ブラック・ブレット〜天童民間警備会社の新入社員〜   作:梨味

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かなり時間がかかってしもうた……………というわけで、第6話、スタートです。


Reason to do

 

「と、いうことです」

『なるほどね……………』

僕は、木更さんに会社であったこと、東京エリア各地の事件のことや襲撃者は揃って趣味の悪い仮面をつけていたこと。そして、襲撃者は全員同じ志を持った人間で、トップは防衛省を襲撃した人間、蛭子影胤だと考えられることも話した。でも……………

「志が分からない…………」

『それだったら……………」

「分かるんですか!?」

『私たちが、防衛省で聖天子様から直々に受けた依頼にも繋がるんだけどね』

「聖天子?どうしてまた」

聖天子といえば、日本の五つのエリア、東京、札幌、仙台、大阪、福岡の東京エリアの統治者だ。政治手腕は、少なくとも仙台のヤツよりも上。蛇足を付け加えるなら、かなりの美人だ。

 

『なんでも、この間里見くんが倒したガストレアの感染源ガストレアを倒し、ジュラルミンケースを回収しろっていう依頼なんだけどね』

「へぇ。でもそのケースの中身って、何ですか?」

『聖天子様が言うには、七星の遺産が入ってるんですって』

「七星の遺産?それって………」

『なんでも、それを使うとステージ5にガストレアを呼び寄せるらしいの』

「ステージ5!?…………………」

ステージ5のガストレアというのは、通常発生し得ない個体だ。だが、それがガストレア大戦で猛威をふるい、世界を滅ぼした存在だ。過去2回出現した際には、序列1位と2位のペアが倒したという。もし、東京エリアに出現したら、太刀打ちできるのだろうか。だが…………

「なぜ、そこまでステージ5をそこまでして出現させようとするんでしょうか?出現したら自分にも危険が及ぶだろうに…………」

「いや、影胤はもともとプロモーターで、娘とペアを組んでたみたいなんだけど、そのときの最高序列が134位みたいなの」

「それは高いこと…………………けど、それでもステージ5を倒すなんて無理がありませんか?」

「まぁ、そうね……………それに、結果的に志がどういうことかも分からないしね」

「えぇ……………」

どうしてステージ5を出現させるのにどうして民警を襲うんだ?民警の戦力を薄くして、自分だけで戦うのか?でも、勝つ見込みなんて薄いのに?…………なんか、頭痛くなってきた。

 

『前山くん大丈夫?』

「…………………えぇ」

『ならいいけど。あ、今全民警は自衛体制を取るようにって命令が出てるから、気をつけて』

「わかりました」

『あ、でも菫先生に食料を持ってってあげてくれない?お金だったら里見蓮太郎宛で領収書貰っておいてくれればいいから』

「はぁ…………」

別に、室戸先生に食料を持っていくのは嫌というわけじゃない。むしろ、一度会ってみたかったから。でも、領収書発行させてまで里見さんに払わせようとするなんて…………

 

『じゃあお願いね。私は里見くんの治療が終わったら戻るから』

「了解です」

少々長電話になってしまったが、今起こっている………………いや、起こりかけている事件について推察し合うことができた。まぁ、最後ののアレは要らなかったと思うが。とりあえず、気を抜いてはいられない。

「ねぇ、終わった?」

「ん?あぁ、もう終わった。じゃあ、飯食いに行くか。で、その後お使い頼まれたからそれも行くぞ」

 

 

「四賢人って、そんなすごいの?」

「僕もよく知らんが、里見さんが言うには面倒臭いけどすごい、らしいぞ」

「ふーん」

室戸菫、世界最高の頭脳、四賢人の1人だ。バラニウムを発見・研究したのは彼女で、筋金入りの変人らしいが、かなりの切れ者らしい。でも、なぜそのような人とあの里見さんが知り合いなのか理解できない。

「失礼します」

「……………ねぇ、本当にここ?おばけ屋敷みたいなんだけど…………」

「うん……一応、室戸ラボとはあるからここだと思うけど………」

ラボの扉開けてみたけど、初見難易度高すぎるわ!アイツのラボもなかなかヤバかったけど、こっちはもっとヤバいわ!一歩足を踏み入れたら帰ってこられない気がするわ!入るけど。

「室戸先生?」

「やぁ」

「うわっ!」

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「ハッハッハッハッ!いやぁ悪かったねぇ」

「「…………………………」」

この人、一応謝ってるようだが、全然反省の色が見えない。里見さんの言っていた筋金入りの変人というのは、間違いではないようだ。趣味の悪い研究室、変人サイエンティスト。もう、こりゃ…………

「ところで夏来ちゃん」

「…………………なんでしょうか」

「となりの前山くんに変なことはされてないかね?」

「変なことって…………」

「例えば、レイプとか強姦とか淫らな行為とか……………」

「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!アンタ何小学生に対して教育上よろしくない言葉連呼してんだ!あとこの小説が危うい!」

「なぁに。夏来ちゃんだったらショートしてるから問題ない。それに、こんなクソみたいな小説なんて消されておけばいい」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

何で夏来がショートしてるから問題ねぇんだよ!問題大アリだわ!というか、夏来意味知ってんのかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!あ、ちなみにレイプとかはしてないから悪しからず。あと、確かにうp主はクソみたいな文章しか書けないのは否定できないけどやめたげてぇぇぇぇぇぇぇぇ!

 

「だが、君からは変態の臭いはしないし、顔も普通だ。大丈夫そうだな」

「変態の臭いと顔も普通って何ですか……………」

「変態の臭いっていうのは安い石鹸か鼻をつくような臭いがする。顔は不幸面だと変態だ」

「それだとあなたも合致しますよ。というか、完全に里見さんのことですよねそれ」

「よくわかったね」

「まぁ、里見さんのことはよく知ってるつもりですから」

「君、ゲイか…………だから当てはまらなかったわけか」

「違いますから!」

チクショウ………ゲイ呼ばわりされた。これ以上の屈辱はない、と思う我。

 

「もう、帰ります。夏来、行くぞ」

「あぁ前山くん」

「何ですか」

「人というのは、リスクが多くても利益があれば利益を得ようとする。これだけ覚えといてくれ」

「え?」

利益があれば利益を得ようとする?どういうことだ?意味を問い質そうとしたのだが、仕事を始めたので問い質すのはやめた。

 

 

「………………………」

「どうしたの?」

「ん?いや………………」

さっき、室戸先生の言っていたことが全くわからない。いや、おそらく影胤一派が今回の事件を起こした理由のことだろう。でもさらに言うのなら、なぜその理由について考えているのが分かったのだろうか。………………………まぁ、そんなことはどうでもいいか。

 

「君が、前山くんだね」

 

いろんなことを考えていると、背後から声をかけられた。声質的に、30代男性といったところだろうか。だが、反射的に手を出したくなる。そんな殺気をアイツは出している。

「夏来、今すぐに右の植え込みに飛び込め」

「………………うん」

夏来は植え込み、僕は側溝の上に飛び込んだ。とてもカッコいいものとは言えないが。しかし、背後からは銃弾が2発飛んできた。結果オーライだな。

 

「姿、現わしやがったな」

 

「そうだとも」

 

僕の眼前には、今一番の敵がいた。

 




菫先生の扱いは難しい。

次回は、新オリキャラ登場

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