魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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引き続きマテリアル編。
終始ヒエラルキーの通常運転です。


あの人達はもう如何にも止まらない……止めないけどbyコダイ

 海鳴市近くのとある大型スーパーに来ている。

 ここには何度も食器や調理器具でお世話になっている。手ごろな値段で良いのが手に入るし……

 今回はそれは後、桃子達がマテリアルズを抱きかかえ脇目も振らず服屋に入った。

 色々な年齢、ジャンルに合わせた服があり、下着、帽子、靴等もありここで全ての服飾を揃える事が可能でもある。

 

「さぁ~サクラちゃん♪次はコレよ~」

「いえ……あの、最低限あればいいので」

「駄目よ!こんなに可愛いんだからちゃんとオシャレしないと~」

「いえあの……ちょっと待ってくださ―――」

 

 サクラ担当、桃子――現在15着目の試着。

 最初はなのはと同じ服を着せたが微妙な顔をして、後に落ち着きのあるシックな服装を中心に着せている……当然ゴシックロリータ系のも忘れてない。

 そして再び新しい服を持った桃子に試着室まで引っ張られるサクラ。

 

 

「ウフフ♪似合ってるわよエルちゃん」

「ふふ~ん♪そうだろ~!次は何だ?」

「はぁ……あの子達もこれ位素直に甘えてくれれば」

「大丈夫ですよプレシア、まだまだ甘えさせる時間はありますって!ほら、次はプレシアの番よ♪」

「そうね……エル、これを来てくれるかしら」

「お~カッコいい~!あれ?どう着るんだ?」

「私が着せてあげるわ」

 

 エル担当、リンディ&プレシア――現在18着目

 ここは比較的平和、リンディとプレシアの直ぐに仲良くなった。多分何も考えてないだろう……直感的に感じ取ったのかもしれない。

 どんな服でも渡すと喜んできてくれるので2人の張り切り具合が凄い……

 明るめの服をリンディ、黒系の服をプレシア………バランスが取れている。

 今度はプレシアがエルを連れて仲良く試着室に入った。

 

 

「ああ~良いわ!とってもいいわ♪」

「馬鹿者!これは見世物では無い!」

「はやてちゃんとはまた違う魅力……う~んこれは思い切ってロリータも行って見ましょうか!!」

「ふざけるな塵芥!我は王だぞ、姫の前でそんな恰好出来るか!」

「アンズちゃんは女の子よ~?でも良いの?コレ、コダイ君が昔着てくれたのと同じなのに……」

「な……姫がコレを?!」

「そうよ~これよりももっと可愛くてフリフリを着てくれたわ。とっても可愛かったわ~♪」

「姫が着たの物なら王たる我も知らなくては………姫が着ていた物をもっと持って来い!!」

「畏まりました王様~♪」

 

 

 アンズ担当、忍――現在20着

 ここが一番凄い。アンズも最初は抵抗していたが、未来の桃子の義理の娘だけあって『何も言わせない黒笑』が発動。

 次々と着せられる。何度も抵抗はしていたがさっきの様に言いくるめられる。それでいいの王様?貴女それでいいの?

 と言うか私が着てた女装(オシャレ)って……ゴシックロリータ系が多かった様な

 

 

 

「えっと……これで何着目ですか?」

「………大体60着位」

「コダイく~ん!これも追加ね~♪」

「こっちもよ~♪」

「桃子とリンディから追加が来たわ。サクラ15着、エル12着追加……あ、忍も追加10着来た……合計90着。1人辺り30着ね」

 

 リインフォースと私は荷物持ち。

 

「主、これ払えますか?」

「大丈夫これ位なら余裕」

 

 前の世界から換金して貰ったのが腐るほどあるし……奪ったり盗んだお金だけど。

 

「あ~楽しかった~ありがとうリーダー♪」

 

 一仕事終えたように汗を拭いながらやって来た忍、もう肌がツヤツヤすぎた。

 

「流石コダイ君ね~出会って間もない子にフラグを立てるなんて」

「え?フラグ?………何の事?」

「だってアンズちゃん、コダイ君が同じの着てたって言ったらすぐ着ようとしてたわよ?これはもう好きな子の好きな物を知りたい心理と一緒よ♪」

 

 ゴメン忍……私時々あなたの言ってる事が分らない……桃子やリンディもだけど、よくフラグフラグ言うけどさぁ―――ね?

