81階
扉を開けると照明がないのかかなり暗い部屋が現れる
一応代表者と最初に顔合わせしてから何かしらのバトルが始まるので奇襲の心配こそないが今までの階と全く違う雰囲気に理子達との会話で緩んだ気が引き締まる
八幡「出てきてくんねーか」
???「ようやくきたか」
八幡「ん」
この気配...同業者か
八幡「あんたが相手か?」
カイザー「私はあんたという名前ではない。カイザーだ」
八幡「...誰?」
カイザー「...リバティーメイソンのカイザーだ」
八幡「知ってると思うが藍幇の諸葛八だ」
一応初対面だし自己紹介してきたのでこちらも自己紹介する
お互い裏の人間のため名前を明かすことは御法度なのだが、そもそもこのイベントが藍幇の力の誇示も含まれているため気にしない
八幡「で、勝負方法はなんだ?」
カイザー「東洋の死神と言われる男と一度手合わせしてみたいと思っていたのだ。先にこのナイフを当てた方の勝ちでいいか」
そういうと短刀をこちらに投げ渡す
刃の代わりに塗料が付着している
カイザー「このペイントが体に付着した方の負けだ」
八幡「体のどこまでが有効なんだ?」
カイザー「急所のみだ」
八幡「...上等」
入った時に扉を閉めてあるため部屋は暗く、会話中にある程度部屋の構造や相手の位置を掴んだ
両者が気配を消しながら相手の気配を探す
八幡「!?」
気配が不意に大きくなり反射的に状態を反らす
スッ
鋭い刃物が俺の頸動脈のあった位置を通り過ぎ弧のような動きでUターンしていく
カイザー「ッ!」
同時に投げていた極細ワイヤーでカイザーの体制を崩させたせいでUターンしてきた刃物をキャッチし損ねる
強化ガラス製のブーメランか...って殺す気かよ
暗闇のせいで 相手の攻撃か見えないが近づけばさすがにわかる
ふっ
カン!カン!カン!
麻酔針が三本飛んできたのをナイフで弾きその場所に翔ける
プシュッ!
これは俺の射撃
本人に当たらないかどうかの地点に牽制で銃を撃つ
サプレッサーをつけているため大きな音はしないがこの空間では存在感がある
接近しナイフで互いに攻撃しあうが当たらない
紙一重で回避しながら攻撃が続く
...このままやってたららちがあかねーな
空中にナイフを置くようにして手を放す
その動きが予想外だったのか思わずナイフに目がいった瞬間
パァーーーン!!!
─────猫騙し
ただの猫騙し、ただし神経が一番活性化している時に使うとそれだけで体が麻痺する感覚に陥る
相手の顔が見える状態だと見える神経の波
一番振り幅が大きくなった時が一番活性化して反応が早く、振り幅の間に起こる”間”が一番反応が遅くステルスが効きやすい
見事に決まった猫騙しはカイザーを気絶へと連れていった。万が一気絶していなかったとしても体が痺れて動かないだろう
カイザーの手を離れたナイフと俺のナイフの二本を拾い俺のナイフを投げて心臓に当てる
八幡「俺の勝ちだな」
カイザーを無視して上の階へ
─────────────────
82階
八幡「今度はお前か」
ヒルダ「お前とは失礼な奴ね。この私がこんな夜早くに来てやっているのよ」
八幡「...これって本人の希望せいだろ」
ヒルダ「ええそうよ。諸葛八、お前はお父様の仇。遠山キンジと峰理子、神崎アリアを殺る前に奴隷にでもしてあげるわ」
八幡「なぜ上から目線なんだ、それにブラドより弱いお前が俺に勝てるとでも?」
ヒルダ「普通にやったらそうかもしれないわね。でも今日はどんな勝負でもいいのよ。そう!この東方萃夢想でもね!」
八幡「まさかのゲームかよ」
ヒルダ「このゲームで貴様が負けたらディナー会場で犬のように這いつくばって食べてもらうわ...お父様が貴様に負けて以来始めた東方萃夢想で貴様を倒すわ」
八幡(なんかおかしくなった?)
普通いくら実力で劣っているからといって格ゲーで挑んでくるだろうか?
まぁ俺に勝つという意味ではどんなゲームできてもいいんだけどな、というかガチバトルの方がこのイベントでは少ない
八幡「ヒルダ、お前東方なんて知ってたのか」
ヒルダ「ええ、東京のアキバはいいわね。理子が気に入るのも無理はないわ」
八幡「えっ原因理子?お前らって仲わるくなかった?」
ヒルダ「仲が悪いなんてそんなことないわ。あの子は私の奴隷、奴隷のわずかな趣味を共感してあげられるのは主人の私だけ」
八幡「今は理子いないのにか?」
というか理子が奴隷って今はもう違う...だろ?
