ブラック・ブレット〜天童民間警備会社の新入社員〜   作:梨味

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次回予告詐欺を平気でするクソ野郎は僕です。


蛭子影胤テロ事件
民警狩りの始まり


 

「起きろー夏来ー」

「ううん……………」

コイツ、朝がめっさ弱いらしい。もう4度目だというのにまだ布団から出る気配がない。

「オイ!いい加減起きろ!」

「へ?」

このアホっぽい顔、にくたらしいけど可愛いと思ってしまう自分がいる。あっ、ポトポト歩き出した。

 

 

「おはようございます…………って、僕らだけか」

一応、あの2人は高校生だから、この時間は登校して授業を受けている時間だろう。ちなみに夏来も一緒に来ているが、コイツはまだ編入手続きを済ませていないだけで、学校に行かないというわけではない。あと1週間くらいしたらいくことになるだろう。だから…………

 

「夏来!勉強だ!」

「えぇ…………勉強やだよぉ…………」

「あと1週間したら学校行くんだ。みんなと差がかなりあったら、恥ずかしいだろ?」

「うぅ…………」

この子、勉強は好きじゃないみたいだな。しっかり教えてやらなければ。あ、ちなみに僕の頭と指導技能は問題無いぜ!一応、大学卒業して、小学校と中学校の社会の教員免許を取得したぜ!

 

 

「金属は熱すると体積はどうなるか分かるか?」

「増える」

「そう!分かんじゃん!」

コイツ、のめり込みは相当良いのだが反復して覚えようとしない。というか、1回やったらもう覚えてしまう天才肌らしい。反復して覚えてこの頭脳を得た叩き上げにとっては羨ましい。しかし、このやり方はある教科で苦労する。

「じゃあ夏来、今度は算数だ。問題は………………」

 

問、正方形AとBがあります。Aの面積はBの面積の1.2倍で6.6㎠です。Bの面積は何㎠でしょうか。

 

「えぇ〜?…………………………こう?」

「違うな」

「えぇ〜?」

夏来は、ただの計算問題だったら完璧なものの、こういった文章問題のようは応用利かせないとならない問題は絶望的だ。算数や数学は、公式や解き方だけ覚えても、それをしっかり応用できるかが鍵となる。応用力をつけるにはやはり、数をこなすのが1番だろう。そうすれば自然と応用力が身につく…………って、僕は何真面目に学習解説してんだ。でも、数をこなすという努力をしてこなかった僕だから言えることだ。小学生や中学生のみんな、覚えておくといいぜ…………………

「前ーまだ終わんないのー?」

「あと少しな」

まぁ、コイツに関しては意欲が無いだけでできない子っていうわけじゃないから、教えるのには手がかからない。

 

 

「そろそろ飯行くか」

「うん!」

勉強したり、いろいろ遊んでいたりしたら1時になろうとしていた。途中何故か木更さんが来たが、そそくさと出て行ってしまった。一体何だろうか。夏来は勉強疲れからか、かなりぐったりしている。飯行くって聞いたらテンション上がったが。

 

とか思っていたら、見知らぬ人物が会社の扉を開けた。

「ここに、前山という人物はいるか」

「えぇ。というか私ですが……………」

「そうか。なら、消えてもらおう」

「!!」

趣味の悪い仮面をつけたスーツ姿の男はそう言うと、拳銃をこちらに向けた。

「伏せろ夏来!」

荒い声でそう叫んだ直後に、男は射撃。僕も間一髪のところで左に避けた。そして、能力解放。一気に相手の足元まで駆け寄る。

「灯台下暗し。あっち逝ってもこれ、忘れんなよ」

捨て台詞、決まったな。男の腹部に、僕の全力の一撃が決まった。そうすると、男はうろたえ、倒れた。

 

「夏来、もういいぞ」

「ねぇ、今のは?」

「さぁ。ただ、僕らを殺しに来てたのは確かだが」

夏来が不思議そうにこの男が誰なのかを尋ねるが、僕にも分からない。まぁ、この趣味悪い仮面をつけてる時点でまともじゃないのだが。

「仮面、取ってみる?」

「……………………いや、やめとこう」

「どうして?」

「まぁ、なんとなくな」

どういうつもりで仮面をつけてるのかは分からないが、何となく気絶してるヤツの仮面を取り外したくない。本当に根拠は無いのだが。

 

「そうだ夏来。机の引き出しからアレ持ってきてくれ」

「うん」

夏来は引き出しから手錠を取り出し、こっちに投げた。なぜ持っているのかはスルーで。そして、それを男にかけ、ひと段落。

 

「あとは、上司への報告かな。あ、夏来、カーテン閉めてくれ」

「どうして?」

「もしかしたら狙撃されてるかもしれないからだ」

さっきは直接こっちに来たが、三手先を読んで狙撃手を用意しているかもしれない。そう思った結果の指示だ。と、電話電話。

「……………………あ、木更さん?」

『あ、前山くん。ちょうど良かったわ』

「え?」

『いやさっきね、里見くんと私防衛省に行ってきたんだけど』

「防衛省?どうしてまた」

『まぁ、それは後で話すけど、そこに蛭子影胤っていう燕尾服に気持ち悪い仮面つけた男が………………』

「ちょっと待ってください!今、画像送ります」

『え?』

まさか、気持ち悪い仮面って…………………

 

「すみません、いきなり電話切って」

『すみませんじゃないわよ!これって…………』

「どうやら、そのようですね」

防衛省に現れたヤツも、こっちに現れたヤツも、同じ志を持った人間らしい。

「前!テレビで……………」

「なんだ………………………こ、これって………」

テレビのニュース映像を見ると、そこには[民警狩り?同時多発的に民間警備会社襲撃]とあった。そして、テロップには仮面をつけた・・・ともあった。もしや…………………

「木更さん」

『どうしたの?』

「その事件、僕たちが思っている以上に複雑なようです」

『え?』

「防衛省の事件、こちらの事件、各地の事件。すべて繋がってるみたいです」

『こちら?各地?どういうこと?」

「それも含めて、今から説明しますよ」

 

根拠は無い。だが、この事件、何か大きな力が働いている。そう、何故だか思う。




問題は解けました?(挑戦的な目)

次回は………………わからん

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