真かみさま転生200X(未完)   作:tbc

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激動の月曜日1

>2日目(月)06:00

 おはようじょ。

 さらっと追い出したはずなのに部屋にいるななみちゃんをキャーエッチ、と叩き起こす。そんでもってケータイを確認。ニカイアから通知が来て、「邪教の館」が解禁されたそうだ。そこへ例の追加パッチを当てることで変身悪魔の合体、魔晶武器の合体も解禁された。使い方は、悪魔を宿している護符や武器に無線を近づけながら合体を操作すればいいらしいが……直接接続もなしに合体出来るのは不思議なことだ。

 昨日は時間がなかったこともあり、デビオクの使い勝手も確認する。やはりTRPGに沿った形式の、1日3回、指定したレベル帯からランダムに悪魔カードが手に入るものだった。原作が悪魔は固定、価格が変動するのに対してこちらは、価格は固定、悪魔が変動するものだ。どちらが良いかと言えば……まだ原作がマシかな。手に入る悪魔のレベルに上限があるし、使いにくい。とはいえ悪魔全書が手に入るまで悪魔抜きというのも辛いため、期待せずに使用権3回分ガチャる。

 妖魔イソラLv11、妖獣ガルムLv10、夜魔インプLv10。……まあこんなものだろう。

 

 

>2日目(月)06:30

 少し物足りない量の朝食を済ませて、本日も活動開始。……の前に各局員にお知らせ、「ニカイアの召喚アプリの使用を全面に許可する」? え、勝手に使っちゃダメだったの? やっべ。

 知らぬうちに危ない一線を超えてたことに内心ビクビクしつつ、本日は都内道路の瓦礫撤去に力を入れる方針を知らされる。戦闘員は、昨日から増えだした悪魔召喚アプリ悪用者を捜索し、使用禁止するよう勧告、反抗の意思が見られればデバイスを破壊することが当分の務めだそうな。

 朝礼の後、ふと思いついてななみちゃんにも召喚アプリをインストールするようおすすめする。前衛と召喚の食い合わせは非常に悪いが、無いよりもある方が便利なもので。【ハーモナイザ】なんてものもあることだしな!

 不思議回線により、ニカイアの直URLを指定すれば災害による回線の切断なんて関係なしに通じるのでサクサクッと登録。インストール……は局内で戦闘すると迷惑この上ないのでちょいと外で済ませてくる。ななみちゃんは「私にも妖精の相棒が得られるんですね!」とか感想を述べていた。うるせえ関西弁話すケルベロスでも連れてろ。

 

 ところでハーモナイザというと、原作デビルサバイバーで異能者でもないただの人間が悪魔と戦える身体能力を付与するものだが、TRPG版にはそんな機能は無く、通常の仲魔に種族専用スキル(原作に出てくる、魔王の【覇王の盟約】や妖精の【妖精のおまじない】等のマップ上で使用可能なスキル)を使えるようにする効果に変わっている。実際のデータは、デビルサバイバー2が発売される前に出たデータなので、鬼女や幽鬼、魔人、英雄などの種族スキルは原作と全然異なるが……それと通常のハーモナイザアプリは仲魔専用のもので、魔晶武器、変身悪魔、ペルソナなどに種族スキルを使えるようにするには【特殊ハーモナイザ】という別のアプリが必要になる。

 

 

 

>2日目(月)07:00

 初期悪魔は地霊ファハンだった。「可愛くない」など抜かすが大半の悪魔はそんなもんだってば。いやマジで。

 ついでにレアドロップでワイバーンの盾入手。回避よりも高い成功率で、代わりに防御点を大きく伸ばす、武器扱いの特殊な防具だ……装備するには体が足りないけど。ななみちゃんにぶん投げる。

 

 ジプスに入るのと入れ違いにモジャ公たちが外に出ていった。この時間だと……召喚アプリ悪用者のケータイを破壊するイベント戦闘に向かうところかな?

 そう呟くと案の定ななみちゃんは助勢を訴えた。俺のレベルで現在のレベル帯の悪魔や異能者の経験点は雀の涙だし、下手に分け前を貰うよりななみちゃんだけで行ってくるように、とりあえずピクシーの悪魔カード(ディア役)を押し付けて一人で行かせる。

 どうせ同じ任務なのだからとななみちゃんは俺も来るよう渋るけど、早く行かないと戦闘が終わるぞと催促すると渋々主人公たちの後を追いかけた。

 

 俺は昨日訪れたSL広場のあたりへ向かう。局長たちが出発する頃に悪魔が出現すると分かってるのだから、先に近辺を探し、ソロで狩り尽くせば経験値の足しになる。

 

 

 

