魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~   作:メガネ

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後編です……コレが書くのが辛かった。


追憶………白い■

 あの子が人を殺し始めて1年………肉体は『能力』で性別を戻したけど、薬の影響で特徴は男だが体系やら骨格が女性の寄りになってしまった。

 白い髪は膝まで伸び、着ている服は白一色の全身白ずくめ、全てが完璧な黄金比で整えられた人形の様な美しさを持つまでに成長したが。目と耳と鼻を覆う様に顔に巻いてある包帯が異質を放っている。

 あの子の狂気は日を追うごとに重く、大きくなっていった……

 誰かに教わった訳でもない……覚えた訳でもない……あの子は『殺す』事に関しては物凄い力を発揮する。武器何かいらない……あの『能力』もいらない……全部素手で殺して来た。

 あの子にとって人間はだたの醜い肉塊なだけ……躊躇も容赦も微塵の無く嬲り殺せる。

 けど…それだけじゃまだ普通だ……あの子の狂気は此処からだ。

 

 

 

 

 

 

――グシャ…パキャ……グチュ……ボリッ……

 

 

 

 

 

 

 

 あの子が壊れていると言っても■と違ってまだ生物だ……飢えもある……だけど世界に拒絶されたあの子がまとな物を口に出来るはずが無い……

 だからあの子は……自分が殺した人間を食べる。

 肉や臓物を齧り…骨をかみ砕き…血を啜る……残るのはただの血だまり……あの子はこの一年こうやって生き延びた……殺して……喰らう……

 僅か一年の間に1000以上喰らい続けたあの子は化物と呼ばれる様になっていた……頭が潰れようと、心臓が刺されようと、狂ったあの子がそんな物を認識できるはずも無く、再び人を殺して喰らう……

 

 

 

 

 

 あの子が化物と言われてもそれでも良かった……あの子はまだ生きている。それだけで■の生きている意味だったから………

 

 

 

 

 

 

 

 …………けど……やっぱり世界は■でさえも拒絶した……

 

 

 

 

 

 

 

 その日はよく覚えてる……ある戦争に割り込んで何時もの様に殺して食っていた。

 殺すたびに食べているとほかの肉塊に邪魔をされる………だからあの子は予め全員殺そうと考えた。

 逃がさぬ様に足を潰し、腕を引き千切り、内臓を引きずり出して、骨を1本1本苦痛を与えながら抜き取る。食べやすい様にと次々と人を肉塊としていく………

 

 

 

 だけど、それがあの子の死ぬ一因となってしまった。

 狂って『人が肉塊』に見えてしまうあの子が『肉塊にした人』を見てしまったら?

 

 

 

 

 

 血だまりに沈む肉塊…………だけどあの子には……ただの人間へと形を変えていく。

 

 

 

――ア………ハハ………ハハハハ………

 

 

 

 この日初めてあの子は……人を『殺したと』自覚した……根が優しいあの子がコレを耐えられるはずが無く……

 

 

 

 

 

 

 

――アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 あの子は完璧に壊れた―――壊れていくのを止められなかった。誰よりも近くにいるのに手を伸ばして触れる事も出来なかった……今日と言う日ほど体が無い■を恨んだ覚えは無かった……世界は『トモダチ』を棄てた。

 その先がどんなに底抜けで滅茶苦茶になっていようと……悲鳴を上げて逃げ回るなどと言う選択肢も無く。いつか積み重なった狂気の重さに理性が屈する、その日まで。

 それが――『トモダチ』に唯一残された選択肢だった、どんなに汚れようと……狂気に染まり……スガタを変えても―――

 

 

 

 

 

 

 

 

――名前をあげる……

 

 

 

 

 

 

 

 

 先ほどの狂った笑いは何処へ行ったのか分らない程落ち着いた声だった……

 

 『古代(コダイ)……ボクの父さんと、母さんの名前を合わせたんだ……』そう嬉しそうに言った……

 

 あの子の母親の名前は確か古町(こまち)……父親は真代(ましろ)って言った筈だ………でも何でそんな事を今?……と思ったらもう遅かった……

 

 

 

 

 

 

――コダイ……ゴメンね……

 

 

 

 

 

 

 

 その言葉と同時に■は意識を失った………

 

 

 

 

 

 

 

 次に目が覚めると……何故かその場で倒れていた………状況を確かめるために起き上がる…………『起き上がったのだ』……

 体の無いのに何故?………と下を見下ろすと……

 

 

 

 

 

 

 

 その体は………あの子の体だった……それと同時に……

 

 

 

 

 

 

 

 あの子―――ツキトが死んでその代わりに私がこの体を動かしていると分ってしまった…………今まで私がいた所に穴が開いた様な感覚がした……

 

 

 

 あの子がいたから私が居るのに―――

 

 あの子が嬉しそうだから笑えたのに―――

 

 あの子が苦しそうだから悲しめたのに―――

 

 あの子が傷つくから怒れたのに―――

 

 あの子が居なくなったら何も意味が無い………

 

 

 

 だから私は全て失った………残っていたのはただ『殺したい』という本能(しょうどう)だった―――だからただ人を殺して……

 

 

 

 

 

 

 

 殺して……殺して……殺して……殺して……殺して…殺して…殺して…殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して

 

 

 

 後に『殺人姫(さつじんき)』と呼ばれるぐらい人を殺した……

 

 

 

 世界が滅亡する寸前までただ殺した…………




過去編終了。詳しい事はA's編終了後に書きます。

コダイはツキトがオリジナルでは無く、ツキトが『トモダチ』として創った全くの『別人』です。

アマデウス様、liqueur様、桜日紅葉雪様、アキ様、シーザス様、感想を有難う御座います。

~次回もお楽しみにしてください……~

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