GATE SF自衛軍彼の地にて斯く戦えり   作:炎海

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まずは第一話を。

FAとか戦術機とか出したいけどどれがいいだろ……?

それと「こんなんにわかだボケェ!!」というのがありましたら遠慮なくひっぱたいてください。覚悟はできています。



……エロスーツ出してえ。

追記 2016/08/15

指摘された誤字の修正と、一部修正を行いました。


第一章 接触編 (上)
第一話 銀座事件 接触


 その日は、よく晴れた蒸し暑い日であった。破壊の爪痕がいまだ残る20XX年の夏、しかし多くの努力と協力により人々が休日を楽しめるほどに復興した東京都中央区銀座。

 

 午前11時50分

 

 ぎらぎらと照り付ける太陽が中天に達し、その気温が最高潮に達したそのとき、「それ」は突如出現した。

 「異世界の門」(ゲート)、のちに人々からそう呼称されるその門からは、鎧の騎士に始まりオークやトロル、はては飛竜までもが出現した。

 彼らは目につくもの全ての人々、男も女も老人も子供も関係なく平等に襲った。

 道路や建物を血や屍で埋め尽くし、その山の上に旗を突き立ててこう宣言した。

 

「この地は我々が征服し、我々の領土となった」と。

 

 彼らは元の世界では頂点の存在であった。世界中余すところなく全てを征服しただ一つ君臨する帝国であった。ゆえに彼らは確信していた、この戦い、この遠征、必ずや勝利で終わるだろうと。

 そう、まさしく彼らの知る戦いでは彼らは無双であった。だが、彼らは思いもしなかった。異世界にはさらにそれを上回る戦いがあると、そして彼らの開いた先の世界は、その中でも特に恐ろしい技術を持った者たちが住む場所であるなどとも。

 

 

 

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 午前12時15分銀座

 

 突如出現した謎の集団による虐殺が行われる中、街中は阿鼻叫喚の地獄絵図となっていた。すでに非常事態警報は発令され、あたりにはサイレンが鳴り響き、電脳通信をはじめとした各種情報通信手段を通じて避難誘導が行われていた。

 各シェルターが解放され、避難民が次々になだれ込んでくる。かつてならともかく今のシェルターは大幅に改良されており、人数も大量に収容できる。しかし収容人数人数に限りはなくとも時間はそうではなく、敵が近づいて来れば閉めざるをえない。こうして締め出された避難民たちは他のシェルターを目指すか、敵に殺されるかの二択のみであった。

 警察も武装して立ち向かうが、装備はともかく避難民全員を守るには人数が少なすぎた。

 

「このっ!このっ!、ちくしょう、数が多すぎる!!」

 

 いくら技術が進歩しようともSATのような部隊ならともかく、通常の警官に支給される武器などたかが知れている。質こそ上がってはいるものの、大量の敵相手には分が悪すぎた。

 

「きゃあ!!」

「しまった!子供が逃げ遅れている!!」

 

 そうしている間にも鎧を着た敵の一人が、逃げ遅れた女の子に襲い掛かった。

 

「くそっ!その子を放せ!!」

 

 その様子を見た警官が女の子を守るために襲い掛かった敵に発砲するが、その隙に新たな敵が警官へ斬りかかる。

 警官たちが押されている理由は、何も数だけでは無い。彼らはあくまで治安維持のための訓練を受けているのであって大多数の警官、それこそSATや自衛軍上がりなどの戦闘に特化した場所での経験でもない限りは、これだけの数相手の殺し合いは慣れていないのである。おまけに桜田門より南の官庁街が壊滅し指揮系統がズタズタになった結果、効果的に対応できなくなっているのである。本来ならばこういう場合は義体装着者の警官へ状況に応じた戦闘用の義体OSのパッケージが送られてくるのであるがそれも望めないのだ。

 そうこうしている間にも敵の数は増え続け、避難中の市民にも被害が出始める。

 

「た、たすけてくれ……ギャアアァ!!!!!」

「いやっ!いやぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 腕を切りとばされた老人が絶叫し、逃げ遅れた女性が悲鳴を上げながら地面に叩きつけられる。すべての市民を守るには圧倒的に人数が足りない。

 

「くそっ、捌ききれない。……おい君!こっちだ!さあ早く逃げて」

「奥さん、こっちへ早く。先輩!このままじゃいずれ全滅です!」

「分かってる!!なにか策は……。ーーーー不味い!抜けられた!!」

 

 そうこうしている内に、遂に包囲を抜ける敵が現れる。彼らは後ろの逃げる市民へ斬りかかりーー。

 

「おっと、通さないよ!!」

 

