】スキルで調達する。それから彼女に回復要員として、地母神タウエレトと大天使ラミエルから女神クシナダヒメを作成する。原作と違って、種族スキルの【女神の慈愛】はPOISONなどの回復しないBSを治療する効果を持たないため使い所に困るが……まあ、そもそもアリオトは火炎に弱いため接敵出来ればななみちゃんのワンパンで終わるだろうけどNE!

 合体が終わり、それでも時間が余ったところでリリスとななみちゃんが話し込む。女の話、ということで暫く俺は場を離れたが……彼女たちを遠目に見守っていると、時折り熱い視線を感じる。ななみちゃんは分かるけど、何故にリリスの方からも受けるのかね。

 

 

 

>5日目(木)10:00

 ロナウドを慕っている市民サマナーの一人が、【トラポート】で転移して迎えに来た。仮にも大悪魔のリリスに驚かれたが件の協力を得た悪魔勢力の使者だと話すと納得し、相乗りして北海道へ。

 北海道でも雪が降るにはまだ早い時期だが、東京との温度差にブルブルと体を震わす。あまり長居はしたくないな……ともかく救助を妨害する悪魔集団というのをさっさとやっつけに行こう。

 

 

 

>5日目(木)10:30

 ロナウドと合流し、札幌駅付近の大学構内へ。ここを巣として徘徊する竜型の悪魔がたびたび救助の邪魔をする、しかもやたら強くて市民サマナーたちには倒せないと聞く。その悪魔を呼び寄せるため、わざと目立つように周辺の雑魚悪魔へ攻撃を仕掛けて暴れる。すると間もなく付近の水源から大量の水が渦を為して巻き上がる。あの水の竜巻こそが、龍神イルルヤンカシュLv58そのものだ。

 龍神種族内では上から数えて二番目と、やたらと強い悪魔にもしやシュバルツバース出身の悪魔ではないかと疑うが、リリスに確認を取ったところ単なる野良悪魔であると判明したので遠慮なくぶっ潰す。「火炎に強い」耐性を有していたが、火炎貫通を持つななみちゃんは容赦なくぶった切る。しかも得意の【氷結高揚】つき【アイスバウンドⅢ】は青龍の兜を着込むななみちゃんには通じず、必死に【ヘルファング】でHPを削るがそれすら王の盾の【盾防御(物理に強い)】により半減される始末。涙目でサブウェポンの【消化液】を放つが……運の悪いことにアリオト対策でラトルスネークを着けたななみちゃんには【魔力無効】で無効化される。詰んでいた。

 上位悪魔の端くれなだけに、【三分の活泉】持ちで非常にタフだったが攻撃面が封殺された奴に短期決戦を挑む必要もなく、ゆっくりと4ターンほどかけて魔晶剣でぶった切った。道案内ついでに同行していたロナウドにもちゃっかり経験点を取られたけどもういいです。

 

 用事を済ませたところで、北海道の市民救出の進捗を聞くと20人ほど助けられたようだ

 間もなくセプテントリオンが札幌へトドメに刺しに来ること、ジプスが北海道と引き換えに撃墜するためやって来ることを伝える。それまでに可能な限り救助し、ジプスとの争いを避けるため撤収作業を済ませておくことを通達し、12時をリミットとして、最悪悪魔を呼び寄せるデメリットを覚悟の上で拡声器を用いた大音量で避難を呼びかける手段を提案しておく。一応強力な悪魔が現れた時の備えとしてななみちゃんを貸し付けて、俺とリリスだけ先に東京へ戻った。ななみちゃんの不満気な顔は黙殺する。

 

 

>5日目(木)11:00

 東京に戻り、霞が関の官僚の方々に元・東京の偉い人を紹介される。なんか名前を聞いたことある大臣とかなんとからしいが、正直政治を気にしてない俺は知らんので適当に挨拶し、名前だけは覚えておく。こちらもメムアレフからのリリスを紹介し、ヤマトが実力主義的世界をポラリスの力により意識操作を行って築こうとしていることを話す。異能に詳しくない一般人の方々には精神支配とか意識操作とか言われても分からないようだったが、リリスのCHARMで精神支配の例を実演するとおののきながらも理解してもらえた。

