ぼっちな武偵   作:キリメ

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ジャンヌ編を飛ばしてブラド編にはいりました



7.因縁

「と言うわけではーくんにも手伝ってもらいます。イェーイ!」

 

「いや、意味わかんねーんだけど」

 

理子に呼び出されたかと思ったらいきなり手伝えって...何を?それになぜかキンジとアリアもいるし...何をするんだ。

 

「あんたも理子に呼ばれたの?というか理子、こいつあんたのこと知ってるの?」

 

「もっちのろんだよー。何たってはーくんは理子の彼氏なんだもん」

 

「か、カレシ!?あっあんた高校生のくせに...不潔よフ・ケ・ツ!」

 

「アリアだってキーくんとキスしてたじゃん。普通だよフ・ツ・ウ」

 

「あっあれは、ってキンジ今の全部忘れなさい!忘れないと風穴!」ダンッ

 

「いや、理不尽だろ」

 

キンジがアリアに撃たれまくっている。だがキンジが悪いのでないもしない。だってアリアとキスしてたとかリア充だろ...爆発しろ。

 

「まあまあ、アリアもそこら辺にしといたら。今ははーくんに説明して作戦をたてなきゃ。」

 

「ふぅふぅ、そうね、キンジ後で覚えときなさい。」

 

「それで、手伝いって?」

 

 

*****少女説明中*****

 

 

理子の話によるとブラドに母親の形見を奪われたから取り返したいということらしい。そのために紅鳴館に潜入捜査をする、ということだ。今はブラドは屋敷にいないみたいなので潜入には好都合だ。まぁ、ブラドとやり合うのはかなり面倒くさいことになるので俺的にもありがたい。いや、タイマンでも勝てることは勝てるんだけどやっぱり異能とはやりたくないってのが本音だ。

 

「依頼の内容は理解した。だがそれは理子自身が盗み出すべきだ、過去の因縁を拭い去りたいのならな。...でもまぁ...その...なんだ、お前が成し遂げたいことは全部見届けてやる。だから全力でぶつかってこい。」

 

「はーくんは手伝ってくれないの?」

 

「まあな、俺が潜入したらお前らは何もせずに終わるだけで理子を取り巻く状況が変わるわけじゃない。そんな事して取り返した物はただの偽物だ、強さなんかじゃない。」

 

理子とブラドの関係はイ・ウーにいた時に少し聞いていた。血統のせいでずっと閉じ込められていた、五世を産むためだけに。なんとか逃げてイ・ウーに来たらしいが、ブラドも追いかけて暴れたらしい。だがその後イ・ウーのトップに倒されておとなしくしていた。だがこの前のハイジャックでアリアに負けてそのせいでイ・ウーに居場所を失いブラドから身を守れなくなった。

 

可哀想だし理不尽なことだと思うが、思いだけでは何も変わらない。それは俺自身が身をもって体感したことだ。だからこそ理子には自分でやり遂げて欲しい。

 

「 」

 

「理子、あんたとブラドがどういう関係か聞くつもりはないわ。でもこいつの言ってることはなんとなくわかるわ。それで、あんたはどうしたいわけ?」

 

「 ...」

 

理子は下を向いたまま黙りこくったままだ。

 

「私にはママのためにもブラドを逮捕しなければダメなの。あんたがやらないならキンジと二人でやるわ」

 

「俺が一緒にやることは決定事項なのか?」

 

「うるさい!今理子と話してるの、キンジは黙ってて」

 

「俺の扱い雑じゃね?」

 

「ねぇ、はーくん理子は本当に変われるかな」

 

「そんなことは知らん」

 

理子は答えを求めているんじゃない、ただ一歩踏み出すための後押しが欲しいだけだ。それに...俺が理子の答えを出せるわけがない、自分以外の答えでは根本的には解決しない。だから俺は...

 

「だが変わろうとしない奴は何も変わらない。答えを出すためにはそれ相応のリスクがある。ある錬金術士の弟も言ってただろ『人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない 何かを得るためには、それと同等の代価が必要になる 』って。」

 

「『それが世界の真実だと信じていた』ってその後に書いてあったよ」

 

「......つまりだ、何度でも挑戦してみろってことだ。そうすればいつかわかる...かもしれない」

 

「かもって...その曖昧さやっぱりはーくんだね。でも理子を励ましてくれてるってことはわかったよ。ありがと、はーくん」

 

「おう」

 

「そうと決まればやっるぞー!オルメスに好きなように言われて引き下がれるかってんだい。全員りっこりこにしてやんよ」

 

「全く、調子がいいんだから。まぁそれが理子らしさなのかもね。」

 

「俺が参加するのは決定事項なのか(二度目)」タメイキ

 

その後三人で作戦会議をするということで俺は一足先に帰った。

 

 

*****ぼっち移動中*****

 

 

現在俺は自室で自失している。面白くないって?いや、マジでアイデンティティクライシスし、あんなこと言うつもりなかったのに...ついノリで言っちまったんだよな、しかもセリフ訂正されたし。かっこつけて漫画のセリフを引用した時に滑ると恥ずかしさが倍増する。ぼっちは真似したらダメだぞ、あっぼっちは話す相手がいないんだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手伝うとは言ってないが見に行くとも言ってない!

