魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
後久々のギャグなのでかなり暴走してます。
クイントの加入、レジアスの協力のお陰で完全に始動するまで後一歩と言う所。
そこで俺も何かの力になるかと様々な試験を受けて見た。
結果は惨敗……それもその筈だ、何年か前にクロノとユーノに言った様に誰かの下にはつける訳が無い……筆記と実技が良くても性格がな。
唯一受かったのはデバイス技師、『夜天の書』の作製が評価された。コレだけは絶対受けた方が良いとマリエルに推されたこともある。
理由としては俺のデバイスのレイだ、異常が起きた時の対策をとの事らしい。
そんな風に準備を進めている時に出鼻を挫くかの様に『中学校入学式』と言う行事が待っていた――――
「…………似合わない」
入学式当日の朝……
茶系統のブレザーとズボンを着て姿見の前に立つ―――相変わらず無理やり男装している感じだった。
今着ているのは私立聖祥大学付属中学校の男子制服………進学に関しては名前から察する通りにエスカレーター式に進学、当然なのは達も同じだ。
「………やっぱりこっちの方が良いか?」
男子制服を脱いで女子制服に着替える。
やっぱりコッチの方がしっくり来るな………でも、似合わないからオシャレと言うのもワンパターンだな……………あ。
「別にちゃんと着なくても良いか」
似合う様にすれば良いと、男子制服に戻して、クローゼットの中からブレザーと同色のカーディガンを取り出してブレザーと交換。
ネクタイを少し緩めて、髪型はいつもの様に………よし、こんなもので良いか。
「それに女子制服はいざとなった時に取っておくか」
鞄を持ってまだ朝食を摂っているアイン達に昼食に付いて簡単に説明して家を出た。
そして教室1-1………その前にあった小学校の時同様、頭と比例して薄い校長の話は全部カットだ。
「中学生か………実感湧かないな」
前の世界は籍を置いただけだし……
――ぎゅ♪
「え~そうかな?私はあるよ?制服とか可愛いし!」
「湧かない最もの原因は貴様らだけどな……」
後ろから抱き着いて来たアリシアを無視して振り返ると、中学の制服を着ているなのは、フェイト、はやて、アリサ、すずかと何時ものメンバーが揃っていた。
今年も同じクラス……席は番号順ですずかが隣だ。実は去年まで男女別だったのが今年から共学化になったらしい………
「こうも一緒だと誰かが裏で糸引いてるかと思うぞ………リンディ辺り」
「さ、流石のリンディお母さんもそこまではしない………かな?」
苦笑いで頬を掻き否定しきれていないフェイト。
「そうだよな……そんな事あったら俺に1枚噛ませているしな」
「「「「確かに」」」」
「だよな………っていい加減離れろアリシア、と言うか伸し掛かるな」
「ぶー」
後ろから抱き着いて頬擦りしてくるアリシアを何時もの様に引き剥がす。
「せやけどコダイ君がちゃんとでなくても男子制服を着とるのを見られるとわ……」
はやてが顎に手を添えてじっくりと俺を見てきた。
「そこまでか?それにはやて、あれしっかり着ると例の如く似合わないから」
「男の子なのに男物が似合わないって言うのも凄いね……」
「そこら辺に関しては既に諦めてるのはなのはも知っているだろ」
小学生の頃から女子制服だったし。
「そう言えばアンタ達仕事は大丈夫なの?ここのレベルって小学校と比べると半端ないって聞いたわよ?」
アリサが言った仕事は管理局関連の事……
確かに小から中何だし難易度もかなり上がっているだろうな。
「うん、リンディさんが落ち着くまでは仕事は殆ど無いって」
「『一生に1度何だから青春を送りなさい♪』って」
「青春以前に勉強が………」
「そこは皆で力を合わせれば大丈夫やろ……」
言ってて段々と落ち込むなのは、フェイト、アリシア、はやて。
「そもそもの原因は小学校の最後のテストの成績が少しとはいえ下がったからな」
「「「「うっ!」」」」
俺の追い討ちに胸を押さえるなのは、フェイト、アリシア、はやての魔導師組。
中学までの間なのは、フェイト、アリシアは魔導師ランクSを取得。
なのはは教導官、フェイトとアリシアは執務官、はやては上級キャリアとそれぞれの試験に合格。俺とは大違いなのは当たり前……
そこからこいつらの仕事の頻度が上がって、俺の追い討ちの内容に至ると言う訳だ。
「けど余裕があるって言うなら今まで以上に厳しく行くわよ」
「ノートは貸してあげるけど、宿題関連は自分でやらないと身に付かないしね」
アリサとすずかがフォローに見せかけた追い討ち掛けた。
――キーンコーンカーンコーン♪
あ、チャイムだ……そろそろ教師が来るかな?