 そしてポラリスやメムアレフの目的――人間が地球破壊を続けることに怒っての振る舞いであることを伝え、単に彼らを撃退しただけでは根本的な解決にはならないこと、悪魔たちを倒してもいずれまた別の悪魔の襲撃や、復活した本人との戦いが繰り返されることを話し、その解決のため、人間の生存のために悪魔たちの存在を認め、彼らを良き隣人とする社会を築く俺の理想を訴えた。それで大臣や官僚の方々には悪魔たちと手を組んだ社会の具体的な法律の構築やら運用、検討やら政治的な何やらを任せたいことを頼む。このへんはデビルサバイバー1のアツロウルートの二番煎じだけどね。

 一応、彼らを了承させる分かりやすい利益として悪魔たちの能力により、不老……とまではいかずとも長寿延命若返りが可能であること、堕天使や幾つかの悪魔は本来の意味での錬金の技術を持つこと等を話して人間の欲をそそれば、大臣たちは簡単に協力を頷いてくれた。お主も悪よのう。

 

 ……この取引を告発されると結構な致命傷になるが、こうでもしなければ政治的な連中は動かせない。ななみちゃんやロナウドに知らせれば反感を買うし、こればかりは俺が背負わなければならない。うぐぐ、優秀なブレインが欲しい。原作登場人物の中ではマコトさんかフミっぱいあたりが良い腹心になってくれそうだけど、どちらもヤマト側だからなぁ……つくづくジプス陣営の分厚さを思い知らされるわぁ。

 

 霞が関を出たところでマコトさんとエンカウント。しかも大臣らと密談してることがバレた! キャー

 

 

 

>5日目(木)12:00

 マコトさん、昨晩中帰ってこなかった俺の振る舞いを怪しんでこっそりと足取りを追っていたらしい。【トラポート】でたびたび瞬間移動する俺を直接追跡することは諦め、ジプス専用回線のログを通じて俺のケータイ移動先を見張っていると、札幌や霞が関庁舎など明らかに不審な場所を訪れていることから確信を持って問い詰めた、と。

 俺の戦闘力を警戒してか、ちゃっかりジプスの部下を数名引き連れて来ているので、原作のロナウドのようにヤマトへの不満を煽って誤魔化すことも出来ぬ。かといって部下の口封じを行えば、マコトさんは確実に俺を敵と見做すだろう。他に釈明の手段も咄嗟に思いつかない……詰んだー。

 

 弁明を求められるが話せることなんてねーよ、と端から交渉を諦めて強引な逃走にかかる。といっても撃破するのではなく、リリスに頼んで【セクシーダンス】で足止めするのだった。

 しっかり耐性を備えてきた俺たちとの戦闘では使われなかったが、このリリスは【BS強化】というスキルを所持し、本来高レベルなら一瞬で治るBS(バッドステータス)のかかり具合を強化し、数ターン(あるいは数度)かけて治療しなければ治せないように強度を増したCHARMを付与するスキルを持っている。全ての局員がかかったわけではないが、残ったメンバーには俺が【ペトラアイ】やアリスの【悪魔のキス】で無力化する。これらは全て、治しさえすれば死にはしないBSなのがミソだ。

 そうしてほぼ行動不可、戦闘不能になったマコトさんらをおいて、政治家たちを安全な場所に逃がす。ジプスに翻意がバレた今、ジプスの支配が甘い名古屋に逃げこむのが最適だったけど俺一人で彼ら全員を運ぶことは出来ないし、札幌で活動中のロナウドたち市民サマナーに増援を頼むのにも時間がかかる。ゆくゆく追撃部隊が派遣されるだろうけど、今夜、あるいは明日まで時間を稼げればヤマトが実力主義を表明するだろう。それに載っかってこちらも勢力を―――言うならば悪魔との「協調主義」か、それを表明して原作主要キャラクターの幾人かを味方をつける。ジプスは明日、大増殖するミザール処理に追われてこちらに手を出す余裕は無くなるし、その間にメムアレフに戦力を派遣してくれるよう算段をつけて……決着は土曜日、だな。

