やはり俺がドキドキ!させられるのはまちがっている   作:トマト嫌い8マン

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やっと帰ってきた〜

この先の展開は多分ちょこちょこ省くかもしれません

一年分はきつい


新たな決意

宮殿の中心部、そこにはたくさんの鏡が置いてあった。このうちの一つが魔法の鏡のはずらしいが、

 

「遅かったな」

 

響く男の声。その方向へ目を向けると、俺たちをこの世界に送り込んだ男が鏡を手に立っていた。

 

「お前たちが生きていたら、必ずここにくると思っていた。元の世界に行くにはこの鏡が必要だからな。だが、無意味だ」

 

男が鏡を倒した。その衝撃で鏡にヒビが入り、淡く輝いていた鏡から光が消えた。

 

「これでもう、向こうに帰ることはできないな」

 

剣崎が崩れ落ちた。菱川とありすも絶望的な表情を浮かべていた。正直、俺も似たようなものだろう。最後の希望、元の世界への唯一の扉が閉ざされてしまったのだから。

 

「はっはっはっ「はっはっはっは」は?」

 

高笑いする男の声に被さるように、別の笑い声が響いた。それもすぐ隣から。この絶望的な状況にありながらも、どうすればいいのかもわからない状況にいながらも、彼女は笑っていた。自信に溢れた強い瞳で前を見据えながら、相田マナは笑っていた。

 

「その程度で、あたしたちの心を折れると思ったら、大間違いよ」

「なんだと!?」

「あたしたちはあなたの力でここに送り込まれた。それはあなたに世界を自在に行き来する力がある証拠。つまり、鏡がなくてもあなたに連れて帰って貰えばいいだけ」

「お前、俺を言いなりにできる前提で話してないか?」

「そんなこと、出来るのかよ?」

「もちのろん!」

 

言い切った〜。超ドヤ顔で言い切りましたよこの子。どこからそんな自身湧いてくるんですかね、ほんと。

 

「全く、変なとこで自信満々なんだから」

「でも、それがマナちゃんらしいですわね」

「負けたわ、あなたには」

 

相田の言葉で他も立ち直ったようだ。まっすぐ、明るく、恐れ知らず。根っからのリーダー、天性のカリスマって感じだな。一緒にいるだけで安心できる。一人の時に一番落ち着ける俺も、こいつといる時は安心感を覚えてる。それが不思議だ、が不快感は全くない。

 

「帰ろう、あたしたちの世界へ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

突然降ってきたシャンデリア。先に到着していたらしい妖精たちと合流することができた相田たちは、プリキュアに変身し、男に挑みかかった。しかし流石に幹部らしき男は手強そうだ。攻撃が防がれ、逆にロゼッタのシールドでも奴の攻撃を完全に防ぎきれなかった。

 

「その程度じゃ、俺を従わせることはできないな」

 

「私が隙を作るわ。その隙にあなたたちの攻撃を当てなさい。閃け、ホーリーソード!」

 

ソードの放った無数の光の刃を躱した男だったが、光の刃は鏡に反射し、予想外のところからの攻撃に対応できずにダメージが入った。

 

「煌めきなさい、トゥインクルダイヤモンド!」

 

着地したその瞬間に、ダイヤモンドの冷気が敵を拘束した。動けなくなった男。

 

「あなたに届け、マイスウィートハート!」

 

ハートの浄化技が男に決まった。体から黒いエネルギーが気化するかのように立ち上った。完全に浄化こそできなかったものの、だいぶん弱らせることはできたようだ。

 

キラリ、と何かが光るのが見えた。目を凝らすと、先ほど割られた魔法の鏡、その破片のうち一つが破られる前と同じ輝きを放っていた。

 

「まだ完全に魔法が死んだわけじゃないってことか?ハート、お前ら!あの鏡の破片へ」

 

声に反応し、四人が集まってくる。指を切らないように鏡の破片を手に取る。

 

「逃がすか」

「逃げるんじゃないわ。必ずここに戻ってくる。キングジコチューを倒し、トランプ王国に平和を取り戻してみせる!」

「行くぞ」

 

鏡を上にかざすと、光が溢れ出る。そして再び謎の浮遊感に襲われると、目の前の宮殿の部屋も、ジコチューの幹部も視界から消えた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

落ちた先は、家の近くの公園だった。誰もいないのは幸いだったな〜。こんなところを見られたらなんて説明したらいいのかわからなくなる。

 

空を見上げると、俺たちが落ちて来た時空の穴ようなものがあったが、徐々に小さくなっていき、消えてしまった。

 

「時空の穴が、閉じてしまったわね」

「大丈夫。すぐに戻る方法も、王女様も見つけられるよ。そして、キングジコチューを倒して、トランプ王国に平和を取り戻そう」

 

そっと手のひらをを下に向け差し出された相田の手。その上に菱川とありすが手を重ねる。

 

「この世界で、ジコチューに勝手なことはさせない」

「皆さんと一緒なら、なんでも出来そうですわ」

 

期待の眼差しが俺と剣崎に向けられる。溜息一つついてから、ありすの手に自分のを重ねた。

 

「まぁ、取り敢えず付き合うだけ付き合うことにするわ。今更知らない振りとか無理だし、そもそも相田が逃さなさそうだしな」

 

ん、と剣崎とアイコンタクトを取る。俺たち四人を見渡したあと、小さな笑みを、アイドルの時とは違う、トランプ王国のキュアソードとしての笑みを浮かべてから、剣崎はその手を俺たちのに重ねた。

 

「お願い。力を貸して」

 

「「うん」」「ええ」「おう」

 

こうして改めて、剣崎真琴、キュアソードが俺たちの仲間に加わった。ただ現れたジコチューを倒すだけではなく、明確な目標もできた。これからさらに忙しくなりそうだな。けど、不思議と不満や倦怠感は感じられなかった。




ここまで恋愛色はないな〜

入れていくにしてもどうやっていこうかなー

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