その後は小学校と変わらない行事が進み、正午になる前に解放された……
――~♪
「あ………」
放課後、帰路をいつもの面子で歩いているとメールの着信音がなった。
「えっと送信者は……桃子か」
メールを開くとそこには絵文字や顔文字が多量に含まれ目が痛くなったが要約すると……
『お店でレイちゃん預かっているから引き取りに来てね~♪』と言う事らしい。
「丁度良かったね、これからいつもの様に翠屋に行こうって皆と話してた所だし!」
メールを覗き込んでいたなのはが上機嫌になってた。
「そうだが、大丈夫だよな………なのは」
「………………」
目を逸らすな貴様の母親だろ。
桃子がレイにやりそうな事を想定しながらやや早足で翠屋に向かうと、半分予想通りと言った光景が目の前に広がった。
「すっごい繁盛してるの?!ピークとしてもこれは多過ぎ!!」
なのはが物凄く驚いている……
行列はまだ出来ていなが、ほぼ満席……外の席は満席で中が良く見えないから『ほぼ』だ。
「大丈夫かな?席無さそう……」
「大丈夫だよフェイトちゃん、お母さんの事だから開けていると思うの」
俺とは全く違う事を考えていたフェイト、さっきのメールとこの状況で考えたのが席の心配かよ。
一応『予約』と言う形で席を取ったから問題は無いと思うが……
「―――レイが桃子に何か着せられて客寄せになっているのにケーキ1個」
「アタシも」
「私も」
「右に同じ」
「私も同じや……それしか考えられへん」
俺の小さく呟いた言葉に反応したアリサ、すずか、アリシア、はやて……
取り敢えず
――ピコピコ♪パタパタ♪
「あ、コダイだ~♪」
犬耳と尻尾を付けたレイが出迎えてくれた。
「「「「可愛い~♪」」」」
「うゆ~!?」
俺以外の奴が一斉にレイに抱き着いた、特にアリサが誰よりも速く抱き締めていた。
「みんないらっしゃ~い♪席は取ってあるわよ~」
「その前にこの状況を今すぐ説明しろ」
そこに
「―――と言う事なのよ」
空いている席に案内されて注文した物を運んだ来た桃子がこの状況を説明してくれた。
桃子が買い物中に偶然迷子のレイに会って翠屋に連れてったらしい。理由は本人に聞いても『忘れちゃった!』と言ったらしい……
その後、アインに連絡して俺達がここに来るのを知っているからそれまで預かると言ったらしい……
「~♪」
犬耳のレイが俺の膝の上でご機嫌にジュースを飲んでいた。
「………で、何でこんな耳を?」
「うゆっ」
犬耳を摘まむとビクッと肩が震えた……動いてた事もあって俺と同じ事が出来るのかこいつは……
「可愛かったからよ!!」
「答えになって無いぞ」
「流石コダイ君の所のレイちゃんね~♪この子見たさにお客さんが沢山きてるのよ~今度コダイ君とでまたやってくれないかしら?」
「別に手伝うのは構わないがレイがいない方向で」
余計な仕事増えそう。
「それよりも桃子さん!あのワンコ天使撮っていいですか?!」
はやてが携帯を構える。
「そのようなサービスは取り扱っておりません♪」
「そこを何とか!」
笑顔で即答した桃子。それでも食い下がるはやて。
「現在取り扱っているサービスはケーキ3つ以上ご購入の方にこの写真をプレゼントする事です♪」
取り出したのは犬耳レイがケーキを幸せそうに頬張っている所を撮った写真だった。
「コダイ君はレイちゃんの家族だし無償でメモリーごとあげるから、送って貰ったら?」