 ただし懸念事項もある。ジプスが余裕のある今日中に態勢を整えて侵攻してこないかと、主人公やダイチ少年たちの動向が心配だ。前者は……ヤマトがロナウドに対してそうしたように余裕ぶってくれれば問題ないのだけど。後者はどうしようもない。キタローにアレフ、それからSJ主人公とこれまでに三度、他の世界を含めた各々の主人公たちを見た限り皆ニュートラル寄りらしい性格のようでヤマトに与する可能性は低いが、だからといって味方になるとは限らない。原作のニュートラルルートとも言うべきダイチ少年のルートでは、ポラリス襲撃前に時を戻すルートとポラリスを撃破し脱却するルートがあるが、後者はともかく前者の主張と、俺が主張する悪魔を組み入れた社会の改新は決して咬み合わないだろう。そうして敵になった主人公を俺が倒せるかは、果たして疑問だ。

 ほら、目に見えない主人公補正とかありそうで怖いし。

 

 

 

>5日目(木)12:30

 ジプスに盗聴される危険性は承知の上でななみちゃんにケータイで電話。ジプスに動向がバレた非常事態であることを話す。救助活動はまだ調べられる場所を調べきっててないそうだが、アリオトの毒素弾が落ち始めたために切り上げるタイミングを向こうでも考えていたらしい。

 まだ助けられる命はありそうなのに……と渋るななみちゃんに、今すぐ切り上げることを命令する。他ならぬ俺の言葉なら、とななみちゃんは了承の言葉を紡ぐ。思えば今まで彼女の善意をそそのかす形で行動させていたため、こうして命令するのは初めてかもしれない。

 それからロナウドの方に東京へ【トラポート】人員を寄越してくれるよう頼もうとした……が、ふと思うところがあり、通常戦力だけでいいから政治家たちを保護する面子を要求する。

 

 最初は名古屋に逃げ込もうかと考えたが、よくよく考えてみれば名古屋を維持しているタワーの存亡を握っているのは現在ジプスだ。北海道や福岡のように名古屋のタワー維持をカットされることがあれば、「協調主義」勢力ごと一網打尽にされてしまう。ロナウドを舐めプしていた原作ならともかく、ヤマトが俺を格上とみなして警戒していた場合、地盤ごと俺を切り崩しにかかることは大いに有り得る。……やばいな、対処すべきことが増えた。忙しすぎて暇が無い、あばばばば。

 

 

 

>5日目(木)13:00

 政治家たちを日比谷の野外音楽堂へ避難させる。避難先にここを選んだのにも理由があるけど、後述。

 北海道からの撤退が完了した報告と共に、ロナウドから派遣された市民サマナーたちが東京へ転移してきた。withななみちゃんが来たのは予想外だったけど、丁度良いと市民に政治家たちの保護を頼んで、俺はななみちゃんを連れてリリスと共にメムアレフと増援の算段をつけにシュバルツバースへ向かう。どうせまた援軍と引き換えにメムアレフに戦闘を頼まれるだろうしな。

 

 

 

>5日目(木)13:??

 エリダヌスを経由して、再びホロロジウムなう。

 レッドスプライト号は現在、ティアマトを撃破しグルースセクターに到達してるようだ。セクターのボスたちを倒さないでほしい、というお願いは足止めにすらならなかったか。非常に残念だ。

 

 再びメムアレフと相対し、約束の協力として二つ、ポラリスの無の侵食から拠点を守る手段の提供と、ジプスに対抗するための援軍を要求する。

 条件として、今度こそレッドスプライト号への対処(武力行使的な意味で)を求められたのはある意味予想の範疇だが、そこでウンと頷くわけにはいかない。主人公の存在はモジャ公と同じく、レベルでは測れないものもあって確かに恐ろしいが相手出来なくもない、しかし悪魔の要求を呑んで人間に手をかけるのはあまりにも悪魔贔屓にすぎる。代わりにシュバルツバース内の天使―――ポラリスから反メムアレフとして派遣された悪魔どもを駆逐することを提案し、それを呑んだ。時期的に餃子もとい天使に感化したロウヒーローもどきが敵となるかもしれないが、それで人間を手に掛ける分には仕方ないと妥協するが……人間を守ろうとする人間を手に掛けたくはありませんて。

 ところで援軍兼結界構築の悪魔としてベリアルさんを派遣する話が出たのは意外ながら納得。そういえば真・女神転生1で対のネビロスと共に六本木に結界張ってたなあの悪魔。しかも今日の夕方頃に二周目裏ボス悪魔として出ることもあり、知ってはいたが納得の配材。

 東京に残した政治家たちの護衛が心もとないこともあり、早く戻らないといけないため時間はないので、早速天使が拠点を築きつつあるというグルースへ向かう。

 

 

 

>5日目(木)14:??

