真かみさま転生200X(未完)   作:tbc

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ぶらり魔界ひとり旅

>ちょっと魔界行ってくる日

 転生女神なる邪神曰く、「転生者への同行者は生死問わず、俺が望んだ人間であれば誰でも同行可能」「能力は俺の死亡時、あるいはその人間が死亡する直前の状態を引き継ぐ」「ただし相手が転生または俺との同行を望まない場合は指定不可とする」そうだ。最後の条件については円滑な進行がどうのこうのと言っていたが、多分……俺が無理矢理に同行させた奴が暴れるのを相手するのが面倒だからとかそういうのだと思う。完全耐性持ってるくせに……。

 

 なので、死んでしまった九条ちゃんを同行者に指定した場合、妖精郷を離脱して一人突撃していった時の状態で転生させられると思うのだけど、正直言ってあの時の彼女が俺との同行を望んでくれるとは思わない。思っていない。ついぞ話し合いが出来なかった今、幾ら俺が態度を見直しても彼女の意見が変わることは多分ないだろう。

 諦めて他の人物を当てにする、というのも一つなのだが……今の俺の心境は、アリスさんを殺してしまった時に近くなっていると自分でも感じる。すぐさま死にたくなるほどではないけれど、後ろ髪引っ張られる思いが強すぎてこの先リセットするまで残念が引っ張られると思う。昨日ライドウと話し合った時に、今の俺は気狂いじみた目になっていると言われた。だから多分、今の俺にまともに人間は寄り付かないだろう。つまりスカウトは無理なんじゃないかなと。

 

 しかし、ふと魔界のことを思い出し、真・女神転生2のあるイベントを思い出した。魔界は、いわゆる神様の世界であるわけだが、場所によっては地獄や黄泉国のような死後の世界となっているところが多数あり、死んだ人の魂が残っていることもある。そんな中でケセド寺院にある一画にて真・女神転生2の主人公アレフが、かつて自分を守って死んだテンプルナイトの女性ベスの魂と再会し、その最後のパワーを貰うというイベントがあった。

 全ての人の魂が残るわけではないようだが、残念の強い人の魂や、異能を持つ者の魂、特に強い異能者の魂は残りやすい傾向にあるらしい。パワーレベリングによる即席のものではあったが、レベル18まで上がった九条ちゃんは異能者として中堅に近い。故に魂が残っている可能性に一縷の望みをかけて、残るハファザたちに九条ちゃんの魂の居所を調べさせた。

 するとケセド寺院に彼女の魂が残っている、という結果が得られた。ベスと同じ魔界に魂がいるのは偶然か必然か知らないが、この機会を逃す意味はない。

 

 だからちょっと魔界行ってくる。

 

 

 

>行きは良い良い、帰りはもはや気にしない日

 妖精郷のフェアリーサークルを再び借りて、イェソドの魔界へ。今度は帰れるかも分からない(そもそも帰るかすら分からない)し、時間も気にすることはないので案内はいらないと言ったのだが、ピクシーは自発的にまたも案内役を買ってくれた。

 イェソドに着くや例のクーフーリンがすかさず喧嘩売ってきたので、ドクロの稽古着をちらつかせて黙らせる。魔獣ネコマタを捻り潰して先へ。

 

 

>実はヘカーテよりレベルが高い鬼女ボルボを倒した日

 妖獣ブラックウィドウを焼き払い、ヘカーテがいなくなった間で増長している中ボスじみた鬼女ボルボLv49をすりつぶす。そのままティフェレトに向かいたかったが、魔界の深層へ向かう門は閉じており鍵が無い。魔界の門だけあって力づくで壊すことは不可能なため、鍵を求めて西のホドへ向かう。

 原作だとこの門の鍵は東のネツァクにいるマスターテリオンも所持しているはずだが、TRPG版では未だホドにいるティアマットにしか鍵を預けられていない……という設定になっていた。この世界ではどちらかは不明だが、どちらにせよ鍵を手に入れるために両方倒すまでである。この世界でのアレフの冒険がどうなるかなど最早知ったことではない。

 

 

>暴走カーチャンをドラゴンスレイした日

 ホドの主、邪龍ティアマットといえば別作品ストレンジジャーニーでも後半最初のボスを務めた、氷結相性の魔法攻撃が強力な悪魔だったが、TRPGの設定を受けたこの世界のティアマットは強力なマガタマ「カイラース」を飲み込んでしまっており、マガタマの影響で意識を乗っ取られつつある。飲み込んだカイラースからはスキル【テトラカーン】【マカラカーン】、更に万能相性の【メギドラ】【至高の魔弾】など強力なスキルを数多く有する。……が、レベルは68と強い方ではあるのだが魔能力値が控えめなこともありメギドラでは火力不足、至高の魔弾は単体なので次々とリカームを使用する俺と仲魔たちを全滅させることは不可能。【テトラカーン】【マカラカーン】に至っては、そもそも万能相性で殴っているのだから関係ない……と、MAGの消耗はしたが案外あっさりと撃破する。腹をかっさばいて、飲み込んでいた鍵と秘蔵品をゲットしたためイェツラー回廊に戻る。

 ティアマットを倒して手に入れたマガタマ「カイラース」は、練気の剣に打ち込んだ。相性こそ火炎だが、万能相性の影響を受けたこの魔晶武器は赤光太極正宗に改銘しよう。万能相性はいいぞぉ。

 

 

 道中、手に入れた秘蔵品を確認したらカイラース以上にやばい品物だった。PCに【龍の眼光】使わせていいのかこれ。

 

 

