・・・気がつくと、保健室の前にいた。
なぜ保健室の前に居るのかはわからないけれど、手にはモップを持っているし、今は放課後で、僕は掃除でもしていたんだろうか。
全く、ゾンビが発生した世界で静香先生を助けて死ぬ白昼夢を見るだなんて。結構重症だと思う。しかも妄想なのにバッドエンドだし。なんでハッピーじゃないんだ…。そこはアレだろう、颯爽と現れて凄まじい身体能力でゾンビを殲滅して、助けてくれてありがとう石井君!愛してるわ!ってなるのが普通だろ!おかしいよ!こんなのってないよ!あんまりだよ…
まあ悲嘆に暮れていても仕方がない。静香先生に顔を見せに行って、ちょっと元気を出さしてもらおう。
「失礼しま~す。静香せんせ…い」
保健室の扉を開ける。静香先生は棚の近くで何やらしているようだ。
奥のベッドから誰かが立ち上がってこっちに歩いて来ていた。岡田だ。その顔は土気色で、とても健康的とは言えず、足取りも確かではない。うめき声をあげながら一歩、また一歩と近づいてくる。
認めたくはないが、認めるしかない。これが現実なんだと。
僕はモップを岡田だったモノの足にかけて転ばせ、無防備な頭にガートルスタンドを叩き付けた。
流石に2回目ともなると躊躇などなく。すぐに岡田だったモノはもう動かなくなった。けれど、僕の予想通りならこの後間もなくこの保健室に7匹ほど入ってくるはず。それを捌き切るのはあの毒島先輩ならともかく、僕には不可能だ。
「静香先生。持ち出したいものを、急いでまとめて下さい。」
「わ、分かったわぁ」
だったら僕は、全力で時間を稼がしてもらおう。僕はモップを捨て、ガートルスタンドを構えた。
パリンッ!ガシャーン!
死体共がガラスを割って入って来る。
「おらぁっ!」
「おい!こっちに来いよこの《ピー》共が!!」
全てのゾンビがこちらに振り向いた。
「うわあぁぁぁ!!」
叫びながらスタンドを突き出す。少し押し返せたが5匹のゾンビは意にも介さず進んでくる。でも、これで良い。僕の仕事はしっかり果たせた。ヒーローのご到着だ。
「はぇぇ?」
静香先生の驚いたような声が聞こえた。それと同時に、スタンドを押してくる力が弱くなる。
それにしても5匹を瞬殺とは…このひとはおこらせないようにしようとおもいました(小並感)
「ありがとうございます。助かりました、毒島先輩。」
スタート地点はトイレにしようかと思ってましたが、トイレの出番が微妙過ぎるので諦めました(笑)
本文本当短くて申し訳ないです…。
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