魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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相棒なるのに一番重要なのは相性byコダイ

「これをどう使えばいいのか?」

 

 あの青い宝石を封印するためには、ユーノから貰ったこの赤い宝石が必要らしい。

 

「はい、それはレイジングハートと言うデバイス…魔法の杖でこれを起動して封印してください」

「魔法?俺にそんな力があるわけ無いだろ。それよりもコレ杖?コレ杖なのか?」

 

 ただのペンダントだろコレ…… 

 

「大丈夫です、さっき僕の念話を聞きましたよね、あれも魔法の一種です。それが聞こえたって事はあなたに資質があるって事です。起動のためのパスワードを言いますから復唱してください」

「分った…復唱すればいいんだな。さっそく始めてくれ」

 

 

 

「はい。我、使命を受けし者なり」

「我、使命を受けし者なり」

 

「契約のもと、その力を解き放て」

「契約のもと、その力を解き放て」

 

「風は空に、星は天に、そして不屈の心はこの胸に」

「風は空に、星は天に、そして不屈の心はこの胸に」

 

「「この手に魔法を」」

 

「レイジングハート……セットアップ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――シ―――――――――――――ン…………

 

 

「…………おい」

「…………へ?」

 

 え?何も無し?ユーノなんかキョトンとしてるし。

 

「パスワードは間違ってないよな……」

「うん……パスワードも間違ってないし、資質も十分……もしかして」

「何か分ったのか?」

「えっと…多分……相性が悪いのかも」

 

 ……どんなオチだよそれ。

 

「資質があっても、相性悪ければ意味無いな…」

「そうだね。ごめんなさい」

 

 ユーノが耳を垂らし、シュンと項垂れている。俺はそんなユーノの頭を撫でた。

 

「相性が悪いなら仕方ない。それに今はアレをどう封印するかだ」

「えっと…僕が封印してみます……出来るかどうか分りませんが……」

 

 今の所それが一番良さそうだな…ん?何か後ろからヤバい気配が。

 

「ユーノ、今非常に後ろ向きたくない……」

「僕も同感です……」

「でも確認しないとな……いっせーのーでで向くぞ」

「うん」

「「いっせーのーで」」

 

 俺とユーノが同時に振り返ると。

 思念体が復活した。それになんかキレてる見たい……当然だと思うが。

 

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

 

「ふふふふふ復活したああああああああ!!!」

「いくらなんでも早すぎるだろ」

 

 振り下ろされる腕を後ろに跳んでかわす……何か強くなって無いか?

 

「こうなったら、あなたと一緒にいた女の子に助けてもらうしか!」

「俺と……ってなのはの事か。今から行っても間に合わないだろ」

「さっき言った念話を使えば離れても通じます!」

 

 念話?さっきの魔法の一種だよな?つまりなのはは魔法が使えるって事か?……

 役に立つのか?あの運動音痴が……

 

「≪誰か!聞こえますか!僕に少しだけ力を貸して下さい!≫」

 

 とか思ってる間にユーノが念話を送ってるし。

 この時間帯じゃなのは寝てるかもな

 

「≪お願いです!今すぐ僕のとこに、このままじゃ危険なんだ!≫」

 

 そう言えばあの青い宝石が原因だよな……

 

「あの宝石割るか…」

「≪二つの意味で危険になったああああああああああああああああ!!!!≫」

 

 ツッコミが念話になってるぞ。

 ハンドガンは足止めにもならないし手持ちの中で最強のハンドグレネードはアレ一つしか持ってない……

 

「丁度万力持っているし……」

「ダメです!そんな事したら大変な事になります!!――あっ、前来ます!!」

 

――ゴォオウッ!!

