Fate/Grand Order 〜Also sprach Zarathustra〜   作:ソナ刹那@大学生

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本編を期待した方にはすみません。この先の展開を色々考えていたら詰まってしまったので。
頭にあったFateのSSのネタをちょろっと。
よくある「オリ鯖でオリ聖杯戦争」です。その各鯖の召喚シーンだけ書きました。
あくまで息抜きに書いたので、続きを書く予定はありませんというかいつ書けるんだよ。



番外
番外編という名の小ネタ出し


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【キャスター陣営】

 

 

「………汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」

 

男は唱える。床に描いた魔法陣に手を向けて。

 

そして魔力は弾ける。形を成し、人の姿を模って具現する。

 

「………」

 

男はただ視線を向ける。従者として呼んだにしても、英霊というのは一筋縄で行くようなものではない。だからこそ警戒する。もしも、に備え。

 

だが、呼び出された者はこちらに気づく素ぶりはなく、ゆっくり歩き、ゆっくりソファに腰掛け、ゆっくりと手に持った書物を開いた。

 

「………おい!」

 

その自然な動きに思わず男は声を上げる。その声に僅かだが反応する。

 

「……貴様は何者だ?」

 

その問いに彼の者は本を閉じる。

 

「私か?私はキャスターとして呼ばれた者だ。真名は---」

 

男にはその名に覚えがなかった。

 

「それもそうだろう。なんせ私は英雄なんて柄じゃない。極々一般人だ。名声など欠片もない」

「じゃあなぜ…」

「座というやつのくだらんジョークか何かではないか?何より私自身が最も驚いている。現代には、簡単に物事を調べられる手段があるのだろう?私の名で調べてみるといい」

 

男は携帯端末を取り出す。指を動かし真相を調べる。

 

「………もしかして貴様!」

「あぁその通りだ。言っただろう?私は英雄でもなんでもないと。…人が定めた最大の罪。それを形象するがために型に嵌められた憐れな悪魔たち。私がそれの先駆者だ」

 

英霊は立ち上がり、こちらを見つめる。

 

「私はただの凡人だ。武勇に長けたわけでもなく、多くの人間から支持を受けたわけでもない。だが、いくら劣化品とは言えど、私が使役するそいつらはどれも傑作揃いだ。案ずるな主よ。私自身は役に立たずとも、そいつらは何かしら役に立つだろう。貴方は8体のサーヴァントを呼び出したとも言えるのだから」

 

そして男の目を深い眼差しが射抜く。

 

「幸い貴方は聡明のようだ。精々、上手く使い熟すがよろしい」

 

その笑みはまさに悪魔じみていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ランサー陣営】

 

 

「………汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

青年は唱える。床に描いた魔法陣に手を向けて。

 

そして魔力は弾ける。形を成し、人の姿を模って具現する。

 

「……貴殿が我が遣える主君であるか?」

「……………驚いた」

 

厳かな言葉を綴るのは、自分と然程変わらない背丈の女性だった。

 

「君が---で間違いないか?」

「如何にも。我が名は---。此度ランサーのクラスで顕現した。やはり貴殿が主君で間違いないようだ」

 

現れた女性は跪いた。

 

「この槍この身この心、主君への揺らぎなき忠誠を誓う」

「ありがとう。…でも君は」

「言う必要はありません。既にこの全てはあの方に捧げています。それは変わりません。しかし、こうして呼ばれた以上、此度は貴殿に今持てる全てを捧ぐのが英霊としての姿。どうか心配無きよう」

「…さすがは忠義で名高いだけはあるね」

 

青年は手を伸ばす。

 

「よろしく頼むよ、ランサー」

「はい。お任せを」

 

その手を彼女は強く握り返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【アサシン陣営】

 

 

「………汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」

 

女性は唱える。床に描いた魔法陣に手を向けて。

 

そして魔力は弾ける。形を成し、人の姿を模って具現する。

 

「…あなたがアサシン?」

「はい、いかにもワタシがアサシン。他にワタシが何のクラスとして呼ばれるというでしょうか?剣も弓も槍も馬でも名を馳せた覚えはないですし、魔術のような摩訶不思議にも手を出した覚えもないです。確かに?やれと言われれば、そこそこは出来るほどの才能はあるでしょうし、ワタシの業は魔法のようだと言われたこともあったでしょう。側から見れば狂人と言われても無理はないと自覚しております」

 

淡々と飄々と喋る。

 

「なのでワタシはアサシン。自分の今までを鑑みればアサシンが妥当でしょう。しかし麗しきマスター?ワタシは自らの信念として殺傷は好みません。我ながら何故アサシンなのが疑問に思いますが」

「知っているわ。あなたの美徳はある程度」

「おや、それなら話が早くて助かります。ワタシはあくまで盗む者。なんであろうとお望みならば如何なる物も盗ってみせましょう。それはもう優雅に無駄なく恍惚としてしまうように。本来ならば命の盗人は専門外ですが、今回の狩場は戦争。そのような綺麗事を言ってもいられませんのでね。必要とあらば盗ってあげましょう。そう、例え命でもね?」

 

被ったシルクハットを取り紳士のように深々とお辞儀をする。

 

