学戦都市アスタリスク~歌姫との絆~   作:璞毘

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遅れました、すいません
いや、閃Ⅲやったりと色々忙しくて・・・
はい、さぼってゲームやってましたすいません


十一話

シルヴィとのデートが終わった翌日、綾斗はクローディアに呼び出されて生徒会室に来ていた

 

「週明け早々呼び出してすみません

実は報告しておきたいことがありまして・・・

貴方が昨日シルヴィに市街地を案内されてる時にユリスが襲われました・・・」

 

「ユリスが?」

 

「ええ、幸いと言うべきか

全部ユリスが撃退しました。ですが、この先もこううまく行くとは限りません

そこで綾斗にはなるべくユリスから目を離さないでください」

 

「わかった」

 

綾斗は顔を引き締め頷いた

綾斗はこの後授業が入ってるため教室に戻った

 

「・・・頼みましたよ、綾斗」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユリス、おはよう」

 

「・・・・・」

 

「ユリス?」

 

「あ、ああ、おはよう」

 

ユリスは少し焦ったように視線を逸らす

 

「・・・・?」

 

「おらおら、席につけ出席とるぞー!」

 

綾斗はユリス態度を不思議に思ったがなにか聞こうにもタイミング悪く担任の匡子が来たため綾斗は聞くことができなかった

 

「ユリス、どうかした?」

 

結局、あの後も何回か聞こうかと思ったのだが中々ユリスと時間が取れず聞けたのは放課後だった

 

「―――すまないが、今日は用事がある」

 

「え?、ちょっ、ちょっとユリス?」

 

綾斗はユリスを呼び止めるがそんな制止の声が聞こえてないのかそそくさと足早で教室から出て行ってしまった

 

「どうしたんだろう・・・?」

 

「あらら、なんかまた昔に戻ったみたいだな」

 

「昔って?」

 

綾斗が質問すると矢吹は肩をすくめながらしゃべり始める

 

「あのお姫さん、おまえさんが転校してくる前はあんな感じだったんだよ

頑なに『私に関わるな』ってそんなもんだから前も言った通り気に入らない奴らが決闘を挑んだが返り討ちにあった・・・

はぁ~、けどもったいねぇなぁ、せっかく雪解けしてきた感じだったのに」

 

「・・・・・」

 

ユリスの様子は気になったがこの後今回の一件の件でクローディアから呼び出されていた

朝も呼び出されたが今回も朝と同じ用件で呼び出されている

おそらく進展があったのだろう

 

 

「ごきげんよう、綾斗よ

よくきてくれましたね」

 

「それでは早速本題に入りましょうか

今回の件で犯人の目星がつきました」

 

「本当かい?」

 

クローディアの言葉に綾斗は少し驚いたような表情を見せるがすぐに元の表情に戻す

実はこんな話だろうと綾斗自身予想していた。

だが本当にそんな話だと思わず驚いた表情をしたのだ

 

「えぇ、これが今回の犯人のデータです」

 

クローディアは端末を操作し綾斗にデータを送る

 

「これは・・・」

 

綾斗は送られてきたベータをみて顔を険しくする

 

「残念ですが、間違いなさそうです」

 

「そう・・・」

 

「綾斗には悪いのですが早速犯人のところに向かってください」

 

「向かってくださいって・・・

どこにいるのかも・・・」

 

綾斗の言う通りだ

クローディアから犯人の情報を聞けたのは幸いだが肝心の居場所が分かっておらず向かおうにも今の状況では向かえないのが現状だ

 

「その点は心配なく今データを送りますので」

 

クローディアはそういうと素早く端末を操作し綾斗のデータを送る

 

「これは・・・アスタリスク内の地図?」

 

クローディアが送ったのは地図のデータだ

一か所だけ赤丸でかこってあるところがある、おそらくそこが犯人の潜伏場所であろうことは簡単に予想できる

 

「えぇ、そこに今回の件の犯人がいるはずです」

 

「わかった、じゃあオレは行ってくるよ」

 

綾斗はそういって生徒会室から出ていこうとするが・・・

 

「綾斗!