 

というわけでただいま紅鳴館を監視してます。ステルス全開だからバレるわけないね。それはそうと...キンジとアリアの潜入はあまりに酷いな、まるで学芸会のようだ。屋敷には小夜鳴 徹という武偵高の非常勤講師と無駄にたくさんいる銀狼がいた。お互いに初対面というわけでもないのでやりにくいと思う。キンジは地味だが執事としてしっかりと働いているし、アリアが小夜鳴とよく話すようにはなったが情報を聞き出すことはできていない。

 

そんなこんなでが潜入から二週間が経過し、今日の夜理子が屋敷に潜入、アリアとキンジが二段構えで時間稼ぎをするようだ。本来ならキンジが盗む予定だったらしいがこの前のこと後あって以来自分でやる決意をしたらしい。

 

外は大雨で雷も鳴っている。これは...少しまずいか。アリアは雷が苦手らしいしブラドにとって雷は味方に近い。今この場にいないことだけが救いといったところか。

 

アリアが簡単に突破されキンジに関しては会話すらまともに続かなかったがギリギリ理子がロザリオを盗み出すことに成功した。そして横浜ランドマークタワーの屋上でキンジらと合流したのだが...

 

 

 

 

 

まさか小夜鳴がブラドだったなんて(棒読み)

 

アリア対理子の闘いがもう一度始まろうとした瞬間、後ろから小夜鳴が理子を倒してブラドに変身しやがった。だがこうなった以上理子たちに逃げの選択肢はなくなった。どうする...

 

キンジが斬りアリアがいくら撃ってもすぐに回復している。キンジが理子を隠している間アリアが撃ちまくるがやはり効かない。あーやっぱり弾切れか。その後ブラドがアンテナを投げたりビァアアーと吠えたりしてキンジがピンチになったが理子のヘルプで持ち直したみたいだ。そしてアリアとキンジが3丁の銃を向ける。ブラドは気づいてないみたいだが後ろに突っ立ている理子を少しは疑えよ。

 

アリアが撃つ瞬間落雷が落ちる。そのせいで弾の軌道がずれたがキンジの弾がそれを弾いて修正しやがった。まさかカナレベルの銃技を身につけるとはな。三箇所の魔臓に弾が当たりそれと同時に理子が跳んだ。

 

「ぶわぁーか」

 

理子とブラドの両方がベロをだし、そこにあった目玉模様に理子の胸にあったデリンジャーで撃ち抜いた。

 

殺った、キンジたちがブラドの魔臓を全て撃ち抜いた時俺は思った。だが次の瞬間ブラドに雷が落ちた。あまりの眩しさに思わず目を瞑る。そして目を開けるとキンジは意識を失いなんとか直撃を避けたアリアと理子が何とか動こうとしていた。だがそんな理子に向かって無慈悲に手を伸ばす。さすがにまずいと考え俺は動いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 理子

 

キンジとアリアのおかげでここまでブラドを追いつめることができた。魔臓を全て撃ち抜かれた今、もうここから負けることはない。

 

 

─────そう油断してしまった─────

 

 

「終わりだブラド、今までの恨み晴らさせてもらうぞ」

 

「理子、殺すのだけはダメよ。裁判でママの証言をしてもらうんだから」

 

「くっ、てめーら調子に乗りやがって」

 

「どうあがいても無駄よ、魔臓とかいうのがなくなった今あんたにはなんの力も残ってないはずよ」

 

「...まぁ普段ならそうだったんだけどな...」

 

なんだこの不安な感じは

 

「......?」

 

「!?アリア、理子そこから離れろっ!」

 

「「!!!」」

 

キンジの声で反射的にブラドから距離をとった瞬間

 

 

     ─────ピカッ─────

 

 

「みぎゃー!」

 

「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」

 

突如目の前で落雷がおき、その衝撃で全員吹き飛ばされた。その先でブラドが...立ち上がった?なぜださっきまで瀕死だったはずだ、なのになぜこいつは平然と歩いているんだ。しかもさっきまでの姿と違う。さっきの倍近い大きさだ。

 

「雷は俺に力を与える。つまり戦う時点でどうあがいたって勝てるわけがねーってことだ。さっきは色々言っていたようだが所詮欠陥品の4世か。本気を出せば他愛ない。いいところまで行ったと褒めてやるが...まぁ運がなかったと思え」

 

そう言ってブラドがわたしに近づいてくる。作戦と呼べるような作戦ではなかった気もするけど結果的にブラドを倒せて少しは変われるかと思ったけどやっぱり''ムリ''なのかな。はーくんとの約束、守れそうにないや...

 

 

 

    ─────ババババーン─────

 

大きな爆音とともに目の前に伸ばされたブラドの腕が消し飛んだ。痛む身体に無理を言わせて上を見上げると、そこには全身真っ黒のロングコートにフードを被ったイ・ウー時代死神と呼ばれた格好で飛び降りてきた八幡がいた。

 

「諦めたらそこで試合終了ですよ」

 

 

 

 

 

 

 


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