魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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今回もコダイは出ません。
八神家ですがはやては出てきません。


特別編『コダイの弱点!?』パート2(ごき○んよう風)

 八神家で……

 

「なあ、はやて達が言ってたけど……コダイの弱点って何だ?」

 

「「「「「「え?」」」」」」

 

 とヴィータの言葉に反応したのは、はやて不在の八神家と遊びに来ていたリーゼ姉妹だった。

 

「この前な、はやて達がコダイの弱点は何だろうって考えてたらしいんだよ」

「とーさまの弱点ですか?う~ん……リインもしらないです。お2人はどうですか?」

 

 妖精サイズで浮いているリインがアリア、ロッテに視線を向ける。

 

「弱点か………」

「んで、はやて達は何か分ったの?」

「最終的には年頃だから色気とか言ってたけどソレだけは絶対にコダイには勝てねーって……将来的に」

 

 ヴィータの答えを聞いて全員納得の声を上げた。

 

「はやての言う通り、美人だし、頭良いし、料理はギガウマだし、更に言えばあのシャマルの料理―――つか色の何か?それを平気で平らげるし……」

「さらに言えばそれを我らでも危険が無い様に改善も出来る……」

「始め見た時は勇者が現れたようだった……」

 

 ヴィータ、シグナム、ザフィーラが懐かしむ様に遠い目をしていた……

 コダイが代わりに料理をする際にシャマルの料理という名の危険物を使うと言い出した。

 初めは何をトチ狂ったのとばかりにコダイを必死に止めた3人だが、コダイは意も介さず調理を始めた……

 その結果、元があの危険物とは思えない程の素晴らしい料理の数々を作り上げたのは今でも鮮明に覚えている守護騎士4名だった。

 

「で、でもその時に比べれば少しは良くなって「それでも食えるのはコダイだけだ」いいですもん……コダイ君にはどんな料理か分ってくれますし………ぶつぶつ」

 

 ヴィータの容赦の無い一言で部屋の隅っこで落ち込みだしたシャマル。

 その様子察するに形状不明から抜け出せていないと察したリーゼ姉妹だった。

 そんなシャマルの料理を唯一完食出来るのはコダイのみ、更にどんな料理かも分ってしまう程だ。

 周りから酷評される度に落ち込むシャマルに『料理は経験がものを言う』とコダイがアドバイスをしているので、挫けずに積極的に練習を続けている。

 ……最も毎回コダイが味見してる訳も無く大抵は八神家が胃薬常備で取り掛かる。シャマル相当の料理の腕に的を得て否定しづらいアドバイスをするあたりコダイの性格の悪さが出ている。

 

「確かにこれと言った弱点は見当たらねーな……」

「考えれば考えるほど完璧超人だね~」

「本当に弱点何てあるの?」

 

 腕を組んで考え込むヴィータ、したり顔のロッテに諦め顔のアリア。その他も考え込んでいた…………

 

 

 

「―――生活面では優秀と分った…なら戦闘面ではどうだ?もし分れば我らもフォローが出来る」

 

 

 

 沈黙を破ったのは暫く考えたザフィーラが出した提案だった。

 

 

 

「おぉっ♪ナイスザッフィー!」

「ザッフィー言うな」

 

 ロッテに撫でられながらも冷静に切り返す小狼状態のザフィーラ。

 

「戦闘面か………勝率は高くは無いがコレは私達と模擬戦の場合だ、トキガワのベアトリス式はトリッキーな魔法が多く初見では見切れない。あの時挑発されたとは言え、最初の戦闘で我ら3人ものの見事に策に溺れたしな」

「あ~途中で散弾になる魔力弾とか網状のバインドとか……まず普通にじゃ使わねーしな」

「魔法が無くともその戦闘力は高い。以前聞いたが魔法無しでシグナムと剣で互角だったと……」

「目つぶしで気を逸らして私の所から鞘を奪ってそれで応戦された。状況に合わせた応用力と判断力も非常に高く、その真価が発揮されるのが魔法をキープする『ディレイスペル』だ」

 

 口元に手をあてながら、話すシグナム。

 

「キープされた魔法の状態は全て同一で判別が出来ない……発動に時間が掛かる物もキープしてしまえば後はワンアクションで発動出来る。だからこそクロスレンジの間合いで魔力弾や自分周囲に自滅覚悟の範囲魔法を使えたりできる」

