ぼっちな武偵   作:キリメ

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前回の本編から一ヶ月以上経過してしまいました。本当にごめんなさい。次は成人の日に何かしら投稿する予定ですのでそれで勘弁してやってください。

それはさておき、あけましておめでとうございます。今年もキリメの作品をよろしくお願いします。


21.独りの神々

四条から大宮までタクシーで移動する。大宮には嵐山まで繋ぐ路面電車、通称嵐電が走っている。平日のため一両しかないが余裕を持って椅子に座ることができた。ちなみに外装は警察車両のような感じだった。

 

ガタッゴトッとゆっくりと進んでいく。広隆寺の前をとおりすぎ、無事ジャックされることなく嵐山に到着した。まぁそう簡単にジャックされてたら問題だけどな。ねぇ?理子さんや

 

 

嵐山のホテルは基本的に一ヶ月先までは埋まっている。観光シーズンなどはもっと早くからだ。直前まで誰とどこに泊まるか決まっていなかった俺たちは本来ならホテルを取れるはずがないのである。

 

ただ今回たまたま団体客から一部屋キャンセルが出たとのことで、偶然電話を掛けた俺たちが予約できた。

 

しかし一部屋である。

四人部屋らしいがそれでも一部屋だ。

そのことを二人に言ったら

 

「別にあんたのことだし変なこともしてこないでしょ?というか一緒に寝ることも結構あるじゃない」

 

「理子もむしろ推奨だよ?」

 

ときた。

 

確かに理子もアリアもキンジの部屋に来ることはある。つまり俺の部屋でもある。

半ば呆れ半分で了承しホテルに着いたのだが...

 

「団体客が女性だけとは聞いてないぞ」

 

「まぁ言ってないからね。でも多分会わないだろうし問題ないよ」

 

「それでもだな」

 

「八幡もいつまでごねてるのよ。早くチェックインするわよ。汗かいたからシャワーも浴びておきたいし」

 

「はぁわかったよ」

 

部屋に入り一段落したところでアリアが厄介な話を始めた。そう、キンジとレキの話だ。K君やらAさんRさんとはぐらかしてこれまでの経緯を説明されていると夕食の準備ができたらしい。あまり得意な分野でもないのでそこで話を切って宴会場(小)へ向かった。

 

 

夕食

 

一人用の膳が目の前には置かれている。こうやって食べることなどほとんどないからかなり新鮮な体験だ。向こうだと円卓か長テーブルで食べてたからな。

 

メニューは刺身と小鍋、それに和サラダと冷奴。それに赤だし味噌汁とお新香。これだけ聞くと普通だが、なんと全て京都産だそうだ。宮津や丹後で取れたと言うアナゴやアジの刺身、湯葉も刺身で食べれるらしい。

 

そんな贅沢な食事が一段落するとアリアが先ほどの話をぶりかえしてきた。

 

 

「──だからあたしは転校する前に...キンジを『取り戻す』まではいけなくても、仲直りだけでもしておきたいの。」

 

「でもレキのあの様子だとけっこうきびしいんじゃないの?」

 

「それは...そもそもなんでレキはああなったわけ?最近あんたと一緒にいるところを見てないんだけど」

 

「あー、これはレキだけの問題じゃないからなんとも言えないんだがレキのバックがキンジを取ろうとしている」

 

「ヘッドハンティングってこと?」

 

「まぁそれでいい。とにかくだ、キンジを取り戻したいならレキと敵対する覚悟をもつ必要があるぞ。それ以外にも方法はあるが正直アリアにできることはない」

 

「でも」

 

「アリアは二人を選ぶならどっちを選ぶの?そこをはっきりしないと何もできないし」

 

「...わたしはレキより...キンジと」

 

「結婚したい!」

 

「「...」」

 

「...アリア、さすがにそれは直球すぎるよ」

 

「追い詰められると何を言うかわからんもんだな。それにしてもあのアリアがなー」

 