「改めて名乗りましょう。ワタシはアサシン、名は---。アナタの命に従い今回の獲物は聖杯。故に、盗んでみせましょう、アナタに勝利を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【アーチャー陣営】

 

 

「………汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」

 

初老は唱える。床に描いた魔法陣に手を向けて。

 

そして魔力は弾ける。形を成し、人の姿を模って具現する。

 

「…アンタがマスター、でいいのか?」

「そうとも。自分が其方のマスターである」

「そうかい。んじゃよろしくなマスター。オレはアーチャーの---。別に然程有名なもんじゃねぇし、ぶっちゃけオレの力ってのも中々の曲者だ。上手く使ってくれよな?」

「何を言うか。其方と言えば魔弾で名を馳せる狩人であろう?何をそんなに謙遜する」

「おいおい、それはオレなんかの実力じゃねぇぜ?契約相手がまさに悪魔、バケモンのおかげだろうが。そりゃあ多少は腕に自信があるが、あくまで魔弾ってのは仮初めの借り物だよ」

「あぁそうだな。だからこそ、今回の聖杯戦争にて其方を真の英雄にしてみせようぞ」

「おぉおぉ言うじゃんかオッサン。そこまで言われちゃあ手を貸すしかないな。んじゃ仲良くやろうやマスター」

 

マスケット銃を携えて、英霊はフランクに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ライダー陣営】

 

 

「………汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

青年は唱える。床に描いた魔法陣に手を向けて。

 

そして魔力は弾ける。形を成し、人の姿を模って具現する。

 

「お前がライダーで間違いないな!」

「………あぁ」

 

静かに一言肯定する。

 

「真名は?」

「………---」

 

一言名を告げる。

 

「ならいい!さっそくだがライダー、僕らの狙いは…」

「………探し物をしている」

「…あ?」

「………ある物を探している」

 

感情のない声でそう繰り返す。

 

「………従者は目的がある。契約者にも目的がある。それが一致している間、従者は契約者に手を貸す」

「あ、あぁ…」

 

青年はその静寂な雰囲気に圧倒される。

 

「………その目的が違い、契約者が従者の目的を阻害するようであれば、従者は契約者の死の預言を従者の執行のもと真実とする。………忘れるな」

 

黒き甲冑に身を包んだそれは、ただただ静かに告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【セイバー陣営】

 

 

「………汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」

 

少女は唱える。床に描いた魔法陣に手を向けて。

 

そして魔力は弾ける。形を成し、人の姿を模って具現する。

 

「……ん?」

 

現れたのは、自分より背丈の低い小柄な少年。

 

「…あぁそうか、呼ばれたわけだな。…ならば応えようか。我は---、セイバーとして参上した。本来、誰かに遣えるような身ではないが、今回は例外だ。我が卿を見定めよう。我が武勇に相応しき様を見せよ、我を呼び出した者として恥のないようにな」

 

高圧的にかつ親しみ持って彼は接する。

 

「うん!よろしくお願いします!」

 

少女はその大声で答える。

 

「しかし、この倭の国で我を呼ぶとはなんと運の良いことか。おかげで我が全力を出すことが出来そうだ」

 

その顔は嬉々としている。

 

「卿、覚悟しろよ?この地で戦う以上、護国の英雄として情け無い様は見せられない。気張ってみせろ」

 

その言葉に少女は不安と同時に、それ以上の興奮に身を震わせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【バーサーカー陣営】

 

 

「………汝三大の言霊を纏う七天……抑止の輪より来たれ……天秤の守り手よ……っ!」

 

少年は唱える。床に描いた魔法陣に手を向けて。

 

そして魔力は弾ける。形を成し、人の姿を模って具現する。

 

「………貴方が私を呼んだの?」

「あ、あぁ。俺があんたを呼んだんだ」

「そう」

 

なんとも言えない存在感。ただただ圧倒される。

 

「私は貴方の母。貴方は私の子供…つまり息子ということね?」

「え、あ…え?」

 

唐突な言葉に困惑を隠せない。

 

「不思議?ふふ、だって私は全ての人間の母ですもの。私が始まり、私が原初。ならば私は全ての人間の母でしょう」

 

その理屈はよく分からない。だから突然手を握られて少年は動揺する。

 

「さぁ息子、一緒に全てを愛しに行きましょう!安心してください、なぜなら全てが私の子供なのだから!」

「ちょ、ちょっと!?」

 

そして少年は、バーサーカー、---に手を引かれ為すがままに街へ出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---今、聖杯をかけた戦争が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





真名は各自で予想してみてください。結構ヒントは出てるので、然程難しくないと思います。なお、各鯖は自分がその伝記等から想像した完全オリジナルなので、「こんなことwikiに乗ってないぞ?」ってことがあるかもしれませんが、あくまでキャラ付けの範疇ですのでご了承ください。
真名については次の投稿ぐらいになるかと。

あと近々定期テストがあります。言わずもがなですが、基本9月末ぐらいまでは、更新されない方向でご理解ください。

加えて活動報告で、SS作家という点について述べさせてもらったので、そちらにも暇でしたら目を通してみてください。

以降もよろしくお願いしますm(_ _)m

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