調整はすんでます!」

 

クローディアは綾斗に向かってケースを投げる

以前の審査で綾斗が持つことになった純星煌式武装《黒炉の魔剣(セル=ベレスタ)》だ

今しがた調整が済みクローディアの元に届いたのだ

 

「ありがとう、クローディア」

綾斗はそれを受け取るとそのまま走り出した

綾斗が出ていったのを確認するとクローディア自分以外誰もいないはずの生徒会室で声をかけた

 

「もういいですよ“リィンさん”」

 

その瞬間空間が歪みそこから黒髪の青年が現れる白いコートを羽織りコートの下は黒いジャケットを着ている

年代は大体クローディアの少し上くらいだろう

 

「会っていかれてもよかったのではないでしょうか貴方の弟弟子にあたる人でしょう?」

 

「まだ、早いさ

その時がきたならオレは綾斗の前に姿を現すよ

まだ、その時期じゃない・・・」

 

「そうですか・・・

それと今回の件は助かりました」

 

「困ったことがあったらまた呼んでくれ

これも“要請”だからさ」

 

そういうと青年が立っている所の空間が歪みそこにはもう青年の姿はなかった

 

「やれやれ、困った方です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ユリスは再開発エリアの廃ビルを訪れていた

解体工事中のそこは逢魔が時の薄闇を支配している。すでに一部の壁や床が打ち壊されているので広く感じるが、あちこちに廃材が積まれているため死角は多い

それでもユリスはためらうことなく奥へと進んでいった。

傾いた日が不気味な影模様を作り出す中、険しい顔で黙々と歩みを進める。

――――が、一番奥の区画へ足を踏み入れた途端、吹き抜け状になっている上部分からユリスは視線もあげず呟く

 

「咲き誇れ、隔絶の赤傘花(レッドクラウン)

 

同時にユリスを守るように五角形の花弁が現出し、落下してきた廃材をすべて跳ね除ける

それはまるで炎の傘のようだった

 

「今更この程度で私をどうにかできると思っていたのか

いい加減姿を現したらどうだ」

 

屋上まで貫いた吹き抜けの更に向こうにはうっすらとした月が浮かんでいる

弾かれた強化鉄骨が床に突き刺さり、廃材が巻き上げた土埃がもうもうと立ち込める中、一人の少年が姿を現した

 

「これは失敬、余興にもなりませんでしたかな」

 

「サイラス、おまえだったのか・・・」

 

痩せた少年、サイラスは芝居がかかった仕草で頭をさげた

 

「ふふ、驚いたでしょう

まさか星導館の生徒であるこの僕が今回の件を起こしたなんて!!」

 

「おまえが犯人であるなら今ここでお前を倒すだけだ」

 

そういうとユリスは星辰力を集中させる

ユリスを呼び出したとされる目の前の男サイラスはあてに手紙を書いてた

内容はこうだ『今から周囲の人間を襲う、それが嫌なら指定の場所に来い』というものだった

 

「まぁまぁ、待ってください

僕もあなたと真正面からやりあって勝てると思ってませんここは話し合いで解決しませんか」

 

サイラスの言葉にユリスは怪訝な表情をする

 

「・・・・・・わかった

話だけは聞いてやろう」

 

ユリスはサイラスの警戒は解かずそう告げる

 

「そうこなくては、実は僕もあなた同様ここに来たのはお金を稼ぐことでしてね

気が合うはずだと思っていたのですよ」

 

「すでにおわかりだとは思いますがこちらの用件は貴女が、《鳳凰星武祭(フェニクス)》の辞退でしてね

プラスで今回の襲撃と僕が無関係であることを証言していただくと助かります」

 

「それを呑んだとして私に何のメリットがある」

 

「あなたと他の生徒へ危害を加えないでは不満ですか?」

 

「話にならん」

 

ユリスはサイラスの話を切り捨てる

 

「今貴様をここで倒せば済む話だしな」

 

ユリスは今度こそサイラスを倒そうと星辰力を集中させたとき・・・・

 

「これは一体どういうことだサイラス!!」

 

「・・・レスター?」

 

ずかずかとやってきたのはレスター・マクフェイルだった

レスターは怒りの形相でサイラスをみている

 

「やあ、お待ちしていましたよ、レスターさん」

 

「ユリスが決闘を受けたと言うから駆けつけてみれば・・・

今の話は本当なのか?

