魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
こう言う地味な作業は結構楽しいbyコダイ
「―――何で俺はここに居る?」
普段どうでもいいで流すが場所が場所だ…………
「君にどうしてもお礼がしたいと事らしい」
「クロノ……俺はこの後なのは達のイジメ――もとい扱くつもりなんだが………何の用だミゼット」
以前からなのはにやっている訓練だが何故かフェイト、アリシア、はやてと人数が増えた。
訳を聞くとリニスが基礎を鍛えるなら俺の方が良いと言ったらしい。あの特訓の意味を理解したのか………
話が逸れたな。俺が今いる場所はミゼット・クローベル統幕議長の執務室だ、しかもレオーネ・フィリス法務顧問相談役、ラルゴ・キール武装隊栄誉元師までいる。
……なにこのオールスターズ?
同じくこの部屋に居る、クロノ、ユーノ、リーゼ姉妹、ギル・グレアム提督がオマケに見える。
「ふふふっ――手短に済ますわ」
「この子があの『新代の魔導師』」
「ミッド、ベルカに次ぐ第三の魔法体系『ベアトリス式』を作ったと言う――」
レオーネとラルゴは興味津津とコッチを見ている。知ってはいたが合う事になるとは思っても見なかった。
「コダイ・T・ベアトリスさん、1年前の『P・C事件』解決及びヒュウドラの暴走事故の真相。そして前回の『闇の書事件』の闇の書の完全浄化……管理局を代表して、私達が感謝の言葉を送ります」
三提督は深く頭を下げた。
「………クロノ一体どういう事だ?」
「スマン……全部話してしまった」
あの2つの事件はなのはやクロノ達の手柄にした筈なのに……
「足を引っ張っただけだ―――」
実際に俺は何もしていない…………本当に思い返すと役に立ってないな。
―――別に今更守るだの助けるだのしようとも思わないし。
「そんな事は無い。君のおかげではやて達やお父様も救われたんだ。それは君が私達を止めてくれたからだ」
「そうだよ、それにコダイは闇の書その物も救ったじゃない……」
「君はそう思うが、此処にいる人間全てが君に感謝しているんだ」
「とは言ってもだな………」
アリア、ロッテ、ギルも頭を下げてくる。
何でこの世界の存在って人の話を聞かないんだ?
「ただ腹が立ったから徹底的に邪魔してやろうかな?と思っただけだし―――」
「そう言えばそう言う事言ってたね~」
「アレ本気だったんだ」
当事者でもあるリーゼ姉妹は思い出した様に苦笑い。この2人には直接言ってたしな。
「闇の書に関しては完全浄化とまでは行かない。防衛プログラムは確かに消滅はするが最低でも後数年は掛る。此処まで複雑なプログラムをあの夜天の書に組み込むとすると相当の技術力が必要なんだ――」
アインが言うには俺の方が力が強いから暴走する事無く、無力化しているらしい。
防衛プログラムとの最後の戦いの際にアレは『あの子』の能力を使って自滅した、多分それが上回っている理由だろう。
「あ、そうか。元はストレージとは言え、守護騎士やら管制プログラムとかかなり特殊だから下手に弄って暴発って事も考えらるよね」
「事件の後も闇の書に関して調べて見たけど、改変されたとしか無かったし」
「整理した無限書庫で調べて見たけど、目新しい物はなかったなぁ」
ロッテの言葉にアリアとユーノが頭を抑える……
「無限書庫でもダメとすると『シード』で検索も無理だな、速いには速いが余計な物が多すぎて時間が掛かる。それに事件の時に一度夜天の書について探しているから多分無理だな」
アレって確実に分っている物なら検索した物から探せるけど、そうで無いと虱潰しだしな………たとえるなら無限書庫から探したいジャンルとそれに類するものを全部取り出して1から調べる様な物。
「無限書庫でも改変されたとしか情報が無い。探せば見つかるはずの無限書庫で何で改変されたとしか――――!」
クロノも同じく考えてたが、突如顔色が変わった?
