保存日時:2017年04月12日(水) 00:19
一人目の姉(兄)
ピンポーン
そろそろ寝ようかと思っているとふいにインターホンがなった。キンジが夜遅くにも関わらず制服で出かけて行った時から少しおかしいと思っていたが、鍵は間違いなく持って行ったはずである。不審に思い監視カメラを確認すると...
カナがいた
面倒くさいことになりそうだったので居留守を使おうとした瞬間インターホンが鳴る。
『...どちら様でしょうか』
『八幡、知らないふりはないでしょう。イ・ウーで一緒に戦った仲じゃない』
『要件は?』
『とりあえず中に入れてくれるかしら』
『はあ、いいぞ。あとキンジはどうした』ガチャ
『私の腕の中で気絶しているわ』
『さいですか』
キンジをわざわざPCの前の椅子に座らせカナを帰らせようとするとアリアセンサーがひかりアリアが男性寮から半径200メートル以内に入ったことが分かる。ちなみにこのことはキンジも知らない。
「アリアが帰ってくるみたいだな。鉢合わせる前に俺は部屋に戻るからカナも帰ったほうがいいぞ」
「そうしてもいいのだけど...実は今夜の宿まだとってないのよね。せっかくだし泊めてくれない?」
「はあ!?いや泊めるってどこにいてもアリアやキンジに見つかるぞ」
「一つだけあるじゃない、絶対に入ってこない部屋が」
「まさか...」
「そう八幡の部屋」
「無理だ、部屋には見せられないものがたくさん置いてある。機密保持の観点からも入れるわけにはいけない」
「入っても大丈夫なようにしているくせに。それにイ・ウーの時は相部屋だってしていたでしょう」
確かにイ・ウーの時は同じ部屋で過ごすこともあった。だがそれは昼間の話であって寝る時まで一緒だったことはない。そう反論しようとして...やめる。僅かだが重心が右に移動し【不可視の銃弾】の体勢に入った。断ったら撃つ、言外にそう言われると断れない。ここで発砲されたら困るのはおれだけだからな。
「......分かったよ、俺の負けだ。早くしないとアリアが来るからな」
「分かっているわ」
こうしてなぜかカナと一緒に寝る羽目となった俺であった。ただし布団は別々で特に何もなかったことを一応言っておく。だってカナは絶世の美女だがあくまで女装だし...男に興味はないし...ホントダヨ
キンジらが学校に行ってからカナを部屋から出す。俺も学校あるしさすがにね...
カナも後で学校に行くつもりらしいが騒動にならないといいが(フラグ)
五限に入り専門科目の時間のため諜報科棟の二階で授業を受けている。カナは今のところ何もしてこないが各科ごとに分かれた授業になったためキンジもアリアのことも直接確認することができない。ただこの時間の専修科目は理論のみのため適当にノートを取りながら小型ドローンをオートで巡回させていた。体育館を通ったときやけに人だかりができていると思ったらカナとアリアが戦っていたらしい。結果は見なくてもカナの勝ちで間違いないだろう。俺の目の前に現れなかったことにほっとしていると授業が終わったみたいだ。
部屋に帰る前に単位のために依頼一覧を見ているとなかなか割のいい仕事が見つかった。
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教務科
推奨科;強襲科、諜報科
報酬 2単位 100,000円
千葉県知事の長女の護衛
推奨ランク Aランク2人以上
推奨人数 3~5
日時7月7日
詳しくは千葉県知事秘書まで
TEL ***********
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ただの護衛にしては推奨ランクが高い気もするが知事の娘ともなれば失敗は許されないのだろう。それにわざわざ武偵に依頼するということはそれなりの危険な情報を持っているということか。結構面倒だが藍幇やイ・ウーでもっと過酷で命にかかわる仕事をやってきたからこれくらいで失敗する気はない、もちろん油断はしないが。あとは最もハードルの高い人数集めだがキンジとアリアはなんか祭りに行くみたいだし誘えないな...レキにでも聞いてみるか
そのあと部屋に戻ったらキンジが落ち込んでいてカナが原因でアリアと喧嘩したらしい。一言声をかけてそれ以上かかわらないことにした。面倒くさいとかじゃないからね!
