魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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前々回から数日後、なのは達が魔法の事を話した後の話です。
もう大人コダイが完全お母さん化に……



A's日常編
今日は温泉~……ってアレ?私どっち入ればいいの?byコダイ


――ピーンポーン♪

 

 八神家のインターホンを鳴らす。

 闇の書の事件が終わり数日が過ぎた。

 相変わらず私の体は大人のまま、なので服が無くて当初は少し困った。なんせ体系が似てる人が居ないものだから……

 それで仕方なく何着か自分で作ることに、その所為ですずかに誘われたクリスマス会には行けなかった、と言うかこの体でいけないしね。

 みんなの前に姿を現したのは、なのはが家族とかに魔法の事を話した時ね……大人になった理由は未だに分らないって事にした。大体ジュエルシードとか闇の書とか取り込んでいる時点でどれが原因がか分らないって……

 なのはとフェイトは正式に局員になるらしい。アリシアも本格的に魔法の勉強をしていて、リニスもアリシアのデバイスを製作中らしい。

 

 

「は~い!どなたですか~?」

「シャマル、私~」

「コダイ君ですね、今開けるわ~」

 

 玄関の扉が開くと、まさにお出かけ前と言った感じのシャマルが中に入れたくれた。

 

「今日はありがとうねコダイ君」

「いいよいいよ、あの中で私ぐらいだったし」 

 

 今日は、魔法関係者との親睦を兼ねて温泉旅行。参加者は高町家、テスタロッサ家、八神家からは全員。アースラ組からは、リンディとクロノとエイミィとユーノ。月村家からはすずかと忍とノエルとファリン。バニングス家からはアリサ……どうやら両親たちが急な都合で来れなかったらしい。

 その代り宿泊先の旅館を貸し切りにしてくれたけど……

 総勢26人での旅行なので流石に足が沢山必要で士郎、ノエル、リンディ、プレシアだけでは足りなかったので都合よく大人になった私が(偽造した)免許を見せて八神家の送迎兼運転手役を買って出た訳。

 車椅子も乗せられる車を月村家から借りて早速八神家の迎えに来た。

 

「……にしても今日のコダイ君、一段とオシャレね~」

「それはもう女装だもん」

 

 今着ているのは、白いハイネックのノースリーブにジーンズ生地のショートパンツ、ブラウンの膝下まであるロングブーツ。上着は赤のタータンチェック柄のパーカーを着崩して着ている。(着方はシュタインズ・ゲートの牧瀬紅莉栖と同じ)

 髪型は後ろで三つ編みで1つにしている。

 

「みんな、迎えに来たよ」

「あ、コダイ君、ありがと」

 

 シャマルに案内されてやってきたリビングではやてがシグナムに抱えられて車椅子に座っている所だ。

 はやての足の麻痺の原因である闇の書の影響はもう無くなっている。だけどアリシアを蘇生させた時と同様に直ぐ歩ける訳でも無い、要リハビリである。

 足が治り次第魔導師になって管理局に入局する見たい。理由としてはなのはとフェイトとアリシアと似たような理由……う~んこれは早い内に何とかした方が良いかな?

 『誰かの為に』って言うのが一番強くて危険な力だから……私の場合自業自得で済むけどあっちは必要以上に背負い込むしね……

 今はとにかくこの温泉を楽しまないと♪

 

「家の前に車止めてるから荷物運んじゃって」

「分った、リインフォース、ザフィーラ」

「ああ……」

 

 シグナムとリンフォース、無言で頷いて人型になったザフィーラが纏められている荷物を車に運んで行く。

 

「コ……コダイ!」

「ん?」

 

 呼ばれて振り返ると。のろいうさぎを抱き締めて顔を半分ほど隠しているヴィータがいた

 

「ぉ……おはよ」

「おはよう」

「っ………シ、シグナム達の手伝いしてくる!」

 

 そういって一目散に走っていくヴィータ………この姿になって間もない頃はまともに見てくれなかったけど最近ようやく声を掛けてくれる様になった。

 これはあれかな?急に姿が変わったからどう接していいか分らない的な――――ってまんま小動物じゃんそれ。

 

「あらあら♪」

「ヴィータはホンマかわええ~な~」

 

