魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
フェイト+電光の襲撃者÷2=アリシア
が個人的な公式です。
2013/04/17 内容に矛盾があると報告をもらい修正しました。
事の発端は数時間前。
「クロノ~新魔法が出来たから協力してくれない?」
と俺がフェイト達の家に行った時の事だ……
今年の春から怪我で止められた魔法の研究を再開した。既存の魔法も色々調整を繰り返し更に魔法を2つほど追加した。
「すみません。クロノ執務官は所用で本局に言っております」
対応してきたのはリニスだった……
「でも丁度良いタイミングですね」
それで嬉しそうな反応をしたのはリニスだった。
「実はつい先日にアリシアのデバイスが完成して一通りの動作を確認したばかりなので模擬戦相手が欲しかったのです!」
「は……フェイトは?」
「いえ、頼もうと思っていたら丁度コダイさんが」
……来るタイミング間違えたかも。
などと思っている内に話がトントン拍子に進みアースラの訓練所に殆どの顔見知りが集合した。
「―――で、何で此処に居るんだ?」
此処に居る場違いなアリサとすずかを発見した。
それ以外にも八神家とリーゼ姉妹の所で勉強中のマテリアルズも居るし……
「翠屋に居たらなのは伝いにフェイト達に招待してもらったのよ」
「コダイ君とアリシアちゃんの魔法って見て無いからどんな物かな~って」
いやいや、闇の書の時見ただろ?シールド張ってただろ。
「コダイ~!」
アリシアが後ろから飛びつこうとしてたのでかわす。
「わっ―――ととっ――――――なんの!」
バランスを崩し前のめりで数歩、そして身を反転させて持ち直した。
「コダイ、新しい魔法がどんな物か知らないけど負けないからね!」
だから何でテンション高いんだよ………新しいおもちゃ貰った子供か?って子供だったな。
「そう言えばアリシアのデバイスは?」
「コレだよ!名前は『ハルバード・フォルテス』だよ」
≪初めまして≫
アリシアの手には銀色の台座に乗った四角形の銀色の宝石型。
バルディッシュと似ているな………製作者が同じリニスだから兄弟機か?
≪レイ・モモ・ブラッドです!レイって呼んでね!≫
≪はい≫
……兄弟そろって無口だな。
いや、レイ以上に喧しくなっても嫌だな。レイは戦闘前なので右腕に戻っている。
「アリシア、どんなデバイスか見せてくれる?」
「もっちろん!ハルバード―――セーット・アーップ!!」
≪Stand by ready.set up≫
アリサに答えて、ハルバードを掲げ起動したアリシア。
水色の魔力光に包まれるが一瞬で光が晴れて、そこにいたアリシアは銀色のバルディッシュのエッジが両側に付いたハルバードを手に持ち。
バリアジャケットはフェイトと同じ黒いレオタードを着ているが、マントは無く背中が露出していて、スカートは長い、手甲は二の腕まであり、靴は膝までのグリーブになっている。(バリアジャケットのモデルはfateのセイバーリリィ)
「ふふ~ん♪どう?私のバリアジャケット姿は?」
「流石……露出狂の血は争えないな」
「「私、露出狂じゃないよ!」」
アリシアと同時にフェイトもやってきて真っ赤になって答える……
アレを露出狂じゃなかったら一体何だって言うんだ?―――確認してみるか?