 グルースなう。天使の隠れ家入り口近辺で絶賛探索中のシュバルツバース探査部隊と出会い、ティアマトを倒した彼らと一悶着起こりそうになるが直接戦う気はないと適当にあしらい、リリスの案内で隠れ家へと侵入する。

 守衛のプリンシパリティを蹴散らしながら、奥へ。めぼしい悪魔、特にマンセマットがいればそれを、いなければ手当たり次第に倒さなければならなかったが……都合よく向こうの方から現れてくれたため杞憂だった。

 もっともマンセマットに加え、メタトロンまでいたのは予想外だったけど。天使9体がどうのこうの……と言ってたあたり、あれか、魔王マーラと対になる大天使セラフの代替か?

 思わぬ強敵の出現に顔を顰める俺。しかし、実際の戦闘は予想と違って瞬殺だった。メタトロンの【メギドラオン】を鬼女ダツエバの献身で凌ぎ、厄介な全回復スキル【メシアライザー】を持つマンセマットを、【龍の眼光】を切ったななみちゃんが両断。ボスの大量のHPさえ全回復出来ようが、回復する暇なしに瞬殺されればそんなもの関係ないのである。マンセマットを1ターンキルしても余った返す刃でメタトロンを削るななみちゃんの後ろで俺が補助回復をバラまき、お得意の【メギドラオン】連打が通じなくなったメタトロンはななみちゃんに物理で殴りかかるが、【スクカジャ】で判定値が上昇した王の盾による【盾防御】で当然のごとく防がれる。耐物理を獲得することもあり、【盾防御】にかかるコストを除けばノーダメージという有様だ。ならば【羽ばたき】をと衝撃相性を試みるも、丁度装備していた白虎の鎧で無効化される有様。……最近似たような光景をどこかで見たような、まあいいか。

 私に火炎は半減するぞ!と主張するメタトロンを火炎貫通で貫いたななみちゃんを他所にバフデバフをかけ続け、必死にクリティカルを期待して斬りかかるメタトロンをあざ笑うかのごとく「物反鏡」を投げたりしたこともあったけど、特に難なく撃破する。撃破後に遅れて餃子もといゼレーニンが現れるが、天使の庇護を失った彼女なんて最早手にかけるまでも無いと放置してホロロジウムに戻る。

 

 ななみちゃんがここで初めて40レベルを超え、超人への覚醒権を得る。何のクラスを得るのかは後々彼女の相談を受けるが、現時点で1発あたりの打点が600を超えることは確定している。インフレってすげー。

 しかしウソみたいだろ、格闘クラスを持たない専門家でも無しにメタトロンぶった切ったんだぜこの子……。

 

 

>5日目(木)15:??

 天使ぶっ倒してきたぞゴルァ!とメムアレフに報告を入れて、引き換えに魔王ベリアルを紹介される。俺を見るなりネビロスの残滓やアリスの気配がするとかで敵意を向けられるが、メタトロンやデミウルゴスを殴り切った話をメムアレフから聞くと畏敬の念に変わった。俺を大魔王みたいな目で見るのやめーや、カオスヒーローと違って親人間でもあるだから一応。

 結界を敷く準備をしなきゃならないとかで、先に名古屋へ向かってもらうことにした。お目付け役代わりにななみちゃんを同行させることを伝えるとベリアルは不満を言うが、正直俺より彼女の方が強いと断言出来るからね?

 

 再びリリスをお供につけ、シュバルツバースを脱出し東京へ。政治家たちを名古屋に避難させる動きに移る。

 

 

 

>5日目(木)15:30

 東京へ帰還……したが流石にあれから時間をかけすぎたか、ジプスたちと市民サマナーたちが鎬を削っていた。ジプス陣営にはケイタ少年とマコトさんと主要キャラクターが二人混ざっており状況は悪いかと思われたが、いつの間に駆けつけたのやらロナウドが参戦していたことで均衡を保っていたようだった。しかし状況を打ち破る余裕はなかったようで、後ろで政治家たちは逃げ道も護衛も無いと来ておろおろしている。しかしモジャ公たちが動いていないのは好都合だ。

