東方能開録(完結) 作:T-ruth
「うぉ!?」
何だ何だ!?音無の手を引いた途端になんか光ったぞ!!
「何だったのかしら?」
「いや俺が聞きたい..............」
「まあいいか。それじゃあ........やりますか。」
「おう!」
「敵が増えたな、援軍を呼ぶか?」
「そうするか。テメェ等こっち来いや!」
うぉ!?声でっか!鼓膜が敗れるかと思ったわ、なんて考えていると、妖怪が集まってきた。
2、4、6、8..............うん。多いな。
「こりゃあ、不味いかもな。」
「拓也。」
「何ですか?音無さん?」
「鈴でいい。」
「んじゃあ、鈴さん。なんですか?」
「そう言えば、いま金属がないから私、戦えないんだった。」
「.....え?マジ?」
「マジ。」
そりゃあ無いよ。鈴さんこの量一人でやれって?
「呑気におしゃべりしてんじゃねぇよ!」
うだうだ考えていると妖怪が爪を立てて襲いかかってくる。
「ちょっと!!あぁもぉ!!
爪を受け止め蹴り返すが、次々とほかの妖怪が襲いかかってくる。
くっそ!きりがねぇ!!
▼ ▼ ▼
ど、どうしよう..........私、金属がないとろくに戦えないし。
私は、何も出来ずに拓也の戦いを見ていた。すると、拓也の死角から妖怪が飛び込んでくるのが見えた。声を出しても間に合わない。金属があれば.....能力が使えれば.....
そして、拓也にその鋭い爪が近づく。思わず私は、目を閉じた。
すると、聞こえてきたのは悲鳴でもなく、叫び声でもなかった。聞こえてきたのは、ガッキンと甲高い金属音だった。おそるおそる目を開くと、そこにはいつも自分が作る盾が現れ拓也を守っていた。
「あ、あれ?」
「サンキュー、鈴!」
自分でも何が起こったかわからないが、もしかして、と微かな願いを込めて剣をイメージする。すると剣が現れた。
やっぱり金属が生み出せる!これなら戦える!!
「はぁぁあああ!!」
剣を取り妖怪を斬りつけ、拓也の援護をする。
「一気に仕留めるよ!私に合わせて!」
「お、おう!
「行くわよ!「鈴符[
「なぁ!?」
通常の数十倍のナイフが上空に出現し、妖怪を目掛けて降り注ぐ。
「ギァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!」
「くっそ!よくもやりやがったな!!」
仕留めそこねた妖怪の一匹が襲いかかってくる。そこをカウンターで迎え撃つ。金属の棒を作り出し妖怪を打ち飛ばした。
「さっきのお返しよ!えい!!.....ってあれ!?」
私は、妖怪を吹き飛ばしてから違和感を感じた。金属の棒いつも作れる大きさの倍の大きさだったからだ。
なぜか能力が全体的に上がってる?なんでだろう?.....ってか重っ!!
手に持ってる金属の棒の重さに耐えきれなくなり、ドスンと、尻餅をついてしまった。
「やったな、鈴。」
「うん」
周りを見渡しても妖怪はいない。どうやら残りは逃げていったようだ。
「大丈夫か?」
拓也が手を差しのべてくる。私は、その手を取って立ち上がる。
「うん?どうした?」
「え!?私なんか変?」
「いや、少しニヤついてたから..............」
嘘ぉ!?私ニヤついていた!?顔よ戻れぇ戻れぇ!
「顔も赤いし本当に大丈夫か?」
「だ、大丈夫だよ!!」
「何慌ててるんだ?」
「もう、なんでもないってば!!」
「あっ、ちょっと!!待ってくれよぉ。」
この日、私に