てめぇがユリスを襲った犯人だと?」

 

「えぇ、その通りです

それが何か?」

 

「ふざけるな!、なんでそんなマネしやがった」

 

「なんでといわれましてもね、依頼としか言えません」

 

「依頼だと・・・?」

 

レスターは驚きと怒り、そして混乱が入り混じった表情をしている

 

「こいつはな、どこぞの学園と内通して《鳳凰星武祭》にエントリーした有力学生を襲っていたのだ。知らなかったのか?」

 

「・・・・!」

 

レスターは言葉にならないといった表情をした

サイラスが他学園と繋がっていたのがにわかに信じられないのだろう

そんなレスターをあざけるような目でみながらサイラスは肩をすくめる

 

「僕はあなた方と違い、正面切ってぶつかり合うような愚かしいマネを繰り返すのはごめんなんですよ

もっと安全でスマートに稼げる方法があるのなら、そちらを選択して当然でしょう」

 

「それが同じ学園の仲間を売ることだと?」

 

「仲間?、ははっ、ご冗談を」

 

「ここに集まっている者は皆敵同士じゃないですか。チーム戦やタッグ戦のために一時的に手を組むことはあっても、それ以外ではお互いを蹴落とそうとしてる連中ばかりです。

あなた方のような序列上位者はそれをよくご存じでしょう

必死で闘って、血と汗を流して勝って、ようやくそれなりの地位を手に入れたと思ったら今度はその地位を付け狙われる。僕はそのようにわずわらしい生活は真っ平なんですよ。

同じぐらい稼げるのであれば、目立たずひっそりしていたほうが賢いと思いませんか」

 

「・・・・まぁ、貴様の言い分にも一理あるな

確かに我々は同じ学園に所属しているが、仲良しこよしの関係じゃないし、名前が広まればわずらしさもついてくる」

 

「おい、ユリス・・・」

 

「だが、――決してそれだけではない」

 

「おや、これは意外ですな。

あなたはどちらかと言えば僕に近い人間だと思っていたのですが」

 

「こちらも心外だ。

貴様のような外道と一緒にされるとはな」

 

ユリスはこれで話は終わりとばかりにサイラスを睨みつける

 

「ぶちのめす前に聞いておくぜ。

なんでわざわざオレ様を呼びだした

まさかオレ様がてめぇの味方になるとでもおもったのかだったら大馬鹿野郎としか思えねえな」

 

「いえいえ、あなたは保険のようなものですよ。

もしユリスさんとの交渉が決裂した場合、誰かがかわりに犯人役をやっていただく必要がありますか」

 

「・・・・てめぇ、本当に馬鹿なのか?

オレ様がはい、そうですかと引き受けるわけなぇだろ」

 

それはそうだ何らかの形でレスターを犯人役になるように誘導するのならまだ理解できる

レスターは単純な性格だ。

本人には悪いがそこをうまく利用すればレスターを今回の件の犯人役に誘導することもできただろう

 

「なに、お二人とも揃って口がきけなくなるまでいたぶれば、あとは適当な筋書きを用意しますから

なに、ご安心を

まぁ、そうですね、お二人が決闘の挙句、仲良く共倒れというのが一番無難なところでしょう」

 

サイラスはそういう設定でいくつもりらしいが、それは無理があるだろう

レスターはユリスが序列五位になってから何度も決闘を挑んでるがすべて圧勝している

その中で突然ユリスがレスターと決闘して共倒れなんてことになったら生徒会は動かなくとも怪しむ生徒たちは出てくるだろう

 

「おもしれぇ、てめぇのちんけな能力で黙らせれるっていうなら、ぜひとおやってもらおうじゃねぇか」

 

そう言ってレスターは煌式武装の発動体を取り出し起動すると戦斧《ヴァルディッシュ=レオ》が姿を現す

 