「ちょっ!今のはあたしじゃないわよ!隣の部屋からでしょ。これ以上は風穴!風あにゃ!」

 

「あはははは!あーアリアおもしろーい。テンパりすぎでしょー」

 

「うるさいうるさいうるさーい!八幡もなんか言いなさい!」

 

「とりあえず一旦静かにしたほうが良いな。あとここキンジの部屋じゃなくて旅館だから発砲禁止」

 

「うぐ。八幡のくせに...」

 

「ぼっちなくせに...」

 

「ぼっち関係ないよね?」

 

「それより隣がどんな人たちか気にならない?」

 

「確か二つ隣の大広間だったっけか」

 

「よし行くわよ」

 

「バレたらってまぁ大丈夫か」

 

 

壁に耳あり障子に目あり

 

女子会をしているとはいえ大人数の前で願望を叫んだ人物に少なからず興味を惹かれた俺たちはハロを搭載した小型ドローンで内部を撮影する。

 

同時に俺たちも気配を殺しながら隣の部屋に移動し耳をすませた

 

「いやーわかるで。女子校っていったら出会いなんて婚活ぐらいしかないもんな。わたしんとこも共学っちゃ共学やけどええ男なんておらんからなぁ」

 

「蘭さんは武偵高の先生でしたね。強くて頼りになる男性教員はいらっしゃらないのですか?」

 

「それがあんまおらんねんな。強くてもくせ癖ばっかり強くて」

 

「そういうものなんですか」

 

「平塚さんこそ普通の教員がいるんじゃないんですか」

 

「それがいつも君といると僕の方が疲れるって言われて...」

 

「あぁ、それわかります。もっと落ち着いて支えてくれる女性がいいとか言うんですよね」

 

「男運がないのか、それとも私たちが悪いのか...」

 

「いや、やっぱ舐められる方がいややわ。つまり男がもっと頑張ってもらわないとな」

 

「やっぱりそうですよねー。ほら沙保里さんも今日は飲んで飲んで!」

 

 

「「「......」」」

 

「帰るぞ」

 

「ええ、そうしましょう」

 

「そうだね」

 

あれは俺たち人間の入っていい領域じゃない。そうまるで...神々の

 

「酒が足りないな。ちょっととってくるわ」

 

ガラッ

 

「あ」

 

「げ」

 

「んぁ?」

 

「「「「......」」」」

 

「散!」

 

「くっお前ら盗み聞きしとったんか!」ガチャリ

 

「蘭豹先生、ここは発砲禁止ですよ」

 

「私がいきます」タックル

 

「おうふ」

 

理子がタックルで撃沈

 

アリアと俺は二手に分かれて逃げる。だが次の瞬間俺の目の前に織村千冬が立ち塞がる。

 

「何処へ行こうと言うんだ若造」

 

相手は対人戦のプロ。正面から相手するのは危険だ。こう言う時は一旦下が

 

「衝撃のファーストブリット!」

 

らないで飛び上がって回避

 

「昇竜拳」

 

したところを今度は前から強烈なアッパーが襲う。マッハを超えているであろう速度にバランスを崩したところに

 

「撃滅のセカンドブリッド!」

 

強烈なな腹パン

 

悶絶した俺はさっきの部屋まで連れていかれた。すでに捕まったアリアとノックダウンした理子が正座させられている。隣に座らされた俺達を独神達が囲む。その中心には霊長類最強の吉口沙保里、ブリュンヒルデ織村千冬、香港マフィアの暴虐娘の蘭豹、暴力教師の平塚静だ。

 

「まさか追加客がお前らやったとはな」

 

「それにしても比企谷は武偵だったのか。道理で大人びていると感じたわけだ」

 

「平塚さんは今日ので教師と思えなくなりましたよ」

 

「」

 

「それよりもさっきの話聞いとったやろ」

 