ヒルダ「来たるバンティーレで理子は私の元に戻ってくるわ、必ずね」
八幡「...まぁ今その話はいいか。キャラはどうするんだ」
ヒルダ「好きなのを選びなさい。私のはすでにきまっているわ。レミリア・スカーレット、同じ吸血鬼として選ばないわけがないわ」
八幡「あーそういえばキャラがかぶっている気がしなくもないな」
ヒルダ「そうね、吸血鬼としての気高さとかカリスマとか」
八幡「負けたらうー☆うー☆いうところとかな」
ヒルダ「私はそのようなこと言うはずがないでしょ!それにそれは下卑た人間の二次設定でしょう。画面の前でゲラゲラ笑っている罪袋と兎を思い出してしまうわ」
八幡「......結構やりこんでるんだな」
ヒルダ「!違うわよ、これは...そうあれよ。理子の趣味をより理解するために仕方なくよ」
八幡「へーそーなのかー」
ヒルダ「くっ、そこまで私をコケにするからにはそれ相応の対価があるということを思い知らせてあげるわ」
八幡「おー怖い怖い」
散々おちょくった後キャラ選択をする
やっぱり咲夜かな。
従者に負ける主人、ヒルダと理子の関係と似ている状況だ。来たるバンティーレで理子に勝利が来るように験を担ぐ意味を込めて勝つか
ヒルダ「あら咲夜にしたの」
八幡「まぁな」
ヒルダ「そう...まぁいいわ、始めるわよ」
十六夜咲夜
スペルカード
壱符『殺人ドール』
弐符『咲夜の世界』
レミリア・スカーレット
スペルカード
壱符『不夜城レッド』
弐符『スピア・ザ・グングニル』
─────試合開始
同時に後ろに下がり弾幕で相手を牽制
こちらの方が弾幕は早い
逆に高速で射撃、打撃ともに高性能だが癖のあるレミリアは的確にガード、グレイズしながら間合いを取る
レミリアが的確にコンボを決めては咲夜が弾幕で三次元的な攻撃を行う
時間差攻撃でガードを固めたところをダッシュ攻撃で転倒を狙うがレミリア独特の回避で躱され逆にスライディング攻撃を仕掛けてくる
そんな繰り返しでお互い体力が半分を切った
八幡「いうだけの実力はあるな」
ヒルダ「貴様こそその動き慣れているわね」
八幡「これでも格ゲーはそれなりにしてるもんでな...ネット対戦だが」
ヒルダ「そう、でもここまでね」
スペルカード『不夜城レッド』
八幡「そう簡単にやられるかよ」
スペルカード『殺人ドール』
どちらもスペルカード宣言を行い隙を作ろうと攻撃パターンがより多彩により早い速度になる
焦って咲夜のスペルカードを発動するがグレイズされるだけで接近する隙を作ってしまう
それならばと再度発動し距離をとろうとするがその対応に慣れているのか全て躱す
八幡「げ」
浮力ゲージがなくなりスペルが使えなくなり隙ができた咲夜にレミリアのコンボが入る
最後に不夜城レッドを決められて負けた
だか基本格ゲーは二本先取だ
八幡「少し油断したわ」
ヒルダ「ふん、そのまま這いつくばっていなさい。あなたにはお似合いだわ」
八幡「そうかよ」
二戦目
一戦目とうって変わって打撃技をメインにし、時間差弾幕、反射弾幕などでコンボを決める
レミリアは空中ダッシュなどでかわすが霊力を回復する隙に大技でガードを崩し体力に差をつける
その後しばらくの攻防でこちらの体力は2/3、相手は半分をきった
スペルカード『不夜城レッド』
ダメージを多く受けて符力のたまったレミリアが再度スペルカードを発動
性質上密接していないと使えないので弾幕で距離をとるが、急降下技で接近を許しガードをとらざるをえない
あえてガードを崩し向こうがスペルを使おうとした瞬間霊撃で迎撃。そして
スペルカード『咲夜の世界』
ダウン中にスペルを発動。お互いスペル宣言による体力回復があったので削りきることはできないだろうが差を広げることはできるだろう
時間停止した世界で咲夜だけが自由に動ける
ナイフを大量に設置し、時間停止が終了したと同時にガード上からダッシュ攻撃
ガードブレイクと同時に再度スペルを使用
レミリアの体力がなくなりこれで一勝一敗
ヒルダ「次で終わりね」
八幡「もうお前の行動パターンは読めた」
ヒルダ「それ知ってるわ、フラグっていうんでしょう。つまりフラグのたった貴方の負けは必至」
八幡「ヒルダ...変わったな」
気高き貴族からアニメ好きの貴族になった。まぁこういう気の強い女が可愛い人形に惹かれやすい事象もあるからな。珍しいことではない...のか?