「レスター、先走るな

何を仕掛けてくるかわからん、やつも《魔術師》なのだろう?」

 

ユリスにとってレスターは仲がいいとは言えないがそれでもこの現状ではいないよりはマシだろう

 

「はっ、あいつの能力は物体操作だ

せいぜいそこらの鉄骨を振り回すことぐらいしかできやしねぇ

それよりユリス、おまえは手を出すんじゃねえぞ!」

 

そういうとレスターは、一瞬でサイラスとの距離を詰め斧型の煌式武装を振り上げる

サイラスの力量ならその一撃をかわすことなど不可能に近い、もし仮にも運よくかわせたとしても二撃目は確実に喰らってしまうだろう

そう・・・今までともに過ごしてきたサイラス・・・・なら―――

 

「なに・・・!?」

 

レスターは驚愕で目を見開き、驚きの声をあげる

突如吹き抜けから振ってきた黒ずくめの大男がサイラスの前にたちレスターの一撃を防いだ

だがそれだけならレスターも驚きはしない、サイラスが仲間を待機させていても不思議ではないそれにレスターの一撃をサイラスではなく大男が防いでるのならこれも納得だ

――――煌式武装で防いでるのなら・・・・だが・・・

大男はレスターの一撃を素手で受け止めていた・・・・

 

「ぐぅぅぅぅ!」

 

レスターの一撃を素手で受け止めているというだけで衝撃的ではあるがレスターがいくら力をこめてもまったくびくともしなかった

レスターは驚いた表情をしたがすぐさま距離をとった

 

「へっ!、そうか、そうかそいつが自慢の仲間ってわけか・・・」

 

「仲間?、くくっ、バカを言わないでください」

 

そう言いサイラスが指を鳴らすとさらに数体黒ずくめの大男が姿を現した

 

「こいつらはかわいいかわいい僕のお人形ですよ!」

 

黒ずくめの男たちがローブを脱ぎ捨てるとまさしく人形と言うにふさわしい機械人形だった

 

「戦闘用の擬形体か・・・?」

 

ユリスが冷静に観察しその人形をみてそれとなく呟いた

擬形体、それは戦場で使われるいわゆる機械兵器だ主に遠隔操作用のが用いられる

だが、それらを扱うには専門の施設を必要とする

いくらサイラスが他学園の生徒だとしてもそこまで大掛かりなものは用意できるとは思えなかった

 

「あんな無粋なものと一緒にしないでください

こいつらに機械仕掛けは施してませんよ」

 

サイラスの言ってることが確かなら動くはずがない

だが、現にそれらは動いていた考えられるとすれば一つだけだ

 

「なるほど、それが貴様の能力というわけか・・・」

 

そう、魔術師としての能力ならば簡単に説明がつく

機械仕掛けではない人形を動かせても不思議ではない

それにユリスが襲撃されたときなぜ気配をギリギリまで察知できなかった理由も簡単だ

人であるならまだしも機械であるなら気配を察知するのは難しいそれこそ“理”に至っている人間なら機械の気配すらも感じられそうではあるが・・・

少なくともユリスは武の領域でそこまで至ってはいないもちろん今戦っているレスターもその限りではないだろう

 

「てめぇ、隠してやがったのか!

自分じゃナイフを操るぐらいが関の山とかほざいてやがったくせに!!」

 

「まさか、それを信じていたんですか?

あはははは!、いや、これは失敬

ですが、冷静に考えて下さいよ

わざわざ、手の内を見せる馬鹿がどこにいますか?」

 

サイラスは大げさに肩をすくめてみせる

サイラスの言う通りだ。

最初からサイラスがこの計画を練っていたのだとしたら能力をわざわざばらす必要はない

ばらせば計画の妨げになるからだ

 

「レスターさんの言う通り僕の能力は印を結んだものに万応素で干渉し操作すること

それが無機物である以上、たとえこの人形のよう複雑な構造であっても干渉することが可能です。

もっともこのことを知ってる星導館の学生はいませんけどね」

 

