東方能開録(完結) 作:T-ruth
ここまで読んでいただいでありがとうございました。
「宴会だぁぁぁあああ!!」
今日は、紅魔異変の宴会に来ている。
ちなみに、陽菜は向こうに置いてこっそり来た。宴会やるにしても来るのは、ほとんど妖怪や妖精らしいから念の為にね。
正直、喧嘩等に巻き込まれたくないが美味しい料理の誘惑には勝てなかった。
「おっ、来たわね拓也。ちょっと手伝いなさい」
「何でだよ霊夢。俺は手伝いに来たのではなく美味い飯を食べきたのだ」
「手伝わないならあんたに出すものは無いわよ」
「分かったよ、手伝えばいいんだろ」
霊夢からシートを受け取り広げる。······デカいシートだな。何人くるんだ?
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よし。やっとシートをひき終わったな。
「お兄様ぁぁぁあああ!!」
「おっ!フラン──グッへぇ!?」
声の方へ振り返った瞬間、勢いよく飛んでいきたフランがお腹に刺さる。
なんか、前にもあった気が······
「あっ、お兄様大丈夫?」
「お〜、大丈夫大丈夫。肋数本いったけど大丈夫」
「大丈夫じゃないよそれ!!」
「嘘だよ」
涙目で睨んでくるフランの頭を撫でてやる。するとすぐさま笑顔になり「えへへへ」と声をもらした。
何この生き物可愛い。
「相変わらずフランに好かれているわね」
「まあね。レミリア、そっちは最近仲良くしてるか」
「おかげさまでね」
日傘をさしたレミリアが近づいてきて軽く挨拶を交わす。どうやら姉妹仲は良好のようだ。
少し話をしてから俺は、スカーレット姉妹と分かれて宴会の準備を進めた。
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さて、そろそろ宴会も始まりそうだな。
にしても見事に妖怪、妖精ばっかだな。
「あら、お久しぶりね」
「へ?」
急に後ろから声をかけられて振り向くとそこには見覚えのある女性がいた。
緑の髪に赤の瞳。右手にはピンク色の日傘が握られていた。
そう、後ろにいたのは。向日葵畑にいた硬い傘のおねぇさん。風見幽香だった。
「Oh······」
「そんなに嫌な顔しないでよ」
「嫌な顔するなっていう方が無理だよ。人生であった嫌なことトップ30には入るからな」
「······随分と低いわね」
めんどくさいのに絡まれたな。どうしよう、また戦い挑まれたら。昔ほど強くないぞ俺。
「ねぇ、ここであったのも何かの縁だし。もう一度戦いましょ」
「いやだよ!!もう一度戦うための縁なんていらないよ」
「ふふふふ、それは残念。また、機会があったら戦いましょ」
いやだよ!!あんたと戦ったら命がいくらあっても足りないわ。
そう心の中でいいながら風見幽香の後ろ姿を見送った。
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宴会が始まり周りが賑やかになってきた。妖精や妖怪達が歌い踊り宴会を楽しんでいる。
「楽しんでいますか?」
神社の縁側で料理を食べていると後ろに隙間が開き紫が現れた。
「あぁ、楽しんでるよ」
「それは良かったです」
「なぁ、紫。何で幻想郷を作ったんだ」
「そうですね······作りたかったんです。人も妖怪も妖精も神も関係なくいられる場所を」
「そっか······よし!今日は飲むぞ!!付き合ってくれよゆかりん」
「ゆかりんは止めてください!わかりましたお付き合いしましょう」
幻想郷は今日も賑やかだった。