どんなキラーパスしているんだ貴様は………ほら見ろ、6馬鹿が絶対送れ的な目で見て来るし……
「コダイ!このアミアミみたいなケーキは何?」
「ん?それはモンブラン……栗のケーキだ」
「クリ?それってコダイがご飯の一緒に入ってる黄色いの?」
「その通り、味もその通りだから、あーん」
目の前のモンブランを一口掬ってレイに食べさせる。
「あ~ん♪……モキュモキュ……クリだぁ~♪」
気に入った様だな……
「コダイ君次私がやっても良い?」
「なのは?………あ、コレか。ほら」
隣にいるなのはの膝にレイを乗せる。
「レイちゃん、今度はシュークリームも食べてみる?」
「食べる~♪」
その後、なのはを皮切りに次は自分と名乗りを上げて結局6人娘全員がレイを膝に乗せて食べさせるという行為が続いた…………
ピークも過ぎ客足もバラバラになった頃、流石に長い時間居座るわけにもいかないと言う事でこの辺で帰る事に。その時にコッソリ桃子からレイの写真が保存されているメモリーを貰った……
「さて、会計(レイのケーキ代とお土産代)も済ませたし帰るか――――だからその脇に抱えている物を返せ馬鹿狸」
「ちぃっ!!」
どさくさに紛れて、レイを脇に抱えて翠屋を出ようとする
「仕方ないやろ?!こんな天使でワンコでかわええのをお持ち帰りせんとは失礼やろ!?」
「おい執務官姉妹、アレ何とかしろ」
「か、管理外世界だし……」
「チョット……厳しいかな?」
フェイト、アリシアの苦笑いが返ってくる。
十分現行犯でいけるって。
「何やっているのよはやて!アタシだって我慢してたのに」
「は?」
「―――っ!何でも無いわよ!」
「いや、今更隠すな全部聞こえたぞ」
そう言えばアリサ犬好きだったよな?
すずかが俺の『こにゃいくん』で暴走した様に犬耳のレイに同じ様な事が起きたのか?けどプライドの高さで抑えたと……
「ウチに来たらええ事いっぱいあるで~リインもおるし、かわええ服もあるし、美味しい物もいっぱいあるで~」
何か誘拐犯みたいな手口で誘ってるぞ……
「リイン?!美味しい物?!行く!」
「ふざけるな」
――ゴガンッ!!
脇に抱えられたレイの頭をどつく。
「ニャグッ!!!」
「ちょコダイ君?!凄い音したで!?」
「デバイスだから固いんだよ。こいつ馬鹿で人を疑う事を知らないからあまり馬鹿な事言うな」
はやての脇に抱えられたレイを抜き取って片腕で抱える。
「この前、鼻息の荒い明らかに怪しいロリコンに嬉々として着いて行くところだったし」
「「「「危なっ?!」」」」
その直前で駆け付けたマテリアルズが袋叩きにしてたけど。
「それで確か迷子になるんでしょ?今まで良く大丈夫だったねレイちゃん」
「うゆ~」
すずかに頭を撫でられて嬉しいのか、それともまだダメージが残って唸っているのか半々と言った感じの鳴き方だな。
「そうだな―――レイ」
「うゆ?」
レイを下ろして視線を合わせる。
「こっちが右で、こっちが左だ」
レイの手を持って教える。
「「「「そこから?!」」」」
いやだってコイツ未だに箸とお椀で覚えているから………
因みに数日後にさり気無く聞いてみたがものの見事に忘れてたよ……
当初は天然だけだったのに気づけば公式アホの子雷刃を超えるバカキャラに……
ミラ ランドラス様、頭翅様、松影様、桜日紅葉雪様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~