 

 尋常じゃない風切り音を繰り出す腕をかわす。

 速くは無いが範囲が広くずっとかわせる訳もなく壁際に追い詰められた。

 

 

――グルルルルルルルルル……

 

 

 先ほどの雄叫びとは違い唸り始め、少し距離を取り始めた。

 今更怖気着くとか考える脳みそを持ってるとは思って無いし、と考えると……止めを刺すための溜めか。

 

 

「ユーノ、しっかり捕まってろ、飛び降りる」

「へ?えっ!わ、分った!!」

 

 思念体が飛び掛かると同時に、近くの窓から思いっきり飛び降りた。着地地点に異常なし。

 

 

 

 

 

「よっと」

「にゃあっ!」

 

 ん?どっかで聞いた鳴き声……尻餅ついたなのはだった。

 

「来てくれたんだ!」

「えっ?フェレットが喋った!?それよりどうしてコダイ君がこんな所に?何で周りの景色が変になってるし、それにあの怪物は何!?」

「質問が多い、ユーノ解説」

「は、はい。実は……」

 

 ユーノをなのはに渡す。なのははユーノを両手に乗せてユーノの話を聞いてる。

 

「ふぇ?ふぇぇぇ?!魔法?資質?いきなりそんな事言われても~!?」

 

 混乱している……いや、分かりやすいだろ。

 

「悩んでる時間無いぞ、あの化け物来るし」

「ええっ!?えっと――お願いします!!」

 

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

 

 咆哮に振り替えると、思念体が動物病院の壁を突き破っていた。

 

「コレ、誰が弁償するんだろう……」

 

 答えてくれる奴は居ない。

 後ろではユーノがなのはにパスワードを教えていた。

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

 

「だから近所迷惑だ」

 

 思念体がこちらに走ってくる。

 近くに転がっている、折れて鋭く尖った鉄筋を数本拾い、足に狙いを定めて投げ飛ばす。

 鉄筋は全部、思念体の足に突き刺さり動きを止めた。攻撃の手は休ませない……

 コートの中からデザートイーグル…今度は二丁を取り出し間髪いれず撃った。

 

――ガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥンガゥン!!!!!

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ………

 

 何度も銃撃を喰らい、穴ぼこになった思念体の勢いが弱まる。

 

「一応コレ、猛獣用の銃何だが……」

 

 空になったマガジンを出し、新しいマガジンに交換する。

 これ以上撃ったら熱で銃が壊れるな……

 その直後、背後から桜色の光が溢れ出した。

 

「もしかしてなのはか?」

 

 アレが魔力か、と言うか魔法って一体なんだ?………あんまり想像つかないな。

 

「よし、成功だ!」

「へっ、えっ、え~!?」

 

 光が収まると、なのはは小学生の制服の様な白を基調とした服と三日月と赤い宝石が付いてる杖……レイジングハートを持っていた……あの宝石があの杖?

 

「それよりも……」

 

 あの服今度作ってみようかな?…ん?それはさすがに無いだろ?何を言ってる。女装はオシャ「コダイ君後ろ!」「危ない避けて!」もう復活したのか。

 

「いい加減…」

 

 振り下ろされた腕をかわし、近くの大きな瓦礫を持ち上げて、腕の上を伝い。

 

「寝ろ」

 

 頭目掛けて投げ落とした。

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ……

 

 化物は大きな音を立てて倒れ、俺はその上に着地した。

 

「ねぇ……フェレットさん」

「何?」

「私が助ける必要無いんじゃないかな?」

「うん……僕もそう思った」

≪同感です≫

「おい、そこの一人と一匹と一個。聞こえてるぞ」

 

 封印出来てないから無意味だろ。

 それにしてもあの杖……デバイスだっけ?結構面白い構造してるんだな。魔法と言うより科学に近いか?レイジングハートは俺と相性が合わなかったから使えなかった。つまり、相性が合えば俺でもデバイスが使えるのか。

 

「――ん?」

 

 俺の足元に青い宝石があった、これが元凶なんだから取っておくか。手を突っ込み宝石を引きちぎる。

 すると思念体は音もなく消え去った。

 

「ユーノ、これを封印させればいいんだろ?」

「うん、そうだけど……ってそれに迂闊に触っちゃダメだ!!!」

「は?」

 

 突然宝石は強く輝きを放った。

 

「何だこれは――――――!」

それと同時にとてつもない熱さが襲った。

 

 

 

 

「―――ぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――体が―――脳が―――神経が―――ヤケル―――トケル―――アツイ―――イタイ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!」

 

 

 

 

 

 ようやく熱さが引くと膝から崩れ落ちてしまった。数分と言う時間がとても長く感じた…うわ凄い汗。

 

