魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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Criminal日常編は日常をメインとしたほのぼのでギャグがメインです。

コダイとアインの初ユニゾンです………あまり出せないと思います。

理由としてはユニゾン時の戦闘が単純になりかねないからです。そしてその戦闘がベアトリス式の所為でアホな事になるからです。


Criminal日常編
コレが祝風の書の力……祝って無いよね?コレbyコダイ


「は?防衛プログラムが完全に同化した?」

 

 それはある日起こった。

 

「はい、主コダイが闇の書の事件の際に取り込んだ防衛プログラムが主に同化しました……」

 

 白い革表紙に金色の剣十字の装飾が施された魔導書――元・闇の書である『祝風の書』を手に持ったアインが俺にそれを手渡して説明した。

 

「闇の書事件―――主はその戦いで防御プログラムの一部を自分の肉体に移植して事で闇の書と特別なリンクで繋がれました。その後、闇の書と言われる根源ともなった防衛プログラムのコアを取り込んだ事により闇の書の支配権を握りました……」

 

 そう言われると何気に恐ろしい事してるのが分る……あの子の能力をこれ見よがしに使いやがったから『イラッ☆』ときて思わず殺っちゃったけど。

 

「取り込んでいても闇の書が機能を失った訳ではありません……無限再生機能によって主の体を侵食される筈……なのに浸食されないばかりか、逆に徐々に……僅かに主に取り込まれていたんです。恐らく主の力の方が強かったのかと―――」

「それについては納得できる……」

 

 実際に、防衛プログラムはあの子の能力を使い続けて自滅したし。その能力自身である俺は浸食するどころか同化させてって訳か。

 

「つまり闇の書の機能はそのまま残っていて、前の様に持ち主を侵食する様な事は無いと?」

「はい、マテリアルの3人も守護騎士達が離れた空席に入り込むように位置して顕現しました。彼女達は元々出自が違うので主の魔力供給が無くても永続的に活動可能です」

「そっか……あいつらの大食いはそれが原因か?食事による魔力補給……」

「それについては関係が無いと思います……でしたらレイはどうなんですか?」

「アレは意味不明なだけだ」

 

 または説明不能と言う。

 

「それと蒐集機能も健在です。更に蒐集以外にも主が見た若しくは受けた魔法もコピー可能です」

「闇の書と強く繋がっているからその影響か?……ミッドとベルカも使えないから意味が無いが、蒐集機能は役に立つな。表側の鎮圧用に」

 

 2度と刃向うなんて行為を考える事さえ起きない程痛めつけて全て根こそぎ奪い取る事も出来る訳だ。

 

「最後に私との融合機能です。これは説明不要ですよね?」

「はやてとの任務とかで何回か見たからな……コレに関してはどれ位の融合率だ?」

「闇の書を取り込んでいるので100%かと。妹との場合は下回り85~95%と言った所でしょう」

 

 リインまでは聞いていないが………

 

「融合するとどうなる」

「基本的には魔力の増加。主の場合は魔導書と深く繋がっているので蒐集したミッド式とベルカ式の魔法も使えると思います」

 

 融合騎は管制と補助が基本だから理論的には使えるのか……

 

「ですが同時に主の中には防衛プログラムが居ます。もし私との融合で作用したら事故が起こる可能性も……」

「それってはやての時と同じパターンだろ?今のアインなら事故が起きても支障はないと思うぞ?」

 

 それにこっちの方が強いならその点は問題無いと思うが。

 

「そうですよね?……考え過ぎであればいいのですが」

「このまま口論してても意味が無いし早速やってみるか」

「はい」

 

 クロノに許可を貰い、アインに手頃の無人世界に転移して貰った。

 転移した場所は遥か数十メートルなる樹が密林の様に生い茂るジャングルの無人世界。

 今回は別に模擬戦ではないし。色々と利にかなう場所が偶々此処になっただけだ、巨大な生木は魔法の威力を確かめられるし、生い茂る密林は誘導系のテストにもなるしな……

 

「早速ユニゾンするぞ」

「はい」

 

 祝風の書を開き手を添える。

 やり方は分っている。魔力を込めてイメージする……デバイスと同じ様に。

 

「「ユニゾン―――イン」」

 

 アインと同時に唱えるた瞬間、足元から黒色のベルカ式の魔法陣が現れて足元から頭上を通過して消えた。

 

「………ユニゾンできたのか?」

≪はい、成功しました!≫

 

 体の中から聞こえるテンションが高いアインの声。

 レイの時と同じだから本当に成功したんだな……

≪ついに……ついに主と身も心も一つに!!≫

 

 …………………

 

「ユニゾンアウ≪スミマセン!スミマセン!真面目にしますから!≫だったら落ち着け、頭の中で騒がれたら防げない」

≪だって嬉しかったんですよ……こうやって融合騎として、主の傍に居る者のとしてお役に立てたのですから……≫

「そこまでか?」

≪だって………主、何でも出来てお役に立てる所が無かったんですもの……≫

「…………それに関してはゴメン」

 