 それを見てたシャマルとはやては楽しさと嬉しさ半々といった笑みを浮かべていた。

 何か知ってるみたいで聞いてみたら『すぐ分る』って声を揃えて言ったけど未だに分らない―――もういいや、ほっとこ。

 

「ギルおじさま、こんにちわ♪」

 

 私はリビングで寛いでいるギルおじさまに声を掛けた。

 

「その『おじさま』って言うのはやめてくれないか?」

「え~呼び捨てやさん付けより良いと思うんだけど~」

「でもコダイが言うとアウトな匂いがするな~」

「そうそう……何か危険な感じの」

 

 そういっておじさまの両脇から茶々を入れるロッテとアリア。

 実は闇の書の事件の後、リンディとギルおじさまの会話をこっそり聞いた。

 辞職してはやてが大人になったら話すとか言いだしたから『DEATH NOTE Vol.44』で辞職を阻止して、はやての所へ無理やり連れてった………人に酷い事をしたら謝るのが普通でしょ?

 今まで自分がした事を話したギルおじさまにはやては『今まで援助してくれてありがとうございました』と微笑んだ。恨みもしないのは、はやてらしいと思ったよ。その後守護騎士達もリーゼ達も謝り合戦みたいのが始まって最後には普通に笑っていたよ。

 その事もあってか今じゃお爺さんと孫みたいな感じ、リーゼ姉妹も時々遊びに言ってるらしい。

 ギルおじさまとクロノ達が手回してくれたお陰で、守護騎士達は形だけの保護観察が決まり管理局への従事で済んだ。今日温泉旅行に行けるのもその手回しのおかげ。

 

「それじゃあ行ってきます、グレアムおじさん」

 

 今日ははやて達の見送りの後すぐに本局に行かないといけないらしい。闇の書の関連の事後処理とこっそり教えてくれた。

 

「行ってらっしゃい、楽しんでいくんだよ?」

 

 そんなお爺さんと孫みたいなやり取りをして笑っているはやてとギルおじさま………ここの世界の人間って本当に順応性高いね。

 

「う~しばらくコダイと会えないのさびしいよ~」

「コダイ~寂しくなったらお姉さんが相手してあげるからね~」

 

 わざとらしい口調で両側から抱き着いて擦り寄ってくるロッテとアリア。

 

「……え~っとアリアさんにロッテさん?何でそんなにコダイ君に抱き着いとるん?」

「え?……羨ましい?」

「あ、いや!そう言うのもあるんけど……確か2人ってコダイ君の地雷踏み抜いて殺されかけたんとちゃう?」

 

 言われてみれば……管理局が一歩遅ければ食べられてた(物理的な意味で)はずなのに。

 

「え…………まぁ……それはそれ、これはコレと言うことで」

「でも……あの時エロくコダイに迫られた時は……ちょっと興奮したかにゃ~」

 

 何か取り繕う様に歯切れの悪い言い訳を始めるアリア、そして何か変な事をカミングアウトをしたロッテ。

 

「仕方ないさ……コダイ君は2人の――――」

「わ~!お父様ストップ!!」

「それは言わない約束にゃ~!」

 

 ギルおじさまが何か言い始めた途端、私から離れてギルおじさまを揺すり始めるリーゼ達。

 う~ん……思い返してみれば、クロノとか……話に聞いただけだけどユーノも狙われそうになったって言ったけど……私もそっち系?もしかしてあの2人女神(ロリショタコン)と同類?

 

「トキガワ、荷物運び終わったぞ」

「ん、じゃあ早速行っこか?」

「「おー!」」

 

 はやてとシャマルが元気よく手を上げる。

 ギルおじさま達に見送られて、集合先の翠屋に向かう。ちなみに席順は……

 運転手は私、助手席にリインフォース。

 後ろはヴィータ、シャマル、はやて。更に後ろにシグナム、ザフィーラ(人型)と言った感じ。

 翠屋に着くともう皆準備が出来ていて、直ぐに旅館を目指して出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「コダイ君、今日は引率どうもありがとう」

「どういたしまして。温泉なんて半年振りね~」 

 

 運転中、八神家を代表してはやてがお礼を言った。

 全員差異はあるけど和気藹々とした雰囲気、これから始まる楽しい旅行に期待を膨らませている。

 