「成程、様は目隠しされて魔法を使われてるみたいなもんだな」

 

 シグナムの考察に自分なりの解釈を付けて納得したヴィータ。

 

「―――その戦闘面って言うのでずっと気になったんですけど」

 

 そこに今まで黙っていたリインが話に参加した。

 

「とーさまの『幻痛(ファントム・ペイン)』ってなんですか?」

 

 それに全員がバッとリインの方を見た、落ち込んでいたシャマルもだ。

 『幻痛(ファントム・ペイン)』――コダイの受ける魔法が何故か全て殺傷設定になってしまう強制殺傷設定体質。

 未だかつて前例が無くコダイ自身も原因を知らず、全てが謎に包まれている魔導師にとっても騎士にとっても痛手でしかない体質である。

 

「私達も最初は半信半疑だったけど今までのコダイ見れば……ね?あの事件中殆ど重症だって聞いたし……」

「うわどうしよう、私なんか背中から手ぇ突っ込んじゃったよ………リンカーコアも半分だったし、後遺症が無ければいいけど」

 

 この際責任でも……と頭を抱えているリーゼ姉妹。

 

「あの体質が適応するのは攻撃系統の魔法だけでは無い。鋼の軛の拘束条も肉体に直接突き刺さっていたらしい」

「魔力がコダイ君の体質に作用しているのかしら?高速形態もその速さに耐え切れず全身に酷い負担が掛かっているみたいだし……」

「分類問わずトキガワの肉体に掛かる負荷が殺傷設定に作用されるのかもな……魔法が元のデバイスも同様に……」

「そうね………あ」

「それ以上言うな……マジで思い出したくねぇ……」

 

 ザフィーラ、シャマル、シグナムが話し合っていると。ヴィータが頭を抱えて俯いていた。

 それを見て2人(1人と1匹)はしまったという顔をした。

 この中でヴィータとシグナムはコダイに一番ダメージを与えていた、先ずは二度目の戦闘の時とシグナムは砂漠の世界での死闘、ヴィータは不慮の事故で。

 なおシグナムの場合はその体質聞いた上で戦っていたので両者『戦闘時の負傷』としている……当時、駆け付けたシャマルに非難の目を向けられたが。

 

「ヴィータちゃんどうしたんですか?!」

「えっと……話せば長くなるけど……」

 

 慌てて駆け寄って来たリインにヴィータに聞こえない様に念話で原因を伝えた。

 はやてが入院中の時、すれ違いにコダイがやって来て泊まる事になった。最も帰る予定だったのに終始ご機嫌のヴィータがコダイに抱き着いたまま寝てしまって離れなさそうだった。

 翌日、寝ぼけたヴィータが隣にいたコダイに驚いて思わずアイゼンで殴打した。例え騎士とはいえ、目覚め頭に撲殺死体が目の前にあったらトラウマになるだろう。

 

「≪しかもヴィータちゃんはコダイ君にずっとくっ付いていたのよ……≫」

「う~………ヴィータちゃんズルいです!とーさまと一緒に寝たなんて!!」

「そっちかよ?!」

 

 シャマルから全て聞いたリインの予想とは違う反応に顔を上げたヴィータ。

 その反応を見て少し安堵したシャマル。これ以上話すとリインにもトラウマに成りかねないので、敢えて別に向く様に『コダイと一緒に寝てた』と言う事をワザと強調した。

 

「リインだってまだ何ですよ?!」

「あん時は偶然寝ちまったんだよ!と言うかそんなに寝たいんなら今度遊びに行けばいいだろ?!」

「………あ!そうでした!!」

 

 リインが両腕を振ってヴィータに詰め寄っていたが、ヴィータの案で問題は直ぐに解決された。 

 

「いや~話には聞いたけどチビッコズって本当にコダイの事が好きなんだね~」

「ちびって言うな!!」

「はい、リインはとーさま大好きですよ~」

 

 シャマルのフォローを察して話題を変えることに乗ったロッテがニヤニヤしながらヴィータとリインを見る。

 ヴィータは『チビッコ』という単語に反応し、リインは満面の笑みで答えた。ロッテの言う『チビッコズ』は他にレイ、サクラ、エル、アンズの4名が居る。

 

「そう言えばさ、ヴィータがコダイを好きになった理由って何?そこの大人2人は分るけど」

「なっ!」

「はぇ?!」

 

 アリアが大人2人と言ってシグナムとシャマルを指した。

 