 今まで誰かに頼るとかしてなかったから。

 

「……魔法に関しては素人だから今の状態をモニターに映してくれ」

≪あ、はい。今の主の状態は………こうなっています≫

 

 目の前に現れたモニターに今の全体像が映し出されたが……

 

「……これは?」

「私……ですね」

 

 自分を映している筈のモニターに映っていたのは何故かアインそのものだった。

 

「……これは?」

≪今調べて見ます………えっと、主の取り込んだ防御プログラムが私に反応してこの様な姿になった様です。特に浸食などの影響はありません≫

 

 見た目も騎士甲冑も完全にアインの物だ……相違点があるとすれば身長が俺に依存しているのと、右腕と足にベルトが巻き付かれている。それに左腕や顔には何時かの闇の意思のと同じ模様があるだけだ。

 相違点はそれ『だけ』だ………つまり肉体が完全に女性になっている。多分これも防御プログラムの影響だろうが全く問題ないので気にしない。

 

「さて、早速―――」

≪あ~!!アインだ~!!≫

 

 ……そう言えば今日はずっと中で眠ってたな。

 

≪レ、レイ!?何故ここに?!≫

≪今日はどうしたの?チョット待っててね、おやつ持ってくるから≫

≪チョット待って!!ここは主の中だぞ!?あるのか!?≫

≪うゆ?……えっとね、正確にはコダイの中に作った私の部屋?みたいな所にあるよ。コッチコッチ≫

 

 コイツは人の体の中に何ゆとり空間を作っているんだ。

 

≪では失礼して……ってレイ!!何だこの部屋は!!もう少し片付けろ!≫

≪うゆ!?でも皆必要なモノだし……≫

≪例え必要だとしてもそのまま放置するな!!主コダイ、すみませんがレイの部屋を片付けるのに少しお時間を……≫

「それは別に構わないが………」

 

 むしろ助かる………

 

 

~1時間後~

 

 

≪お、終わりました≫

≪ふにゃ~≫

「お疲れ………今日はやめるか?」

≪いえ、このまま構いません≫

≪わ、私は疲れたから眠る~……おやすみ~≫

≪おやすみ、ちゃんと布団を掛けて寝るんだぞ≫

≪は~い………すぅ~≫

 

 そう言うとレイは寝てしまった。

 

「さて……行くぞアイン」

≪分りました主コダイ!≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユニゾン中は先程アインが説明したとおり。蒐集した魔法に俺が今まで見た事ある魔法も祝風の書を利用して使えるからミッドとベルカを使えない俺にはかなり役に立つ。

 更に総魔力量が俺とリインフォースを足した量だからかなりの量だから―――

 

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

 

 

「ディレィスペル・アウト」

≪アクセルシューター、スティンガースナイプ、プラズマランサー、フォトンスピアー、シュワルベフリーゲン、ブラッディダガー、ガンブレイズ≫

 

 ディレイスペルを利用して知ってる限りの射撃魔法を一斉発射して目の前に迫る魔法生物に浴びせる。

 こんな普段とは全く違う戦い方が出来る。

 

「まさか無理と思っていた戦闘方法が実現できるとは……」

≪ユニゾンしている時限定ですけど……主、後ろから来ます!≫

 

 振り返ると大蛇の魔法生物が同時に飛びかかって来た。

 この場合は………

 

「ディレィスペル・アウト」

≪パンツァーシルト×3≫

 

 飛びかかる進行方向を防ぐように盾を重ねる様に展開して衝突させる。

 1枚目は割れ2枚目に罅が入ってそこで止めた。

 

「今度は複合技………ディレィスペル・アウト」

≪テートリヒ・シュラーク!≫

 

 大蛇の頭上に移動して、右腕に赤色の魔力光を纏わせて振り下ろして地面へ叩きつける。

 

 

――ズウウウウウン!!!

 

 

「次」

≪鋼の軛!≫

 

 大蛇が倒れた所から拘束条が突き出して大蛇を拘束する。

 

「最後」 

≪シュトルムファルケン!≫

 

 手を伸ばすと紫のベルカの魔法陣が展開、それに手を伸ばして指で摘まんで引くと魔法陣から矢が出現した。

 ソレを大蛇に狙いを定め撃ち放った。放った矢は炎を纏い鳥の形を模して大蛇に突き刺さった。

 

 

――アアアアアアアアア!!!

 

 

≪凄い……守護騎士達の技を繋げるなんて≫

「守護騎士の魔法に関しては体が憶えているからな」

 

 ただし武器が無いから、付与は肉体になるし。

 さっきのシュトルムファルケンも魔法陣からだしな……

 

「もうそろそろ強そうなのが出てくれればいいな……」

≪その事ですが主、さっきの騒ぎを嗅ぎ付けて複数の魔法生物がこちらに向かっています≫

「分った……肉眼で確認できた。複数の魔法生………物」

 

 

――ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

 

 近づいて来たのは巨大な魔法生物の………………大群。

 

「―――前言撤回、少しだけ帰ってくれる?」

 

 両手を合わせて、首を傾げて見る。

 

≪何言ってるんですか!!それよりも魔法生物に言葉が通じる訳無いですよ!よっぽどの上位種出ない限り!!≫

 

 やっぱりダメか………

 

 

――ルオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!