「トキガワ、温泉とは何だ?銭湯みたいな奴か?」

 

 シグナムが興味津々と言った感じで聞いてくる。

 そう言えばはやてから聞いた話だとお風呂好きらしいね……

 

「銭湯みたいに入浴が目的じゃないから種類は多くないよ?えっと………湯治って知ってる?肩こりや疲労回復や美肌とかそんな効能のある湯があって、事件後の私達やはやての足には丁度いいんじゃないかな?」

「そ、そうなのか……」

 

 バックミラー越しで見たシグナムの顔が緩んでいる、きっと長風呂になりそうだね……

 

「良いわね~私、肩が凝って仕方ないのよ」

「お前もか?実は私もだ……特に何もしてはいないのに……」

「そうそう気づいたら凝っちゃっているのよ」

 

 シャマルがわざとらしく自分の肩を揉んで、リインフォースと肩こり談義を始めた。

 

「それはしゃあないやろ、シャマルもリインフォースもそんな大きいオッパイしとるんや、肩の1つや2つ凝るやろな~羨ましいわ~」

「わわわわ我が主?!一体何を言って―――」

「シグナムは大きさと張り、シャマルはナイスな感じ、リインフォースはバランスの良さやな」

 

 顔を真っ赤にしてはやての方を見るリインフォース、出てきて間もないからはやての煽り耐性が出来てないみたい……

 顎に手を当ててしたり顔のはやて、多分眼鏡とか掛けそう。

 

「ありがとうございます……でも、ここではそういう事は―――コダイ君も一応男の子だし……」

 

 褒められている部分が部分なので照れ気味でチラリと私を見ながら返すシャマル。

 

「別に良いわよシャマル。私も女装(オシャレ)で時々胸とか作っているから肩こりになるの分るし」

「待てトキガワ……オシャレで何故胸を作る必要がある?」

 

 リインフォースが真面目な顔で言ってきた。そう言えばリインフォースには言って無かったね。

 

「女装はオシャレよ?胸を作るのは時々だけど」

「そうなのか……時と共に変わっていくものだな」

「待て待てリインフォース、そこは否定するところだ!!」

 

 真剣に考え込んだリインフォースにすかさずツッコミを入れたシグナム。

 

「≪なぁ知っとるかコダイ君、シグナムはプニプニでシャマルはフワフワでリインフォースはフニフニやで?≫」

「≪その感想からして全員調査済みね~いつの間に?≫」

 

 何処がとは言わないけど。

 

「≪寝とる間にモミモミ~っと≫」

 

 手をワキワキさせているはやて。

 もし足が治ったらセクハラの被害が拡大しそう……私には関係ないから良いけど。 

 

「ヴィータ、ザフィーラ、さっきから喋って無いけど気分とかどう?」

「ん、問題ねーよ」

「大丈夫だ」

 

 短く答える2人、バックミラーで見たけど特に顔色は大丈夫見たい。

 

「気分悪くなったりトイレ近くなったら行ってよね?この先休憩所とか結構遠い――――」

 

 

 

――ブロロロロロロ!!!!

 

 

 

 その時、私の車を掠める様に車が猛スピードで横切った。

 

「って危ねーなあの車!!!」

「あ~どうやら走り屋見たいやね。いややわ、レース物読んでその気でなって人に迷惑かける人」

 

 驚いて半ギレになっているヴィータ。口調は変わらずともトーンで腹に来ているのが分るはやて。

 

「何があってもアッチの自業自得だ、気にするなトキガワ……」

「うん、大丈夫よシグナ――――」

 

 

 

――ブオォォン――!!

 

 

 

 また猛スピードで車がスレスレで横切った………これ一応借り物なんだけど?

 

「ト、トキガワ、将が言ってた通り気にせず運転を―――」

「何言ってるのリインフォース、私は気にして無いわよ♪」

「だ、だったらその背後に見え隠れしている殺気で出来た防衛プログラムを何とかしてくれ……」

 

 防衛プログラム?私が取り込んだから私の力の一部になったのかな?

 と言うかリインフォース、顔が青いわよ?

 

 

 

――ブオォォン――!!ブッブー!!