「アルフの防護服は誰が作った?」
テスタロッサの家系を経由していけばたどり着くだろう……まずは人型になっているアルフ。
「ん?これはフェイトがアタシの為に作ってくれたんだよ!」
「主だしな―――じゃあそのフェイトは?」
「えっと……リニスが考案してくれたものに色々使いやすい様にしたけど、見た目とかは変わって無いと思う」
バルディッシュの製作者でありフェイトの家庭教師だったから、サンプルとして見せたんだろうな……
「ではリニスは?アルフからするとプレシアか?」
「はい―――もしかして変でした?」
「そういう意味で聞いてはいない。プレシア、その防護服には誰かモデルとか要るのか?」
「えっと―――」
プレシアが何故か困った様な顔をしている。
それに加え、俺のさっきまでの会話の所為で此処に居る全員がプレシアを見ている。
「えっと。笑わないで聞いて欲しいんだけど……アレはアリシア蘇生させようとした時に作った物で本当は違うのよ」
「「「「え――――?」」」」
予想外の真実にプレシア以外のテスタロッサ家と声が揃った。
「だ……だって、アリシアを蘇生させるにしても事の重大さを知っているから踏ん切りがつかなくて―――だってほら、犯罪だし」
両手を前に振って、慌てているプレシア……あ、何か読めてきた。
「それであんなキツイデザインに………当時余命幾許も無いからはっちゃけたと」
「全く持ってその通りよ………のめりこみ過ぎてやめた後も抜けなくて―――」
「取り敢えずプレシアがアリシアとフェイトの母親だって事が分った」
両手で顔を覆うプレシア。藪を突いたら蛇どころか龍が出た見たい……
形から入ってハマったのか―――
「そろそろ始めるか――アクセス」
レイを起動して『スタイル・ブレイザー』を纏う。
「……よし、問題なしだな」
右手を握りこみ違和感が無い事を確かめる。
「アレ?前見たのと違う……」
「アリサが見たのは『スタイル・イレイザー』で高速機動型。コレは基本の形態だ」
「へぇ~……でも前の方が似合ってるわよ?」
「前の方が可愛かったよね」
アリサとすずかはイレイザーの方が好みらしい。
俺もあっちの方が女装だし動きやすいから良いしな。
「姉さん頑張ってね!」
「アリシア負けるな~!」
「おや?エルはアリシアの応援ですか?」
フェイトは当然としてエルがアリシア側になるのが意外なのかサクラが僅かに目を丸くした。
「ふふ~ん♪モッチロン!だって………水色なものに悪いものはない!ねっ……コダイ!」
「振るな」
「ぶ~何だよ~コダイの虹色にも水色があるだろ~一緒に応援しろ~」
エルが不貞腐れながら後ろから抱き着いている。
何の拘りか知らないがエルは水色なものが好きだ。飴とかアイスとか水色を優先で買うし……
「伸し掛かるな。大体なんで相手を応援しなければいけない……と言うかそろそろ始めるから離れろ」
「じゃあ早速始めよう!」
何かソワソワして待ちきれない様子のアリシア……戦闘狂は此処から来たのか?
アリシアに引っ張られて皆と後にする……
「ルールの確認をします」
訓練室の中央にアリシアと向かい合い、その間にモニターに映ってるリニスが進行している。
「両者のどちらかが魔力切れか戦闘続行不可能なった場合その場で終了。それとこのまま続行が危険だと判断した場合私が止めます……質問は」
「無いぞ」
「こっちも大丈夫!」
「では―――始め!」
リニスの合図と同時アリシアと飛び、距離を取った。
「さて、どう来るか……」
アリシアの戦法が分らない以上、フェイトとエルの戦闘から推測するか。
恐らく十中八九クロスレンジはあるな、これは両者共通する。『
遠距離を重視として魔法を組み込む……
「ディレィスペル」
両腕に4つずつの魔法をキープ。
リニスを師事してるなら高速機動型とも考えても良いな……
だとしたら今回の新魔法とは相性が悪すぎる。
「行くよハルバード!」
≪ポールフォーム≫
ハルバードの柄が伸び、本体の上部から槍状の魔力刃、両刃のエッジの片方には斧状の魔力刃、残りのエッジは直角に展開して鉤爪状の魔力刃が形成される。
名前からしてポルーウェポンなのは分っていたがまさか魔力刃3つを同時に展開か。
槍は小型、鉤爪は中型、斧は大型の魔力刃で作られている………アリシアがどこまで扱えるか不明だがこれでクロスレンジは確定したな。
「スローナイフ」
魔力刃を両手に6本持ち、アリシアに向かって投擲。
「これは受けちゃダメと―――セイ!」
アリシアがハルバードを振るいスローナイフを下に叩き落とした。
さすがに身内だけあって手の内がばれているな……スローナイフは陽動程度にしか使えないか。
「今度はこっちの番だよ!」
≪フォトンスピアー≫
アリシアがハルバードを掲げて自身の周囲に魔力弾を4発程形成した。フェイトと同系統の魔法か?