三戦目
スペルカード『作者の世界』
結果は俺の勝ち
途中まで良かったんだか俺の作った隙にスペル使用したんだがタメが普通より大きいのでその隙に逆にスペルで崩して後はコンボ
ヒルダ「くっこれでもダメだというの」
八幡「これでもって...」
ヒルダ「覚えていなさい、次こそは血を全部吸って剥製にしてあげるから」
八幡「いや覚えてたくねーから」
ヒルダ「次はどうしようかしら...チェス?引き分けが有り得るからそれはないわね。だとしたら...」ボソボソ
八幡「それじゃぁな」
なんか後ろでボソボソ言っていたが聞かないでおこう
───────────────
83階
八幡「ようやくというかなんというか、かなりしんどいなこれ」
朝からぶっ通しで動いているのだ。集中が切れたらその時点でステルスが弱くなり見つかる危険性が増す
それに代表との多種多様な決闘が俺の集中を乱してくる
時刻は22時を回り睡魔も襲ってくる頃だ
八幡「次の相手はっと」
できる限り気持ちを立て直し扉を開ける
其処には卓球台やビリヤード、ダーツなど温泉施設にありそうなものが並んでいた
そして一つの卓球台にだけスポットライトが当たり、相手の顔がうつる
八幡「カナ?」
カナ「ええ、久しぶりね」
八幡「怪我の方はいいのか?」
イ・ウーでの決戦でキンジとともにイ・ウーのトップ────シャーロック・ホームズと戦い瀕死の状態になったと聞いた
イ・ウー崩壊後、スパイ衛星から甲板での戦いを見たが、銃弾を銃弾で弾き、さらにそれを銃弾で弾きそれをさらに銃弾で弾き...
まぁそんな人外な奴だ。生死に関わる傷ぐらいどうとでもなるか...キンジはまだ入院中だけどな
カナ「ええ、すっかりよくなったわ」
八幡「そうか」
カナ「その辺のことは後で話しましょう。まずは決着をつけないとね」
八幡「この感じからして」
カナ「ええ、武偵卓球よ」
武偵卓球
それはイ・ウーで大ブームとなった変則卓球だ
基本的なルールは同じだがそれとは別に軌道変更などの超能力から視覚妨害など小道具までなんでも使用可能な実戦的ルールなのだ
ちなみに俺とカナの対戦成績は29勝28敗と勝ち越している。まぁ卓球は中国で最も盛んなスポーツの一つだからな。藍幇でも散々やらされた
カナ「ルールはいつも通り1セット11ポイント先取。ラケットは同じで」
八幡「構わん」
カナ「そういえば八幡はここしばらく卓球をしてないみたいね」
八幡「ん?ああ、やる相手もいないしな」
というか武偵卓球なんてイ・ウー以外でやってるのを見たことがないんだが
カナ「今回は私のサーブからね」
八幡「こっちはいいぞ」
黒いロングコートを脱ぎ防弾シャツの袖をまくり身軽な服装にする。もちろん小道具はベルトや足などいろんなところに隠してあるが
カナ「じゃあいくわ」
カン!