二人目の姉
千葉
俺の生まれ故郷で本来ならここで育っていたかもしれない場所。約10年ぶりとなる帰郷だがそこまで感慨深いものではなかった。今の俺の故郷、ホームは藍幇だからな。両親や小町に会いに行きたい気持ちがないこともないが今日は仕事で来ているため無駄な寄り道をする必要はないだろう...大きくなった小町に会いたい、きっとかなりかわいいんだろうな、やっぱり見に行こうかな...少しくらいなら時間もありそうだし
「いきませんよ」
「心を読読むな...ってかそんなにわかりやすかったか?」
「いやらしいことを考えているときは」
八幡「いやらしいって...妹の様子が気になっただけだぞ」
「...理子さんや一色いろは挙句にカナさんにまで手を出しています。他にもイエローラインに」
「いや待て、それは誤解だ。理子はクラスメイトで一色はアミカ、カナに関しては男だぞ、知ってていうな」
「.........バカ、ボケナス、八幡」
「何なのその罵倒、ひどくないか...って時間か」
そこで話を切り俺とレキは雪ノ下事務所に入った。
「わざわざご足労いただきありがとうございます。Sランクの方々に来ていただけるとはありがたいことです」
「いえ、こちらこそ知事本人に出向いていただけるとは...それで依頼の内容は」
「そう急がなくてもといいたいところですが時間が時間ですので早速説明しましょう」
そういうと知事はもう一度椅子に深く座り直し前のめりの姿勢で話し始めた。
「明日7月7日に私の娘、雪ノ下陽乃の誕生日パーティーが開かれます。こちらとしても最大限の警備を行いますが万が一のことを考えて毎年武偵校に依頼しており報酬などは高めにしてあります。あなた方にお願いしたいのは陽乃の護衛です。当日は常にそばにいてもらいます」
「本人の護衛ですか、去年までとは違うんですね」
「ええまあ、そうです。よく調べておられますね。ああ、当日のスケジュールはあとでお渡ししますので質問があればそのときお願いします」
「本日はどうもありがとうございました。」
「いえいえ、ちなみに今日は何処に泊まる予定で?」
「近くのホテルを取ろうかと」
「なるほど、せっかくですし泊まっていきませんか。陽乃との顔合わせもしておきたいですし」
「...そうですね、ではお言葉に甘えて。レキもいいか?」
「別にかまいません。それと部屋は八幡と同じでお願いします」
「いやちょっとまt」
「八幡は黙っててください」
「ははは、別にかまわないよ。いやーそれにしても若いのはいいね。私なんて...」
そこから知事のセクハラトークが始まった。とはいえ依頼人に対してその話嫌ですとはいえず持ち前のスルースキルで乗り切った。
雪下神社
全国各地にある護国神社の本殿ともいわれ千葉県で最も大きな神社である。星伽神社と同じく山の上にあり砦のような構造をしている。男子禁制ではないが男が入ることは一年に2~3回程度らしい。そしてここからは藍幇の情報だが神社の本殿の下にもう一つ祠があり護国の龒がいるとかなんとか。今回の任務には関係ないから無視するが。
なぜこんなことをいうかというと予想はついているだろうが今俺が雪下神社にいるからだ。
「君たちが私の護衛?はっきり言って私より弱そうなんだけど本当に守れるの?」
「お嬢様、さすがにそれは失礼かと」
「ん?」
「い、いえなんでもございません」
「で、どうなの。正直私に護衛なんていらないんだけど」
「おい」
「何かな」
「あんたにどれd」
「私の八幡を馬鹿にするのは許しませんよ」
どれだけの実力があるのか知らんが俺たちが依頼を受けたのはあんたからじゃない。そう言い切る前にレキが言葉をかぶせてきた。俺としては若干気合を入れて話そうとした出鼻をくじかれた
レキが自分の意見を主張しただと!!
内容はともかくこれはかなり珍しいことだ。いままで璃巫女として生きてきたレキは命令に従うだけの人間だったのに。俺的にはうれしい成長だな、レキが人間らしくなっていくのは。
陽乃「ふーん、じゃあやってみる?」
八幡「いやですよ、というかなんで護衛対象と戦う必要があるんですか」
陽乃「うーん、気になるからかな」
八幡「気になる?」
陽乃「そう、だって君」
冬乃「陽乃」
陽乃「お母様!?」
冬乃「陽乃がいろいろ言ったみたいですが気にしないでくださいね。申し遅れました、私が雪ノ下家現当主雪ノ下冬乃です。明日は期待していますよ」
八幡「期待に沿えるよう頑張らせていたただ来ます」
レキ「...」コクリ
冬乃「それで陽乃、何の話をしていたのかしら」
陽乃「ええーとなんだったっけなー......一回手合せしてみたいってお願いしていました」
あれがお願いだったというのか?
冬乃「そう...確かにお互いの実力を知っておいても損はないかもしれないわね。比企谷さん、私からもお願いしてよろしいかしら」
レキ「八幡が戦う必要はありません。私が行きます」
レキにもなんかスイッチが入ったようだし当主様じきじきのお願いだからな、無下にすることもできんか...それに雪ノ下家の力知っておいて損はない。こちらの実力を見られるかもしれないが藍幇には俺以外にも一流エージェントはそれなりにいるからな。数の力って怖い(ソースは俺)
八幡「お前じゃ相性が悪いだろ、超能力者にタイマン狙撃、しかも土地勘なしのエリア制限ありだ、俺のほうが向いてる...それに俺がタイマンで負けるわけないだろ(イ・ウーのトップ以外に)」
レキ「...わかりました」
陽乃「話しは終わったみたいだね、でどうするの」
八幡「俺が相手してやる、ただし一回限りだ、再戦は認めん」
陽乃「ふーんいいよ、あっ私が勝っても護衛解任はしないから。あれ、君と戦ってみたいからついた嘘だよ」
八幡「そうっすか。まぁなんでもいいけど」
陽乃「もーつれないなー、お姉さん泣いちゃうぞー」
冬乃「陽乃、負けたら訓練時間これから倍にするわ」
陽乃「大丈夫だって、真剣に殺るから」
冬乃「そう、ならいいわ」
陽乃「じゃあ比企谷君、始めようか」
_______そこに魔王が現れた