プレシアの魔力資質をフェイトほど濃く受け継いでいないアリシアは魔力変換資質は無いはず。
「せーのっ!」
魔力弾を維持したままコッチに突っ込んできた。射程が短いのか?それでも……
「フェイトのより遅いな」
移動速度はフェイトより遅い、なのはと同じぐらいか?
どっちにしろ近づく訳にはいかないから。
「距離を置いて貰おうか。ディレィスペル・アウト」
≪ガンブレイズ≫
突っ込んでくるアリシアに向かって極小の魔力弾の弾幕をまき散らした。
――ズドドドドドドドドドドドドドドッ!!!
「え?………」
ガンブレイズがアリシアに当たった……しかも防がれる事無く直撃したように見えた。
フェイトの場合これは直前で回避か?
「レイ、アリシアは?」
≪うゆ?前だよ!≫
「ヤァァァアアア!!!」
ガンブレイズが直撃した場所から突っ込んできたアリシア……無傷?見た目通り頑丈なのか?
突っ込んだ勢いをそのままに振りかぶるハルバードを後ろに飛んでかわす。
「まだまだ!ファイア!!」
――ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!
交わされた瞬間に周囲に待機させていたフォトンスピアーを発射させる。
振り終わりの隙を防ぐためか。
フォトンスピアーの弾速はプラズマランサー程速くは無いからかわすの容易。弾は当たらず後ろの壁に当たり……
――ズゴォンッ!!!
魔力弾では洒落にならない程の衝撃音が響いた……着弾した壁は大き目なクレーターを形成している、唯の魔力弾でコレ?
「成程――近距離のパワータイプか」
シグナムの手数で攻めるタイプでは無くて。頑丈な防御力で攻撃を耐えて隙があれば叩き込む『一撃必殺』タイプか。
「正解♪本当はフェイトと同じが良かったんだけどリニスがこっちの方が良いって」
リニスが?………成程、アリシアはフェイト達と比べて経験値が圧倒的に少ないから、フェイトのオールランダーより一点特化に絞ったのか。
なのはがクロスレンジオンリーになったと考えれば……だめだ、何もない所でこけるイメージしか浮かばない。
「フェイトがスピードなら私はパワー!」
ふざけるな、貴様らエース級は全員パワーでごり押し出来るだろうが。
「魔法はパワーだ!!」
≪フォトンスピアー≫
再び魔力弾を放ってくる。
あの威力は装甲が耐えれるかどうか………うん、無理だな。
「ディレィスペル・アウト」
≪バニシングバスター!!≫
砲撃を放ち、アリシアのフォトンスピアーを飲み込んでアリシアに向かって真っすぐに伸びた。
「ウワッ!ずれて無い!?」
アリシアは慌てているが砲撃はかわされて向こう側の壁にぶつかった。
「変わったのは新魔法だけだと思うなよ?あの事件からどれだけ間隔開いていると思っている―――それ位あれば調整位いくらでも出来る」
調整したのはスローナイフ系以外の魔法、アレはもう完成して様なモノだしな。
「だったら――ハルバード、カートリッジロード!」
≪ロードカートリッジ≫
ハルバードがカートリッジをロードする……何かする前に潰すか。
「ディレイスペル・アウト」
≪バニシングバスター!!≫
再び砲撃を放たち、アリシアに向かい真っ直ぐに伸びていく。
それに対してアリシアはハルバードを肩に担ぎ、振りかぶる体勢になっていた。
≪トマホーク・エッジ≫
「行っっっっけええええええええ!!!!」
振り下ろしたハルバードの斧の部分から魔力刃が発射され、その魔力刃が高速で回転して円状になって一直線に飛んで来て……
――ズバァッ!!