「コダイ君!手首大丈夫?」

 

 なのは?何で近くに……手首?あ、無意識に手首を押さえてた………あれ?何か変な感触が………服の袖を捲くってみる……

 

「えっ!?」

「何だよこれ……」

 

 目の前の状態になのはが口元を手で覆った。

 俺の右手首には、あの青い宝石が埋め込まれ、その周りに金色の血管のの様な管が伸びていた。

 

「こんなの見たこと無い……」

 

 ユーノが腕に飛び乗りそれを触っている……大丈夫なのか?……あ。

 

「今はそれより、ここから離れるぞ」

「ふぇ?何で?」

「ここの現状を見て良くそんなこと言えるな…」

「えっ?………あ……」

 

 なのはが周りを見てようやく理解した、電柱や壁とか壊れてるし俺は銃使ったからかなりヤバい。

 

「ここにいては…凄くマズイのでは?……」

「疑問形にするな…実際サイレンの音が聞こえてるし」

「どどどどどどうしよう!」

「落ち着け、とにかく俺の家が近いから俺に家に行くぞ」

「うん!え~っと…ご、ごめんなさ~い!!」

 

 なのはがそんな事を言って走り出す……あ。

 

「先に言っても、入れないだろ」

 

 俺はユーノを抱えなのはを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「始めまして、私は高町なのは、小学三年生、なのはって呼んで」

「僕はユーノ・スクライア、スクライアは部族名だからユーノが名前」

「トキガワコダイ…ってさっき言ったな」

 

 家に付いた後、少し落ち着いてから、紅茶と茶菓子を囲んで自己紹介をしてる。

 ちなみに俺は汗を大量に汗をかいたのでシャワーを浴びて今Yシャツを着ている。

 なのはの事だが夜遅くに帰すのも危険だから、今日はここに泊めるとシャワーの前に桃子に言ったので問題無い。

 

「ユーノ君怪我は大丈夫?」

「はい、助けてくれたおかげで魔力を回復に回せましたから」

「にゃはははは…私は何もしてない…というか出来なかったし」

 

 まぁ俺が引き千切ったり(あんなこと)しなければな。

 

「心配なのは僕のよりコダイの方です」

「俺?俺がどうかしたのか?」

「その宝石はジュエルシードって言ってとても危険な物なんだ」

 

 ユーノは真剣な顔で話し始めた…………

 ジュエルシード全部で21個あり、それらはユーノが発掘したがそれを運んでる時に事故にあってこの海鳴りに漂流。それに責任を感じて一人で集めようとしたらしい。

 そのジュエルシードの特性は一つ一つが強大な魔力の結晶体で、周囲の生物が抱いた願望…自覚、無自覚問わず叶える……良くそんな物を素手で掴んだな…この性格治そう…いや無理だな……って。

 

「今の話からすると。ジュエルシードの危険性が分った…がそれに関してユーノが責任持つ理由が無いだろ?」

「え?でも僕がジュエルシードを運んでこんなこ「それは事故だろ?事故は事故、別にユーノが故意で落としたわけでは無いだろ?」でも、さっきみたいに危険な事があるんだよ?」

「そんなのほっとけないよ、そんなのが街にあったらみんなが危ないし…それに関わっちゃったし」

 

 関わったと言うか巻き込まれただぞ?なのは……

 

「なのは…でも危険なんだもう二人を巻き込む訳には「もう手遅れだろ」うっ……」

 

 俺の言葉にユーノは黙ってしまった。

 

「ジュエルシードの漂流はユーノの責任じゃないが。俺はジュエルシードの完璧な被害者だぞ?それなのに巻き込む訳にはいかないって、既に完全に巻き込まれてるんだよ」

「それは……」

「コダイ君それは言い過ぎ!!」

「だが事実だ」

「うっ……」

 

 なのはが怒りだすが黙らせる。

 

「責任を感じているなら……俺達にジュエルシードを集めさせろ」

「…えっ?」

「コダイ君!」

 

 俺の言った事にユーノは驚き、なのはは嬉しそうにした。

 

「その怪我であんな物を21個も集めようなんて無謀だろ?それに、アレに対処できるのが現時点で俺達だけなんだろ?それに街のあちこちが願望だらけになったら面倒くさい……なのははどうする?って…もう決まってるか」