「貴様はターゲットをその人形共に襲わせていた

そして貴様が人形をコントロールできることを知らないのであれば、貴様を捕まえるのは難しいだろう」

 

《魔女》や《魔術師》が犯罪行為をした場合は極めて立証が難しいのが現状だ

サイラスのように能力を隠すというのもあるが《星脈世代(ジェネステラ)》でも《魔女(ストレガ)》や《魔術師(ダンテ)》の数が極めて少ないのも理由のひとつであろう

 

「くだらねぇ!、そんなものここでてめぇを張り倒して風紀委員にでも突き出せば済むことだ」

 

「それはあなた方が無事に帰れたらの話でしょう」

「「いいだろう、だったら次は本気で行くぜ!」

 

そう言うとレスターは《ヴァルディッシュ=レオ》に星辰力を込める

すると《ヴァルディッシュ=レオ》が二倍近く大きくなる

ユリスもサイラスも知っているレスターの流星闘技(メテオアーツ)

 

「喰らいやがれ、《ブラストネメア》」

 

巨大化した煌式武装をレスターは振り下ろした

レスターの一撃によってサイラスの機械兵器は三体同時に吹き飛ばされ三体のうち二体は完全に機能が停止していた

腕などがありえない方向にねじ曲がっている。

最も三体目の大男タイプの機械人形はヒビが入っただけの軽症ですんでいるが・・・

 

「ほう、ちっとは丈夫なやつがいるじゃねぇか・・・」

 

軽症の機械人形を見たレスターが不敵な笑みを浮かべた

驚かない様子を見るとあらかじめ、予期していたのかそれともまだ自分に自信があるのかだが後者だろうとユリスは結論付けた

 

「これは対レスターさん用に用意した重量型ですからね

ノーマルタイプとは防御力が違います

体格も武器もあなたにあわせてありますいざという時代わりを務めてもらうためにね」

 

「オレ様に罪を着せるためにか?

ってことはそのクロスボウ型の武器の人形はランディ役か?」

 

「ま、そんなところです」

 

「ふん、わざわざご苦労なこった

残念だったなそいつは無駄に終わりそうだぜ!」

 

再びレスターは《ヴァルディッシュ=レオ》を振り下ろすがその刃が重量型に届く寸前

柱の影から現れた新たな機械人形がレスターに光弾の嵐を浴びせていた

 

「ぐあああああぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「レスター!!」

 

ユリスは飛び出そうとするがそれを阻むように機械人形がユリスの前に立ちふさがる

 

「おっと、あなたはそこでおとなしくしておいてください

そいつらも特別仕様でしてね貴女用に耐熱限界をあげてあります」

 

「くっ・・・」

 

ユリスを囲むように更に数体の機械人形が現れる

その手には剣型の煌式武装が握られていた

ユリスはすかさず細剣型の煌式武装《アスペラ・スピーナ》を起動する

 

「ぐ・・・

きたねぇ、不意打ちしか出来ねぇようだな・・・」

 

光弾を受けたレスターは膝をつきサイラスを睨みつける

 

「おや、存外に元気ですね」

 

とっさに星辰力を防御に回したのだろう

思いのほか元気そうだ、所々に血が目立つがレスターほどの男なら大丈夫だろう

 

「こ、こんな木偶の坊、何体かかってこようとオレ様の敵じゃ・・・」

 

「やれやれ、レスターさんあなたは何も理解していない」

 

その瞬間レスターの前にまた新たな機械人形が現れる

それだけではない機械人形は更に一体また一体と増える一方だ

その数今確認できるだけでも十や二十では済まさないいやむしろ・・・

 

「何体でかかってこようと?

いいでしょう、それならお望み通り相手してあげますよ

百二十八体の人形でね!」

 

「ひゃく・・・」

 

レスターの先程の自信に満ちた表情は消えそこには恐怖や絶望しかなかった

 

「あぁ、いい表情です

そうそう、あなたのそういう表情がみたかったんですよ

それではごきげんよう」

 

サイラスが合図を出すと百体以上の機械人形が一斉にレスターへと襲いかかる

 

「やめろ、サイラス!!」

 

ユリスは叫びながらもなんとか人形たちの包囲網を突破しようと試みるがなかなかうまいように突破できないでいた

一体一体の人形の戦闘能力はそれこそ大したものではない

酷く言えば雑魚の類だ

だが、この人形たちは連携がうまい、それが未だにユリスが突破できない理由の一つだ

 

「ご安心を、まだしばらく息をしてもらわないと困ります

なにしろレスターさんは貴女が倒したことにしないとマズいですからね!