 しかし、その凶刃は何者かによって阻まれた。

 その男は敵の武器を持った腕を掴むと、そのまま後ろへ回り込み腕を極めつつ首を締め上げる。そのまま相手の武器を奪うと、それを躊躇いなく首へ突き刺した。義体化していない人間の体は脆い、首からおびただしい量の血をだしながら敵はピクリとも動かなくなった。

 

「……ふう、危なかった。大丈夫っすか?」

「え、ええ……。ありがとうございます」

 

 目の前で起こった光景に怯えつつも礼を述べ去って行く市民と、それを見守りながら警官の方へ向かってくる男性。

 

「あなたは一体?」

 

 明らかに只の市民ではない。あの躊躇のなさからみて少なくとも殺し合いに関わっている人間。しかし、男性の格好はショルダーバッグに短パンTシャツと、明らかにその辺にいそうな一般人であった。

 

「俺……自分はこういうものです」

 

 そう言って彼が提示した身分証には『陸上自衛軍伊丹耀司三等陸尉』と書かれていた。

 

 思わず敬礼する警官に、あまりかしこまられても困ると彼はそれをいさめる。

 

「たまたまこの近くを通ったので、手助けが必要かなと思いまして」

「それはありがたい。ですが、原隊に戻らなくてもよいので?」

 

 警官の疑問はもっともである。この場合はそれが基本的な対処である。

 

「事態が発生したときにこの近くにいたのと、避難の誘導を手伝っていたらここが見えたので」

 

 その言葉に警官は心底感謝した。この状況だ、人手は多い方が助かるのだ。

 

「それはありがたい。申し訳ないが手伝ってもらえると助かる。避難誘導だけでも感謝する」

「いえ、こんな状況ですから、それよりも……」

 

 そういって伊丹が次の言葉を出そうとした瞬間であった。倒れていた別の敵が起き上がり、伊丹に向かって突撃してきたのだ。

 倒したはずの敵からの突然の奇襲、警官も伊丹もとっさのことに対処できなかった。そのまま敵の握った剣が彼の腹に突き立てられる。致命傷だ、そう敵は確信した。

 

 

 

「痛っーーっ!!あっーーーーぶねえなこの野郎!!」

 

 

 

 しかしその腹からは血は出ず、代わりに鋭い蹴りがくりだされた。

 

「§♀¥*●◆▼¥∃▲□※@∞×ーーーー!!」

 

 理解不能なものを見たように喚き散らす敵。無理もないだろう、今まさに致命傷を与えたはずの人間が平然と立って蹴りを繰り出すのだから。

 

「だ、大丈夫ですか?」

「ええ、問題はないっす。……くそっ『目標の活動停止まで警戒しろ』、アホみたいに叩き込まれてたのに……」

 

 そう言いながら伊丹は剣で敵の胸と頭蓋を破壊する。その姿は面倒なものを始末するそれであった。

 

「脳も胸部も異質なものは見当たらない。やっぱ生身の人間ってことでいいのかな?」

 

 警官がその慣れたを越えて異常すら感じる様子に吐き気をこらえる。無理もない、目の前でいきなり死体を解体し始める様子など平時ではまず見ないのだから。

 目の前で繰り出される光景から目をそらしながら、警官は伊丹に疑問を投げかける。

 

「もしかして……義体ですか?」

「ん?……ああこれか、まあそんなもんです。今時めずらしくもないでしょ?」

 

 『義体』。義足や義手の延長線上のものであり、いわゆるサイボーグのようなものである。人工臓器や義肢技術の発達により、この時代では一般にも普及しているのてある。しかしそれは自身を機械に置き換えるということでもあり、腹部のような部分まで義体化しているとなると相当なものである。

 

 しかし、それを伊丹はさらりと回答した。その事に警官は驚くが、今はそんなことを考えている暇ではないと思考を正す。まずはこの状況を好転させる方法を考えなければならない。

 どうやらその事は伊丹の方でも考えがあったらしく、彼の方からその話をふってきた。

 

「ところで逃げ遅れた人たちなんですけど、彼らを皇居まで誘導するよう伝えてください」

「皇居に……ですか?」

 

 提案を受けた警官は怪訝な顔をする。一般の警官にとって皇居とは、天皇陛下とかそういう方々が暮らしてるというくらいしかイメージがないのである。しかし伊丹はその理由を説明する。

 

「皇居っていうのは元々江戸城で、古くとも立派な軍事施設なんだ。敵は爆発や魔法のような破壊力のあるものは使わずに剣や槍、弓矢なんかを使ってきた。そのレベルの軍事力なら守り切れる。それに半蔵門から西へ人々を逃がせば篭城の必要もない。なにより今の皇居は改修されて防衛設備も整っている」