>2日目(月)07:30

 少しずつ瓦礫や放置車両が撤去されつつある道路を通って、昨日よりスムーズに到着。

 近辺のレベル7前後の悪魔を狩り、めぼしい悪魔はカードハントする。特に攻撃1回を自動でクリティカルに変更する【凶化】種族スキルを持つ妖精(闘鬼)ゴブリンは使い捨てて良し、精霊や【格闘武器】スキル持ちの素材に使って良しの集めて損のない悪魔だ。

 

 ところでデビサバ特有の現象として、聖獣や女神のLight悪魔も雑魚悪魔扱いとして野良でも出て来るため、後半になるほど【カードハント】前提で素材に困らないかもしれない。

 

 

 

>2日目(月)08:00

 ななみちゃんから電話がかかる。昨日主人公らと共にドゥベを倒したことで局長に認められ、部外者だった彼女もジプスの回線を利用できるようになったとか。

 んでもって、彼女を含む主人公たち数名にヤマト局長から直々に話があるので、9時にはジプスに戻ってくるよう電話越しに伝えられたそうな。原作的には大阪への同行指示を与え、日本全体が滅びつつある現実を認識させる話を行うはずだけど、しかし何故か、その呼び出しに俺も指定されたらしい。既にジプスに組み込まれて目的を意識している俺をわざわざ指定するのは対セプテントリオンへの戦力を期待しての抜擢だろうか?……いや、この段階でどこに何が出るかなんて全く分からないはず。何か別の思惑があるのだろう。なんにせよ原作に置いてかれ、4日目まで何も現れない東京で稼ぎ損ねたり、ななみちゃんだけがセプテントリオンと対面して危うい事態に陥る心配が無くなったので少し安心。

 それと戦闘イベントの方はしっかり無双してきたらしい。この時期のレベル二桁もない相手ならそうなるな。

 

 ついでに良さげなスキル、【なぎ払い】も手に入れ……えっ、命運減るのに【スキルハック】アプリ使ったの?全くダメではないが、上限を使用する魔晶武器使いとはやや相性が……うーん、まあいいか。

 

 

 

>2日目(月)08:30

 いかつい兄ちゃんが悪魔引き連れながらケータイよこせよと迫ってきた。うむ、確信犯だな。

 とりあえず【アナライズ】してから相手を選ぼうか。泣くまで殴る。殴った。

 

 

 

>2日目(月)09:00

 ヤマト局長を含み、会議室に着いたのは俺が一番最後だった。待たせたことを軽く謝罪し、話に入る。

 局長は原作通りに、まず東京の現状を再認識させ、助かりたいならば行動すべきという方針を示した。その流れで、日本全国が等しく被害に遭っていることを知らしめるため、選択は任意だが大阪へ同行するよう呼びかけた。俺も含めて。

 この先どうするか主人公たちが考える時間が必要だろうと、集合時刻と場所を伝えて話が終わるその前に、既に東京支局へ所属している俺にも同行を呼びかけたのは何故かと理由を尋ねる。局長は当然と言わんばかりに、「たった十歩の距離をわざわざ車で走る必要はない」と適材適所を語る。要するに高レベルの俺をちんな仕事で腐らせる必要もないということか……こちらとしても経験値稼ぎになるのなら、とは口にしないが納得して了承する。

 

 集合時刻の10時が近づくまで合体で時間を潰そうとしたらマコトさんから手伝いを頼まれる。ななみちゃんもここぞと名乗りを上げ、共にお手伝いを申し出る……別にいいけど。

 頼みごとはトランク一杯に詰まった機械やら電子部品の輸送。異能者だから体が丈夫ってわけでもないんだぞ!SL広場近くの出入り口から昇降し、地下にあるジプス専用電車の車両へ積み上げる……原作では、消防署にあったようなすべり棒で出入りしてたから昇りはどうするのか疑問に思ってたけど、別個で隠し階段があったんですね。

 

 異能者とはいえ体力面しか見どころのない俺と違って、ななみちゃんは女手ながら俺より軽々と荷物を抱え、運んでいた。そういえば力特化だから当然ですね。

 

 

 

>2日目(月)10:00

 頼みをこなしているうちに、あっという間に約束の時間が来た。地上でヤマト局長と、心が落ち着いた主人公らを出迎え、SL広場に。

 朝にあれだけ散らしたにも関わらず、まだこの広場に巣食っていた悪魔たちを、局長のケルベロスが【メギド】で一瞬にして蹴散らす。ぶ、物理型悪魔に【メギド】……いやいいんだけど、どっから継承させたんだアレ?