「コダイ、こんな事1年前にも無かったか!?」
「1年前?P・C事件の――」
P・C事件?そんな改変された物何て――――あ。
「今すぐシードで調べて見てくれ!」
「レイはリインといるから無理だ。だけど言いたい事は分った」
クロノがそれを察して認識阻害の結界をこの部屋に張った。
「クロノ執務官?ベアトリスさん?……一体何を?」
その行動に首を傾ているミゼット。
「少々込み入った話でね……簡単に言うと闇の書の事件は仕組まれていたんだ。それもはるか昔に―――」
俺自身も前に行ってたな、『警察と裁判所と軍隊が一緒になってる管理局だ、黒い噂の1つや2つ隠し通せて当然』とそう考えると技術面に関してもあり得る話だった。
「闇の書を改変したのは管理局だ」
「ちょ――ちょっと待ってください!いきなりそう言われても如何してそうなるかが―――」
「考えても見ろ、何度も暴走して様々な被害を出して来た闇の書に関しての情報が圧倒的に少なすぎる。それ以前に夜天の書の様な特殊すぎるデバイスを加工出来る技術力をもった所は
予想通りの反応をして立ち上がるミゼット。
「そ、それは―――」
「管理局ならロストロギアの一つや二つ弄るのは簡単だな………怒りとかイラつきとかじゃなくて『良く出来ました』って褒めたいぐらいだな。恐らく人造魔導師に付いても恐らく管理局がバックに付いてる」
始めから怪しいとは思っていたけどな。
だって見るからにおかしかったし……
「つまりベアトリスさんは闇の書だけだは無く、プロジェクトFも管理局が始めた物と言いたい訳ですか?」
「確かに……コレだけ大きい組織だと抜け道はあってもおかしくは無いの……」
「どうやらワシらは管理局を勘違いしていた様じゃ…」
3提督は真剣な顔で話し合っていた。
「クソッ……こうなったらすぐに不正をしている上層部を!」
「クロノ、私も行くぞ!」
怒りで我を忘れているクロノとギルは部屋を出ていくが……
「お待ちなさい!!!」
ミゼットの声で止まった。
「しかしクローベル統幕議長、このままでは」
「分っています、でも此処までの事を今まで知られていないと言う事は上層部にはかなりの大きなバックボーンがあると言う事……下手に動けば周りを巻き込むことになります」
「あ…………」
「すみませんでした、お見苦しい所を見せてしまって…」
ミゼットの言葉で徐々に冷静さを取り戻したクロノとグレアム。
「許可が下りれば俺が軽く皆殺ししてやろうか?」
1億チョットなら2,3年で殺せるし。世界を滅亡させるより楽な作業だと思うけど。
「ふざけるな!許せるはずないだろ!」
クロノ突っ込みが来る。
「心配するな。こう見えても特技に完全犯罪と書けるほど得意だ」
「それを局員の前で良く言えるな!?」
「そうだった……と言うよりクロノ最近突っ込みに切れが増したな」
「お前の所為だ!!」
「褒めても料理しか出ないぞ?」
「じゃあ今度―――ってそんな事を言ってる場合じゃないだろ!」
ノリツッコミまで……成長したな。
「じゃあ、他の方法で―――」
「だったらそれを先に言え!」
「別に良いけど長いし地味で面倒な作業だぞ?」
全員が静かに俺を見る……これは言うしかないのか?
「………ギルとリーゼ姉妹がやった事をすれば良いだけだ」
「私達がやった事―――まさか!?」
「正解、目には目を違法には違法を。どんな悪い事もバレなければいい。管理局のやっている不正行為をある事無い事言いふらし表に出してそこで潰す」
「言いふらしって……」
「コダイらしいと言えばらしいけど……」
クロノとユーノが頭を抱えていた。
「秘密裏ではダメなんですか?」
「別にコッソリやるモノいいが、ちゃんとした理由がある」
俺は3提督に指を一本立てて見せた。
「まず1つ。管理局が裏で何をやっているかを第3者にも分からせる事、浮き彫りになり言い逃れが出来ない状況にする」
次に2本目の指を立てる。
「次に違法実験についてだ。違法と言っても実験は実験、付きつめれば立派な技術だ。それらを使わない手は無い」
最後に3本目の指を立てる。
「最後にコレは重大な事だ。その方が面白いと思ったからだ」
「「「「「結局そっち!?」」」」」
俺の事を良く知っている、3提督以外がツッコミをいれた。
「少し真面目な話をするが。何で光と闇が出来たと思う?偶然か?どちらか片方を嫌う思考の持ち主が居たからか?それとも最初からあって人間がそう名付けたからか?人間と言うのは相反する物が無いとダメなんだ」
「相反するもの?」
「例えばクロノ……上と下、強者と弱者、美しいと醜いの様にお互いに反対の意味を持っている、光と闇も同じだ―――コレは片方が欠けると存在を維持できなくなってしまう、反対の意味を持つモノがあってこそ意味が出来る。いくら闇に光を当ててもその後ろに闇が出来る、つまり」
これからやることは。
「闇を更なる闇で葬り去る。コレが闇を消し去る効果的な手段だ」
「つまり私達にあなたの犯罪を見て見ぬ振りをしろと?」
「その通りだ。こんなになるまで放って置けるんだ、簡単だろ?」
俺と3提督が見合う事数分…………
「フッ……そうですね」
ミゼットが微笑んだ……
「正直言って、もう歳だし隠居したいのよね~♪」
「本音出てるぞ」
「あらいけない」
ミゼットが『てへっ♪』と言いながら自分の頭を小突く…………その歳ではに「何か言った?」い。
「何も言って無い」
ただ思っただけ、心読むなよ………
「さて、となるとこれからどうするか……「コダイ」ん?クロノ?」
「僕にも手伝わせてくれないか?」
「どうしてまた……こんな事は嫌う筈なのに」
「確かに嫌いだ……だけど此処まで聞いた以上、執務官としても僕自身としても見過ごすわけにはいかない!!」
クロノは固く拳を握っている。
お堅いと言うか真面目と言うか……
「………と言う事だミゼット、何とかならないか?」
「ん~……………よし♪」
ミゼットは暫く考えると何かを思いついたようで両手をポンと合わせた。
「クロノ・ハラオウン執務官、貴方に部隊を作ることを命じます。部隊を作るにあたって条件があります」
「はい!ですがその条件とは何ですか?」
「それは……隊員は隣に居るコダイ・T・ベアトリスが選ぶ事」
「俺が?」
「はい、民間協力者の方が動きやすいですし」
「言い出したのは俺だから、やるけど……」
コレってパシリだよな?