>ティフェレトへ侵入した日

 鍵はティアマトからの一つで足りた。門を開けて、魔界の中層ティフェレトに到着する。

 この魔界の主、邪神セトは封印され続けており、遠く未来のTOKYOミレニアムの時代にサタンの転生体と合体し、神霊サタンを目覚めさせるまで封印が解けることはない。しかしデータは記されており、しかも高レベルで【火炎ガードキル】持ち、火炎相性特化の高火力ボスなので魔界の中でも有数の強悪魔だ。火炎抜きでも、防御点無視物理スキルなどもあり無対策ではボロ負けしかねない奴である。戦う必要がなくて本当に良かったと思う。

 

 この先、ベリアー回廊はそこそこの強さの悪魔がうろついている上に、常に炎が燃え盛る火炎地獄となっており火炎耐性が無い者はただちに焼け死んでしまうと言う。またボスの魔王アスタロトが徘徊していることもあって耐性を整えておかないとやられてしまう可能性もあるだろうと、ここらで悪魔のメンツを強化しておくことに。

 丁度ティフェレトにある邪教の館を利用……する前にターミナルとして利用できるターミナルストーンを調べたが、やはり起動しなかった。確かスティーブンがいじくることで初めて使えるようになるんだったか?しかしスティーブンは東京で健在だからこの時代に魔界へ現れることはないだろう。そもそも東京は今頃ICBMが降ったか降らないかといった時期なので転移すると危険だ。

 それはそうと合体。しかし初めは仲魔を強化しようと思っていたが……以前よりさほどレベルが上がっていないこともあり、スキル面から見ても大した強化にはならなさそうだと気づく。ならばいっそのこと新たに仲魔を作った方が早いだろうと、霊鳥ヴィゾフニル、魔獣ケルベロスを作成。ヴィゾフニルは下位の霊鳥スザクから【火炎無効】を継承させたため、この先のベリアー回廊でも通用する。また本体の変身悪魔も、一度上位の邪神ギリメカラからランクダウンし、【物理無効】を継承させた邪神ニャルラトホテプに合体した。物理無効、魔法全般吸収と真の意味で全門耐性の獲得である。……このレベルのボスは貫通やガードキル、万能相性の攻撃手段を持っているのが常だけど。合体ルートは略す、だいたい下位の悪魔を作成してから精霊やダーク融合合体でランクアップさせまくっただけなので。

 それと一応、魔王キングフロストを魔王ヘカーテに、造魔に【耐物理】を持たせ魔王アバドンの魔法全般吸収を継承し、俺と同じく全門耐性を獲得させ強化した。キクリヒメ、ケツアルカトルはそのまま。

 

 なお費用は【大地の声】で地霊からカツアゲしたM134ミニガンを売った金で済ませた。素材に6万マッカ近く使ってまだお釣りが来る。

 

 

>ソロモンの72柱のなんたらの日

 ベリアー回廊に突入。早速というか、ある意味真・女神転生2の原作通り、ここを通る人間を試すためにアスタロトが喧嘩を売ってきた。が、貫通もなければガードキルもない、万能相性もせいぜい【メギドラ】程度の威力しか攻撃手段が無いのだから楽勝である。退けばいいものを、最終的には【バーサーカー】のスキルで暴走、打点を上げて強引に造魔を落とそうとして横に並んだヘカーテに反射されて自爆した。そこは【メギドラ】使えよ。アスタロトを悪魔カードにカードハントし、封印しておいたのでビナーの魔界へ持っていけばイシュタルとアシュターに分離するだが、ケセドと反対側なので終わった後に気が向いたら訪れるかもしれない。

 ドロップ品はそこそこ強い火炎魔法が使える秘蔵品、極炎塊と、覇王の剣?あれ、これって……。

 

 ベリアー回廊進んでたらルイ・サイファー閣下、というかルシファーが顔を見せた。お前に用はないし前世の恨みは忘れてないぞ、帰れ。

 

 

※武器「覇王の剣」は持っているだけで魔王ルシファーへのコネが手に入る。解説文によると、面会する権利が得られるらしいがデータ的には絆3レベル分も親しくなるので割と謎アイテム。

 

 

 

>ケセド到着の日

 ケセド仏殿に到着した。

 大日如来……万物全ての真理、宇宙を体現したとも言われる仏教の最高神、魔神ヴィローシャナが治める仏殿である。数々の邪悪な悪魔が蔓延る魔界の中でも極めて清浄な魔界である。ダーク悪魔は一切おらず、魔神、龍神、女神や神獣、霊鳥などLightまたは鬼女や妖鬼などのChaos悪魔が多く生息する、レベルだけ見れば魔界の中でもトップクラスの危険度である。とはいえ人を喰わないようなLight悪魔が多いので、逆に安全とも言えるが。

 

 魔界人たちに道を尋ね、死者の魂が集うケセド仏殿へ上がろうとするも、門兵の悪魔らに塞がれたため一旦退き、ハファザの【スクライイング】で九条ちゃんの魂の在り処を探る。強大な悪魔のオーラにでも防がれたか、詳しい場所はわからなかったが、やはりケセド仏殿の中にいるのは間違いないようだ。それと……占っている最中に【強烈な後光】が映しだされたことからヴィローシャナが関わっていることも。

 九条ちゃんの魂を救済しようとしている?よく分からない、とりあえずどうにかして仏殿の中に入らないと。しかし門を抜けるコネなんて……

 

 

 覇王の剣を壊す勢いでガンガン地面に殴りつけてたら閣下が来てくれた。紹介状ちょーだい。

 

 

 




そろそろ更新速度が落ちます。

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