(TRPG版には何故か、万能相性の攻撃魔法【メギド】を持つ合体作成可能な悪魔が皆無。一方で【メギドラ】を持つ悪魔はいる)

 

 その後は原作同様、マコトさんがケータイの無線操作で蒸気機関車を移動させ、下に隠してあったジプス専用地下駅への直通となるすべり棒を出現。マコトさんと局長が先に降りて行く。主人公らが予想だにしない移動手段にためらっている間に俺も迷わずサッと後を追い、更に俺を追いかけてななみちゃんも下に降りてくる。

 少し経って次々と主人公らも降りてきたところで、東京支局に残って指示を出す立場にあるマコトさんだけを残し、7人が大阪行きの電車へ乗り込んだ。

 

 

 

>2日目(月)10:30

 大阪へ向かって移動中なう。

 進路上に一切邪魔無し直通線とはいえども、移動にやや時間がかかる。その間に軽く自己紹介をしたいと、主人公らから誘われる。そういえば何度か顔を合わせていたし、俺は一方的に名前は知ってたけど彼らに名乗っていなかったか。局長が遠目に見守る中、モジャ公、大地少年、イオっぱい、それからジョーさんの四人と名を交換する。

 

 モジャ公は言わずもがな主人公、本名は……どうでもいいか。使役仲魔は魔獣イヌガミLv10。白虎や朱雀といったチート聖獣でないあたりはアニメ版ではない模様。なお、おふざけ選択肢を選ぶタイプの主人公なのか、ななみちゃんにどう告白して付き合ったのかと尋ねられて困った。付き合ってることになったのは否定しないけど、関係を持ったのはななみちゃんからだし……そう言うと驚かれた。俺TUEEEで恩を着せたものだと信じていたとか、お前ら俺のことを何だと思ってたんだ。

 大地少年は、主人公の友人にして男友達枠。ただし原作発売当初から頼りない、ルート次第で普通に敵になるなどと前作でスーパーハッカーだったアツロウ少年と比べられ、残念と評されることが多い可哀想な子。使役仲魔は地霊ゴブリンLv6と心許無いが、アニメ版ではずっと3レベル程度の初期悪魔だったのでこれでもマシな方。青少年らしく、女性をしきりに気にするがついぞ誰かと付き合うことはなく、ほぼ主人公に総取りされる悲しき運命の男だ。

 イオっぱい。主人公らとは同じ学校だが今まで交流はなく、地震をきっかけに彼らと知り合う。使役悪魔は精霊エアロスLv10とそこそこ優秀。人見知りではないが奥手で、学校で成績の良い優等生であっても優秀ではない、機転に欠けるタイプ。原作が別名おっぱいサバイバーと言われるだけあって胸がでかい。また主人公に気がある女性その1。実際は地震前から主人公を気にしていたという話もあるが定かではない。

 ジョーさん。この中では唯一の大人で、名古屋人。そして彼女持ち。こんな事態でも暢気なのは鈍感だが、良く言えば大人の貫禄とも言える。仲魔はがるがると名付けられた妖獣ガルムLv10。ジョーさんは変なあだ名をつけるのが癖だが、女性をいじくることはあまり無いように思う。俺には変なあだ名をつけられることはなかったが……さっきイオっぱいの胸に目線が移ってたことを指摘されて、ななみちゃんに足を踏まれた。痛い。

 

 彼らのことを聞いて、俺も自己紹介を返す。少し前にジプスに所属した新人異能者で、サマナーなこと。アプリを手に入れる前から悪魔召喚器と悪魔変身能力を持っており、ななみちゃんの熱愛報道をきっかけにジプスから勧誘されたこと等、あとは幾つかヤマト局長に話した嘘経歴とほぼ同じ内容を伝える。その話の中で地震前から悪魔がいて、悪魔召喚が可能だったと知って主人公らが驚くが、驚くのはまだ早いと言った。

 今まで世界に秘匿されていた悪魔召喚アプリ、この都市崩壊をきっかけにニカイアを運営する何者かがそれを公開する判断を下した。それが何を予期しての行動かに気づけば、これから何が起こるのかも予想することが出来るだろう。

 

 と若干意味深気に主人公らに言ったらヤマト局長からストップをかけられた。話しすぎとのこと。確かにこの先の未来も知らない彼らに情報を詰め込んでも混乱が加速するだけだったか……反省反省。話しすぎた罰として局長から会話に付き合わされた。あなたと話せる話題なんてサマナー談義くらいしか無いんですが……。

 とりあえず得意の合体テクについて話したら意外と好評だった。膨大な悪魔素材を用いる、悪魔全書を前提とした合体は局長に中々理解されなかったけれど、使える・使いやすい悪魔、効率的な悪魔合体ルートについての話題はウケが良く、実力人格その他はともかく、サマナーの知識と経験は私を超えるだろうとの局長お墨付きの悪魔召喚師となる。やったぜ。

 

 

 




流石の51レベルサマナー局長もリカームドラⅢ持ちナンディを大量に制作し、使い捨てる贅沢な戦闘スタイルには引いた模様


やたら長くなったので一旦ここまで。

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