ノーモーションでのサーブ。ボールはおろかラケットさえもはっきりと確認することができないくらいの速さでロングサーブを打ってくる
その名も【不可視の白球】
不可視の銃弾を卓球に応用した技でサーブだけでなくドライブにも使われる。音しか聞こえず気づいたら後ろにボールがある状態になる
一方の俺は相手の波長からサーブのタイミング、コースを予測しラケットを添える
台に対して少しだけ寝かすようにラケットをおけば後はボールの力だけで相手コートまでかえる。要は当ててるだけだ
相手の逆サイドをついたレシーブはバックハンドで返されラリーが始まる
カナはドライブで攻め俺はブロックで球を抑えながらコースを狙う
だがカナのドライブの回転の強弱に合わせるのを失敗しネット、オーバーと2ポイント先取される
2-0
サーブ権が交代し俺のサーブ
俺の得意サーブは下回転サーブ。一番基本のサーブでありながら回転のかけ方は千差万別で同じフォームから様々なコースや球種変更ができる
トスを天井ギリギリまで上げ落下してきた力をラケットのラバーに沈め
ギュルン
普通なら絶対にしないような音を出しながら相手のフォア前ギリギリに出す
相手のコートにボールが落ち───バウンドせずにこちらに戻ってくる。まぁネットにかかるが
その名も【零式】
テーブルではない方の王子様が出る中学の部長の技だ。理子から借りて読んでみて卓球でもできるだろと思って練習したらできた
ただし肘をすごく痛めるらしく実際に打てるのは2球が限界だ
カナ「早速それを使ってくるなんてね」
八幡「さすがに序盤とはいえ大きな差をつけられたくないからな」
2-2
カナにサーブが戻り先ほどと同じパターンが続く。ただ、コースで揺さぶるなどで点を取ることができた
3-3
俺のサーブ。零式はもう打てないので普通のサーブを出してラリー勝負に持っていく
5-3
カナのサーブ。リターンエースを狙い盛大に空ぶった
6-4
そこからは同じようにラリーで勝負となりお互いに技をぶつけあった。どちらも超能力者ではないからそこまで人外な戦いには見えないだろう。実際のボールの速さは一般人には見ることもできないくらいの速さだが
9-9
八幡「ここからが本番だな」
カナ「八幡が全然仕掛けてこないからどうしたのかなって思ってたけど、そもそもバトルロワイヤルみたいなものだから小道具も底が尽きかけてきたのね」
八幡「さぁどうだろうな」
そんなことないぞ、という雰囲気は出しておくが実のところ切れるカードは少ない。おそらく上には曹操らや孫、諸葛などもいるだろうし孫に関しては確実に殺し合いになりそうだから弾も温存しておかないとヤバイ
とは言ってもここで負けては元も子もないのでリーチを先にかけるために一手うつことにする
カナ「八幡のサーブよ」
サーブは特に変わったことをせず横下回転をバックミドルに出す
カナも不可視の白球を乱発するわけではない
コースや回転で攻めてくることもある
今回は突っつきでさらに下回転を強めてレシーブを返してきた
ボールはフォアハンドに返ってくる
決めれるものなら決めてみなさいと言わんばかりの絶好のボール
罠の可能性もあるが打つ方がいいだろう
そう思いドライブをストレートに返す
カナ「くっ」
オーバーになるかどうかのボールはエッジに当たりカナのラケットの下を通りすぎていく
その名も【わざとじゃないんです、すみません】だ
いや、わざというほどのものでもないんだけどね。俺の眼で見ればエッジを狙うことも容易い。まぁスポーツマンシップ的にみんなやらないんだけどね
それでも負けるよりはマシだろう。とりあえず軽く手を挙げて謝っておくかって
なんでボールが返ってきてんの?
そんな疑問が浮かぶと同時にボールは俺の後ろに飛んでいく
八幡「は?」
カナ「何が起きたか理解できないって顔ね」
確かにカナのラケットは空振りしボールはカナの背後にいったはずだ...背後?
カナ「貴方とやるときに使ったのは初めてかしら【スコルピオ】普段は髪の毛に収納しているのよ」
八幡「そういえばそんなのあったな」
カナと戦ったことはあまりないからすっかり忘れていた。不可視の銃弾ともう一つの武器がこれだ
カナ「まぁエッジを狙った罰とでもおもっておきなさい」
ばれてましたか
八幡「ふん」
10-9
こうなったら小細工しまくってやる!
トスを高く上げロングサーブをだす
不可視の白球で返ってきたボールを手に持っていた4球と同時に返す
小学生がよくやる分身の球、とは違う。イ・ウーの特別ルールで球が増えたら全部打たないと負けになる。もちろん自分のコートにボールが入っている状態の時しか増やせないし変に増やしすぎてミスする奴もいる
カナが全部の球を打つ瞬間
球の一つから閃光が走る
トラップボールは打たなくていいので4球返せばいいのだが大抵ミスる
が、そこはカナ。しっかりとボールは返してくる。ただ視界を奪われたのか目線が定まっていない
帰ってきた4球を打った瞬間一つが爆発しラケットが吹き飛ぶ
八幡「え?」
理解できない俺の目の前にボールが一球落ちてきた
八幡「...マジか」
ネタはわかった
至極単純、4球のうち一球を高く打ち上げ新たに追加した一球を混ぜて返してきただけだ
それを俺は何の警戒もせず打ったというわけだ。こちらの先制攻撃が決まったという油断もあるだろうがそれ以上に...
八幡「条理予知か」
カナ「ええ、まだ未完成だけどね」
条理予知
シャーロック・ホームズが持っていた能力
完璧な推理は未来予知にもなりうるらしく、その人物について情報があれば行動パターンからその人物に起こる出来事などをもわかるらしい
俺の無影を使っても今までの人生から攻撃パターンを予測されているためあまり効果がないというほど恐ろしい能力なのだ
あえて弱点をあげるとするならば、推理する興味さえ持たれず全くの初対面での不意打ちや推理を超える成長を戦いの間にするかぐらいか。キンジは例外らしくどんなに推理しても確実な未来予知にならないらしい。何それチート?