 

 

「あ、やっぱりそうか?」

≪主?一体どうしたんですか?≫

「魔法生物の1体が『散々煽ってそりゃないだろ~』って」

≪分るんですか!?≫

 

 

――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

 

 

 アインにボケ返す暇もなく大群が迫って来た。

 大軍を一気に狙うには骨が折れるからここは―――よし。

 

「ディレイスペル・アウト」

≪チェーンバインド、ストラグルバインド、鋼の軛、ウェブバインド、スティンガースナイプ・エクスキューションシフト、エアボリック・エミッション、スローナイフ・フォートレスシフト、プラズマランサー・ジェノサイドシフト≫

 

 突っ込んで来る大群の最前に拘束魔法をかけて、後ろがつっかえた所に広範囲魔法を叩き込む。

 

 

――ルオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

 

 

 それでも後方には届いておらず突っ込んでくる魔法生物がいる。

 

≪主、ひとまず退避を!≫

「スレイプニール」

 

 背中に生えてある羽を羽ばたかせて上空へ移動する。

 

「いくらなんでも多すぎだろ……」

≪そうですね……防衛プログラムに最後に放ったあの魔法はどうですか?≫

「ディレィスペルは集束魔法には使えない…………それに魔力も残りも考えないと」

 

 調子に乗り過ぎたか?何か有効な手は………祝風の書の頁を捲っていると……

 白い祝風の書に今まで見た事が無い黒い頁が

 

 

「コレは………召喚魔法?」

≪しかし、こんな魔法は蒐集した記録が……≫

「とにかく、コレに賭けるか……アイン、準備を」

 

 大群から少し離れて着地する………

≪準備完了、何時でもいけます!≫

「行くぞ………」

 

 俺は黒い頁に描かれた文字を詠唱する。

 

 

「絶望に沈め――」

 

≪咎人を喰らえ――≫

 

「星は消え――」

 

≪光りも届かぬ――≫

 

「闇に――呑まれよ」

 

 

 

 

 

 ミッド、ベルカ、ベアトリス式の魔法陣が重なるように展開され、魔法陣の周りを闇色の柱が登る…………

 

「永遠の闇―――」

≪ナハトヴァール!≫

 

 

 俺とアインの声が重なる。魔法陣から現れたのは………………

 

 

――オォォォォォォォォォォォォォォォ!!!

 

 

 それは禍々しく醜悪で無機質な先程の魔法生物が小さく見えてしまう位巨大な怪物……6本の脚に硬質な羽、肩から生えている巨大な2つの砲身。

 それとは全く異質に背に縦にある淡く光を放つ後光の様な怪物の半分はあるだろう巨大なリング。青白い殻1枚で覆われた下は赤黒い魔力が渦巻いている。

 

「これは………防衛プログラム」

≪ですが姿形が全く違います!コレが本当に防衛プログラム何ですか?!≫

「取り込んだから分る……これは完全に防衛プログラムだ……」

 

 当時見た幾つもの生物の集合体では無く完全に1個の生命体として生まれ変わっている……

 それと防衛プログラムの中枢ともいえる女性の姿はなく代わりに俺達がそこに位置している。

 

「だけどコレ召喚して制御できるのか?………ん?」

≪主コダイ、左腕に触手が!≫

 

 左腕を上げると立っている場所、コックピットか?その後ろから細い触手が巻き付いて来た。

 けどこれは締め付けると言うよりじゃれる様に絡み付いて来てる様なこそばゆさがある……

 絡むように動いていた触手が一旦止まり離れると左腕には大きな赤い杭が貫いて内蔵している大型の手甲が取り付けられた。

 

≪これは一体?≫

「……これからナハトヴァールの力が流れ込んでいる。どうやらこれはナハトヴァールの制御装置の様だな」

 

 ナハトの手甲を前に突き出すと。赤い杭が前に伸びた。

 

「目標―――敵大群」

 

 手甲で大群に狙いを定めるとナハトヴァールは鉤爪の様な触手を伸ばし大群を一つに纏めた………そして。

 

 

――オォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!

 

 

 口から闇色の砲撃を放った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイン……」

≪何でしょう………≫

「これ………使うのやめようか」

≪そ、そうですね≫

 

 目の前に広がる光景は、さっきまでの大群は塵一つすら残っておらず、地面はあり得ないほど抉り取られて…………推定数万年前の化石を掘り起こすほど深い溝。

 

「今回は魔力が限界ギリギリだから良かったものの……」

≪全快状態だと星が滅びますね……………≫

 

 事前に結界張ってて良かった……

 

「………帰ろうか」

≪はい……………≫

 

 翌日、コレをクロノ達に見せたら速攻で使用禁止を喰らったのは当然の事であった。




頭翅様、畏夢様、ミラ ランドラス様、桜日紅葉雪様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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