「俺たちの身に何かあればすぐに今の映像を世界に配信しますよ」

 

「ほー、脅迫か?」

 

「蘭さん、そんなに怒らないで。比企谷君でしたか?取引しませんか。この事を誰にも言わず、映像を返していただけたならこちらから手を出しませんし、宿代を全額負担しましょう」

 

「ちょっと沙保里さん。そんなことしなくても」

 

「わかったわ。確かにヤボなことしたみたいだしこう言うことはあまり突っ込まないに限るわ。二人もいい?」

 

「暴力がないならなんでもいい」

 

「せっかくだし蘭豹先生からは単位をおまけしてほしいなー」

 

「ふん、それくらいならなんとかしたるわ。言っとくけどもし話したら肉塊にするで」

 

蘭豹マジ怖い

 

命かながら部屋に戻った俺たちは夜まで適当に時間を潰した。ちょうどいい時間になったのでかねてより予定していた天下一品へ行くことにする。ちなみにアリアはこってりが無理らしいので理子と二人でだ

 

 

旅館の裏に止まっていたFLSTC ヘリテイジ ソフテイル クラッシックを平塚さんからかりてラーメン屋まで飛ばす。北大路通りを飛ばした時なんかは夜風が心地よかった。

 

*交通ルールはきちんと守りましょう

 

 

天下一品

 

特に並ぶこともなく店に入り、こってりを注文する。炒飯はお腹の問題で諦めた

 

「「いただきます」」

 

 

*****ズルズル*****

 

 

食べ終わり店から出て、店内の熱気を冷ますために人気のない場所へ行った。

 

「それで話ってなに?理子とラーメン食べるためだけに呼んだんじゃないでしょ?」

 

話すことをためらっていた俺を見かねたのかそう切り出してきた。

 

「そうだな...結論から言うと帰りの新幹線はジャックされる。キンジとアリアを乗せてだ。必然的に理子も乗っているが手を出さないでほしい」

 

「いいよ、理子もパートナーのいないオルメスを倒してもつまらないしね。でもどうやって?」

 

「動くのはツァオツァオだから理子の席には感圧爆弾を仕掛ける。まぁそれはフェイクなんだがそれを理由に動かないでいてくれたらいい」

 

「レキは?いま二人にとって一番の障害でしょ?二人を引き離して乗せるのは不可能じゃない?」

 

「そこはすでに手を打ってあるから問題ない。レキは新幹線には乗れないだろう。とにかく理子は動かないでいてくれたら良い」

 

「それだけだと理子が邪魔者みたいだけど、わかった。で、報酬は?」

 

「ラーメンおごっただろ?」

 

「うわぁ」

 

「な、なんだよ...わかった、次は理子が決めて良いから今回はこれで勘弁してくれ」

 

「理子が決める...なんでも...えへへ、いいよ」

 

「なんでもじゃないよ?対価にあったものだよ?」

 

「細かいことをきにするなー」

 

 

 

 

 

二日目は二人と別れ曹操達と行動をとった。

最終確認が終わりレキは行動不能、キンジは白雪と合流したことをきき、予定通り作戦を実行することにした。

 

と言っても俺はバックアップ要員。狙姉を乗せたヘリに乗って猛妹と炮娘を回収する簡単なお仕事だ。

 

 

───しかしそんなことはなかった




キャラ紹介的なもの

織斑千冬(28)

インフィニットストラトスから登場。
ここではIS(International Security)学園の二年生の学年主任として登場。
剣道、空手、柔道の世界大会でいずれも優勝
最近弟が結婚したため若干焦りを感じている。

吉口沙保里(27)

霊長類最強と謳われレスリング王者。
現在オリンピック二連覇中。
レスリング一筋で恋愛は苦手な方。


ほぼ単発キャラという...


次回投稿時から原作を俺ガイルから緋弾のアリアに変更します。
引き続きよろしくお願いします。

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