東方能開録(完結)   作:T-ruth

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お久しぶりです!

更新速度が上がるように頑張りますが、あまり期待しないでください。


第八十九話 狂気

「アナタが新しい遊び相手(オモチャ)?」

 

 

紅い目の少女の問に対して俺は・・・・・・

 

 

「いいえ、違います」

 

 

即座に否定した。

だって、オモチャにされたら、たまんないし。ここは、逃げる一択だ。

 

 

「では、俺はこれで──」

 

「逃がさないよ♪」

 

「ですよね〜」

 

 

逃げようとした俺を紅い目の少女は追いかけてきた。

ちょ!!速い!!

 

扉を蹴飛ばし階段を駆け上がる。

ふと、後ろをみると少女が手を突き出していた。

 

 

「きゅとして〜」

 

 

ぞくっと嫌な感じがした。生命の危険を感じ地面を全力で蹴る。

 

 

「どかーん!!」

 

 

少女が掛け声に合わせて手を握ると、さっきまで俺が立っていた場所の床が粉砕した。床だった物が周りに飛び散る。

 

なに!なに?なに!!なに!?

床が消し飛んだんだけど!!危なっ!!殺す気満々じゃん!!

 

天童拓也、死にたくなければ、とにかく逃げろ!!

 

後ろからは少女が笑いながら弾幕を放っていた。

 

 

「アハハハハハ!!凄い凄い!!こんなに壊れないオモチャなんて初めて!!これならいっぱい壊せるね♪」

 

「だから、俺はオモチャじゃな〜い!!」

 

「アハハハハハハハ!!」

 

「はい、無視ですか!!」

 

 

全然、話を聞いてくれない。

こうなりゃ反撃だ!!

 

 

基礎能力(パラメーター)アップ((アタック))((プロテクト))((スピード))」

 

 

影から村正抜き取り振るう。それの攻撃はひょいと躱される。

くっそ!!速い、当たらない。

 

 

「アハハハハハ!!急に速くなった、凄い凄い♪」

 

 

相変わらず少女は笑っている。見てくれは可愛いけどそれは恐怖でしかない。

 

 

「禁忌[レーヴァテイン]」

 

 

彼女の手には黒色のぐにゃりと曲がった物があり、それは次の瞬間激しく燃え火焰の剣になった。

 

 

「そ〜れ〜♪壊れちゃえ♪」

 

「っつ!熱っ!!」

 

 

火焰の剣が腕を掠り傷みが走る。アレをまともに受けたら炭も残らないな・・・・・・

 

はぁはぁ。ヤバい、追いつかれそうだな・・・ん?

 

視界の先にメイド服の女の人が壁にもたれ掛かっていた。このままいくと確実に巻き込まれる。こうなったら・・・

 

 

変更(チェンジ)(パワー))((スピード))」

 

 

スピードに特化させ距離を開ける。そのままメイド服の女の人に向かっていく。

メイドさんに近付いてからお姫様抱っこで拾い上げ、また走り出す。

 

 

「なっ!?貴方は何よ!!」

 

「説明は後で、今はあれから逃げないと!!」

 

「あれって──妹様!?」

 

 

どうやらあの女の子と知り合いのようだ。にしてもこのメイドさんボロボロだな・・・どうしたんだろ?

 

 

「とりあえず一旦逃げ切りたい。あんたここのメイドだろ?道案内頼む!!このままじゃ二人揃ってお陀仏だ」

 

「・・・・・わかったわ」

 

「俺は天童拓也。あんたは?」

 

「十六夜咲夜よ」

 

 

途中で拾ったメイドさん、十六夜咲夜との逃走が始まった。

 

 


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