ブラック・ブレット〜天童民間警備会社の新入社員〜   作:梨味

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どうも!初めましての方は初めまして。梨塩です。ただいま、オリジナル作品「プラマイ!」の連載を行っていますが、今回から、ブラック・ブレット〜天童民間警備会社の新入社員〜の連載を行っていきたいと思います。よろしくお願いします!



日常 vol.1
1時間遅れの出社


2021年 4月28日

 

「そ、そんな…」

食い殺されていく、友達も、先生も、近所の人たちも。そして、家族も。

「前ちゃん!早く!」

「やだ!守ることができなかった!だから、僕も…………!」

「私たちがいくらベストを尽くしたって、守りきれなかった。全員を守り抜くことなんてできなかった。そうでしょ!?」

「……………………くっ!」

とりあえず、自衛隊の輸送機に駆け込んだ。青村の叱咤もあったが、なにより、目の前の現実から逃れたかった。だから、逃げた。

 

これが、僕が全てのガストレアを倒す原動力になっている。だけど、それでこの10年、僕は感情を失った。だけど、あの人が僕にまた感情をくれた。強さと共に………

 

 

10年後 2031年

 

「天童民間警備会社は………」

かなり冷静だが、実を言うと1時間遅刻している。だって焦ったってすぐ辿りつけるわけじゃないじゃん。え?早く着く?うるせぇなコノヤロー。

 

僕は、前山(まえやま)。22歳。一応、今日から民警だ。これでも、ある能力を持ってる。それがどういうものかは知らないけど。

「ここか?」

とりあえず、それらしいところには着いたが………え?闇金とかゲイバーがあるんだけど。とてもじゃないけど一般人は入りづらいんだけど。あ、でも民間警備会社はあった。

「……………………入るか」

もしかしたら、人生最期はガストレアじゃなくて、闇金かもしれないかもしれないなコレ。

 

 

ガチャ「おはようございます」

「ああ!やっと来た!」

な、なんだ?ドア開けて挨拶したらなかなかの美女が。しかも…………

「デカい……」

「え?」

「あ、いや………………それより、ここは天童民間警備会社でよろしいでしょうか」

「もちろん、ここよ。私、社長の天童 木更。確か、まえ………」

「前山です」

「そうそう!今日からよろしくね!」

「はい!こちらこそ!」

 

良かった。思っていたよりもかなりいい人そうだ。ただ、やっぱり巨乳に目が行ってしまう。言ってしまった瞬間に斬られるじゃないんかと思ったけど。

「ところで社長」

「あっ、木更って呼んで。里見くんは同い年だけど、前山くんは私より年上でしょ?だから、名前くらいは………」

「そうですか………………木更さん」

「フフッ…………何かしら?」

恥じらわずにいってみたつもりだが、すっげえ恥ずかしい。社長とか年下とか関係なく、相手が女性だから。

「里見さんは、どこに?」

「里見くんだったら、多分もうすぐ来ると思うわよ?」

「そうですか………」

東京エリアに来て、まず里見さんに会おうと思っていたが、留守ならば仕方ない。

「ねぇ前山くん」

「はい」

「仙台エリアにいたときはどうしてたの?」

何の脈略も無い質問だった。まぁ、里見さんもシャイボーイって感じだから、木更さんに僕のことほとんど喋ってないのだろう。気になるのも分かる。

「僕は、小学校の頃の幼馴染と2人暮らしをしてたんです。青村 綾音っていうヤツと」

「あら女の人?いい関係じゃない」

「え?あ、いや、誤解しないでくださいよ!」

「フフッ」

出社十数分にして主導権握られてるんですけど………ちなみに言っとくと、断じてそういう関係ではない。ただ一緒に果たしたいことがあっただけ……

 

「おはよう木更さん」

「あ、里見くん」

どうでもいいことを考えていると、里見さんは帰ってきた。ここに来る途中、同じような服を着た人を見た。あのときはわからなかったが、里見さん、学生みたいだ。

「お久しぶりです里見さん!」

「久しぶりだな、前山」

里見 蓮太郎。天童民間警備会社に所属するプロモーター。今分かったが、どうやら学生さんのようだ。

「あ、前山」

「何ですか?」

「一応、薄給だから覚悟しとけよ?」

「えっ」

里見さんの薄ら笑いの変態っぽさも驚いたが、少給はもっと驚いた。だって……

「民警って儲かるんじゃないんですか?下世話な話するようですけど」

「大手はな。でも、ここみたいなぽっと出の民警はほとんど儲からない。木更さんを見てみろ、スーパーのチラシかぶりついてる。俺も、酷い目見た………」

「はぁ…………」

どうやら、生活水準の低下は覚悟しといたほうが良さそうだ。でも、チラシにかぶりつくことがないようにしよう。あと酷い目って何だろう?

 

「木更さん!」

「な、なによ里見くん………」

「前山に、言うことがあるんだろ」

「あぁ」

「?」

そう言うと、木更さんは机から紙を取り出した。おそらく、アレだろう。

「はいこれ」

「民警許可証受領書ですか」

「そう、許可証をもらってやっと晴れて民警だから、確実に受け取ってきてね」

「はい」

「それと、許可証もらったら、IISOでも手続きをしてきてね」

「分かりました」

IISO。国際イニシエーター監督機構というらしい。ここで、序列の管理やプロモーター、イニシエーターの選定を行っているらしい。許可証をもらい、IISOで手続きを踏まないと、プロモーターとしての仕事はできないという。

 

とりあえず、僕の民警生活は始まった。特に、面白いこともヤバイことも無いが、まぁ普通に始まるに越したことはないだろうが。とにかく、早くイニシエーターに会ってみたいな。なんでも…………

 

 

ロリ

 

 

 

らしいから。




まだロリ軍団は出しませんよ?


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