八幡「この結果は見えていたのか?」
カナ「そうね、私の推理の中で最も可能性の高い結果よ。二番目は貴方が序盤からリードして逃げ切るだったけど」
八幡「マジで」
カナ「まぁその場合でも上の階で誰かにまけていたけれどね。さすがにそこまで推理できないわ、まだだけどね」
八幡「結構習得してんだな」
カナ「彼を捕まえるにはまず同じ土俵に立たないといけないからね」
八幡「本気で逮捕する気か?それにあいつがまだ生きてるとは限らんだろ。聞いた話だど緋弾の継承とともに寿命が来たとか」
カナ「でも誰も彼の死を見ていない。そもそも今まで生き続けてきた人間が簡単に死ぬと思う?」
八幡「まぁ思わないだろうな」
カナ「とりあえずこの話はあとね。まずは報酬を貰わないと」
八幡「後って...」
カナ「そう、報酬は八幡とディナーよ」
八幡「見た目こそ美女だが中身は男だろうに、何が楽しいんだか」ボソ
カナ「ん?」
八幡「にゃんでもないですよ」
カナ「そう、ならいいわ。さっさといきましょう。今後の話もあるしね」
八幡「はぁ」
これだったら下の階で負けて8万ドル貰って行ってもらったほうがよかった...
八幡「それで話って」
食事も終盤に入り一段落したのでこちらから切り出す
カナ「そうね、いろいろあるけどまずはバンディーレのことかしらね」
八幡「一応言っておくがどっちにつけとかそういうのはお断りだぞ」
カナ「わかってるわよ、それに私は中立でいくつもりよ。もちろん内緒よ」
八幡「内緒も何もそんな感じがしてたけどな。むしろお前がどちらかについて戦う感じがしない、両方とも犯罪者の集団だしな」
カナ「あら貴方もその一人という自覚があったのかしら」
八幡「ないほうがおかしいだろ」
実際何人殺したかわからないくらいだ。私怨で殺したことはないが藍幇転覆や政府高官暗殺を企てた者、ウルスとの抗争でも一人殺ったっけ
すでに名前を覚えていない奴もいる
自分が殺した人間の名前を忘れていることに軽い吐き気を覚えながらも会話を続ける
八幡「で、バンディーレがどうしたって?大方キンジ絡みだろうが」
カナ「あの子はまだ若すぎる。正直なところこれ以上はまだ踏み込まなくてもいいと思うわ」
八幡「そうはいってもすでに参加は決まってんだろ」
カナ「大方はね。だからこそその前にチームを組んでもらいたいのよ。あの子一人ではまだ力不足、でも神崎アリアや他のメンバーが力を合わせたら戦える」
八幡「その手伝いをしろと」
カナ「できる範囲でいいわ。各勢力がキンジを狙っている状態が続くと少しまずい未来が見えたのよ。修学旅行でキンジがチームを組んでくれたらそれは回避できる」
八幡「その未来も可能性の一つだろ?キンジが絡んだ未来に確証はないと聞いたし。まぁどこまで手伝えるかはわからん。藍幇の指示が出たらそれに従うだけだ」
カナ「...それも仕方ないことね。一応そのことも頭に入れてもらえると嬉しいわ」
八幡「ん」
カナ「あといろはちゃんだっけ?あの子アミカにしたんだ」
八幡「まぁな、流れというか押し切られたというか」
カナ「もしかして惚れた?」
八幡「バカ言うな。あれだあいつらの熱意に負けただけだ、実力は低いしまだまだ未完成のチームだ。なんなら今からでも解消するまでである」
カナ「ふふっ、捻デレごちそうさま」
八幡「何を言っている、捻くれてもデレてもいないぞ。というかその造語やめろ」
カナ「あらいいじゃない、それにこれは理子に教えてもらったのよ」
八幡「犯人理子かよ」
理子許すまじ
八幡「これからしばらくどうするんだ?」
カナ「パトラと一緒にエジプトに戻るつもりよ」
八幡「最近パトラといること多いよな」
カナ「いろいろあったのよ、最近はほとんど一緒にいるわよ」
八幡「いっそのこと結婚しちまえよ」
カナ「考えとくわ」
八幡「そこは否定しろよ」
そのあと二人で他愛もない話をし、別れたが曹操姉妹にかなり絞られた
そうしてようやく俺の最も面倒くさい1日が終わった