バニシングバスターを枝の様に2つに分かれさせた。
≪当たったら痛そう!≫
「痛そうですまないのが俺なんだけど―――っと」
砲撃を切り終えて迫る魔力刃をバーニアで上昇してかわす。
「まだだよ!」
≪エッジブラスト≫
下を通過する魔力刃が一層強く光った瞬間、更に上昇した。
――ドゴオオオオオオオオン!!!
予想通り、魔力刃が爆発した……魔力を爆裂ってやっぱり一般的なのか?なのはもシールドを爆発させたって言ってたし、フェイトもハーケンの魔力刃も出来るって言ってたし。
「ハァァァァァァァ!!」
アリシアが俺の更に上に移動していて、ハルバードを薙ぎ払っていた。
「逃げる場所を予測されたか……」
――ブォンッ!!
上体を反らして紙一重でかわす。
「―――テァッ!!」
薙ぎ払った反動を利用して流れる様に今度は槍として突き出して来た。
上体を反れたまま今度は体を捻りかわす。
アリシアが突き終った瞬間手首を返した………あ。
――ヒュンッ!!
上体を更に反らすと同時にアリシアがハルバードを思い切り引いた。
俺の目の前に鉤爪状の魔力刃が通過し、その後バーニアで距離を離した。
「あ~あ……今のは当たると思ったのに。流石シグナムが言った様にクロスレンジは得意みたいだね」
「いや、今の結構ギリギリだった」
斧で体勢を崩して、槍で仕留める、それが出来なかったら鉤爪で引っかけて捉えて魔法で撃つか?
どっちにしろポールウェポンの特性を活かし切っているな……
「えへへ~」
嬉しそうだな……こっちは当てれば死ぬと言うのに……一回だけなんだけど。
「じゃあコッチも1つ目の新魔法だ」
≪ナイトフェンサー≫
右手に大き目の高密度に圧縮したスフィアを形成、ディレイスペルの『行使寸前の魔力を限定的に封印』を応用してある一部を除き限定的に魔力を封印する―――すると。
――ギィィィィィィィィィィィン!!
チェンソーの様に音を立てスフィアがある一方向から噴出し中型の魔力刃に変化した。
「うわ……何それ?見るからに物騒な魔法」
「魔力を高密度に圧縮する、だが圧縮した魔力が多いほど暴発の危険がある。だから事前に小さな逃げ道を作ってやるとこうなる――スローナイフの上位互換と言う所だな」
アリシアに簡単に説明してやった………簡単に言うけどコレって噴射した魔力を集束→噴射→集束...を繰り返しているからこんな形になる訳でかなり調整が難しい……
それにディレィスペルは原則的に集束魔法はキープ出来ない。だからこの魔法は発動に数秒掛かる……
後、物騒なのは皆同じ。
「何かヤバそう……先手必勝!!」
「させるか」
アリシアのハルバードの斧とナイトフェンサーがぶつかり火花が飛び散る。
――ギィィィィィィィン!!
「―――受けるのか」
「いや、受け止めなかったら危ないし……」
「アリシアが自分で言ったよな?俺はクロスレンジが得意だって」
ナイトフェンサーの噴射をやめる。
同時に拮抗が無くなったアリシアの体が前に崩れた。
「力自慢に誰が力比べするか。ディレィスペル・アウト」
≪ウェブバインド≫
「きゃあっ!!」
網状のバインドを撃ち出してアリシアを包んで拘束する。複数拘束前提のウェブバインドは調整して強度は問題無く発揮できるが壊れない訳でも無いしな。一気に決める……
そこから後ろに回ってウェブバインドを掴む、位置は――――ここだったな。
「模擬戦だから忠告、舌噛むなよ」
「へっ――――ってきゃああああああああああああああああ!!!」
そのままアリシアごと急降下、そして確認した位置に向かって2,3回程回してジャイアントスイングの要領で投げ飛ばす。
――ドゴオオオオオオオオオオオン!!!
