魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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無印編
不思議な生き物と出会うと碌な事がないbyコダイ


 三年生になったある日の夜中、不意に目が覚めた…

 

「……声?」

 

 声が聞こえた、声からして子供……外から聞こえたのでは無くて、頭の中から聞こえてきた。

 

「誰かを………呼んでる?」

 

 意識を集中する……もう声は聞こえなかった。

 

「幻聴か?」

 

 何気なく時計を見ると……

 

「2時…何か作るか」

 

 ベットから降り弁当を作ることにした。

 

「……どれ位凝れるかやって見るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの幻聴について考えていたら、いつの間にか昼休みになっていた……しまった、どうでも良いが授業聞いて無かった。

 確か、何か聞いてた様な……

 

「将来か~アリサちゃんとすずかちゃんはもう結構決まってるんだよね?コダイ君は?」

 

 そうだ、確か前にこの町に付いて調べたんだ。最後に教師が将来について今から考えろとか言ってたな。

 

「親が会社経営だし、いっぱい勉強してちゃんと跡を継がなきゃくらいだけど?」

「私は機械系が好きだから、工学系で専門職がいいな~って思ってるけど」

「2人とも凄いな~」

「なのはは如何なんだ?」

 

 そう言うと、途端黙ってしまったなのは……おい、言いだしっぺ。

 

「このままいけば翠屋二代目よね?」

「うん。それも将来のビジョンの一つではあるんだけど。やりたいことは何かあるような気がするんだけど、まだそれがなんなのかハッキリしないんだ。私特技も取柄も特にないし…」

「……意外だな」

 

 なのはの話しを途中で切った俺に視線が集まる。

 

「3人は絶対に作文に将来の夢は『可愛いお嫁さん』って書いてそうな気がした」

「「「何で知ってるの!?」」」

「図星かよ……」

 

 3人が真っ赤になって詰め寄って来た。

 

「大体アンタの夢はいった―――」

 

 顔が赤いまま俺を指したアリサが途中で固まった……視線の先は俺の弁当……

 

「アンタ……何時に起きた」

「2時だ…何でそんな事を聞く?」

「アンタの弁当が凄く豪華だからよ!何よ重箱2段って!!……それよりも早起きの新記録更新じゃないの!」

 

――ブゥン!!

 

 アリサの放つ拳をかわす。

 

「だから当たりなさいよ!」

「だから当てろよ」

 

 コレ通算何度目?十から数えてないな……

 

「あ、アリサちゃん落ち着いて!」

「そ、そうだよ落ち着くの!」

 

 すずかとなのはが止める、これも定番。

 

「夢か……」

 

 今更夢って……なぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 下校中。なのは達は塾らしくアリサ曰く近道を歩くことに。俺は塾行ってない、必要無いから。

 

――誰か聞こえますか?…誰か助けてください

 

「ん?」

 

 この声、夜中に聞いたあの声か?……どっから。

 

「どうしたの二人とも?」

 

 すずかが聞いてくる、すずかには聞こえていないようだ――二人とも?

 

「ううん……何でもないの」

 

 なのは?もしかして聞こえたのか?

 

――誰か………助けて…

 

「やっぱり聞こえる!」

「幻聴にしてはリアルだな」

 

 なのはと俺が同時に同じ方向に走る。

 

「なのは、もしかして聞こえたのか?」

 

 なのはと並んで走りながら聞いた。

 

「うん。もしかしてコダイ君も?」

「夜中にな、目覚ましには丁度良かった」

 

 ん?……血の臭い?……絶対碌な事しか起きないぞ。

 

「……ん?あれだ」

 

数メートル先に光る何かを見つけてそこに駆け寄る。そこには………

 

「フェレット?」

「みたいだな…」

 

赤い宝石のペンダントを首に提げてるフェレットが横たわっていた………光ったのは宝石か。

 

「怪我しているの!?」

「息はある、気絶してるだけど思うが……」

「コラ~ドコ行くのよ~」

「待ってよ~」

 

 なのはが慌ててるとアリサとすずかが追いついてきた。

 

「急に走らないでよ……ってそのフェレット怪我してるじゃない!」

「アリサ、近くに動物病院があったよな」

「私場所知ってるよ!」

「すずか案内してくれ。急いで行くぞ」

「うん!」

 

 清潔なハンカチでフェレットを包み、動物病院に急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すずかに案内されやって来た動物病院に着いた俺達は受付に事情を説明して、フェレットを預け治療して貰った。獣医が言うには安静にしていれば良くなるらしい。

 

「フェレットにしては見た事ない種類だな……新種か?」

「先生、このフェレットなんですけど、どこかのペットなんですか?」

「そうね…私にもよく分らないわ……」

 

 フェレットを囲んで話していると、そのフェレットが起き、あたりを見回すと俺となのはの所で止まった。

 

「えっと…」

 

 なのははおそるおそる指を近づけた。俺もそっと指を近づけた…するとフェレットはなのは、俺の順に指を舐めた……がまた気を失ってしまった。

 一応この野良フェレットは獣医が預かる事になって、時間も遅いので俺たちは帰る事になった。

 

「フェレットか~アタシの家は無理かな~犬いるし」

「私も~猫がいるから……」

 