 

「はぁ~なのはと同じ見た目なのに全然違くて楽しかったわ……また新たになのはに着せるジャンルが増えたわ♪」

「エルちゃん素直で可愛かったわ~♪プレシア、今度フェイトさんとアリシアさんを連れてお洋服買いに行きましょう?」

「良いわね、あの子みたいに素直に着てくれるかしら―――いや、着せるわ」

 

 何かなのは、フェイト、アリシアにご愁傷様とも言える様な発言をしながら残りもやって来た。

 そしてその後ろからようやく解放されたマテリアルがやって来た。

 

「まさかこの世界で着る為の服を選ぶだけでこんなに労力を……」

 

 無表情だったサクラが分るほどに疲れている。

 服装は濃いめの赤茶色……サクラのバリアジャケットの色の長袖のハイネックのセーターを着て。下は濃い青のプリーツスカートを穿いている。

 

 

「あ~楽しかった♪」

 

 終始ご機嫌のエル。

 服装は藍色より濃く半袖で丈が短いチュニックの下に薄い水色の袖が広がっている長袖のシャツを着て。下は白のショートパンツに黒のニーソックスだった。

 

 

「クッ―――我のした事があんな口車に乗せられるとは……」

 

 ようやく忍に一杯喰わされた事に気づいたアンズは悔しそうだった。

 服装は真っ白で控えめなフリルがあるワンピースに黒い薄手のカーディガン、首にはリボンの様な黒いチョーカーが付けられていた。

 

「ついでに皆のパジャマも選んだのだけど良かったかしら?」

「大丈夫よ桃子」

 

 そう言えば寝間着忘れてた……私はいつもワイシャツだったから。

 

「よし……次はリインフォースちゃんね!」

「は、はぃ?!私なのか!?」

 

 子供服を会計していると。

 桃子の目が光り、リインフォースをロックオンした。

 

「私ははやて達と買った物があるから十分で―――」

「桃子さん私はガーリー系(※女の子らしい、可愛い系)がいいと思います!!」

「って人の話を聞け!!」

 

 忍がリインフォースの言葉を遮る様に挙手した。

 

「いえ、ここは『大人』と言う武器を最大限利用してセクシー路線で―――」

「誰が良いと言って……主!彼女達を止めて―――」

 

 いつの間にか桃子と忍の近くにいたプレシア。

 リインフォースが止め様としているが―――

 

「全く何考えているのよ、下手に飾ると返ってマイナス。ここは初心に帰って全体的に薄味、ワンポイントだけに抑えるのよ」

 

 ここは私も参加しないと。

 

「「「流石リーダー♪」」」

 

「主ィィィィィィィィィ?!」

 

 実はマテリアルズの時に置いてきぼりを喰らって不完全燃焼だったりする。私も選びたかった……

 だから何かリインフォースが叫んでいるけど関係なし。

 

「なら皆でそれぞれ選んでリインフォースちゃんに着て貰いましょう♪」

「あ、それ良いですね♪」

「着てから選ぶのね♪」

「私も賛成♪」

 

 桃子の提案に忍、プレシア、私も参加。

 

「―――!すいません、少々お手洗いに!」

 

 次の瞬間、リインフォースが逃走を開始した……だけど―――

 

――ガシッ!!