「よろしく頼む、クロノ」
「勿論だ、コダイ」
クロノと握手をする。
「さて隊員となると局員はNGだな。何処に潜んでいるか分らない」
「コダイ、僕も手伝わせて」
「ん?………ユーノ?」
「ほら、情報も無限書庫と『シード』を併用すれば結構役に立つし」
「良いぞ?始めからそのつもりだし」
それに無限書庫だけじゃなくてもコイツ頭が切れるからな。
「後は人手だな」
マテリアルズは嘱託だけで良いと言っていたから確定だが……
「資質が高く管理局にも知られてない魔導師や騎士はいないものかな?」
「そんな人が居たら管理局が真っ先に手を出す筈だ、人手不足だからな」
「俺達は顔とかが知られているから派手に動けない……もっと派手に動ける奴を2名ぐらい欲しい」
だけどさっきクロノが言った通り、そんな奴が居たら管理局が知らない筈は無い……どうするか。
「あのベアトリスさん?此処で話すのは良いけど…………約束があったんじゃない?」
約束?………………あ。
「やばい……クロノ、転移頼む」
「分った、僕も付いてって良いか?」
「良いぞ?」
クロノの転移魔法でなのはの下に向かった……
「部隊か……」
「なんか話が壮大になったな」
アースラに着いて、なのは達の所に向かいながら。先程の事をクロノと話していた。
「取り敢えず、アインとマテリアルズを引き入れるか、嘱託だし文句言わないだろう」
「そうだな……フェイト達には黙っておこうか」
「仮に言ったとしてもあの馬鹿は使えないからやめておけ……」
クロノがとんでも無い事をしようとしたので止めた。
と言うかなに言おうとしてんの?
「考えても見ろ、あの究極のお人好しの自己犠牲主義者共を入れたって死人が増えるだけだ」
「それは言い過ぎ……だけど確かに頑張りすぎる所があるけど―――」
微妙に否定しきれてない所、クロノも分っているみたいだな。
「――理由はそれだけでも無い。なのはだ……アレは何時か壊れる」
「こ……壊れる?!一体どう言う事だ!」
「俺が砲撃魔法を創って初めて振った結果を覚えているか?」
「………右腕の全ての骨の複雑骨折。更にその骨が肉を突き破り外に飛び出した」
「正解」
あれは正直驚いた、相手の骨は殺して見た事有るけど自分の骨は中々無いから。
「今はもう問題ないが、それでも負担は残っている………そして、なのはが質は違えどアレ程の砲撃を立て続けに撃っている、負担は確実に蓄積される。それに負担が大きい初期のカートリッジシステムがそれに拍車をかけている」
「言われてみれば……なのはが正式な局員になってから目まぐるしい速度で成長している。それに比例して任務で出撃する回数を圧倒的に増えている」
無茶をするに関してはフェイト、アリシア、はやても同じ事が言えるが……なのははそれ以上に無茶をしている。
「あの調子だと後、3年位で――――アイツは壊れる。安心しろ、こう言っただけにしっかりと対策は立てている。その為の訓――イジメだ」
「言い直す必要あったか?でも……対策があるなら君に任せよう、この中でなのはと付き合いが長いから………なのはもこの事を?」
「いや全然」
クロノの疑問に即答する。
「アイツに『何時かとんでも無い事になるから魔法は控えろ』って言ってみろ『大丈夫なの、自分の事は自分が良く分っているの』って通すぞあの頑固馬鹿は……」
なのはの声真似をしながら言っても無駄だとクロノに言う。
「アイツには丁度良い痛い目の見かたがあるんだ」
「痛い目?」
そう、本人は無傷なのに絶大なダメージを与える方法……
「その時まで御期待と言う事だ……」
これ以上追及されない様に早足でなのは達の元に向かう。
さて、今回はいつも以上にキツクするか……
頭翅様、天城様、Crisis様、桜日紅葉雪様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~