 横合いから唐突に乱入し、リリスにジプスを撹乱を任せ、政治家たちを【トラポート】で名古屋に連行。即座に音楽堂へ戻り、一時の撹乱から立ち直ったマコトさんの前に立って(殿となってロナウドや市民サマナーたちを逃がしながら)……悪魔の手を借りてポラリスと戦う「協調主義」勢力の創立を宣言する。

 

 眉唾といった表情をするケイタとは違って、マコトさんは俺の不審な行動をした理由を悟ったのか、本気でジプスと敵対するのか?と問うてきた。正しくは、ヤマトの主義と敵対するのであって皆が皆と敵対するのではないが……説明が面倒だからアリオト倒した後にでも局長に聞けよオラァ!と逆ギレ気味に言い放って、【トラポート】で離脱。

 

 

 

>5日目(木)16:00

 名古屋に戻り、みんなの科学館でベリアル、ななみちゃんやロナウド、それと市民サマナーたちと合流する。明らかに強大な悪魔、魔王ベリアルの協力を得たと平然と言い放つ俺の姿に皆慄くが、これくらいでビビっているようでは龍脈、すなわち日本の大地に宿る力そのものを味方につけるヤマトは勝てないぞ、と断定する。(終盤の敵のレベル的に、龍脈の龍のデータは恐らく神霊クズリュウだろうと予想している)

 まあ、実際にヤマトと競り合うのは俺やななみちゃん、場合によっては協力を得る悪魔方の役目として、皆には名古屋の治安維持や、災害からの復興に悪魔の手を借りて頑張っていただく。ベリアルが連れてきた堕天使の軍勢はサマナーでない一般人の指示を受けることも出来るし、当面はシュバルツバースから供給されるMAGで彼らの身体を維持出来ることもあって大助かりである。細かい指示は政治家たちに詰めてもらったり、名古屋で警察官自衛官を募るなりする必要はあるが……ともかくこれで、俺のやるべき最低限の根回しは済んだろう。あとはジプスや各勢力との対決に備え、ひたすら力を蓄えるのみである。

 

 

 

>5日目(木)16:30

 ベリアルから名古屋を守る結界の構築について、既にあるタワーの結界を改変した方がコストがかからず、また敏速に完成出来るということから、リリスとななみちゃん、堕天使の軍勢と市民サマナーの一部を伴ってジプスを襲撃。速やかな退去を勧告し、反抗的な局員はCHARMしたりして無理矢理名古屋支局から彼らを追い出し、無血開城を成し遂げる。

 ベリアルがタワー結界の仕組みを把握し、改変して名古屋全体を一種の異界にして無の侵食から守る。悪魔の魔術的な結界に切り替えたことにより、名古屋内は悪魔の出現頻度・密度が上がるがベリアルの部下の堕天使が人間を襲わないよう根回ししていることから、被害はあっても少なく済むだろう。

 

 

 

>5日目(木)17:00

 モジャ公らから連絡が来た。てっきり既にジプスへの犯行声明(ならぬ反抗声明)を出した時点で回線を切られたかと思ったけど、対応が甘いな。

 ともかく、俺らが何を企んでるのかと聞かれたが、むしろヤマトの企みから人々を守るための行いであり、セプテントリオンを倒しきった後の世界を運営するための根回しであること、そして俺の今後の理想等を包み隠さず述べた(私事が混ざってないとは言い切れないが)。

 ヤマトの主張はどうせ今日中にでも彼自身が述べるからさておき、彼が力を持たない市民を助ける気が無いことは明白であることから、彼に淘汰された力無き人々を救う受け皿が必須であったと俺が答えると、電話向こうのダイチ少年は何とも言いがたい嗚咽を漏らしていた。一方でモジャ公は冷静に分かったと言葉を返し、仲間内で相談すると言って電話を切った。

 

 ……電話向こうのあの様子だと、これだけ平和的な根回しをしたというのにダイチ少年はやはりポラリスや悪魔の力を受けることを拒否し、第三勢力を築きそうであった。となるとモジャ公も敵に回る可能性が高まった。本当に、主人公だけは主人公補正が怖いから相手にしたくないんだけど……こればかりは仕方ないか。

 

 

 

 




後日、木曜日の終わりまで文章追加もしくは新話に分離するかも。

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