≪目、目が回る~気持ち悪~い≫
「はずみで解除するなよ?」
デバイスが―――ってもう実体化したから感覚あるのか?
「―――っタタタ……ってコラー!!コレ模擬戦!2回も死なす気?!」
叩きつけた場所からバインドを解除したアリシアが立ち上がった。と言うか元気だな……あの頑丈なバリアジャケットのお陰か。
「だったらこっちは何度も死んでいるんだ。それと気を付けろよ?そこに地雷あるから」
「地雷?……ってそれ質量兵器じゃん!」
「比喩だ比喩、空戦にそんな物役に立つか……周りの足元をよく見ろ」
「足元?」
言われて、足元をぐるりと見渡すアリシア。そこには虹色に光る小型の魔力刃が数本……
「これって私が叩き落したスローナイフ?なんでこんな所に―――?!」
「それは俺が爆発させてないから。それにコレはスローナイフの上位互換だ」
噴射をやめていたナイトフェンサーを再び活動開始させる今度は1か所では無く反対側にも噴射させて2方向に。
ナイトフェンサーを投擲、噴射の推進力で加速してアリシアの足元に突き刺さる。
≪バースト!≫
「ハルバード、防御!!」
≪プロテクション≫
ナイトフェンサー、そしてアリシアの足元にあったスローナイフを纏めて爆発させる。防がれたが倒すのが目的では無いしな。
バーニアを停止さて直ぐに地面に着地、念には念だ。
「ディレィスペル・アウト」
≪スローナイフ・フォートレスシフト!≫
左腕にキープしていた4つの魔法を全て発動。
ベアトリス式の魔法陣がアリシアの四方を囲むように地面に展開してその上から魔法陣に刺さる様にスローナイフが敷き詰められた。
「ディレィスペルでの遠隔同時発動は成功……だけどこの魔法通常のスローナイフみたいに爆発できないからな……」
スローナイフを4本放り投げ、それぞれのフォートレスシフトに当てる。
――ズガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!
すべてのスローナイフを連動して大爆発を起こし、それに比例する爆煙で俺達の視界を潰した……
「アリシアは?………まだ動いていないな」
気絶……では無いな。最近魔法戦に慣れて来たのか魔力を気配と一緒に読める様になった。と言っても魔導師の位置ぐらいが限界だけど。
「全く……こんなものを創るなんてトリッキーにも程がある」
コレにはナイトフェンサーの3倍以上時間が掛かる。
それに消費も激しい……その間動けない上にディレイスペルは使えない。
範囲は何処居るか分らない……面倒臭い様は当たればいいんだ………範囲設定完了……後は……
――ゴォウッ!!