 

 その目を見れば分るよ…絶対手伝う目だよ、このキング・オブ・お人好し。

 

「うん!モチロン、ユーノ君の手伝いをするよ!だって友達だもん!」

「え?友達?」

「なのはの持論でな…お互いに名前を呼んだら友達って………俺はどうでも良いが、よく言うだろ?『友達の友達は友達』って」

「コダイ…なのは………ありがとう!」

 

 俺となのはに頭を下げるユーノと言うかフェレット……あ、買ったペット用品どうしよう。普通のフェレットじゃないからな……

 

「で、今後の役割だが……どうする?封印するためにはデバイスが必要なんだろ?俺はレイジングハートを起動できなかったし」

 

 この際ユーノに材料とか色々聞いて自作するか?だとしたらどうするか…………

 

 

 

――あの~

 

 

 

 なのはが三日月みたいな杖だったし、こっちは日輪にするか?服は………

 

 

 

――もしも~し

 

 

 

 なのはの正反対の黒にして、ゴスロリにするか……

 

 

 

――うゆ~……むししないで~

 

 

 

 やっぱり…ん?

 

「なのは、何か言った?」

「え?言ってないよ?」

 

 

 

――こっちだよ~

 

 

 

 ん?下から聞こえる…下を向くと右手首に埋め込まれてるジュエルシードがあった。

 

≪ぐすっ……やっときづいてくれたよ~≫

 

 ジュエルシードが点滅しながら言った…意外と舌足らずなんだ……っておいっ。

 

「ジュエルシードが喋った」

「えぇっ!ユーノ君!ジュエルシードって喋るの!?」

「そんなわけ無い!なのは!レイジングハートに調べて貰って!」

「う、うん!レイジングハート、お願い!」

≪はい―――結果が出ました、これはデバイスです≫

 

 え?これデバイス?………もしかして……

 

「レイジングハートを起動できなかったから無意識にデバイスを望んでいたのか?」

 

 引き千切るまでデバイスの事考えてたし。

 

「多分それ……いやそれしかないと思う……願望をこんな完璧に叶うなんて奇跡としか言えないよ……」

 

 ユーノが呆れてる。俺も正直驚いてる……

 

≪ねぇねぇ≫

 

「ん?」

 

≪おなまえは?≫

 

「名前?トキガワコダイだ…そっちは?」

 

≪わたし?……うゆ~、ないよ~≫

 

「無いのか………じゃあ今から付けるか」

≪ホント!やったぁ!≫

 

 名前か…声からして女だしそれらしい名前がいいな……

 確か強い光を発してこいつが生まれたから、レイでは寂しいな……このデバイスの形状、金色の部分が血管みたいだな、レイ・ブラットは男っぽいな、もっと女の子っぽく………ピンク……桃色………よし。

 

「名前は……レイ・モモ・ブラット、愛称はレイだ」

≪レイ・モモ・ブラッ!!―――かんだぁ~!!≫

「………デバイスって噛むのか?」

≪噛みません≫

 

 レイジングハートから即答を貰った。

 だよな?舌も無いし……

 何か、なのはもさっきから無言だ……し?

 

「すぅ………すぅ……」

 

 座ったままゆっくりと舟を漕ぐなのは。そう言えば騒動があったとしても。もう寝る時間だしな……

 なのはの膝の裏と肩に腕を回して持ち上げる。横抱えで運んでベットに寝かせる。

 あ、寝る前に……

 

「今の内に言っておくがユーノそれとレイ……俺は男だからな」

 

――ピシッ!

 

 はい、予想通りの反応、さぁ耳を塞ぎますか………

 

「えええええええええええええええええええええええええええええ!!!」

≪ふえええええええええええええええええええええええええええ!!!!≫

 

 やっぱりこのリアクションは面白い……………

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

「桃子、実はフェレットを俺が学校に行ってる時だけでも預かって欲しんだ」

「え?フェレット?……どんな子?」

「今携帯に写真送る……」

 

2分後

 

「いいわよ~この子ならいつでも♪」

 

 予想通りの反応だ………




~次回もお楽しみにしてください!~

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