 

 

 

 へぇ……今度はクラクション追加ですか?

 

 

 

「オラァ!!ノロノロ走ってんじゃねーぞクソアマがぁ!!邪魔なんだよぉ!!!」

 

 

 

 更に罵声に排気ガスを浴びせるオプション付き……もうこれは……

 

 

 

 ヤッても良いのよね?

 

「全員シートベルトしてるわよね?なら何かに捕まってなさい。吹っ飛んでも知らないわよ――」

 

 アクセルを踏み込んでさっき抜いていった車を追撃し始める。

 

「トキガワァァァァァアアアアア!!!スピード出し過ぎだああああああ!!!!」

 

 助手席のリインフォースが叫ぶ。けどそんなの知ったこっちゃ無いわよ。私は女関連の悪口が嫌いなのよ……(『ルール違反や犯罪はバレなきゃいい』参照)

 

「うおおおおお!いけー!やっちまえー!!」

「煽るなヴィータァァァァァアアアアア!!!!」

 

 アレに真っ先に苛立っていたヴィータが応援してくれる。と言うか楽しそう。

 それを必死に叫んで止めようとしているシグナム……あんな慌てた顔初めて見たかも。

 そうしている内にあっという間にさっきの車に並走した。流石月村家の車ね……馬力が凄いわ。

 

「速いだけで調子に乗ってんじゃ無いわよこのそ(ピ―――)野郎」

 

 窓を開けてさっきの男に罵倒で返す。

 

「何言ってるんだああああああ!!!やめろおおおおおおお!!!!」

 

 猛スピードで走っているためGで座席に張り付いた状態で叫ぶシグナム。

 

「なぁシャマル、そ(ピ―――)って何だ?」

「シャマル分るか?そ(ピ―――)って」

「ヴィータちゃんとはやてちゃんは知らなくても良いです!!」

 

 無邪気に聞いてくるヴィータとはやてに真っ赤になって答えているシャマル。

 あ、ドリフトでまた抜かれた……けど同じくドリフトで喰らい付いて直ぐ後ろに詰めた。

 

「月村家のこの化け物と私の技術―――見せてあげるわ」

「それただのミニバンだろ?!ザフィーラ!!何とかして止めるぞ!!」

「無理だ!!身動きが取れない!!!」

 

 後ろを取ったのは良いけど流石走り屋……なかなか抜かせてくれないわね…………ん?あの先のカーブは………仕掛ける。

 カーブ手前相手が減速した瞬間、アクセルを踏み込み最高速にして車を抜き去りカーブへと突っ込む。

 

 

「ちょっ……コダイ君カーブ目の前!!!このままやとぶつかるで?!」(はやて)

 

「何だ?!何する気なんだ?!」(ヴィータ)

 

「トキガワァァアアア!!ブレーキィィィィィ!!!」(リインフォース)

 

「いやああああああ!!!まだ死にたくないいいいいい!!!」(シャマル)

 

「こうなったらレヴァンテインで!!」(シグナム)

 

「待て!!ここで魔法を使ったらマズイ――!!!」(ザフィーラ)

 

 

「心配ご無用。こういう道路には雨でのスリップ防止の雨水溝があるのよ。そこに片輪を―――」

 

 

 

――キィィィィイイイイイイ!!!

 

 

 

 カーブに差し掛かる直前に雨水溝に片輪をわざと入れて、遠心力に対抗してスピードを落とさずにカーブをクリアする。

 

「コダイ今のギガすっげーな!!」

「ありがとうヴィータ♪どうやらここらへん走り屋が多いみたいだし……今後の安全のために黙らせるってのも手ね……」

「よっしゃ行ったれー!!!」

「ぶっちぎれー!!」

 

 はやてとヴィータの要望通り再加速。

 

「このまま首都高制覇よ」

「ここ首都高じゃないですよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 シャマルの魂のツッコミが車内に響いた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけ~

 

 このコダイの暴走は後に走り屋の伝説を全てミニバンで塗り替えたと語られる……

 

 ちなみにはやてとヴィータとシャマル以外喋っていなかったのは。リインフォースは気絶。ザフィーラは諦めて静観、シグナムはツッコミ疲れだった……




頭翅様、桜日紅葉雪様、シーザス様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください~

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