次の瞬間、とてつもない突風により煙が晴れた………
「ふぅ……正直、結構危なかった」
晴れた上空からアリシアの声がした、担いでいるハルバードは先程よりも柄が伸びて水色の魔力刃が形成されている両刃の巨大な斧になっていた……
「それは?」
「ハルバードのフルドライブ。クリティカルフォーム………全部試すつもりだったからここで使わないと」
フェイトのザンバーみたいなものか……相変わらず『杖』じゃないよな……デバイスって。
……4……
「見るからにギリギリって感じだね」
「ディレイスペルはかなりの魔力を使うからな……それも長時間となると結構疲れる」
……3……
「今回の新魔法ってもしかして……」
「そう、シグナムに指摘された火力不足だ。それは一応『ア・サンブル』があるがまだ改良の余地はあるからな。だから集束の様に周りから集めて、多少のネックは無視した高威力の魔法を作った」
……2……
「ネックって事は………もしかしてさっきのフォートレスシフトは?!」
「その通り―――」
……1……
「時間稼ぎだ」
足元にベアトリス式の魔法陣が展開して高速で回転する。
「現時点、最強火力魔法――――」
≪ディ・レント・フォール!≫
足元の魔法陣が消えて、同時に全身の装甲が解除された。
≪警告。上空の魔力反応接近≫
「上空?一体何――――がぁっ!!」
上を見たアリシアは固まった。
うん………正直やり過ぎた。
――ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
上空にはあり得ない位の巨大なスフィアが落ちてくる……
「何アレ!?アレがコダイの魔法!?なのはよりも洒落になってないよ!!」
「魔法運用技術を全て使って威力に回しているから……実際に使うのはコレが初めてだし」
と言うかこのための模擬戦だったからな。
「ハルバード、全弾カードリッジロード!アレを壊せば私達の勝ちだよ!」
≪ロードカートリッジ≫
「一撃――必殺!クリティカルゥゥゥゥゥゥゥ!!」
全てのカートリッジをロードしたハルバードを構えてディ・レント・フォールに向かって飛んでいき。
「ブレイカァァァァァァァァァァァ!!!!」
そのままディ・レント・フォールに向かって振った。
――ギイイイイイイイイイイイ!!!
拮抗してるよ……アレを止めようと言うのもそもそもおかしいと思うけど?
「こっ―――のおおおおおおおおおおお!!!」
ディ・レント・フォールが僅か押されてる――――――けど、それはここからが本領発揮だ。
「えっ?ちょっと待って!?魔力刃が小さくなって――」
今回投入した新魔法は集束の様に周りから集めて、多少のネックは無視した高威力の魔法。
ディ・レント・フォールは遠隔操作で集束した魔法で、さらにスフィアに触れた魔法を更に集束する能力もある……
つまり……集束した魔力+俺の魔力+周囲に散らばった魔力+アリシアが使っている魔法=ディ・レント・フォールの威力
と言う計算が成り立つ……
出力差で破壊されない以外、威力を増し続ける。障壁で防ごうにも、迎え撃とうにも、魔法を使ったら。水を得た魚と言うか――ニンジンぶら下げた馬と言う感じになる。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
スフィアに呑みこまれるアリシア………初期の設定はなのはのSLB並みだけどアリシアの魔法が加算されているからな。
「やっぱりコレも要改良かな?」
ナイトフェンサーも取り回しが面倒臭い、もっと出力を上げて使いやすく………って都合よく行くかな。
≪コダイ、そんなこと言ってないで逃げよ!ディ・レント・フォールの射程内だよ?!≫
「レイ……それは無理な相談だ。さっき装甲壊れただろ?」
≪うゆ?≫
「――――魔力切れ動けない」
≪……………え~っ?!待って!!!ストップ!!タ~イム!!!≫
「あ、制御に関しても見直さないとな……」
――ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!
結局、こう言うオチか……………
~オマケ~
報告
『アースラ訓練所半壊』
嘱託魔導師2名が一方は新魔法の実験、もう一方はデバイスの試運転を目的に模擬戦。
ランクは1人がS-でもう1人がAAA。
結果、訓練所が半壊。観客には日に日に強力になる(理由はあえて言わない)結界で被害は無し。
被害を受けたのは模擬戦をしていた魔導師2名。
AAAランクの魔導師は模擬戦に負けたものの防御の性能が高かった為、比較的に軽症で3日で完治するとの事。
S-ランクの魔導師は模擬戦に勝ったはずなのにとある事情で相手より重症、更に魔力エンプティにより全治2週間となった。
アースラ艦長 リンディ・ハラオウン提督
頭翅様、桜日紅葉雪様、アキ様、夢物語様、松影様、シーザス様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~