 帰り道、4人で誰がフェレットを飼う事にするか決めている。

 

「俺の家なら問題ないぞ?一人暮らしだし、餌代諸々払ってもお釣り来るし」

 

 億は超えてるからな。

 

「あ、でも一人暮らしだから学校中置いて置く訳にはいかない………なのは、学校に行くときだけそっちの家で預かってくれるか?」

「ふぇ?それはお父さんに聞いてみるね」

「桃子に言えば絶対通ると思うぞ?」

 

 ヒエラルキーだし。

 

「今度コダイ君の家でフェレットに餌あげてもいい?」

「すずか?別に構わないが」

「アンタじゃ飼育できるかどうか不安だし仕方ないから時々にだけどアンタの家に見に行ってあげるわ!」

「安心しろアリサ、知識はある」

「コダイ君がもしフェレットさんを忘れたら私がお家に持っていくの!」

「なのはでは無いから心配するな…」

 

 それよりも何で俺の家を強調する?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 塾に行くなのは達と別れて帰宅後、まずペットショップに行ってフェレットに必要な物買って。獣医にフェレットを飼うと電話をした。

 色々準備をしていたらフェレットを迎えに行く頃にはもう暗くなっていた。

「…………」

 

 目を覚ましたのかこちらを見てくるフェレット……そう言えばこいつ喋っていたよな?確か頭の中に響く感じで……

 

「≪君は……お願いです!僕に少しだけ力を貸してください!≫」

 

 そうそうこんな感じで……は?

 

「フェレットが喋って――」

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

 突如響いた咆哮に体を向けるとそこには見た事もない獣の様な化物が………

 

「凄いな……ここは猛獣も看病してるのか?」

「違います」

 

 すぐ横で声が聞こえる…横を見ると肩にフェレットが乗っていた……

 

「アレは忌まわしき力の元に生まれた思念体です」

「思念体?それと誰?…でいいのか?」

「はい!僕はユーノ・スクライアと言います」

「俺はトキガワコダイだ」

 

 化物が襲いかかって来たのでフェレット…ユーノを抱え横に跳んでかわす。動きは遅いようだな…

 

「お願いします!僕に少しだけ力を貸してください!」

「は?なんで俺なんだ?」

 

 俺にあの猛獣を保健所に送れと。

 あ、思念体だから違うか……どっちにしろ。

 

「あっちは見逃してくれないし、こう言うのは専門家に頼るべきだしな」

 

――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

「近所迷惑だハウス」

 

 俺は懐からハンドガン、デザートイーグルを取り出し思念体に向かって2,3発撃ち込んだ。

「チョッ!何でそんな物騒な物持っているんですか!?」

 

 ユーノが耳元で騒いでるが企業秘密だ。

 

――ガゥンガゥンガゥン!!

 

 マグナムは『小柄な人間や女性、子供が撃つと肩の骨が外れる』という表現がされるが、実際は姿勢や扱いを注意すれば女でも撃てる代物だ。

 弾は全部当たり思念体を抉るが、すぐさま逆再生のように傷が回復した。

 

「ダメです!それでは思念体を倒せません!」

「今見たよ、思念体だから実体が無い……ダメージはあるが再生されたらキリが無いな…………だったら」

 

 俺はワイヤーとハンドグレネード取り出し安全装置のピンにワイヤーを結びつける。

 

「これでよし……後は…」

 

――ガゥンガゥンガゥンガゥン!!!

 

 今度は同じ場所に数発撃ちこむ、傷はもはや穴とも呼べるほど深かった。

「ユーノ、今の内に耳塞いどけ」

「え?えっ!?」

 

 ハンドグレネードをその穴に向かって投げ入れる、穴に入った途端それごと取りこむように再生した。

 すぐユーノを抱え近くの倒れてるテーブルに飛び込んだ。

 

「な、何をするつもりですか!?」

「何……どんなに再生力が高くてもそれ以上の攻撃を喰らえば、死にはしないが動きは止まるだろ?…あと耳、塞げよ」

「あ、はい!」

 

 ユーノはペタンと耳を塞いだ。

 それを確認して、持っているワイヤーを手元に引っ張る。手元に戻ってきたのがピンだけと確認し、俺も耳を塞いだ………………直後。

 

 

 

――ズカアアアアアアアアアアアアアアアン!!

 

 

 

爆発音と共に衝撃がデーブル越しに襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さすが思念体、血は出てないようだな」

「す、凄い」

 

 目の前の光景に俺は平然とユーノは唖然としている。

 あの思念体は上半身が丸ごと無くなったいた。俺も正直予想外だった……

 

「あなたは一体何者ですか?この世界には魔法文化は無いのに、明らかに戦いに慣れているその動きは…」

「生きるための知恵だよ」

 

 ん?魔法?……世界?何か不思議な言葉を聞いたな……

 

「後はこれをどうするんだ?火に入れて灰にするのか?」

「いえ、それでも復活してしまいます」

「こんなにしてもか……ん?」

 

 思念体の中に青い宝石見たいのが埋め込まれていた。

 

「あの宝石は?」

「ソレがこの思念体の元です、それはこれを使って封印してください」

 

 ユーノが渡したのはユーノが首に掛けていた赤い宝石だった………




アキ様、白い鳥様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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