 

「何ッ?!」

 

 サクラ、エル、アンズの3人に捕まれ拘束された。

 けど魔法は使ってない。

 

「逃がしません……」

「リインフォースもやろ~♪」

「貴様だけ無傷は許さん!!」

 

 悪意2名、好意1名って言った所だね。 

 拘束されたリインフォースを桃子が引っ張って試着室に押し込んだ。

 

「さて、試着お疲れ様。お礼にジュースを買ってあげるわ」

 

 リンディはマテリアルズを連れて服屋を出ていく。服はもう既に支払ったけど……

 

「さぁさぁ♪まずはコレを着てください!」

 

 忍がリボンを至る所にある黒と白のボーダーのセーターにデニム生地のパンツを持ってきた。

 

「これでもいいわよ?」

 

 プレシアがグレーのニットワンピース……しかも襟の後ろが大きく開けていて背中を見せる奴を持ってきた。

 

「あ、私のは最後で良いわ♪」

 

 私のは白いハイネックのセーターにベージュと茶色のチェックのミニスカートに焦げ茶色のストッキングね?

 

「そこまでして貰う必要は「リインフォースちゃん」桃子?」

 

 桃子が先程のからかう笑みから少し寂しそうな笑みに変わり、リインフォースの講義が止まった。

 

「コダイ君の家族になるんでしょ?なら遠慮なんかしたらダメよ……折角近くにいるのに心が離れちゃうわよ?コダイ君も遠慮しなくていいって言って無い?」

「そ……そうだが」

「そうよ、家族が遠慮なんかしたらダメよ甘える時に甘えないと―――」

 

 桃子と続いてプレシアが同じ表情で言う。

 流石経験者と言った所ね。プレシアの場合色々あったけど、桃子はなのはが私に出会う前の頃、士郎が大怪我で入院して翠屋の切り盛りでなのはに構ってあげられなかったと言ってたしね……

 

「そうそう、遠慮なんかしたら『遠慮しちゃダメ』」

 

 と言ってリインフォースの鼻先を突く。

 

「―――って命令しちゃうぞ♪」

 

 上目づかいでリインフォースを見る……と言っても身長差でどうやっても上目がちなるけど。

 

「あ………主コダイ―――その…………」

 

 少し考え込んだリインフォースが暫くして…………

 

「お…………おねがい……します」

 

 顔を真っ赤にして小さな声で答えた。

 

「「「「喜んで♪」」」」

 

 桃子、忍、プレシアと声と揃えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、食器などの日用品は桃子達が入居祝いとして購入してくれた。家具は最後に皆で回りながら選んで私が購入。

 リインフォースも若干緩和したのか最初より強く遠慮することが無くなった。あとは時間の問題かな?

 全部買い終えて、家まで送ってもらった。部屋はスーパーに向かう途中で事前に聞き、本人達の希望で3人1部屋のマテリアルズの部屋を作った。

 今までで見た事の無い出費である……更に凄いのは10万以上の出費なのに財布には全然影響しないと言う事である。

 元々生活費と女装(オシャレ)位しかお金を使ってないのでそこまで消費したことが無い。

 

「はい、リインフォース」

「有難う御座います」

 

 ドタバタした入居祝いの夕食も終わり、淹れたお茶をリインフォースに渡して一息ついた。

 

「何か一気に増えたね」

「まさかこうなるとは思っても見ませんでした」

「誰も思わないよ」

 

 3人一気に増えるなんて……

 今度の休みに翠屋に呼ばれている、マテリアルズをなのは達に紹介するためらしいけど私の家の方が良くない?わざわざ翠屋よりも……提案したのは桃子だから面白そうだけど。

 

「明日から色々忙しくなりそうね………特に」

 

 立ち上がり向かう先は、先日約3週間分詰め込んだ業務用冷蔵庫。扉を開けると見事にスッキリしている………

 

「これから一気に食費が増えるのね………」

 

 マテリアルズ1人辺り3人前分を余裕で食べている。因みにリインフォースと私は同じぐらいの量、普通の女性としての1人前である。

 

「大丈夫なんですか?」

「明日の分は大丈夫。一応やり繰りはしてるから大丈夫だけど……何時もの所じゃ掛かるわね。どこかに業務用スーパー無いか桃子に聞いてみよう」

 

 冷蔵庫の扉を静かに閉めた。




頭翅様、松影様、シーザス様、感想を有難う御座います

~次回もお楽しみにしてください~

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