適当に火種を用意しませんと」

 

「咲き誇れ!、呑竜の咬焔花(アンテリナム・マジェス)!」

 

ユリスが細剣を振るうと魔法陣が描かれそこから巨大な焔の竜が出現した

 

「おぉ、これは初めて見ますね」

 

サイラスが感心したようにつぶやくがユリスはそれを無視して焔の竜を操り機械人形たちをその竜が呑み込んでいく

 

「おお!?」

 

耐熱限界をあげてると言ったその機械人形も意味をなさずいとも簡単に焼き尽くされてしまう

 

「これは大したものですね

序列五位は伊達ではないということですか・・・!」

 

サイラスは一旦距離をとり指を鳴らす

 

「しかし多勢に無勢です」

 

サイラスの合図とともに人形たちは焔の合間をくぐってユリスに迫ってくる

 

「くっ・・・」

 

ユリスは細剣で応戦するが、とてもさばききれてない

それは少しでも集中を乱せば今出してる技のコントロールが効かなくなるためだ

そのため近づいてきた人形たちに対処しきれてないのだ

 

「舐めるな!!」

 

ユリスは目の前の鍔競り合いになっている人形を弾き後ろから襲いかかってきている人形を刺して戦闘不能にする

だが人形はまだあまるほどある数体やられた程度ではなにも変わらないだろう

レスターを倒し終えたのかレスターの方に向かっていた人形たちもユリスの方に向かってきている

更にサイラスの前にいる人形たちが銃をユリスに向けている

ユリスは盾にするべく焔の竜を呼び戻が―――――――

わずかに間に合わない・・・

銃弾の嵐がユリスを打ち抜いていく

 

「ぐっ・・・・!」

 

ユリスは苦悶の表情を浮かべながらも立ち上がろうとするが身体に力が入らず立てずにいる

幸いわざとなのか致命傷は避けてるようで命に別状はなさそうな傷ではある

ユリスがダメージを受けたせいか焔の竜はあっけなく消えてしまう

 

「貴方の能力は強力ですが自身の視界を塞いでしまうのが難点ですね」

 

「ふん、流石によく観察しているじゃないか

だが、私にもひとつわかったことがある

貴様のバックにいるのがアルルカントであるということだ」

 

その言葉にさっきまで余裕の笑みを浮かべていたサイラスから笑みが消えた

どうやら図星ということだろう

 

「その人形特別仕様とか言っていたな?

だが、私やレスターの攻撃に耐えうる装甲をどこで手に入れた?

ましてその人形の数からみてもバックにどこがいるのか一目瞭然だ」

 

「ふむ、ご明察

これはいよいよ見逃すわけにはいかなくなりましたね」

 

「元々、そんなつもりないくせによく言う」

 

「なぁに、あなたもレスターさんももう少し痛めつけてからと思いましたが気が変わりました」

 

サイラスが合図すると一体の人形が巨大な戦斧をユリスに向かって振り下ろしていた

普段のユリスなら簡単に避けるか破壊しただろうだが先程の人形の攻撃を喰らったせいでうまく動けずにいる

かわすことも、歩くことも簡単ではないそんな状態で人形の攻撃などかわせるはずもない

ユリスは咄嗟に目をつぶる

だが、いつまでたっても痛みはなかった

ユリスはゆっくりと目をあけてみるとそこには両断された人形がユリスの視界には映っていた

 

「ごめん、ユリス

遅くなった・・・・」

 

そこには人形を両断したであろう人が立っていた

それは・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




本当申し訳ない、というか結局リィンさん出しましたwww
まぁわからない人は閃の軌跡って調べればわかります

ではチャオチャオ

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