  

 彼は少しの間逡巡していたが……。

 

「わかりました。本部に意見具申します」

 

 そういうと、電脳通信で連絡を取り始めた。

 その様子を見ると伊丹は、他の警官や民間人にも誘導の協力を仰ぐため行動を開始した。

 

 

 すべては同人誌即売会を守るために。

 

 

 

 

 

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「ここは一体何なのだ……」

 

 それが異世界侵攻軍総指揮官である将軍の、この地に対する感想であった。

 かれは長年帝国に仕えた軍人であった。代々優秀な武官を輩出してきた家の出であり、彼自身もその卓越した指揮と人望により出世してきた。幾度となく異民族や周辺諸国への遠征を任され、そのたびに莫大な戦果を挙げて帰ってきた歴戦の猛者である。それゆえに、彼は各地で様々な文化や建造物を目にしてきたのである。

 だが、その彼をしてもこの世界の文明は明らかに様子が違った。 

 門をくぐって目にしたものは、天をも突こうかというほどの摩天楼、見たこともない建築材や宙に浮いて光り輝く大量の異界の文字であった。

 

「これほどの文明、技術を持った国がこの世に存在するとは」

 

 帝国を超えた技術を持つ文明は少なくはない。精霊術に秀でたエルフや優れた建築・鍛造を行うドワーフがその例である。しかし……。

 

「事前の調べではここの住民は軟弱で怯懦と聞いていたが、これでは考えを改めねばならぬかもしれぬな」

「しかし、今に至るまで反抗の様子がほとんどありません。ここは一気に攻め滅ぼすのも手では?」

 

 そう具申するのは将軍の副官。彼もまた長年の部下であり、意見に反して不安をぬぐい切れていなかった。

 

「おまえも考えているのではないか?何かがおかしいと。これだけの文明や技術を持ちながらなぜ反抗してこない?かつて征服した非力な種族も手痛い切り札を残していた。奴らも同じかもしれん」

 

 そう考えると将軍は、部隊に警戒を緩めないように伝える。

 

「全軍警戒を厳重にせよ!!一人残らず降伏させるまで気を抜くな!!慎重に進め!!」

 

 だが全部隊に進軍を通達したその直後、逃げた住民の追撃部隊がいる方向で轟音が鳴り響いた。

 

「はじまったか……、全軍陣形を崩すな!!たとえ未知の軍隊であろうとも、冷静に対処すれば恐れるものではない!!」

 

 そして将軍は進軍を再開した、その先の揺るぎないはずの勝利を信じて。

 

 

 

 

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 皇居桜田門前

 

「押さないで!誘導に従ってください!」

 

 皇居への避難誘導を開始した当初、皇居警察が内部への避難を渋っていたが『偉いお方』の鶴の一声で避難が可能になった後。

 警視庁からの通信を受け、皇居前にはSATや特別警備隊などをはじめとした警察各部隊が集結し始めていた。

 

 

「伊丹三尉、住民の四分の三の半蔵門からの脱出が完了しました」

「わかった。それと、どこが一番だ?」

 

 伊丹が警官に訪ねているのは、自衛軍の応援部隊のことである。

 

「もっとも近いのは市ヶ谷から五機、練馬から一連隊です」

 

 そうしている内にも敵はすぐ近くまで侵攻してくる。

 警察側の配置が整う。暴徒鎮圧用の完全装備で武装した各部隊が陣形を整える。前列に義体使用者や強化外骨格を装備した部隊、後方には狙撃や支援の部隊が配置される。

 

 

 『二重橋の戦い』『銀座防衛戦』。後にそう呼ばれる戦いが、今始まろうとしていた。

 

 




用語解説

『強化外骨格』
人工筋肉や電動アクチュエーター等を用いて作られた、いわゆる『強化服』。その意味は広く、戦闘用の全身装甲型のものに始まり、極地作業用や一般家庭用など様々なものが存在する。明確な工業規格は存在しないが、一般的に『人間の動作を補助するもの』『パワードアシスト等の動作の強化拡張』が特徴として挙げられる。
(元ネタ:多すぎて不明)

『シェルター』
過去の核事件以降、日本各地に設置された対災害施設。強固な防壁と大規模な人数の収容、最大人数で一か月もつ物資の備蓄を持つ。欠点は奇襲等への即応性に欠けること。
(元ネタ:オリジナル)




うーん、なんかレイバーとか戦術機みたいなのを入れたいがどれにすりゃいいか。さすがにこれを全部ぶっこんだら世界観が破綻するし。後付けねつ造設定を入れてもいいが元ネタファンの人怒るだろうなぁ。

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