「たしか『お母さん事件』の後、お母さん呼びが抜け切れなくて、コダイを男と意識して話す様にしてたら次第に異性として見ちゃったんだよね?」

 

 アリアが言った『お母さん事件』とは闇の書の事件の後、取り込んだロストロギアの影響で大人になったコダイが更に性別が女性になってしまった事件を八神家を中心にこう呼んでいる。

 変わってしまったコダイ本人は胸が大きくなっただけといつも通りに過ごしていたが、被害があったのはその周りだった。

 その見た目が夜天の書の創設者と瓜二つだったためにヴィータがコダイに抱き着きはやて曰く『神乳』に顔を埋めたのが切っ掛けで、トキガワ家と八神家(1匹は引っ張られて)がコダイに抱き着いて。更にはやての提案で1日みんなのお母さんになってしまった。

 次の日にはコダイは相変わらず大人のままで性別は治ったが。シグナム、ヴィータ、シャマルはお母さん呼びが抜けなかった――――

 その為にコダイを男として意識しながら話すようにした……

 

「なっ……貴様らそれをどこで?!」

 

 シグナムが顔を真っ赤にして立ち上がる、下手をすればデバイスを抜きかねない状況だった。シャマルは同じく顔を赤くしているが固まってしまっている。

 

「ん?家主(はやて)が♪」

「あるじぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?!」

「はやてちゃぁぁぁぁぁぁん?!」

 

 まさかの情報提供者に叫ぶシグナムとシャマル。

 提供者(はやて)としては初々しい反応をする2人の可愛さを誰かに伝えたかったらしい。

 

「他にも色々聞いてるよ~?例えば――」

 

 狙いを完全にシグナムとシャマルにロックしたアリアはニヤニヤしながらその事を話し始めた…… 

 

「あっちゃ~完全にアリアが楽しんでるよ」

「普段はお前の担当なのにな」

「いや~恋バナになるとアリアの方がうるさく―――ってアレ?ヴィータは何で驚いて無いの?」

 

 この状況で自分も的になっている筈のヴィータが平然としていた。

 

「そう言えば聞きそびれたけど~どうしてコダイを好きになったのかにゃ~」

「擦り寄んな!」

 

 ロッテが背後からヴィータに抱き着いて頬擦りをしてくる。退かそうとしない限りヴィータも嫌ではないらしい。

 

「つか、初めて会って気づいたら好きになってた見てーだし良くわかんねー……そんではやてに相談したら『それが恋』だって教えてくれた。それを聞いた瞬間……何つーか蒐集やはやてと一緒に居る時以外にコダイの事ばっか考える様になって―――ん?」

 

 そうヴィータが話していると、何時もなら割り込みそうなロッテがその様子も無く、隣のロッテの顔を見てみると……

 

「お………おう」

 

 頬を赤く染めていた。

 

「何でてめーが赤く何だよ?!」

 

 それに釣られてヴィータも赤くなり抱き着いているロッテを振り払った。

 

「あ、いやー何と言うかもう甘酸っぱすぎてもう……ご馳走様?」

「言わなかったらしつけーだろテメェは!大体テメェはどうなんだよ。グレアムのじーちゃんから聞いたぞ!コダイはテメェらの『ドストレートのストライク』だって!」

「うにゃぁあ~!!お父様言っちゃダメって言ったのに?!」

 

 ヴィータの反撃を喰らい更に真っ赤になったロッテ。

 それを目ざとく見てたシャマルとシグナムが同じ方法でアリアに反撃した。

 リーゼ姉妹の好みのタイプは『線は細め』『やや小柄』『可愛い系』といった感じである。

 闇の書の事件の際に協力を頼みに来たクロノに抱き着いてセクハラをしたりとそれに無限書庫の利用するために同伴したユーノにもセクハラ発言をしたりと……

 その条件に全て当て嵌まり、更に大人になってもその条件が満たされるコダイはまさに2人の理想だった。

 

 

 先程の状況とは一変、今度はリーゼ姉妹がからかわれる側になった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「(………トキガワの弱点……と言うより短所は、主はやてを始め複数の女性に好意を寄せられても気付かない所では………コレは言わない方が良いだろう)」

 

 と、一人(一匹?)空気を呼んだ小狼(ザッフィー)であった。




アキ様、頭翅様、武御雷参型様、畏夢様、シラカンバⅡ様、桜日紅葉雪様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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